速く、遠く、高く――人間はどこまで記録を伸ばせるのか。世界的なビ ッグイベントを機会に、運動用品メーカーは水着や靴、シャツなどの技術 日、選 手の記 録づくりを 支 えるメーカーの奮 闘 開発にしのぎを削る。テレビ東京系列の日経スペシャル「ガイアの夜明け」 ( 毎 週 火 曜日放 送 )は を追う「リオで勝つ!〜スポーツメーカー水面下の攻防〜 」を放送する。 本特集では世界記録の推移と技術開発の歴史を探ってみる。 用品メーカーは新しい素材を開発し、選 で逆転するのも可能かもしれない。運動 るだろう。わずかな力量の差なら、道具 同士なら、道具で勝敗が決まる場面はあ があるのは確かだ。同じ力を持った選手 も、道具で記録や勝負が左右されること 「スポーツの勝敗は道具次第である」 ――というのは言い過ぎであるにして し水の抵抗を低減する。 くし、さらに圧迫することで体積を減ら 低抵抗の水着で体を締め付けて凹凸をな 体表面を小さくする方が有利になった。 をできるだけ多く隠し、水と直接触れる す、と全く逆の状況になった。水着で肌 新素材を開発し水着で水の抵抗を減ら らに進化する。2000年代に入ると、 手の側もメーカーの新商品の開発に協力 本来、人間の筋力やフォームなどの能 力で競う水泳競技が素材やデザインに左 する。 右されるのでは、本末転倒ではないか。 行き過ぎた「道具」の競争に歯止めを かけるため、国際水泳連盟は 年に素 大きな世界大会を控えて、陸上競技で はスピードが出る靴の開発、水泳競技で は水着の開発などでメーカー間の競争が 初の9秒台は生まれるのでしょうか? がかかるバドミントンの奥原希望選手。彼女のラケットは、 バ 一方、 今年3月の全英オープンで優勝し、 金メダルの期待 ドミントン用具では後発のミズノが作ることになりました。 使用するのは独自のカーボン技術。実はミズノはカーボン 技術に定評があり、 最近ではETCバーや腕時計のベルトな スポーツメーカーがこの4年間で進化させてきた技術を 競う場でもあるリオ五輪。番組では、 普段なかなか見られな マラソンの世界記録をみると、 年2 時間5分 秒、 年2時間4分 秒、 している。 ことで足の負担を軽減するなどの工夫を ーでは地面と接する際の衝撃を緩和する と靴との一体感を向上させ、別のメーカ の糸で靴を編み上げるという新技術で足 目につく。あるメーカーでは一本の化繊 「通気性」でアイデアを競っているのが 陸上競技で話題を集める靴の開発で は、長距離走向けの新製品が「軽量化」 ある。 間の競争が忘れられてしまいそうなので 細かい。そうまでしなければ本来の選手 を0・5ニュートン以下とする――など さは最大0・8ミリとする。浮力の効果 ら膝までとする。素材は、繊維のみ。厚 そを超えず、膝までとする、女子は肩か ば、水着が身体を覆う範囲は、男子はへ い開発現場に密着しました。ぜひご覧ください。 秒、 年2時間3 年2時間3分 秒、 秒、 年2時間 秒と着実に向 の進展もあるのだ んトレーニング技術 上している。もちろ 2分 分 年2時間3分 年2時間4分 秒、 ないだろう。 が、長距離走用の靴の技術革新も見逃せ 選手の記録更新サポート 59 07 02 55 14 材、デザイン面で規制をかけた。たとえ しょうか? 13 57 過熱してきた。激しいレースの裏側で、 新素材を使用するといいます。果たして、100mで日本人 一方、短距離走では、 年にU・ボル トが9秒 の記録を打ち立てて以来、こ 国際陸上競技連盟のデータから作成 もう一つの競争が繰り広げられているの である。 特に水泳は水の抵抗をいかに減らすこ とができるか、材質やデザインに工夫が 加えられ、見た目にも大きな変遷があ る。 1920年代の写真をみると、男子も 現在の女子と同じ、上半身から下半身を 世紀半ばに 覆う古風なデザインである。背中も布で 覆われた一体型だ。材質は 絹から綿へと移行した。その後、男子は 腰だけを覆うパンツ型になった。布の部 分を小さくして水の抵抗を減らす発想 だ。 材質は 年代に化学繊維の時代に入っ た。綿よりはるかに伸縮性のあるウレタ ンやナイロンを使い、体に密着して水の 抵抗を低減する効果を上げた。 どにも使われているほど。一体、 どんなラケットになるので に期待している。 クロスメディア営業局 企画・制作=日本経済新聞社 ◇ し、感動の瞬間を招くことを観衆は密か する。見えないところでメーカーも挑戦 もちろん、「記録は破られるために ある」。新記録が出て、見る者は感動 め手になるようだ。 に筋力や走法などの選手の能力の方が決 かと期待してしまうが、どうもそれ以上 が記録向上にもっと貢献するのではない 離走は靴の反発性能向上などの技術革新 の記録に近づく選手は出て来ない。短距 09 の開発に乗り出しました。強度と軽さを併せ持つ、 画期的な 13 14(年) 11 07 08 09 08 は繊維メーカーの東レと手と組み、 これまでにないシューズ 2時間3分 38秒 2時間2分57秒 男子マラソン 38 彼が履くのはアシックスのシューズです。今回、 アシックス 2時間3分 23秒 2時間3分59秒 2時間4分 26秒 23 でなくスポーツメーカーにとっても最大のPRの舞台です。 2時間4分55秒 03 陸上短距離用のシューズをつくる、アシックスの田崎公也さん 陸上世界記録の推移 26 リオで勝つ! しかし水の抵抗を減らすアイデアはさ 新素材・製品の開発相次ぐ 過熱するメーカー間の競争 38 競技の映像が世界中に流れるオリンピックは、選手だけ 9.5 2時間 6分 2時間 5分 2時間 4分 2時間 3分 2時間5分 2時間5分 42秒 38秒 9.58 9.69 58 小林 史憲 氏 テレビ東京「ガイアの夜明け」プロデューサー 09 9.74 9.77 9.79 05 2002 03 1999 男子100m 10.0 (秒) 20 11 12 陸上短距離でリオ五輪の代表に選ばれた桐生祥秀選手。 抵抗減、軽量化、通気性 アイデアでしのぎを削る 7月12日(火) の放送は スポーツ用品の技術革新 〜スポーツメーカー水面下の攻防〜 60 企画制作グループ・山口 (株)エナジー・櫻田 7 月 10 日・M・ガイアの夜明け 192 回・10 段・1 割・1 校 テレビ東京「日経スペシャル」連動広告企画 第192 回 「キーワードで読むガイアの夜明け」はテレビ東京系列で放送中の番組 日経スペシャル「ガイアの夜明け」 と連動した広告紙面企画です。 番組の見どころとともに、 キーワードを解説します。
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