授業科目名 国際企業法務 担当者所属・ 法学研究科 教授 <英訳> Legal Problems relating to International Business Transactions and Corporate Activities 職名・氏名 配当 学年 1・2回生 単位数 2 開講年度・ 2015・ 曜時限 火4 開講期 前期 西谷 祐子 授業 使用 講義・演習 形態 言語 日本語 [授業の概要・目的] 本授業においては,国際取引をめぐる多様な法問題について,具体例を挙げながら,どのような法 規範が存在し,どのような紛争解決手段があるかを解説する。国際取引に関する法源は多岐にわた るが,問題領域ごとに重要なポイントを押さえることで,国際取引法の基本的な考え方と構造を理 解してもらうことを目的としている。 [到達目標] (1)国際取引の基本的な仕組みと関連する法制度の内容を理解する。 (2)取引当事者の視点から,国際取引に特有の法的問題を認識したうえで,リスクを管理するた めの多様な方法を理解する。 (3)裁判官や弁護士等の視点から,国際取引紛争に関して,適切な法的根拠を示したうえで,一 定の結論を説明できる基礎的能力を習得する。 [授業計画と内容] 第1回 国際取引法とは何か 授業の初めに,国際取引法の対象と範囲を明らかにする。そして,国際取引に関する法源の多元性 を示し,統一法の現状とその適用根拠,国際私法による準拠法の決定について解説する。 第2回 契約準拠法の決定と適用 「法の適用に関する通則法」7∼10条の解釈及び適用について,裁判例及び比較法を踏まえて検討 し,為替管理や競争制限等に関する強行法規の適用問題も論じる。 第3∼第4回 国際売買 「国際物品売買契約に関する国連条約」(ウィーン条約:CISG)の適用根拠,契約の成立,売主・ 買主の権利義務に関する準則について,民法・商法及び諸外国の法制と比較しながら検討する。定 型的取引条件としてのインコタームズについても解説する。 第5回 国際運送・保険 海上運送及び航空運送について,各々国際海上物品運送法及びモントリオール条約を中心に解説し, 国際複合運送にも触れる。また,貨物海上保険も取り上げる。 第6回 国際的支払・信用状 外国送金,荷為替手形(D/A又はD/P条件),荷為替信用状と統一規則(UCP)について論ずる。 第7∼第8回 国際的企業活動 ①国際私法による会社の従属法の決定(設立準拠法主義)及び民法・会社法等による外国会社に対 する規制(外人法上の規制)について解説する。また,②国際的企業活動について,生産物責任, 代理店・販売店,技術移転,投資,プラント輸出について個別に検討する。 第9回 国際金融取引 国際ローン,国際的証券発行(ユーロ債),債権譲渡(ファクタリング)を中心に解説する。 第10回 国際知的財産法 国際企業法務(2)へ続く↓↓↓ 国際企業法務(2) 知的財産権の条約による保護と属地性,知的財産権侵害,並行輸入を中心に解説する。 第11回 国際競争法と世界貿易機関(WTO) ①米国・EU・日本の競争法の域外適用,②WTOの紛争解決手続と実体的ルールを取り上げる。 第12∼第14回 国際取引紛争の解決手続 ①訴訟手続について,主権免除(外国等に対する我が国の民事裁判権に関する法律),国際裁判管 轄(民訴3条の2以下),外国判決の承認執行(民訴118条,民執24条),国際訴訟競合を中心に論 ずる。②国際商事仲裁について,仲裁合意・仲裁手続・仲裁判断の準拠法(仲裁法13条以下),外 国仲裁判断の承認執行(同45条以下,ニューヨーク条約)を中心に論ずる。③国際倒産(破産法4 条及び245条以下ほか;外国倒産処理手続の承認援助に関する法律)も扱う。 [履修要件] 本科目は,法科大学院との共通科目である。したがって,法律に関する基礎的知識を習得している ことが履修要件となる。 [成績評価の方法・観点及び達成度] 成績は,70%を筆記試験の成績によって,30%を平常点によって評価する。なお,4回以上授業を 欠席した場合には,単位取得を認めない。 [教科書] 松岡博(編) 『レクチャー国際取引法』(法律文化社,2012年) [参考書等] (参考書) 澤田壽夫ほか(編著) 『マテリアルズ国際取引法〔第3版〕』(有斐閣,2014年) 高桑昭 『国際商取引法〔第3版〕』(有斐閣,2011年) 佐野寛 『国際取引法〔第4版〕』(有斐閣,2014年) [授業外学習(予習・復習)等] 教科書の該当箇所を読んで予習する。授業においては,レジメ及び教科書等に基づいて基本的かつ 重要な事項について解説をするが,それを踏まえて,具体的な事例等を素材として質疑応答を行う ため,十分に準備しておくことが望まれる。 (その他(オフィスアワー等)) ※オフィスアワー実施の有無は、KULASISで確認してください。
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