進化について(pdfファイル)

進化について
「進化」の歴史と「進化」という概念の進化
18世紀以前
「創造説」
すべての生物をつくったのは神で、それがその後
何の変化もなく現在に生き続けている。
「すべての生物は紀元前4004年に創造された」
アイルランドの大司教 J.アッシャーが17世紀に聖書の記述
に基づき計算
19世紀
ラマルクがはじめて種の変化主張
・「用不用説」と「獲得形質の遺伝」
ダーウィンの「種の起源」(1859年)
・「個体の変異」、「自然淘汰」、「適者生存」
ダーウィンの進化論の問題点
個体の変異が如何に種全体に波及するのか?
ダーウィンの「進化論」→「進化はゆっくり」
20世紀
ド・フリースによる突然変異の発見
W.ベイトソンによる「進化論の修正」
個体の変異は突然起こる
しかし、種に有利になる変異はほんの少しである
ことがT.H.モーガンによって証明された。
集団遺伝学の誕生
ハーディ・ワインベルクの法則
生物集団内でランダムな交配があると特定の
遺伝子型が世代を超えてほぼ一定に現れる。
生物集団の変異を数学的に処理できる
小さな集団で突然変異が起きれば、
急速に種全体に波及する。
総合進化説
ここまでの「進化」という概念の問題点
1.突然変異では有利な変化は非常に少ない
→ 偶然に頼れるのか?
2.適者のみが本当に生き残れるか?
→ 運次第では?
3.小さな変異がどうして大きな進化につながる
のか?
→ 進化の方向性は?
4.生物はそれほど大きな変化がない
→ シーラカンス、カブトガニやゴキブリは?
論点の整理
1.遺伝子の安定性
2.目的論と機械論
3.偶然と必然
4.獲得形質は遺伝するのでは?
5.連続か不連続か?
新しい進化の考え方
連続共生説
好気性菌
原始細胞
ミトコン
ドリアを
含む細胞
細菌(鞭毛をもつ)
動物細胞
原始鞭毛
細胞
植物細胞
リン・マーグリスの説(真核細胞進化説)
進化の要因が細胞に取り込まれるという概念
ワトソン、クリック(1953年)
DNAが発見され、遺伝子であることがわかる
突然変異が有利に作用しないのは当然
木村資生の中立進化説につながる
動物行動学 (C.ローレンツ)
ハチやアリの社会性 ← DNAが規定している
利己的遺伝子仮説(ドーキンス)
遺伝子のどの構造が生物の利己性
を規定しているのか?
それがどのように動植物の行動に
作用するのか?
等々 仮説というより思想のレベルか?
ウイルス進化説
遺伝子組み換え技術でスーパーマウスや
ヌードマウスがつくられる。
レトロウイルス(RNAウイルス)により
外来遺伝子が細胞内に取り込まれる
遺伝子の種間水平移動が可能
生物の進化と環境産業の進化
進化の特徴(まとめ)
環境産業への模倣
1.「自然淘汰」
→ 「市場占有」
2.「適者生存」
→ 「ニーズとの適合」
3.「獲得形質の遺伝」
→ 「新製品の普及」
4.「突然変異」
→ 「革新的技術の開発」
5.「集団遺伝学」
→ 「小さな集団が有利」
6.「細胞内共生」
→ 「産業間連携」
7.「利己的遺伝子」
→ 「営利追求」
8.「DNAと動植物の行動」
→ 「環境産業戦略の決定」
9.「ウイルス進化説」
→ 「新技術の業種間共有」