「動物介在箱庭」から読み取れる 児童の動物観について 帝京科学大学 理工学部 アニマルサイエンス学科 田中 美佑季、 渡辺 祥平、 花園 誠 はじめに・・・ 本学アニマルサイエンス学科では、 児童に対して動物介在教育を行なっている 児童の知育・徳育を目的としたもの 環境・理科教育 情操教育 動物福祉教育 動物介在箱庭の実践 1 児童 発達 動物介在箱庭 ? 完成 大人 「山梨県動物愛護デー」 イベント 日時:平成16 年9月23日(木) 時:平成16年 23日(木) 10: 10:00~ 00~14: 14:00 所:山梨県動物 愛護センター 所:山梨県動物愛護センター 本学の参加:職員 1名、学生9 本学の参加:職員1 名、学生9名 「青少年のための科学の祭典 山梨大会」 対象: 3歳~12 歳の児童 歳~12歳の児童 日時:平成16 年11月 時:平成16年 11月21日(土) 22日(日) 日(日) 22 10: 10:00~ 00~16:00 所:山梨県立科学館 所:山梨県立科学館 本学の参加:職員 1名、学生9 本学の参加:職員1 名、学生9名 対象: 1歳~13 歳の児童 歳~13歳の児童 2 材料 ○特注アクリルケージ 大・小 ○ジャンガリアンハムスター ○ハムスター飼育用具 全て市販のもの 1.人間・擬人化したネズミ・ペット 2. 野生動物 3. 乗り物・ロボット 4.自然的なもの 5.食べ物系 6.人工物 3 ブースレイアウト・ 作製の流れ 作製 ハムスターの 世界を作ろう!! 写真 箱 ビデオ ビデオ バケツ 玩具 箱 バケツ 玩具 ビデオ バケツ 玩具 箱 アンケート 児 童 学 生 ブルーシート 作製手順 ○児童1人 児童1人に学生1人が付く ○アクリルケージを一つ児童に与える アクリルケージを一つ児童に与える 手順 1.大・小アクリルケージをどちらか一つを選択させる 2.「ハムスターの世界を作ろう」というテーマを与える 3.箱内に自由に玩具を 置かせる 3.箱内に自由に玩具を置かせる 4.作ったケージにハムスターを入れる 5.手直しの自由を与える 4 アンケート結果 (1)利用児童数 115名(男子 55名・女子 60名) (2) 年齢分布と性別 年齢による性比 18 16 14 12 人 10 数 8 6 4 2 0 男 女 1 2 3 4 5 6 7 8 年齢 9 10 11 12 13 (3) ハムスターの飼育経験 個人利用 なし 93 あり 22 計 115 ハムスターの飼育経験 100% 93 50% 22 0% 無し 有り 個人利用児童 5 動物視 肯定 中間 擬人視 動物視 対象物 (ハムスター) 否定 中間 擬人視 無関心 動物視 肯定 中間 擬人視 動物視 対象物 (ハムスター) 否定 中間 擬人視 無関心 6 肯定・動物視 作成児童:11 歳 女の子 作成児童:11歳 牧草、チップ→ 牧草、チップ→滑らないように 丸太、BOX→ 丸太、BOX→隠れるところ 家→寝るところ ブランコ、回し車 →運動するところ 食べ物あり ハムスターのことを考えた 空間作り 動物視 肯定 中間 擬人視 動物視 対象物 (ハムスター) 否定 中間 擬人視 無関心 7 肯定・擬人視 対象児童:9 対象児童:9歳 女の子 キッチン、ベッド、トイレ などの家庭用のもの 自分が身近に使っている ハムスターとの距離が近い 動物視 肯定 中間 擬人視 動物視 対象物 (ハムスター) 否定 中間 擬人視 無関心 8 否定・中間 作成児童:12 歳 女の子 作成児童:12歳 ハムスターのおもちゃ ⇒ 仲間 ガンマン、ヘビ、ネコ ⇒ 敵 ハムスター ガンマン 鏡 猛獣 鏡 ⇒ ハムスターを 敵に見せるため (合わせ鏡 ⇒ より見えやすく) 動物視の要素 ハムスターのおもちゃ ⇒ 仲間 ヘビ、ネコ ⇒ 敵 擬人視の要素 ガンマン ⇒ 敵 鏡 ⇒ ハムスターを敵に見せるため ハムスターに対して否定的 9 動物視 肯定 中間 擬人視 動物視 対象物 (ハムスター) 否定 中間 擬人視 無関心 無関心 作成児童:9 作成児童:9歳 女の子 擬人化したネズミを 用いて、家庭を表現 関心の度合い 玩具 > ハムスター ハムスターに無関心 10 結果1. 全体の人数 80 約9割 70 60 50 40 30 20 10 0 人数 肯・動 肯・中 肯・人 否・動 否・中 否・人 無関心 肯・動 肯・中 肯・人 否・動 否・中 否・人 無関心 73 18 15 2 3 0 5 先行研究を参照し導いた 「児童の動物観」のもうひとつの分類 家族的 家庭的要素を好む 自然的 自然的要素を好む 人為的 手を加え、造りだす 人為的要素を好む 11 家族的 動物視 肯定 中間 × 擬人視 対象物 (ハムスター) 否定 自然的 人為的 「動物視」・「中間」・「擬人視」 をさらに 「家族的」・「自然的」・「人為的」 で細分する。 無関心 結果3-1 「肯定」群の細分結果 18 16 14 12 家族 自然 人為 10 8 6 4 2 0 結果3-2 飼育経験により さらに細分 動物視 中間 擬人視 擬人視 → 家族的・多 動物視 → 人為的・多 12 結果3-2 「肯定・動物視」群×「飼育経験」 14 12 10 家族 自然 人為 8 6 4 2 0 飼育経験あり 飼育経験なし 飼育経験あり → 家族的・多 飼育経験なし → 人為的・多 結果のまとめ 1.肯定 ・擬人視 → 家族的・多 ・動物視 → 人為的・多 しかし、 ハムスターの飼育経験 のある児童は 2.ハムスターの飼育経験 ・あり 肯定・動物視 → 家族的・多 ・なし 肯定・動物視 → 家族的・少 ハムスターの飼育経験は、家族的態度を強める 13 考察 し 1. 飼育経験は「家族的態度」を強化する 飼育経験は動物との心理的距離を減少させる 2.「動物介在箱庭」により 児童の動物に対する心理的距離が計れる。 このことはその児童の心情を理解した 適切な飼育方法の指導を可能にする。 動物福祉指導に有用 謝辞 本研究を行なうにあたり、 御協力下さいました多くの方々に心から 御礼申し上げます。ありがとうございました。 ご清聴ありがとうございました 14
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