ここ - さわやか福祉財団

子どもたちは、総合的な学習によって、
こんなに成長しています。
総合的な学習の創造的な展開を推進する会
(代表)
小山内美江子(脚本家・NPO法人 JHP・学校をつくる会代表)
嶋野 道弘 (日本生活科・総合的学習教育学会会長
・地域に根ざした食農教育ネットワーク代表委員・文教大学教授)
堀田 力
(弁護士・(財)さわやか福祉財団理事長)
牟田 悌三 (俳優・社会福祉法人世田谷ボランティア協会名誉理事長
・NPO法人チャイルドライン支援センター代表理事)
「総合的な学習の推進者及び応援者」
(現在、多方面の方々にお声かけをしています)
―私たちは総合的な学習を積極的に推進し応援します-
ご賛同者の皆様(敬称略・五十音順)
・縣 秀彦
(国立天文台助教授
・日本ハンズオンユニバース協会副会長)
・戎崎 俊一 (理化学研究所主任研究員
・日本ハンズオンユニバース協会会長)
・尾木 直樹 (教育評論家・法政大学教授)
・川淵 三郎 (
(財)日本サッカー協会キャプテン)
・北城 恪太郎(経済同友会代表幹事)
・倉本 聰
(作家・富良野自然塾校長)
・見城 美枝子(青森大学教授・エッセイスト)
・興梠 寛
(日本ボランティア学習協会副代表理事
・社会福祉法人世田谷ボランティア協会理事長)
・坂井 康宣 (東京都小平市教育委員会教育長)
・鮫島
明良
・品田 穣
((社)東京都小学校PTA協議会会長)
(東京農業大学総合研究所客員教授・元文化庁調査官)
・田中 雅文 (日本女子大学教授)
・寺崎 千秋 (全国連合小学校長会会長・練馬区立光和小学校校長)
・寺島 紘士 (海洋政策研究財団常務理事)
・原田 信之 (岐阜大学助教授・元オルデンブルク大学客員教授(独)
)
・平岡 久夫 (経済同友会「教育問題委員会」副委員長
・日興フィナンシャル・インテリジェンス株式会社副理事長)
・宮崎 稔
(学校と地域の融合教育研究会会長)
・武笠 和夫 (教育評論家・武笠国際教育研究所代表)
・無藤 隆
(白梅学園短期大学学長)
・和田 信行 (新宿区立四谷第三小学校校長)
横浜市立戸部小学校
最後のゴールをむかえて
わたしは、今、思いっきり泣いて思いっきり笑いたいです。
車いすを贈ることができたからです。
今のわたしは、とても晴れ晴れとした感じがします。
わたしは、アルミ缶収集活動でとても、大切なことを教わ
りました。
・ 小さいどんなものにも、気持ちがはいっていること
・ 使う人の心も自然に入ること
・ 小さいものでも積み重ねると大きなものになること
・ 責任をもって生きていかなくては、いけないこと
・ 人と人は絆で結ばれていること
・ そしてその絆は、暖かいこと
の文集より
そして、わたしは、人から教えてもらうことだけが勉強で
はないことがわかりました。
・ 自分の心と向き合って、自分の中で探りみつけだすこと
・ 人のしぐさ、心の変化を感じて自分に活かしたり自分が
なおしたりすること
・ 人だけではなくて、ものや生き物から、自分なりに感じ
ること
井上 葉月
わたしは、そんなふうにして、自分で新しい勉強方法と生
きるために大切なことをこの活動で学びました。
今、わたしは、車椅子が贈れたから達成感という気持ちに
なれたのではなく、自分が成長できて、わたしの心がかわれ
たということがうれしくてたまらないのだと思います。
IKETERU 笑顔パワー隊
総合的な学習の時間
「アルミ缶 目標めざして大作戦!」
~アルミ缶を集め車椅子をおくる年間の取り組み~
「総合的な学習を推進する緊急シンポジウム要約
主催:総合的な学習の創造的な展開を推進する会
開催:平成17年8月7日(日)参加者 230 名(募集 150 名)
1.シンポジウムⅠ「総合的な学習はこんなに豊か」
「総合的な学習の時間」に、自ら考え、目標を立て、主体的に活動をする
子どもたちの姿がみえた。
子どもたちの発言
○「総合的な学習の時間を通じて、自分の思いをどう表現するか、自分で考えて行動す
