15 周年記念講座 - NPO高齢期の住まい&暮らしをつなぐ会

発行日 2015 年 12 月 25 日
〒169-0075
3416 FAX03-3367-3426
東京都新宿区高田馬場 4-11-5 三幸ハイツ 201 電話 03-3367-3416
15 周年記念講座
自覚を促す内容をフォーラム
をフォーラム型で
理事長
井上亮子
会はこの 2 月、15 周年を迎える。おおぜい
の人の関わりをつないできた積み重ねの 15
科学運営が地域密着型にも事業を拡げ、私た
ちも「上布田つどいの家」と「高根台つどい
年。老いてひとり暮らしが困難になった時の
住まいをつくる任意団体として 1997 年に出
発した。女性や高齢者の一人住まいが敬遠さ
の家」の誕生に関わった。私たちの住み替え
先に賃貸住宅やグループホームが加わり、小
規模多機能型居宅介護サービスを使って暮
れていた時代である。特に、子育てや介護は
女性=妻、嫁、娘が担うのを当然とした時代
にあって、そのモデルに当てはまらない女性
たちが自律した老後をめざした市民運動で
らすことが現実になった。このことは以後、
らすことが現実になった。この
大きな展望をもたらす。それは住まいの形か
ら離れて、老いて最期を迎えるまで準備よく
暮らすための 4 つの生前契約が新たに課題と
ある。日本はすでに高度経済成長の後始末に
追われ、少子高齢社会が人びとの将来の暮ら
が人びとの将来の暮ら
しに不安を広げ始めていた。国は 1989 年「高
齢者保健福祉 10 か年戦略」のもと在宅サー
してクローズアップできたからである。一つ
は財産管理の委任契約、二つ目は認知能力が
低下した時の任意後見契約、三つ目は終末期
医療についてあらかじめ意思表示しておく
ビスの整備を本格化させていた。2000 年には、 リビングウィル(尊厳死宣言)、そして四つ
介護の社会化をめざす介護保険制度、市民の
めは資産相続についての遺言書。最近では、
非営利活動を促す NPO 法人制度、認知症の人
遺品整理・葬送・お墓などの死後事務の委任
の人権を保護する成年後見制度など高齢者
の自律を促す 3 つの制度をそろえた。
2001 年、NPO 法人格を取得して活動は広が
った。住まい手のたすけ合いをベースに、暮
らしのサポーターがいて、地域社会ともつな
がる「福祉マンション」の開設をめざした。
その事業のパートナーが、㈱生活科学運営
である。「ライフ&シニア港北」、「日暮里コ
契約が五つ目に加わってきた。5項目がそれ
ぞれ別の事ではない。さらに「住まい」の選
択が大いに関係する。住まいと暮らしはつな
住
がる。この会の名称を変えたゆえんである。
高齢者の住まいが足りない。いま高齢者住宅
市場が猛烈な再編・変容が始まった。そして
介護・医療の財源不足は相変わらずで頼りな
い形で進んでいる。
ミュニティ」、「友だち村」、そして名古屋、
京都、大阪方面まで含めて 13 もの有料老人
相談や対話のできる友だちが必要だ。時代
の変化を自覚することも大事だ。そんな根拠
ホームを誕生させた。しかし 2006 年頃から
有料老人ホームの開設については、各地方自
治体が抑制施策を執り、福祉マンションづく
りはほとんど休止状態に陥る。一方、㈱生活
から、1 月から始まる 15 周年記念講座を企画
した。理事会ではプロジェクトを設けて準備
してきた。講師の問題提起を受けて老い支度
を具体化してください。お楽しみに。
「親も子も 幸福な介護とは」セミナーレポート
セミナーレポート
10 月 31 日 京都キャンパスプラザ
「幸福な介護」
」への道
関西支部 大手理絵 理事
いた夫が、
夫が、
「妻の介護について人に全く話せ
ず抱え込んでしまった」と、
ず抱え込んでしまった」と、本人が語った
貴重な映像です。極端な例ではありますが、
極端な例ではありますが、
介護虐待や殺人は珍しいものではなくなっ
現政権の「一億総活躍社会」でも「「介護離職を無
くす」が取り上げられるなど、やっと介護者問題
介護者問題が表
に出てくるようになりました。そこで立命館大学准教
立命館大学准教
授の斎藤真緒さんに、介護の現状とその
とその問題点につ
てきており、その解決にあたっては、行政
の解決にあたっては、行政
だけではなく、周辺の理解と協力がど
周辺の理解と協力がどうし
ても必要といえるでしょう。
こういう介護者のためのピアサポート(同
いて、そして、ご自身の経験を含め、
、現役で仕事を
持つ世代にとっての介護負担について
について実感のこもっ
たお話をいただきました。
第1部
斎藤さんの講演から一部を紹介
紹介
◆介護の問題:新しい面と古い面
日本は今や平均寿命、高齢
者数、高齢化のスピードのい
ずれにおいても断トツの社
じ立場どうしの支え合い)として、各地で
介護者支援が始まっています。
第2部
グループワークより
介護を幸福
幸福に進めるには
会の後半は、①介護の現状と悩み、②幸
福な介護のために必要なことの二つをテー
マに、参加者全員が小グループに分かれて
それぞれの意見を述べ合いました。
今回のセミナーでは、斎藤
今回のセミナーでは、斎藤さんが関わっ
斎藤真緒さん
会です。しかし、そういった
新しい状況に対して、
「高齢者は家族で介護
するもの」という古い慣習と概念
慣習と概念が残って
います。また、同時に「少子化」
時に「少子化」が生じて
きたために、この慣習が通用しなくなって
て来られた「男性介護者と支援者の全国ネ
男性介護者と支援者の全国ネ
ットワーク」のメンバーが
」のメンバーが 3 人参加してく
ださりました。「母
きています。
兄弟姉妹の数が減り、親子の同居も稀に
なり、婚姻・出産の年齢が上昇し、独身者
の比率は増加。こうして生まれたのが老老
親を介護する息子」
「妻を介護する夫」
などそれぞれの立
男性介護者の会 左から
林さん、朝田さん、山内さん
場からも、想いを共
有する場の重要さを伺うことができました
伺うことができました。
最後に、話し合いの中で考えたことを付
介護、認認介護、遠距離介護、ダブルケア
(夫妻でそれぞれの親を介護)、サンドイッ
チケア(親を介護しながら子どもの世話)
ヤングケアラー(親世代の都合で孫世代が
介護)などの新しい介護の形です。
介護)などの新しい介護の形です。私は、
実際に遠距離介護とサンドイッチケアを経
箋に書いて張り出し、全員でそれを共有し
箋に書いて張り出し、全員でそれを共有
ました。その中には「世代間のギャップを
埋める」
「『助けて』と言える地域の関係」
「人
間が栄養」といったコミュニケーションの
験しました。
◆家族介護をめぐる問題点
現状の介護保険制度では、
は、
「在宅」で介護
することを基本にしており、家族に何らか
ており、家族に何らか
の負担がかかることになります。また家族
も「親の介護に対する義務感」から離れる
重要性を訴えるコメントも見られました。
どんなに微小であっても、一人一人が介
護と何らかの関わりを持つことで、知識と
支援が広まり、悩む人が減っていく、そう
いうことを実感させられたセミナーでした。
ことができず、現実と制度の乖離がいろい
ろな問題を生み出しています。
例としてあげたのは、九州でおきた配偶
者による「介護殺人」を扱ったテレビ番組。
ボランティアなどで人との交流を続けて
第2部の話し合い
2
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