事業再生士補(ATP)資格試験 2012/5/20 法律 問題1) 以下の内容において、間違っているものを一つ選択してください。 ① 再生企業がリスケジュールを申請した場合、金融機関においては単独では貸付条件の変更 等に応じることが困難な時には、直ちに謝絶するのではなく、信用保証協会等の保証を付 保した上での貸付条件の変更等が可能かどうか検討している。 ② 金利減免債権とは約定条件改定時において、当該債務者と同等な信用リスクを有している 債務者に対して通常適用される新規貸出実行金利を下回る水準まで当初約定期間中の金利 を引き下げた貸出金である。なお、債務者の経営再建又は支援を図ることを目的として金 利を減免した場合には、金利水準の如何に関わらずリスク管理債権として開示の対象とな る。 ③ 銀行では法的整理でも債権放棄による私的整理でも明確な倒産処理を行い、被る損失を確 定すれば自己資本比率の低下を招くなど場合によっては銀行自身の信用力をも揺るがす可 能性がある。そのため、銀行は倒産処理による損失確定を避け、追貸しや債権放棄の実施 によって、企業の延命を図り、問題を先送りする可能性がある。 ④ 地域再生ファンドに関して、地銀を中心とする地方金融機関が果たしている役割として、 出資、人材派遣、案件紹介、債権売却、運用会社と再生計画の相談・ノウハウの共有、サ ービサー会社の設立などがあげられる。そのため、地方金融機関は債権売却のみに役割を 限定していない。 ⑤ 金銭債権の流動化・証券化取引においては、サービサーが債務者から受領した回収金を、 サービシング契約に定めるところに従い、一定期間ごとに信託受託者等に引き渡すという 手順がとられるが、回収金を引き渡す前又は引き渡した直後に、サービサーにつき倒産手 続開始の申立てがなされた場合等に、信託受託者等が回収金相当額の引渡請求権について 優先的な権利を主張することができず、結果的に回収金全額の支払を受けることができな い、いわゆるコミングリング・リスクが存在する。 事業再生士補(ATP)資格試験 2012/5/20 法律 問題2) 以下の内容において、間違っているものを一つ選択してください。 ① 私的整理ガイドラインは会社更生法や民事再生法などの手続によらずに、債権者と債務者 の合意に基づき、債務について猶予・減免などをすることにより、経営困難な状況にある 企業を再建するためのものであって、一般的な私的整理ののうち、限定的なルールを定め たものである。 ② 私的整理ガイドラインが想定している企業の再建は、会社更生法や民事再生法などの手続 によるのが本来であるが、これらの手続によったのでは事業価値が著しく毀損されて再建 に支障が生じるおそれがあり、私的整理によった方が債権者と債務者双方にとって経済的 に合理性がある場合のみ、私的整理ガイドラインによる私的整理が限定的に行われる。 ③ 私的整理ガイドラインによる私的整理は、債権者に債務の猶予・減免などの協力を求める 前提として、債務者企業自身が再建のための自助努力をすることはもとより、その経営責 任を明確にして、株主(特に支配株主が存在する場合にはその支配株主)が最大限の責任を果 たすことを予定している。 ④ 私的整理ガイドラインによる私的整理では、債権者が預金等受入金融機関の場合、その手 続で定められた再建計画には、原則的な法的拘束力があるものとされる。したがって、欠 席した対象債権者が預金等受入金融機関の場合には、債務者は法的倒産処理手続の申立て をせずに事態の収拾を図ることも可能となる場合がある。 ⑤ 諸般の事情により、特定調停手続を利用した方が、 合意成立の可能性が高いと見込まれ、 かつ出席対象債権者の大方が特定調停によるのが相当としている場合などに、特定調停手 続と私的整理ガイドラインを併用することが考えられる。特定調停が成立したときは私的 整理は終了するが、特定調停手続における調停委員会の斡旋の結果、合意成立の見込みと なったときは、私的整理を成立させた上で調停を取り下げるという運用もあり得る。 事業再生士補(ATP)資格試験 2012/5/20 法律 問題3) 以下の内容において、間違っているものを一つ選択してください。 ① 弁護士費用などの直接倒産費用および法的整理の長引きによる資産劣化などの間接倒産費 用を回避することは、私的整理のメリットである。したがって、再生ならば法的整理より も私的再生が望ましいとされるが、債権放棄や金利減免や返済猶予といった債務リストラ 措置を講じて企業の過剰債務を解消させねばならず、これは必ずしも容易ではない。 ② 債権放棄の場合に取引銀行は自己の負担を軽くしようと交渉を繰り返すことがよく見られ る。公募社債残高が多い場合には、数多くの小口社債権者は交渉のテーブルに着くことす らない。したがって、私的整理の成否を決める要因の一つは、交渉の難易度であり、その 難易を決める要因は、大口債権者と小口債権者の構成、すなわち企業の債務構成である。 ③ 債権放棄に応じるかどうかは銀行のインセンティブに依存する。法的整理に踏み切っても 大きな損失をこうむらなければ、銀行は債権放棄に難色を示す。法的整理においては担保 債権が厳格に保護されるため、担保融資割合が高ければ高いほど、銀行は私的整理のため に多額の債権放棄に応じる可能性が高くなる。 ④ 金融機関の債権放棄による私的整理において、金融機関は債権の無担保部分または担保割 れの部分だけの放棄に応じることがあるが、無担保債権を放棄すると背任の罪に問われか ねないため、無担保融資の割合は、債権放棄による私的整理と法的整理の選択に影響を及 ぼす要因の一つと考えられる。 ⑤ 法的整理のデメリットは、ブランド・イメージの低下による企業価値毀損が激しい点であ る。ただし、再生案や更生案が裁判所に認可されると、当事者全員が従わなければならな いため、大口債権者も小口債権者も債権カットに応じなければならない。したがって、法 的整理の下で小口債権者の債権カットの交渉の手間を省くことができるという面もある。 事業再生士補(ATP)資格試験 2012/5/20 法律 問題4) 以下の内容において、間違っているものを一つ選択してください。 ① 民事再生手続は経済的苦境に陥った会社について、裁判所の監督の下に、事業を継続しな がら再建を図る手続であり、裁判所から選任された監督委員の監督の下、利害関係人との 調整を図りながら、会社の再建を図ることになる。そのため、債権手続きの最中も、従来 と変わらず継続した営業を行い得る。 ② 民事再生手続は概ね申立後 1 週間程度で民事再生手続開始決定が下され、債権届出期間、 債権調査期間、再生計画案の提出期間などの手続のスケジュールは、民事再生手続開始決 定時に裁判所が決定する。それまでは、裁判所からの保全処分命令発令により、資産の流 出を防止しつつ、裁判所により民事再生手続開始原因等の調査が行われ、手続の開始が相 当と認められた場合には、裁判所により、民事再生手続開始決定が下される。 ③ 民事再生手続開始決定後は、債権調査手続によって、再生債権の金額などを確定し、その 後、再生企業は定められた期間内に再生計画案を提出し、債権者の賛否を問う投票を行う。 投票の結果、再生計画案が否決されても、裁判所により再生計画が認可されると、再生計 画の定めにしたがって弁済等を行うことになる。 ④ 経営陣は民事再生手続中において、引き続き事業運営に参画することができる。今後の事 業運営及び債権調査等の手続を迅速かつ円滑に行うために、経営の連続性を維持すること が重要なためである。その後、時期をみてスポンサーの意向も踏まえて体制を検討するこ ととなる。 ⑤ 民事再生手続における再生債務者は、債権届出期間内に届出があった再生債権について、 その内容及び議決権についての認否を記載した認否書を作成し、裁判所に提出する必要が ある。そして、再生債務者は、再生債権者から再生債権の届出がなされなかった場合であ っても、その再生債権があることを知っている場合には、その再生債権の内容等を「認否 書」に記載する必要がある。これは会社更生手続には存在しない自認の制度である。 事業再生士補(ATP)資格試験 2012/5/20 法律 問題5) 以下の内容において、間違っているものを一つ選択してください。 ① 更生手続開始決定時に、現経営陣に不正行為等の違法な経営責任の問題がないこと、主要 債権者が現経営陣の経営関与に反対していないこと、スポンサーとなるべき者がいる場合 にはその了解があること、現経営陣の経営関与によって会社更生手続の適正な遂行が損な われるような事情が認められないこと、という要件を満たせば、開始決定において現経営 陣から管財人を選任することがある。 ② 更正手続開始、破産手続開始又は再生手続開始の申立てがあった場合に、裁判所は保全管 理命令を発することができる。保全管理命令が発せられた場合には、債務者の財産関係の 訴訟手続は中断し、訴訟の内容によって中断した手続を保全管理人が受継することができ る。 ③ 会社更生手続は、日本国内で開始した会社の財産についてのみ効力を有するため、債務者 の在外財産は日本での会社更生手続開始決定によって何ら影響をうけない。したがって、 更生管財人は海外所在の財産に対する管理権を持たないのであるから、民事訴訟手続きに 限らず強制執行手続き等の中断も生じない。 ④ 債権届出期間、債権調査期間、更生計画案の提出期間などの手続は、更生手続開始決定時 に裁判所が定める。それまでは裁判所からの保全管理命令及び調査命令の発令により、保 全管理人に会社の財産管理処分権が移転し、保全管理人を中心として事業を継続しつつ、 裁判所に選任された調査委員により、更生手続開始原因・財産状況などの調査が行われる。 ⑤ 手続の開始が相当と認められた場合には、裁判所が更生手続開始決定を出す。また、更生 手続を進める管財人の選任も裁判所が決定する。更生手続開始決定後は、債権者からの債 権届出書の提出および債権調査手続によって、更生債権の金額などを確定する。