海外フランチャイズ情報 《2007 年 7 月号》

海外フランチャイズ情報 《2007 年 7 月号》
No.007
2007 年 7 月 27 日
《目次》
◆連載「アメリカ・フランチャイジング・プロフィール6」
(全6回)
◆各国フランチャイズ協会情報
◆各国フランチャイズ関連イベント開催予定
★アメリカ・フランチャイジング・プロフィール[6]
~収益資料~
フランチャイジー候補に“収益資料”を提示するフランチャイズ・システムが増えている。
“いくら儲かるの?”フランチャイジーになりそうな人達から、フランチャイザーが、まず始めに、
またそれからずっと受ける質問がこれである。
近年、多くのフランチャイザーが、この質問に答えようと、
“収益資料”を提示するようになってき
た。(施行予定の、連邦取引委員会規則では“収益資料”を、もっと正確に、“財務成績の記載”と言
っていることに注意。末尾の注記:連邦取引委員会規則 19 条”収益資料“修正を参照。)
過去、フランチャイザーは、この“いくら儲かるの?”という質問に答えようとすると、いくつも
の問題にぶつかってきた。一番大きな問題は、過去の実績が、将来の成績の指標としてどの程度信頼
できるか、という点である。
同一業種、さらには同一フランチャイズシステムであっても、立地条件、市場規模、人口構成、経
済情勢の変化に基づく変数が極め多いので、将来の業績を、
“水晶の玉”で予言するようなことを嫌が
るフランチャイザーが多いのである。加えて、連邦取引委員会は、
“ 収益資料”(あるいは“財務成績
の記載”)を提示するフランチャイザーには、極めて厳しいガイドラインを設けている。その結果、何
も提示しようとしないフランチャイザーが多くなっている。
ところが、現在、収益見込を提示しているフランチャイザーをよく分析すると、いくつか重要な傾
向がはっきりする。
・500 システム-即ち、現に稼動中のフランチャイズシステムの 18.3%が、収益資料を提示してい
る。
・近々数年内に市場に参入してきたような新規フランチャイズ・コンセプトを除いてみると、この
パーセンテージはさらに高くなる(24.4%)。
収益資料を提示しているフランチャイズシステムの特徴:
幾つものフランチャイズ業種で上記パーセンテージが 20%を越えている。旅館業(63%)、焼き菓子
(32%)、印刷(28%)、フルサービスのレストラン(24%)、食品小売(20%)、および、子供関連(23%)
旅館業がとびぬけて高いパーセンテージを示している。この業種では、かなりレベルの高いフラン
チャイジーを求めているのである。多分この為か、旅館業では、よく使われている「稼動可能な一部
屋あたり収益」のように、標準化された指標をつくり出している。
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フランチャイザーが収益資料を提示するかどうかに影響がある、もう一つのファクターは、フラン
チャイズシステムのライフサイクルである*。初期の段階では、大部分のフランチャイザーには店舗が
殆どないので、収益資料提示のもとになるデータが乏しい。
こうした「新興の段階」から「急速な発展の段階」にかけては、収益資料を提示するフランチャザ
ーの数は増える。一般に、フランチャイズシステムが成長過程の 4-8 年目になると、店舗をもっと増
やす急速な発展段階に突入する。収益資料を提示しているフランチャイズシステムのちょうど半分が
8-25 年のカテゴリーに属する。逆に、3 年以下のフランチャイズシステムでは、5 システムのうち 1
システムしか提示していない。
*「フランチャイズシステムの経年別収益資料提示率」
3 年以下:20% 4-7 年:13% 8-15 年:24% 16-25 年:26% 26 年以上:16%
システムの規模も、フランチャイザーが収益資料を提示するかどうかに影響がある。
大体において、収益資料を提示するフランチャイズシシステムのグループの方が、そうでないグル
ープより、多くの店舗を有している。新規コンセプトを含む全フランチャイズシステムの店舗数メデ
ィアン値は 41 であるのに対して、収益資料を提示するフランチャイズシステムの店舗数メディアン値
