海外フランチャイズ情報 《2008 年 10 月号》 No.022 2008 年 10 月 27 日 《目次》 ◆Eメール・マーケティングを成功させる5つのステップ ◆各国フランチャイズ協会情報 ◆各国フランチャイズ関連イベント開催予定 ★ Eメール・マーケティングを成功させる5つのステップ IFA フランチャイジング・ワールド誌8月号 Eメール・マーケティングは、顧客とのコミュニケーション、売り上げ増、最終的に利益増を図る ための即効性のある強力な手段として登場した。適切に用いれば、Eメール・マーケティングは、マ ーケティング/セールス戦争に勝つ強力な武器になる。 [mUrgent コーポレーション社長兼 CEO ボリス・ブガルスキ記] フランチャイズ会社から購入した実績のある顧客、または、会社からのマーケティング・メッセー ジを受け取ってもよいと手をあげてくれた顧客のデータベースを持っているとしてみよう。多くの会 社では、顧客に頼みこんでEメールを送らせてもらえれば、売り上げ増へのハイギア・チェンジにな ると、安易に考えてしまう。 成功するプログラムを策定し、フランチャイジーのソリューションとして“製品化”するには、時 間がかかる。フランチャイジーには、既に自分流のやり方があって、これからフランチャイザーがい くら金をだすのか、または、何を支持・承認するのか、比較・選択できるからである。 会社とフランチャイジーのために役立つEメール・マーケティング・プログラムをつくるには、プ ログラムをどう展開していくかについて、双方の合意がなければならない。これには責任範囲につい ての合意も含む。トップレベルでシステムをつくって、フランチャイザーには、自分がつくりあげた ブランドを守ることを含め、販売促進キャンペーンを行う権利を保証し、フランチャイジーには、キ ャンペーン・メッセージを送り、地域・近隣へのマーケティング具体策を決定する権利を保証しなけ ればならない。 上に論じた2要件が合意されていない場合、フランチャイズ・システムとしては、フランチャイジ ーが独自に行動するに任せることになる。これでは、フランチャイジーが、顧客とのコミュニケーシ ョンを 100%コントロールし、ブランド管理という観点を抜きにしてキャンペーン・メッセージを送れ ることになってしまう。また、守るべきブランドが、多くの E メール・マーケティング・プロバイダ ーの用意している標準テンプレートの中で希薄化してしまうことになりかねない。加えて、フランチ ャイザーは、Eメールの全体図から締め出され、Eメールは何を送るべきか、どんな体裁であるべき かについて、主導し監督することができなくなってしまう。 以下はEメール・マーケティングを成功させるための5つのステップである。 -1- 1.役割、責任範囲およびコントロールについて合意する 多くのフランチャイザーは、フランチャイジーが自分の地域のマーケティング実施について 100%の コントロールを握っており、この中にはEメール・マーケティングも含まれている、という居心地の 悪い立場にいる。フランチャイジーは、Eメール・マーケティングを実施するのにウェブ・ベースの ソフトウェア(ウェブ・サービスの一環としてオンラインで取得できる)を使うのだが、こうしたソフ トウェアには標準テンプレートが用意されていて、通常、ブランドの基準には合っていないのである。 フランチャイジーを集め、Eメール・マーケティングについて、役割と責任範囲を決めること。ど ちらの側が費用を負担するのか、ブランドおよびシステムについて、双方の責任範囲は何か。費用は、 広告宣伝費やマーケティング費(訳注:フランチャイザーがフランチャイザーから徴収する)から出て くるのか。共同組合(訳注:米国ではフランチャイザーがフランチャイジーに共同組合をつくらせ、広 告宣伝を自主管理させることも多い)に負担させるのか。それとも、会社とフランチャイジーとで分担 することができるのか。 フランチャイジーには、会社の承認していないサービス・プロバイダーは使えないことについての 会社の考え方を分からせる。この考え方は、会社の地域マーケティング・ポリシーに附属書類として 添付しておくこともできる。または、会社の基準に合うEメール・サービス・プロバイダー、即ち、 フランチャイジーにブランドの基準に従ったデザインまたはカスタマイズ・テンプレートを提示でき るプロバイダーを紹介する。 またEメールには、本社のために顧客にキャンペーン・メッセージを届ける意味もあるという考え 方をして、会社として、Eメール・マーケティング実施のコストの一部を、共同組合、フランチャイ ズ・フィーその他を通じて負担する用意があるということを、フランチャイジーに知らしめる。また 別の大きなやり方として、承認プロバイダーとパートナーを組むことも考えられる。 2.サービス・プロバイダーを選ぶ、即ち、承認する フランチャイジーがプロバイダーを選ぶ前に、フランチャイズ会社の方でEメール・マーケティン グ・プロバイダーを見つけてしまい、フランチャイジーに承認プロバーダーとして示すことも、ため らってはならない。こうすることで、フランチャイジーが標準テンプレートを使ってブランド基準を ぶち壊しにしてしまうことが避けられるような、完璧なコントロールを持ったシステムを設計するこ とが容易になる。 Eメール・マーケティングのプロバイダーには、いろいろな種類がある。