その後、 管財人は、定められた期間内に更生計画案を提出し、裁判所が認可する。 事業再生士補(ATP)資格試験 2012/5/20 法律 問題6) 以下の内容において、間違っているものを一つ選択してください。 ① 大口債権者、とりわけ銀行・保険会社の債権割合が高ければ高いほど私的再建が選択され やすく、金融機関の債権放棄、金利減免などによる私的再建のもっとも重要な決定要因は 銀行融資に占める担保付融資の割合だということが明らかにされている。 ② 公募社債残高が高ければ高いほど法的処理が選ばれる傾向があり、小口債権者の債権額が 大きな割合を占めると、私的再建よりも法的処理が選ばれる傾向が強い。日本の場合には 公募社債よりも企業間信用などの小口債権者が圧倒的に多いことにも留意すべきである。 ③ 民事再生法は過剰債務企業の債務整理に利用される法的整理の基本手続としての運用が定 着しつつあるがDIP型を採用しており、債務者企業の経営陣は、原則として再生手続開 始申立て後も、会社の経営権(業務遂行権)と財産の管理処分権を維持しつつ事業再生へ の取り組みを継続することを認められているため、すでに関係者との間で自律的に進めて いた事業再建計画を、裁判所が関与する再生手続の中で実現していくことが可能となる。 ④ 債務者の財政状態が悪化している場合、金融機関にとっては、そのような債務者に対して 安易に追加融資を行うことには回収不能のリスクの問題があるが、融資に際して、債務者 からの担保の提供を受けていれば、当該リスクは回避できるため融資を実行することがで きる。 ⑤ 債務者が民事再生手続又は会社更生手続の開始を申し立てた後に新規融資を行う場合には、 既存の債権に比べて、優先的にその返済を受けることが可能となる。また、これら手続の 申立て後において適法に行われた担保設定行為が、後から遡って取り消されることは考え がたい。このように、金融機関は、法制度上、債務者に対して、法的整理の申立て前に比 べて低いリスクで融資を実行することが可能である。 事業再生士補(ATP)資格試験 2012/5/20 法律 問題7) 以下の内容において、間違っているものを一つ選択してください。 ① 事業譲渡とは、会社の事業の全部又は一部を他の会社に譲渡することをいう。ここでいう 「事業」とは、一定の営業目的のために組織化され、有機的一体として機能する財産・債 務をさす。従って、任意の資産・負債を単にまとめて譲渡する場合は、通常の取引と同じ であり、事業譲渡とはいわない。 ② 事業譲渡では、対象となる資産や権利・義務をひとつひとつ特定し、特定されたものだけ が譲渡されることになるので合併のように、権利・義務が一般的に承継されるわけではな い。従って、たとえ事業譲渡の対象として特定された権利・義務であっても、第三者との 契約等による権利・義務の移転には、個々に契約の相手方の同意が必要である。 ③ 事業譲渡は、買収者にとって必要な資産・契約等を選別して取得することができ、かつ偶 発債務の承継を遮断できるというメリットがある。一方、契約上の地位を取得する場合に は契約の相手方の同意を必要とすることから、手間と時間を要するというデメリットがあ り、必ずしも同意が得られるとは限らないというリスクもある。 ④ 事業譲渡は債権者保護手続も株券提供手続きも不要であるため、簡便な方法で行える組織 再編方法であるといえる。通常は事業譲渡契約締結につき取締役会の承認決議を経るだけ で済むが、重要な事業の譲渡等になれば株主総会での決議事項となるため、株主総会での 普通決議が必要となる場合もある。 ⑤ 国内売上高合計が200億円を超える会社が、国内売上高が30億円を超える会社・事業 または固定資産等を譲受けしようとする場合には、公正取引委員会に届出を行う必要があ り、届出書の受理日から30日を経過するまで事業譲渡を行うことはできないが、公正取 引委員会は,その必要があると認める場合には,30日間の事業等の譲受けの禁止期間を 短縮することができる。 事業再生士補(ATP)資格試験 2012/5/20 法律 問題8) 以下の内容において、間違っているものを一つ選択してください。 ① 合併には、対象となる会社の一つが存続会社となり、消滅会社の権利・義務を存続会社に 承継させて消滅させる「吸収合併」と、合併の対象となる全ての会社を解散して、新たに 設立する会社に承継させる「新設合併」がある。実務上は、新設合併によることがほとん どである。吸収合併では、官公庁等の許認可の再申請、改めての上場申請などが必要にな り、事務手続きが煩雑になるからである。 ② 合併により、存続会社又は新設会社は、合併の効力発生日に消滅会社の権利・義務を承継 する。従って、消滅会社が有していた資産・負債や契約上の地位は、包括的に存続会社又 は新設会社に移転することになる。 ③ 「三角合併」とは、吸収合併方式で行われる合併のうち、消滅会社の株主に対して、存続 会社の株式ではなく、存続会社の親会社の株式を交付する合併をいう。