は 100 である。
提示された収益資料の特徴:
フランチャイザーが提供する収益資料は、精粗のレベルに大きなバラツキがある。収益資料を提示
する全システムの 99%は、売上/収益データを提供しているが、いくらかでも費用データを提供すると
ころは 49%に過ぎず、基本的に損益計算書とよべるものを提供するところはごく僅かである。
フランチャイズ店舗と自社保有店舗の両方を有しているフランチャイザーの場合、どちらの店舗種
類に基づいた収益資料にするか、あるいはまた、店舗種類の組み合わせに基づいた収益資料にするか、
という選択に迫られる。資料提示を行っているフランチャイザーの 60%近くが、フランチャズ店舗の
業績を使っている。44%は自社保有店舗によっている。4%の重複は、両方の店舗種類を使っているも
のである。
最後に、フランチャイザーの多くは、同一ブランド内において、複数のフランチャイズ・プログラ
ムを提供している。例えば、小売業種では、単一のブランドに、独立店舗、店舗街店舗、キオスクの
プログラムを含むことも実際にある。資料提示を行う全フランチャイザーの 20%近くが、同一ブラン
ド内に複数のプログラムを有している。
注記:連邦取引委員会規則 19 条”収益資料“修正
連邦取引委員会(FTC)は、FTC フランチャイズ規則の大幅な修正案を公表した。修正案では、FTC(お
よび UFOC を登録する州)がこれを採用した場合、UFOC(Uniform Franchise Offering Circular 統一フ
ランチャイズ条件提示回示)ガイドラインが要求するディスクロージャーが修正になる。UFOC の 19 条
(現在は、
“収益資料”と見出しがつけられている。以下 19 条と記す。)は、フランチャイズ店舗また
は自社保有店舗の過去または将来の財務成績について、フランチャイザーが行うディスクロージャー
である。19 条修正のうち幾つかを以下に示す。
・見出しの“収益資料”は、一般的な“財務成績の記載”に変更し、19 条の内容をもっと正確に反
映するようにする。
・19 条は、フランチャイザーが財務成績について記載しないことにした場合でも、最初のパラグラ
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フに UFOC ガイドラインで特に定めた文言を記載しなければならない。
・“コスト”に関する情報は、“財務成績の記載”にはならない。
・現行では、フランチャイザーは、その関連会社の運営するビジネスが、当該ビジネスと実質的に
同様なビジネスであった場合、(注意を付記した上で)関連会社の方の財務成績を 19 条に含めるこ
とが許されているが、修正案ではこの記載がない。従って、ガイダンスがない訳で、こうした慣
行が今後も許容されるかどうかはっきりしない。
・フランチャイザーは、実績記載の店舗に、特記すべき性格(即ち、所在地、店舗の種類、地域での
競合、製品・サービス)があれば(逆に、欠けていれば)、記載しておかなければならない。
・将来の財務成績予想について、米国公認会計士協会の基準に沿って作られたものであれば、相当
な根拠があると推定する、という現行規定は廃止する。
・最後に、フランチャイザーは、売りに出している既存店舗の営業実績を、その店舗の前のオーナ
ーを特定できるような情報を開示することなしに、補足資料として示すことができる。
★IFA(米国フランチャイズ協会)情報
スターウッドが東南アジアで拡大(6 月 13 日)
スターウッド(シェラトン、ウェスティン、メリディアン等のホテルチェーン統括)が、東南アジア
で拡大中。タイとインドシナ諸国だけで、本年中に 2,400 室追加。
バーガーキングが復活(6 月 16 日)
昨年に株式公開以来、株価が 2 倍に。斬新な広告、新メニュー、閉店時間の延長等が奏効。
ウェンディが売却を真剣に検討(6 月 18 日)
他のリストラ策よりは売却の可能性を探ると公表。JP モーガンとレーマン・ブラザーズを売却交渉
の顧問に。
強制カロリー表示延期へ(6 月 20 日)
ニューヨーク市保健当局は、大手のファストフードおよびレストラン・チェーンにメニュー上でカ
