国と企業の責任を求めて 北海道建設アスベスト訴訟の到達点 建交労北海道本部 書記長 俵 正好 被害者 24 人が提訴 北海道建設アスベスト訴訟は、二〇一一年 4 月 25 日に札幌 地裁に提訴し、これまで 12 回の口頭弁論が開かれています。 原告数は昨年 12 月に追加提訴した原告をふくめ 24 人(患 者単位)です。 原告本人尋問はじまる 3 月 10 日には、1月に続いて原告本人尋問がおこなわれま した。 この日は、肺がんの再発の不安とたたかっている原告1人と、アスベストで父や夫を奪 われた遺族原告 3 人が証言しました。 遺族原告の一人は「父は『胸が痛い』と受診して中皮腫と診断され、4 回の手術を受けた が 2 年足らずで亡くなった。若いころ 2 年あまり働いた設備会社の仕事でアスベストを吸 ったのが原因だった。初孫の顔が見たいという願いがかなわず、悲しく悔しかったと思う」 と述べました。 勤医協細川医師が証言 裁判は昨年7月までに原告側の主張(国と建材メーカーの加害責任)を終え、昨年 10 月 には北海道勤医協の細川誉至雄医師の証人調べがおこなわれました。 アスベストの患者 84 人を診てきた細川証人は、アスベストの医学的所見と患者の苦しみ を具体的に証言しました。 札幌地裁ではこのあと引き続き 5 月 27 日、7月 19 日、10 月7日に原告本人尋問がおこ なわれます。 首都圏訴訟とともにたたかう 北海道の訴訟に先行する「首都圏建設アスベスト訴訟」では、二〇一二年 5 月に横浜地 裁で「国もメーカーも責任なし」とする不当判決が出されましたが、同年 12 月の東京地裁 判決では「国の責任」を認め、メーカーについて「警告義務」を怠ったことを認めました が、賠償を命ずるまでは至りませんでした。 これら二つの訴訟は東京高裁でのたたかいが続いており、5 月には追加提訴が予定されて います。
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