三角合併は、外国 企業が日本企業を買収(完全子会社化)する場合によく利用される。三角合併の効果は、 買い手企業が株式交換で対象会社を完全子会社化する場合とほぼ同じである。 ④ 株式交換は合併類似の組織再編として制度設計されているため、設立準拠法が異なる会社 を株式交換によって完全子会社することはできない。三角合併は、外国企業が日本国内に SPC(特別目的会社)を設立し、SPCが対象会社と合併することから、設立準拠法が 同一であり、国境を超えた買収にも使用することができるという特徴がある。 ⑤ すべての合併をしようとする会社が同一の企業結合集団に属する場合には、結合関係が形 成・強化されるものではないので、企業結合審査の対象とはならない。 事業再生士補(ATP)資格試験 2012/5/20 法律 問題9) 以下の内容において、間違っているものを一つ選択してください。 ① 会社分割は改正商法で導入された企業再編の手法で、会社の事業の全部又は一部を他の会 社に包括的に承継させることをいう。会社分割には新設分割と吸収分割があり、吸収分割 は、分割する会社の事業の全部又は一部を既存の会社に承継させる。一方、新設分割は、 分割会社の事業の全部又は一部を、新設の会社に承継させる。対価が承継会社の株式であ る場合は、分割会社は承継会社に資本参加することになる。 ② 新設分割でも吸収分割でも、対価は分割会社に対して支払われる(分社型(物的)分割)。 旧商法の下では、対価が分割会社の株主に直接支払われる分割型(人的)分割が認められ ていたが分割型分割が廃止され、対価を分割会社に支払う分社型分割を実行し、その対価 を分割会社が自己の株主に剰余金として配当する方法に整理された。分割会社の権利・義 務は、吸収分割契約又は新設分割計画の定めに従って承継会社又は新設会社に承継される。 ③ 分割会社・承継会社・新設会社は、債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 などを官報に公告し、かつ知れている債権者への各別の催告をしなければならず、官報公 告に加え、定款所定の方法によって、日刊新聞紙または電子公告により公告する場合は、 不法行為債権者を除いて、各別の催告を省略することができる。 ④ 各別の催告を受けることのできる債権者が各別の催告を受けなかったとき分割会社にも承 継会社にも履行請求できる。所定の期間内に異議を述べなかった債権者に対し、分割会社 や承継会社等は、会社分割によって債権者を害するおそれがない旨を立証しても、弁済も しくは相当の担保の提供または信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。 ⑤ 異議手続きの対象になる債権者には、分割会社に対して債務の履行を請求することができ ない分割会社の債権者、承継会社の債権者が含まれるが、会社分割後に分割会社に対して 債務の履行を請求できる債権者は異議手続きの対象にならない債権者である。 事業再生士補(ATP)資格試験 2012/5/20 法律 問題10) 以下の内容において、間違っているものを一つ選択してください。 ① 株式譲渡には、会社に対する関係では無効であるが、譲渡当事者間では有効であるという 相対効が認められる場合がある。たとえば、株券発行前になした株式譲渡は会社に対する 関係では有効であるとしているが、権利株譲渡については会社に対する関係では会社に対 抗できないだけで無効ではないとしている。 ② 公開買付けによって株券等の買付け等を行わなければならない者は、その目的、買付け等 の価格、買付予定の株券等の数、買付け等の期間その他の内閣府令で定める事項を公告し なければならない。この場合において、当該買付け等の期間が政令で定める期間より短い ときは、買付け等の期間が延長されることがある旨を明示しなければならない。 ③ 譲渡制限株式を取得した株式取得者は、株式会社に対し、当該譲渡制限株式を取得したこ とについて承認をするか否かの決定をすることを請求できるが、利害関係人の利益を害す るおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した株式の株主として 株主名簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同し てしなければならない。 ④ 譲渡等承認請求では、当該請求をする株主が譲り渡そうとする譲渡制限株式の数、譲渡制 限株式を譲り受ける者の氏名又は名称、株式会社が承認をしない場合に譲渡制限株式を買 い取ることを請求するときはその旨などの事項を明らかにしておかなければならない。 ⑤ 証券取引法では、役員等による株式の売買自体は禁止されておらず、6 か月以内の反対売買 によって得た利益の保持が許されておらず、その返還請求権が会社に発生するだけである ため、返還請求がなされなければ、内部情報による株式購入でも 6 か月経過した後に売却 すれば、処罰の対象とならない。 