親も子も気を付けたい「夏かぜ」① ～夏のウイルス感染症～夏に流行するウイルスに感染することによって「かぜ」のような症状がでることがあります。ここでは代表的な夏かぜを紹介します。てあしくちびょういんとうけつまくねつヘルパンギーナ手足口病エンテロウイルスに感染することで発症します。口の中や手のひら、足のうらにできる水疱性の発疹を特徴とし、幼児を中心に流行する急性ウイルス性感染症です。夏を中心に毎年発生がみられますが、秋や冬にも発生することがあります。咽頭結膜熱(プール熱) 手足口病と同じエンテロウイルスに感染することで発症する夏かぜの代表です。突然の高熱でのどが痛み、食事がとれなくなることもあります。ヘルパンギーナとは水疱性の（ヘルプ）、のどの炎症（アンギーナ）という意味です。アデノウイルスによる感染症です。夏から秋にプールを介して学童の間に流行するので、プール熱とも呼ばれますが、伝染力が強く、プールに入らなくてもうつります。患者の咳やくしゃみのほか、タオルの貸し借りから感染することもあります。ヘルパンギーナ咽頭結膜熱高くない高い(３８℃～４０℃) ２～３日続く高い(３８℃～４０℃) ３～４日続くねつ手足口病からだ症状・手のひら、足の裏、口の中に小さな・のどの奥に小さな水ぶくれ。・のどの痛み。水ぶくれ。・１週間くらいで治る。・目の充血。・１週間くらいで治るが、まれに髄膜炎や急性脳炎、心筋炎等を引き起こす。（写真：加藤小児科医院ホームページより）乳幼児、学童が多い主に夏に流行しますが、近年では春・秋にみんながプールに乳幼児が多い秋定点当たり報告数 ※ いつ流行る？ ※ 夏も発生しています。春乳幼児が多い行く時期だね！主にだれがかかるの？定点当たり報告数とは、その週の報告数を報告医療機関数で割った値であり、１定点医療機関当たりの報告数をあらわしています。神奈川県衛生研究所茅ヶ崎市下町屋 1-3-1 企画情報部衛生情報課 Tel：0467-83-4400 親も子も気を付けたい「夏かぜ」② ～夏のウイルス感染症～ ◇ 夏かぜの原因となるウイルスは主に口から侵入してきます。 ◇ 症状が治まった後も 1 カ月くらいは便にウイルスが排出されることがあります。 ◇ 夏かぜのウイルスは種類が多いので、同じ病気に何度もかかる場合があります。夏かぜに ☆ 予防には手洗い・うがいが重要です。 ☆ プールに入ったあとは、シャワー・うがい・洗眼をしっかり行い、タオルの共用はやめましょう。 ☆ 暑さで食欲不振になりがちです。栄養価が高く、消化の良い食事をとりましょう。 ☆ 夏休みだからといって夜更かしをしていませんか？しっかり睡眠をとって規則正しい生活をしましょう。夏かぜに ☆ 夏かぜの原因となるウイルスには有効な薬はありません。症状をやわらげる、対症療法が行われます。 ☆ ウイルスは腸でもよく増殖しますので、下痢や腹痛などの症状があらわれることもあります。 ☆ 患者の咳やくしゃみのほか、便からもウイルスが出ることもあります。 ☆ 熱があるとき、下痢をしているときは、脱水症状に気をつけて十分に水分をとるようにしてください。 ☆ 洗濯物は日光にあてて干しましょう。 ☆ 子どもがかかって、親にうつってしまうこともあります。患者本人だけでなく、家族もまめに手洗いをしましょう。外から帰ったらごはんのまえトイレのあとよ～く手を洗おう！豆ちしき通常の夏かぜは 1 週間くらいで回復しますが、高熱がある場合、発熱やその他の症状が続くような場合には、医師の診察を受けてください。神奈川県衛生研究所茅ヶ崎市下町屋 1-3-1 企画情報部衛生情報課 Tel：0467-83-4400 アデノウイルスの電子顕微鏡写真咽頭結膜熱の原因ウイルスであるアデノウイルスの形は正二十面体で、大きさは 1 ミリメートルの 1 万分の１（100 ナノメートル）です。手足口病、ヘルパンギーナの原因ウイルスであるエンテロウイルスも正二十面体ですが、アデノウイルスの約３分の１の大きさです。