フランチャイズに対して 完全なシステムを提供できるところを選ぶ。ソフトウェア・プロバイダーとフル・サービスのEメー ル・マーケティング・プロバイダーとがある。ソフトウェアは、ドゥ・イット・ユアセルフ(DIY=自 分でつくる)アプローチである。これだと、会社がコントロールを利かせるのは難しい。フル・サービ スは、フランチャイザー・フランチャイジー双方のために完全な仕事をする。よく調べて、会社の目 標達成のため、完全なシステムを提供するソリューション・プロバイダーを選ぶ。 フランチャイズに親身になってくれるサービス・プロバイダーが良い。本部承認済のブランド・テ ンプレート、即ち、事前承認済のデサイン・ライブラリーを備え、ブランド基準に従ったシステムの コピーを各フランチャイジーに提供してくれるプロバイダーである。同一のデザイン・ライブラリー を使い、また、ライブラリーをフランチャイズ・システムと整合性を持たせることにより、本社も含 めて全フランチャイジーが、同一システム上にあることが保証される。 -2- 3.コミュニケーションのプランを練る マーケティングの秘訣は、顧客に接する第一線の従業員を含めて、システム中の全員に、最終到達 点の顧客まで何が伝達されたかを、知らせることである。これは、共同組合または本社から全メール・ リスト宛に発せられるEメールについては、特に重要である。 フランチャイズ会社が、本社から全フランチャイジー・リスト宛Eメールを送るEメール・マーケ ティング・システムを持っている場合は、メッセージをフランチャイジー段階まで確実に行き渡らせ ること、また、各フランチャイジーから第一線の従業員に確実に行き渡らせること。通常は、こうし たメッセージ自体はクーポン(割引券)そのものではないものの、新メニューその他のプロモーション の源として重要だからである。 さらに、マーケティング日程をフランチャイジーに知らせておくこと。四半期または年次のカレン ダーをつくり、どんな販促がいつあるのか、フランチャイザーは何月何日何時に顧客宛Eメールを発 信しようとしているのか、事前に伝えておくこと。こうすることで、フランチャイザーとしては、E メールが立て続けに顧客に発信されることのないようにできる。またフランチャイジーとしては、何 がいつ、発信されているか知ることができる。 4.やる気を起こさせる 往々にして、フランチャイザーは、単にEメール・マーケティング・システムを採用する可能性を 考えているに過ぎないことがある。こういう場合、フランチャイジーは、どんなEメール・マーケテ ィングも行わない。 Eメール・マーケティング・システムを採用する必要があるなら、会社としては、それを売り込み、 フランチャイズ・システム全体にやる気を起こさせなければならない。これは大切なステップである。 というのは、勧められたEメール・マーケティング・システムにやる気を起こしたフランチャイジー なら、一人一人が、ベストを尽くして取り組んでくれるからである。 フランチャイジーがやる気にならないときは、多くの場合、Eメール・マーケティング・システム は失敗する。即ち、フランチャイジーは、それに注ぎ込まれた金に相応した努力を払うことはしない。 たとえ、その金が広告宣伝費やマーケティング・ロイヤルティ(訳注:ロイヤルティの細目。マーケテ ィングに充てられる)から支出されたと知っていたとしても。フランチャイジーに、それが成功する訳 を分かってもらうことが肝心である。フランチャイジーとフランチャイズ・システムの双方が、顧客 向けEメール・マーケティングから期待できるメリットを説くこと。フランチャイジーに計画書を渡 し、フランチャイズ会社が、どのようにしてEメール・マーケティングを使って利益を増やそうとし ているのかを説明すること。 5.目標を定め、成果を測定する 成功するためにはどうしても、目標を定めることが必要である。ことにEメール・マーケティング については。フランチャイザーとしては、何が起きるのか、どうやって展開するのか、これを本当に 素晴らしいものにするにはどうしたらよいか、分かっていないこともあろう。プロバイダーのサポー トを得ることが必須だが、フランチャイジーを横並びにしてメーリング・リストの月次増加やフラン チャイザー送信Eメールの顧客側オープン率等を比較する測定ツールも含めた目標管理システムを設 計しなければならない。 上記の5つのステップは、フランチャイズ・システムが、成功裡にEメール・マーケティングをス -3- タートさせるのに役立つ。最終目標は、フランチャイズ会社・フランチャイジー双方を通じて一貫性 のある完結したEメール・マーケティング・システムをつくりあげることである。会社が必要として いるのは、各地域レベルで確実に役立ち、単なるEメール・マーケティングだけでなく、データ入力、 メンバーカード作成ほかの事務負担軽減も真に実現できるEメール・マーケティング・プログラムな のである。 Eメール・マーケティング・プログラムの成功は、初期段階のプラン作り、目標設定、各参加者の 力強いフォロー・スルーによりもたらされる。繰り返しになるが、できるだけ多くのフランチャイジ ーにやる気を起こさせること。また、費用については、Eメール・マーケティングは、地域レベルの 対面マーケティングに比べて高い投資効果が可能であることを理解すること。 