事業再生士補(ATP)資格試験 2012/5/20 法律 問題11) 以下の内容において、間違っているものを一つ選択してください。 ① 株式会社は、発行株式または自己株式を引き受ける者の募集するときは、その都度、募集 株式について、募集株式の数、募集株式の払込金額、金銭以外の財産を出資の目的とする ときはその旨並びに当該財産の内容及び価額、募集株式と引換えにする金銭の払込みや財 産の給付の期日又はその期間、株式を発行するときは増加する資本金及び資本準備金に関 する事項を決める必要がある。 ② 募集株式を引き受ける者に特に有利な金額で発行する場合には、取締役は株主総会におい て、当該払込金額でその者の募集をすることを必要とする理由を説明しなければならない。 この場合に行われる株主総会の決議は、株主総会において議決権を行使することができる 株主の議決権の三分の二以上を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数 に当たる多数をもって行わなければならない。 ③ 新株予約権者はその有する新株予約権を譲渡することができるが、新株予約権付社債に付 された新株予約権のみを譲渡することはできず、また、新株予約権付社債についての社債 のみを譲渡することはできない。ただし、一方が消滅した場合には他方のみ譲渡できる。 ④ 株主平等の原則との関係における種類株式の内容の限界については、同原則が会社法上明 文化されたことの趣旨に照らし、各株式の内容は同一である限り同一の取扱いがなされる べきものであり、異なる内容の種類株式については異なる取扱いができるとの理解が進ん でいる。 ⑤ ライツ・オファリング(新株予約権無償割当てによる増資)は、株主全員に新株予約権を無償 で割り当てることによる増資手法であるので、株主は新株予約権を行使して金銭を払い込 み、株式を取得することができるが、 新株予約権を行使せずに市場で売却することもでき る。 公募増資や第三者割当増資と異なり、株式を取得する権利が既存株主にその持分割合 に応じて与えられるため、既存株主の公平な取扱いに配慮した増資手法といえる。 事業再生士補(ATP)資格試験 2012/5/20 法律 問題12) 以下の内容において、間違っているものを一つ選択してください。 ① 産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法(産活法)は、我が国の産業・企 業の前向きな取組を支援するため措置された制度で、事業者が事業計画を作成し、国の認 定を受けることにより、税制、金融、会社法の特例等のメリットを受けることできる。生 産性向上を目指す事業者の計画認定について、計画類型別に、認定基準、特例措置の内容、 手続などについて様々な定めがある。 ② 事業再構築計画は産活法の計画類型の中で最も基本的な計画であり、自らの中核的事業に 対して経営資源を重点投入する、いわゆる「選択と集中」の経営により、企業全体の生産 性向上を図る 3 年間以内の事業計画が該当する。企業単位での数値目標を設定する必要が あるため、認定を受けた企業が計画期間中に存続することが前提となる。 ③ 経営資源再活用計画は他の企業から事業承継をして有効活用する計画で、承継する事業に 着目するため、事業を行っていない新設会社が申請者となることでき、事業譲渡側が清算 を予定している企業や法的整理中の企業でも活用できる。事業部門に着目するため生産性 向上の目標は承継する事業部門に属する資産などを基準に、修正 ROA などで計測される。 ④ 産活法の認定を受けた計画は、ただちに公表される。公表される資料は申請書に記載され た計画部分と、事業再構築計画の措置の内容となるが、企業の事業上の秘密に該当する部 分については、公表対象外とすることができる。 ⑤ 計画実施中に計画を大きく変更する場合には、変更申請を行い、その認定を受ける必要が ある。計画変更の際の認定基準は、当初の申請時と同じ基準が適用される。計画の実施期 間が経過すれば、計画は自然に終了する。各計画の終了時点での実施報告は、競争上の地 位に影響を与えるおそれがあっても事業者の同意を得たものについて、終了時の報告の概 要を公表する。 事業再生士補(ATP)資格試験 2012/5/20 法律 問題13) 以下の内容において、間違っているものを一つ選択してください。 ① デューデリジェンスは買収や投資の対象となる企業や事業を理解するための調査であり、 対象企業または事業の評価、潜在リスクの把握、統合・再編成功のための情報収集および 現状把握を目的として行われる。一般に、事業・法務・財務・環境のデューデリジェンス が行われるが必要により人事や税務・IT デューデリジェンスを行う場合もある。 ② 事業デューデリジェンスは事業そのものが対象となり、ビジネスモデルや業務プロセス、 事業の強み弱みや機会と脅威、市場でのポジショニングや生産設備の生産能力また経過年 数など、事業戦略の視点から投資する意味があるのか、既存事業とのシナジー効果が期待 できるのか、どのような事業計画を描けばよいのかなどの視点から調査分析が行われる。 ③ 法務デューデリジェンスは通常は法律事務所が担当し、企業の法的課題に関してあらゆる 角度から検討しリスクを精査する。たとえば、 過去の労働争議や従業員との間に法的トラ ブルがなかったか、簿外債務となっている契約はないかなどの調査を行う。将来に大きな 賠償責任が生じえる契約が存在しても顕在化していなければ大きな法的リスクがあるとは いえない。 ④ 財務デューデリジェンスは、流動比率や固定比率などの貸借対照表の評価項目や売上高経 常利益率や販管費率などの損益計算書の評価項目等の基礎情報に加え、企業価値算定につ ながる精査が行われる。キャッシュフロー、費用、減価償却費、将来キャッシュフロー、 資産譲渡など詳細にその財務状況を調べ、企業評価の基礎情報とする。 ⑤ 環境デューデリジェンスは対象事業の工場立地にかかわる土壌や水質などの環境調査、 政 府の監督官庁からの通達などの企業が抱えている環境問題に関する課題や関連法規の懸案 事項を精査する。たとえば、土壌汚染のため土壌洗浄の必要がないかなどのリスクを精査 する。 事業再生士補(ATP)資格試験 2012/5/20 法律 問題14) 以下の内容において、間違っているものを一つ選択してください。 ① 法務デューデリジェンスでは、各個別の契約を承継できるかどうかについて調査する。た とえば、支配権移転の場合に契約解除権を行使される契約、また、借り入れ契約のコベナ ンツ条項により支配権の変動により期限の利益を喪失する契約などがあるため、留意し慎 重に調査する必要がある。 ② 法務デューデリジェンスでは、財務デューデリジェンスで行われた資産や債務の法的な評 価を行う。また、財務デューデリジェンスの対処とならない簿外の特許権や商標権等の知 的財産権についても調査の対象となる。知的財産権については、その有効性や有効期限の 確認とともに譲渡の可能性や保有リスクについても検討する必要がある。 ③ 法務デューデリジェンスでは、係属中の紛争があれば、その背景や結審の見通し、訴訟に かかる費用等について調査する。また、再建計画上で予期し得る紛争、たとえば給与削減 による労働争議の発生の可能性があれば事業に与える影響度について検討する。なお、状 況により対象会社の顧問弁護士やその他の関係者へのヒアリングも重要となる。 ④ 法務デューデリジェンスでは、環境リスクを再建企業が属する業界の関連法令の順守状況 の調査から検討する。過去に当局の調査や是正勧告を受けていなかった場合でも、その使 用状況や排出状況について調査を行う。特に土地売却を検討している場合には利用履歴を 含む詳細な調査が必要となる。また、近隣住民のヒアリングも行われる場合がある。 ⑤ 法務デューデリジェンスでは、雇用契約の実態や契約の履行状況を把握するため、雇用契 約書や人事関係規定、労働組合との協定書等を閲覧し担当者へのインタビューを行う。労 使関係と今までの経緯等の確認も調査対象に含まれる。 事業再生士補(ATP)資格試験 2012/5/20 法律 問題15) 以下の内容において、間違っているものを一つ選択してください。 ① 代表取締役は定款の定めに基づき取締役会において取締役の互選で選任されているのであ るが、解任動議については、株主総会において議決権を行使することができる株主の議決 権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行わなけ ればならない。 ② 会社法では、会社と取締役との関係は委任に関する規定に従い、この委任関係について、 その任務を怠ったことにより生じた損害を賠償する責任を取締役は負っている。取締役の 任務懈怠とは、会社に対する善管注意義務・忠実義務の違反である。 ③ 分配可能額を超える配当を行った場合、株主総会に議案を提案した取締役は会社に対して 連帯して、当該金銭等の交付を受けた者が交付を受けた金銭等の帳簿価額に相当する金銭 を支払う義務を負う。その職務を行うについて注意を怠らなかったことを証明したとき、 または当該義務を免除することについて総株主の同意がある場合には免除される。 ④ 取締役が会社を代表して他の取締役に金銭を貸し付け、その弁済がなされないことになっ た債権についても、貸付を行った取締役は会社に対して忠実に履行すべき義務を負うと解 されることから会社に対する責任に含まれると解するのが相当である。 ⑤ 代表取締役が他の取締役、使用人その他下部職員の補助をえて業務執行にあたっている場 合には、一般の取締役より一層高度の注意義務を尽くして忠実にこれら補助者の所為に職 務違反がないかどうかを監視することは勿論、不当な職務の執行を阻止し、あるいは未然 に防止する策を講ずる等会社の利益を図るべき職責を有する。 