「頻尿・夜間頻尿・尿失禁・尿意切迫に対する干渉低周波の治療効果」 横浜新緑総合病院泌尿器科 同 薬剤部 吉田 雅彦、本間 斉藤 功、友政 津野 丈彦 次郎、佐々木春明、太田 宏、梅田 道也、 隆 【目的】頻尿・夜間頻尿・尿失禁・尿意切迫などの蓄尿期障害は、高齢者に多く症状に波があり、治療は長期に およぶ事が多い。我々は希望する患者さんには月2∼4回の治療を継続し、長期も含め干渉低周波治療の効果を 検討した。 【方法】対象は 2003 年 10 月より 2 年間に当科を受診した頻尿・尿失禁・尿意切迫などの症状を有し、器質的疾患 患者を除外した男性 17 例、女性 54例の計 71 例。1 回約 10 分、週 1~2 回、計 10 回を基本に、さらに希望者に は 2∼4 週間の休止期間後に治療を再開し、ご本人が希望される限り継続的に干渉低周波治療を施行した。 【成績】評価可能症例 65 例中、OAB 症状優位 48 例、腹圧性尿失禁優位 12 例、その他の頻尿 5 例で、28 例(43%) の患者さんが再開・継続を希望された。全般的改善度は著効・有効・やや有効・無効はそれぞれ、48 例中 11(23%)・ 20(42%)・10(21%)・7(15%)、12 例中 5(42%)・6(50%)・1(8%)で、全 65 例中著効 18 例(28%)、有効 27 例(42%)、 やや有効 10 例(15%)、無効 10 例(15%)で、約 70%の症例で有効以上の効果が認められた。著効 18 例(28%)中、 10 回終了後も著効のままだった症例が5例、干渉低周波を継続しているものの内服薬を終了できた症例が7例あ った。また、尿失禁スコアの改善以上に、自覚的満足度は高い傾向が認められた。 【結論】緒家の報告と同様長期のキャリーオーバー効果を示す症例は稀だが、週 1 回 10 分程度の通院で継続で きる干渉低周波治療は副作用がほとんどなく安全で、頻尿・夜間頻尿・尿失禁・尿意切迫などの症状を有する患 者さんには非常に有用な治療法と考えられた。
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