(2012/12/07)【協賛】の会告を掲載

兵庫県立大学 Cat-on-cat 新規表面反応研究センターシンポジウム 2012
「触媒反応と表面科学的反応解析の接点を探る」
主催 兵庫県立大学 Cat-on-cat 新規表面反応研究センター
共催案 兵庫県立大学高度産業科学技術研究所・産学連携機構、兵庫県放射光ナノテク研究所、触媒学会西日本支部
協賛案 近畿化学協会、日本化学会近畿支部、日本表面科学会関西支部、日本真空学会関西支部、応用物理学会関西支部、兵庫工業会、ひょう
ご科学技術協会、表面技術協会関西支部、未踏科学技術協会、日本真空工業会関西支部、日本工業技術振興協会、新産業創造研究機構、
日本分析化学会近畿支部、日本分光学会関西支部、日本質量分析学会、日本放射光学会、日本物理学会大阪支部・京都支部、分子科学会、
ナノ学会、原子衝突学会、日本材料学会関西支部、日本複合材料学会関西支部、有機合成化学協会関西支部、炭素材料学会、無機マテリ
アル学会中部支部、日本吸着学会、ゼオライト学会、日本粘土学会、兵庫県中小企業団体中央会
兵庫県立大学大学院物質理学研究科では、3つの中核的研究領域において研究センターを設立し、研究科の更なる
発展を図ろうとしています。そのひとつである「Cat-on-cat 新規表面反応研究センター」では、表面および表面近
傍で起こる触媒作用に関わる物理的・化学的現象を総合的にとらえ、新たな表面反応の科学を開拓しています。さ
らに、表面科学現象の研究手法を一般的な化学反応の解析に応用し、特に表面反応の特異な性質が触媒反応全体に
およぼす影響を明らかにすることに注力しています。これらの知見は直接触媒科学として活かされるほか、新しい
素材や材料開発から大型建造物の劣化検討まで、ほとんどすべての製造業に対して波及効果が期待できます。2011
年度には、触媒学会ファインケミカルズ合成触媒研究会主催の「ファインケミカルズ合成触媒国際会議 C&FC2011」
が奈良で開催されたのに合わせ、そのポストシンポジウムを昨年 12 月に姫路で開催しました。本年度は、新規な表
面科学現象の解析に焦点を当て、触媒反応と表面科学的反応解析の接点を探るシンポジウムを開催いたします。
Cat-on-cat は触媒上の触媒(catalyst on catalyst)を表しており、新しい触媒を象徴しています。本シンポジウム
は、そのような新しい触媒科学と表面科学との関わりを議論するための統合的なプラットフォームであることを特
徴としています。この機会に企業の皆様と学内外の研究者に広くご参集いただき、異分野融合によって新しい表面
反応研究を推進する契機となることを祈念しております。
日 時:
場 所:
参加費:
2012 年 12 月 7 日(金)10:00-17:00 ~ 8 日(土)9:00-15:20
兵庫県立先端科学技術支援センター 〒678-1205 兵庫県赤穂郡上郡町光都 3 丁目1-1
一般 5000 円、学生 2000 円
シンポジウムプログラム案
12 月 7 日(金)
10:00-10:05 開会の挨拶
Cat-on-cat 新規表面反応研究センター長
杉村高志
10:05-12:05 招待講演・一般講演
14:00-16:00 招待講演・一般講演
16:15-17:00 特別講演
17:30-19:30 懇親会
12 月 8 日(土)
9:00-10:00 招待講演・一般講演
10:00-11:30 ポスター発表
13:30-14:30 招待講演・一般講演
14:30-15:15 特別講演
15:15-15:20 閉会の挨拶
兵庫県立大学大学院物質理学研究科長 高橋慶紀
申し込み締切り: 平成 24 年 11 月 9 日(金)
申し込み方法: 電子メールにて下記にお申し込み下さい.