事業再生士補(ATP)資格試験 2012/5/20 法律 問題16) 以下の内容において、間違っているものを一つ選択してください。 ① 破産とは、自分の収入や財産で債務を支払うことができなくなった場合、自分の持ってい る全財産を換金し各債権者に債権額に応じて分配清算して破綻した生活を立て直すことを 目的としている制度をいい、財産とは、不動産・自動車・現預金・貸金・保険の解約返戻 金、将来受け取ることのできる退職金などを含む。 ② 自己破産の申立てがされると、債務者に審尋がなされ、債務者が持っている財産だけで債 務返済ができない状態にあると認めたときに破産手続開始決定がされる。通常、破産手続 開始決定と同時に選任された破産管財人が破産者の財産を調査・管理し、これを換金し債 権者全員に配当することになる。しかし、破産手続を進めるのに必要な費用等がない場合 には、破産手続開始と同時に破産手続を終了させる決定をする。 ③ 破産手続開始決定・同時廃止の決定がされ破産手続が終わっても債務はそのまま残ること になるが、残った債務につき法律上の支払い義務を免除する制度のことを免責という。し かし、税金や罰金などの非免責債権の支払義務は免除されない。また、免責の効果は、破 産者の支払義務を免除するだけで、保証人に対しては及ばない。 ④ 破産手続が開始されると、一定の公職や資格を要する仕事へ就業できなくなるが免責許可 決定の確定により、その制限もなくなる。しかし、選挙権や被選挙権を失うことはないが、 破産手続開始決定の事実が戸籍や住民票に掲載される。 ⑤ 破産申立ては、まず法律の専門家に相談する。弁護士会や司法書士会による多重債務者の 相談センターや裁判所で申立書の説明を受けることができる。しかし裁判所では破産申立 て要否の判断の相談には応じていない。 事業再生士補(ATP)資格試験 2012/5/20 法律 問題17) 以下の内容において、間違っているものを一つ選択してください。 ① 新たな就業規則の作成又は変更によって労働者の既得の権利を奪い、労働者に不利益な労 働条件を一方的に課すことは、原則として許されない。しかし、労働条件の集合的処理、 特にその統一的かつ画一的な決定を建前とする就業規則の性質からいって、当該規則条項 が合理的なものである限り、個々の労働者において、これに同意しないことを理由として、 その適用を拒むことは許されない。 ② 就業規則の不利益変更に関する合理性の有無は、具体的には、就業規則の変更によって労 働者が被る不利益の程度、使用者側の変更の必要性の内容・程度、変更後の就業規則の内 容自体の相当性、代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況、労働組合等との交渉 の経緯、他の労働組合又は他の従業員の対応、同種事項に関する一般的状況等を総合考慮 して判断される。 ③ 就業規則の変更によって制度の改正を行う場合には、一方的に不利益を受ける労働者につ いて不利益性を緩和するなどの経過措置を設けることによる適切な救済を併せ図るべきで あり、それがないままに労働者に大きな不利益のみを受忍させることは、相当性がない。 ④ 重要な労働条件である賃金の減額・切り下げや労働時間の延長については、使用者が自由 にできるものではなく、労働者の合意や一定の手続きが必要である。賃金、労働時間等の 労働条件は、労働契約、就業規則、労働協約等により定められている。労働契約は労働基 準法等の強行法規に反していても、労使の合意により労働条件を変更することができる。 ⑤ 労働条件の変更は、労使対等の立場において合意され、また、就業の実態に応じて均衡を 考慮し、仕事と生活の調和にも配慮しつつ行われるべきものである。労働条件を不利益に 変更する方法としては、労働契約の変更のほか、就業規則または労働協約の変更が考えら れる。 事業再生士補(ATP)資格試験 2012/5/20 法律 問題18) 以下の内容において、間違っているものを一つ選択してください。 ① 普通解雇は整理解雇、懲戒解雇以外の解雇で労働契約の継続が困難な事情があるときに限 られ、たとえば、勤務成績が著しく悪く指導を行っても改善の見込みがないとき、健康上 の理由で長期にわたり職場復帰が見込めないとき、著しく協調性に欠けるため業務に支障 を生じさせ改善の見込みがないときに行われる。 ② 整理解雇は経営悪化により人員整理を行うための解雇で、整理解雇するに客観的な必要が あること、解雇を回避するために最大限の努力を行ったこと、解雇の対象となる人選の基 準や運用が合理的に行われていること、労使間で十分に協議を行ったことのいずれも満た す必要があるが、懲戒解雇は従業員が極めて悪質な規律違反や非行を行ったときに懲戒処 分として行うため、就業規則や労働契約書にその要件を具体的に明示しておけば足りる。 ③ 解雇を行うときには 30 日前までに解雇の予告をする必要がある。