ロリー情報の明示を求める新ルールの実施を、3ヶ月延期すると公表。業界側は、トランス脂肪酸禁
止については早々と反対をあきらめたが、カロリー表示については抵抗し、ニューヨーク地裁に提訴
していた。
7イレブンが新商品を求める
デピント社長が、革新的な商品が欲しいと業界コンファレンスで表明。サプライヤーの努力を求め
た。
マクドナルドが 2000 年以来の好業績(6 月 26 日)
スキナーCEO によれば、店舗改装、海外進出拡大等の策により、圧倒的な地位を確保すると。
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★CCFA(中国連鎖経営協会)情報
CCFA フランチャイズ・マッチメーキング(お見合い)ワークショップ開催(6 月 1 日)
CCFA の主催で、8 月 25-26 日上海で、海外フランチャイザーと、中国投資家(潜在フランチャイジー)
を“お見合い(マッチメーキング)”させるワークショップが開かれる。
温家宝首相が経済過熱を止めるマクロ政策の強化を表明(6 月 14 日)
温家宝首相は、国務院で、急速に成長している国内経済が過熱しないよう、マクロ政策を強化しな
ければならない、と表明。金融政策はやや引き締め気味に、財政政策は産業の構造改革を促すように
運営。また、工業生産の成長率は高すぎ、貿易黒字も大きすぎると。
グリーンピースが日本の食品メーカーとドイツの大手小売をダブルスタンダード批判(6 月 18 日)
環境保護団体のグリーンピースは、中国の食品サンプルを香港でテスト、日本のグリコとドイツの
メトロの食品が遺伝子組み換え成分が見つかったが、両社とも自国内では遺伝子組み換え成分を使用
しておらず、ダブルスタンダードであり、中国人にも同じ基準とするべきであると批判。
消費者財売上が引続き伸びる(6 月 25 日)
国務院国家統計局によれば、5月の消費財売上は 7,158 億元で、前年同月比 15.9%増。1-5 月累計で
は、3兆7千億元で、前年同期比 15.2%増。
マクドナルドが自動車オーナーをターゲットに
マクドナルドは中国で、年間 100 店舗開設する計画。本年はその大半ドライブ・スルー型とする。
毎日、百万人あたり新車 1,100 台が出ていることを踏まえる。
★各国フランチャイズ関連イベント開催予定(2007 年 8 月~10 月)※協会主催、民間主催含む
アジア・オセアニア
►フランチャイズ・インターナショナル
2007/8/2-5
マレーシア・クアラルンプール
►ザ・ビジネス・オポチュニティ&フランチャイズ・エキスポ
2007/8/17-19 ニュージーランド・オークランド
►上海国際特許加盟展覧会
2007/8/24-26 中国・上海
►フランチャイジング&ライセンシング・アジア
2007/9/20-22 シンガポール
►ザ・ビジネス・オポチュニティ&フランチャイズ・エキスポ
2007/9/22-23 ニュージーランド・ウェリントン
►フランチャイジング・チャイナ
2007/11/8-9
►フランチャイジング・チャイナ
2007/11/12-13 中国・広州
►フランチャイジング・チャイナ
2007/11/15-16 中国・北京
中国・上海
ロシア
►バイ・ブランド 2007
2007/9/26-28
ロシア・モスクワ
欧州
►ドイツ・エキスポ
2007/9/14-16 ドイツ・エッセン他
►ブランド・ライセンシング
2007/10/2-3
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イギリス・ロンドン
►ザ・ナショナル・フランチャイズ・エキシビション
2007/10/5-6
イギリス
►フランチャイジング&トレード
2007/10/19-22 イタリア・ミラノ
アフリカ
►フランチャイズ・アフリカ
2007/10/1-5
モーリシャス
2007/10/1-5
イスラエル
中東
►インターナショナル・フランチャイズ・フェア
※開催日等は変更される場合がございます。
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