(1)「Cat-on-cat シンポジウム 2012 申込み」,(2)氏名(ふりがな),(3)連絡先(勤務先または自宅住所
(〒付記)
,Tel,Fax,電子メール),(4)参加区分(特別講演、招待講演、一般講演、ポスター発表の別)
尚、講演予稿は次ページのテンプレートをご使用の上、申込みの電子メールに添付してください。
申し込み先(担当実行委員)
:
〒678-1205 兵庫県赤穂郡上郡町光都3丁目1‐2 兵庫県立大学高度産業科学技術研究所
春山 雄一
Tel/FAX:0791-58-0474/0791-58-0242 E-mail: [email protected]
会場の案内: 兵庫県立先端科学技術支援センター
〒678-1205 兵庫県赤穂郡上郡町光都 3 丁目 1-1 Tel:0791-58-1100
アクセスマップ http://www.cast.jp/access/index.html
① JR西日本「相生」駅から神姫バス「SPring-8」行に乗車「県立大理学部」下車. ② 駐車場無料
特別講演・招待講演・一般講演・ポスター発表(不要の発表形式を削除してください。)
超音速窒素分子線で誘起される Al(111)表面の
窒化反応解析
〜高輝度軟 X 線放射光による高分解能光電子分光〜
1
兵庫県立大院物質理学、2阪大院理、3産総研
田中浩二1、鈴木俊夫2,3、斎藤義弘3
【はじめに】窒化アルミニウム(AlN)はヒートシンク材としての用途のほかに、紫外フォトダイオード、圧電
センサーなど多機能材料として注目されている。N2分子と金属アルミニウムは反応しないため、AlNの製造にはス
パッタリングやプラズマCVDなど様々な方法が研究されている。我々は超音速N2分子線(SSNMB)を用いて金属アル
ミを室温でもN2分子のみで直接窒化できることを見出した。この方法により、従来は困難であったAlN極薄膜の形
成制御が安全・安価に可能となりつつある。また、このAlN極薄膜形成過程を軟X線シンクロトロン放射光を用い
た高分解能光電子分光法(SR-XPS)により分析した結果、反応温度が 473 Kの場合に最表面から 1 nm程度の深さま
でN原子が拡散することが分かり、膜質は反応温度に依存することが分かった。本研究では、反応温度が 300 K
から 623 Kの範囲でSSNMBをAl(111)単結晶面に照射し、膜質が反応温度にどのように依存するかについて調べた。
さらに各反応温度で作製した極薄膜を段階的に 773 Kまで加熱して薄膜の熱変性についても評価した。
【実験方法】全ての実験は SPring-8 の BL23SU に設置した表面化学実験ステーション(SUREAC2000)で行った。ま
ず、Al(111)清浄表面を 300 K から 623 K までの温度範囲の中で所定の温度に保ち、並進運動エネルギー:2.0 eV
の SSNMB を段階的に照射し、その都度 SR-XPS で Al2p、O1s、N1s 光電子スペクトルを測定した。その後、そのよ
うにして作製した AlN 極薄膜を 300 K から最大 773 K まで段階的に加熱し、SR-XPS 測定を行うことで極薄膜の熱
変性を評価した。
【結果と考察】我々は安全で安価なN2ガスを超
音速N2分子線としてAl(111)清浄表面に照射す
ることで、300 Kから 623 Kの範囲で並進運動エ
ネルギー1.8 eV以上でAl(111)面を直接窒化す
ることに成功した)。AlN結晶ではN原子とAl原子
の最大配位数は共に 4 であるので、N1s内殻光
電子スペクトルに 4 つの成分を仮定してピーク
フィッティングを行った。図 1 に各反応温度に
おけるAlN膜の成長とN原子回りのAl配位数のN2
供給量依存性を示す。全ての温度で 3 配位のN3成分が支配的である。小さな確率で解離吸着し
たN原子は表面あるいは表面近傍を拡散して安
定な吸着サイトを形成し、そこにN2分子がさら
図 1 各反応温度(423 K, 473 K, 573 K, 623 K)におけるN原
に衝突することによって解離吸着が促進され
子回りのAl配位数のN2供給量依存性
ると推測される。
【本研究の特長】本実験装置では半導体・金属などの固体(板状、粉状)表面が酸素ガスや窒素ガスと化学反応
して時々刻々薄膜が形成されていく様子を反応ダイナミクスにまで立ち入ってリアルタイムでその場観察する
ことができます。