口頭による解雇予告は有 効であるが、解雇通知書による解雇日と具体的理由の明記が望ましい。一方、予告なしに 解雇する場合は最低 30 日分の平均賃金を解雇予告手当とし、解雇日までに 30 日以上の余 裕がないときは、解雇の予告をしたうえで、30 日に不足する日数分の平均賃金を支払う。 ④ 懲戒解雇が有効か否かは、最終的には裁判所での判断によることになる。たとえば、経歴 詐称、二週間以上の正当な理由なき無断欠勤で出勤督促に応じないなどの場合に従業員の 責に帰すべき事由として解雇予告なしに解雇しても解雇予告除外認定が受けられない場合 もあるが、この解雇予告除外認定の有無に裁判所の判断は拘束されない。 ⑤ 懲戒解雇した従業員であっても採用時に約束したり退職金の慣行があれば退職金の支払い 義務があるが、就業規則等に「懲戒解雇の場合には退職金を減額し、または支給しない」 といった規定がある場合には減額または支給しないことができる。 事業再生士補(ATP)資格試験 2012/5/20 法律 問題19) 以下の内容において、間違っているものを一つ選択してください。 ① 労働契約承継法は、分割をした会社の権利義務が承継する会社又は新規に設立する会社に 包括的に承継されることを踏まえて、労働者保護の観点から、労働契約の承継等について の特例を定めるために制定された。労働者や労働組合等への通知や協議、異議申出の手続、 効力等を定めているため、会社分割を行う場合は、同法の規定に従う必要がある。 ② 労働契約承継法は、会社分割に適用され合併及び事業譲渡では選択適用できる。合併の場 合、労働関係を含めた全ての権利義務が承継されるので労働者に不利益が生ずる場合がほ とんど想定されず、事業譲渡では譲渡会社及び譲受会社間の合意に加え労働者本人の同意 が必要とされており、労働者の意思に反して労働契約が譲受会社に譲渡されることは認め られていないためである。 ③ 採用内定は、内定の通知により労働者と企業との間で解約権を留保した労働契約が成立す るという見解が裁判例で確立していることから、採用内定者の労働契約を分割契約等に記 載することができる。 ④ 会社の分割は、分割される事業部門の労働者だけでなく全労働者に少なからず影響を与え るため、労働者保護の観点から、労働者の理解と協力を得るよう努めることが義務付けら れている。具体的には、全事業場において、事業場の労働者の過半数を代表する労働組合(過 半数組合がない場合には過半数代表者)と、労使対等の立場で誠意をもって協議が行われる 場が確保されることによる。 ⑤ 分割契約等に記載された労働契約に関しては、これに基づく権利義務のすべてが承継され ることになるので、就業規則、労働協約、確立された労働慣行等に基づく使用貸借、金銭 消費貸借その他無名契約についても承継される。労働契約の内容はそのまま変更されるこ となく、承継会社等と労働者との間の労働契約の内容となる。 事業再生士補(ATP)資格試験 2012/5/20 法律 問題20) 以下の内容において、間違っているものを一つ選択してください。 ① 整理回収機構(以下、RCC)は、平成10年の金融再生法制定により、旧住専各社から譲 り受けた債権等や破綻金融機関等から買取った不良債権等だけでなく健全金融機関等から も不良債権を買取り、回収を行えるようになった。 ② RCC は企業再生を一般的に、本業等は競争力があるが過剰債務を抱え借入金の元利払いを 約定通りに履行できなくなり破綻が懸念される企業について、債権者間の合意で債務弁済 期間猶予・金利減免・債務免除等により事業継続を可能とし、債権者は事業収益の中から 可能な限りの弁済を受けるという取扱いをするものとしている。 ③ RCC では、事業の全部又は一部の譲渡等が行われ、債権者はその譲渡代金から弁済を受け、 法人そのものは清算されるといった形をとる事業再生と呼ぶのが適切な場合も、一般的に は企業再生の概念に含まれるとしている。 ④ RCC は自らが債権者ではない案件についても公平中立的な調整役として、金融機関等から の委託に基づき再生計画の策定支援および検証、債権者間の調整等の法的再生手続に係る 業務を行っている。この調整等の業務には RCC 企業再生スキームが適用され、「企業再生 検討委員会」に企業再生の可否を諮り、客観的かつ専門的な判定を仰いでいる。 ⑤ RCC は信託機能を再生業務に活用し、企業再生スキーム方式、管理型スキーム方式、管理 信託方式などの方法で再生業務の手法を多様化させた。管理信託方式では金融機関が保有 する貸付債権を RCC に信託し、RCC は債権者の立場で再生計画の検証、債権者間の調整・ 合意の取付けを行い、合意内容に基づき債権放棄等の再生計画を実行する。再生計画が進 行した段階で金融機関は RCC との信託契約を解除し、再生企業との取引を再開する。
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