最後になるが、Eメール・マーケティングは、単に、会社のフランチャイジーに対して他と大差の ないマーケティング技法をもうひとつ提供するというものではない。これは、ブランドの一貫性を保 証し、顧客とのコミュニケーションを定期的に行い、最終的には各フランンチャイジー、およびシス テム全体の月々の売り上げを伸ばす実り多い長期的戦略なのである。フランチャイジーが楽しみなが ら入っていけるように。シンプルに。一貫性を持って。大きな成功を収めるためにやっているのだと 分かっていること。 ★IFA(米国フランチャイズ協会)情報 レストラン・ブランドとフランチャイジーが共同購買組合(9 月 3 日) アイホップおよびアップルビーズ(両方ともファミリーレストラン)ブランドの親会社 DineEquity 社 は、フランチャイジーを入れた共同購買組合をつくり、サプライヤーに対する交渉力強化を狙う。3,300 店舗を合わせた購買額は 16 億ドル。 スターバックスが米大統領選挙で顧客囲い込み(9 月 7 日) スターバックスは、不偏不党フリーペーパー“グッド・シート”を、11 週にわたり発行し、店舗内 での選挙討論を促す。 ケンタッキーフライドチキン(KFC)のレシピが厳重警備で移送(9 月 9 日) KFC 本社が防犯システムを改造することになり、創始者カーネル・サンダースが手書きした 68 年前 の極秘オリジナル・レシピを、一時的に本社から他所に移した。鍵のかかる箱に納め、警備エキスパ ートに手錠で括り付け、非番の警官護衛のもと、装甲車で移送。 セブン−イレブンが台湾でガソリン・コンビニ統合店第1号を開店(9 月 24 日) 台湾・桃園市で1号店開店セレモニー開催。2011 年までに 20 店舗とする。台湾は、セブン−イレブ ンにとって、世界で3番目に大きなマーケット。 ヤムブランド(Yum! Brands)が全世界飢餓救済キャンペーン開始(9 月 25 日) Yum! Brands は、今後5年間で、自らの寄付および募金により、80 百万ドルを、国連世界食料計画 に提供すると公約している。今年の飢餓救済キャンペーンでは、ポピュラー歌手のマライア・キャリ ーを、同社の飢餓救済大使に任命。 ★CCFA(中国連鎖経営協会)情報 中国の国際フランチャイズ・ブランドのうち 50%超が米国(9 月 12 日) -4- CCFA は、上海国際フランチャイズ週間の記者会見で、中国進出の著名国際フランチャイズ・ブラン ドは 100 を超えると発表。うち米国は 53%。また、米国上位 20 フランチャイズ会社のうち 17 社が進 出済。 小売売上は 8 月伸びたが将来には不安も(9 月 16 日) 8月の中国小売売上は 8,768 億元(1,282 億ドル)、伸びは 23.2%で、7月の 1996 年以来最高 23.3% を僅かに下回っただけであった。但し、証券アナリストによると、本年の残りの月は、株価下落もあ り、下振れのリスクがあると。 KFC は外国のブランドだが中国のキャラクター(9 月 22 日) KFC は変り映えのしないアメリカ・ファストフード・ブランドだったのに、中国では、店舗数 2,200 で、マーケットリーダー・マクドナルドの 800 を凌駕。その理由は、中国 KFC によれば、中国のネイ ティブになったから。例えば、幹部は中国人をリクルート、メニューも中国人好み。 外国の粉ミルク・ブランドを求めて狂奔(9 月 23 日) メラミン混入が次々と見つかるにつれ、関係の業者は、品質不合格のミルクを止め、安全な製品へ の切り替えを急いだ。小売大手は、外国の粉ミルク・ディーラーとの関係を強化。 ジョリビーが5年間で 1,000 店舗(9 月 23 日) フィリピンのファストフード・チェーンのジョリビーは、 近年、台湾の Chun Shui Tang と Yonghe King、 北京の Hongzhuangyuan ほかのブランドを買収、急速に拡大中。社長の Emesto Tanmantiong は、5年 間で中国に 1,000 店舗、2020 年までに世界で 4,000 店舗を開店、マクドナルドを抜くと豪語。 ★各国フランチャイズ関連イベント開催予定(2008 年 11 月∼) ※協会主催、民間主催含む アジア・オセアニア ►フランチャイズ・エキスポ 2009/04/03−04 インド・ニューデリー ►フランチャイズ・エキシビション 2008/12/18-21 トルコ・イスタンブール ►フランチャイジング・ミドルイースト 2009/03/02-04 UAE・ドバイ ►フランチャイズ・インターナショナル・コンファレンス&エキスポ 2009/05/25-27 サウジアラビア・リアド 中東 北米 ►フランチャイズ・エキスポ 2008/11/07−09 米国・ロサンゼルス 欧州 ►ブダペスト・フランチャイジング・エキシビション 2008/11/06−08 ハンガリー・ブダペスト ►トップ・フランチャイズ・エキスポ 2008/11/24−25 フランス・マルセイユ ►フランチャイズ・エキスポ 2009/03/13−16 フランス・パリ ►フランチャイズ・エキシビション 2009/03/01−02 ベルギー・ブリュセル ※開催日等は変更される場合がございます。 -5-
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