る力がついた。現在、自分の住む市の環境問題に取り組んでいる。
」
(一ノ瀬加代子さん:東京外国語大学 1 年生)
○「それまでは人前で話すことが苦手だったが、中学校で自分のまちについて3年間調
べたときに、地域の人たちの手助けを借りるためには自分の思いを伝えなければなら
ないと感じ、自分が変わった。
」
(田栗千愛さん:佐賀県立武雄高等学校 3 年生)
○「環境学習で高い目標を掲げ、空き缶をたくさん集め、車イスを福祉施設にプレゼン
トできた。最後まであきらめず頑張った力が、今も私についている。中学生になって、
テスト勉強とか本当につらくても、あきらめずに最後まで頑張れるようになった。
」
(簗取明日香さん:横浜市立老松中学校 1 年生)
○「アルミ缶回収活動で、高い目標を立てて、最後までやりきったことが自信になった。
中学校の受験勉強も夢に向かって最後まであきらめずに頑張ることができた。
」
(山村知花さん:フェリス女学院中等部 1 年生)
○「福祉や環境学習を通じて、世の中という周りを見る目が変わった。福祉学習では、
これまで意識していなかった点字ブロックを、よけて通るようになった。環境学習で
は、割り箸や折り紙などの使い捨てに木の無駄遣いに気づき、もっと資源を大切にし
なければと思った。
」
(横山一晃さん:新宿区立四谷第三小学校 6 年生)
保護者の発言
○ 「子どもが自分の考えを相手に的確に伝える力がついた。すぐに結果が出ないよう
な高い目標を立てたときに、計画を立てて、段階的に目標を達成していく力を身に
付けた。また、クラスの子とお互いに助け合うようになった。」
(山村さんのお母さん)
教師の発言
○「5年間の実施で、子どもたちの育ちに手応えを感じてきている。
」
(田島隆一教諭:佐賀県山内町立山内中学校)
○「子どもたちが自分づくりをする、乗り越えるべき課題を考え決定していく、そのよ
うな子どもたちの生き方にまで関われたと感じている。子どもを信じて待てるように
なった。
」
(鈴木直美教諭:横浜市立戸部小学校)
○「子どもたちと一緒に学び、地域と関わり、地域の方と名前を呼び合える関係にな
った。子どもたちも、住んでいる地域に対して愛着が深まった。
」
(宇野直木教諭:新宿区立四谷第三小学校)
2.リレー講演
「なぜ総合学習が必要か」・シンポジウムⅡ「総合学習の推進のために何ができるか」
これからの社会には知識をもとに考えて、行動できる人が必要である。
私たちは協力をおしまない。
○「個性重視の多様化した学習では、これまでの知識を教えるだけでは、学習意欲を
失う。この時間で、広い視野に立って、生きる力をつけさせたい。そのためには、
大学・研究機関・企業やまちの専門家を活用してほしい。
」
(縣秀彦氏:国立天文台助教授)
○「教え込みの授業を転換させ、子どもの主体的な授業を実現させていくために、こ
の時間が必要だ。
」
(原田信之氏:岐阜大学助教授)
○ 「決定する時に大事なことは、総合的な知識が必要だということ。もう一つは、チ
ームワークである。こういう力を小さい時から養ってもらい、プロセスを踏んで考
えられる人を私たち経済界では求めている。経済同友会では、「学校と企業・経営
者の交流活動推進委員会」を立ち上げ、経営者が出前授業を実施している。
」
(平岡久夫氏:経済同友会「教育問題委員会」副委員長)
○「自ら考え、自ら解決するその方法の開発が必要。この時間に未来がある。
」
(品田穣氏:東京農業大学総合研究所客員教授・元文化庁調査官)
○「この時間について、保護者に正しく理解してもらうこと。そのためには、学校の
取り組みが必要である。それをサポートするのに保護者を活用してほしい。」
(鮫島明良氏:東京都小学校PTA協議会会長)
○「私の学校では、この時間を思い切ってまとめ取りできる教育課程を組んだ。教師
も努力している。」
(鈴木功一氏:静岡県掛川市立日坂小学校校長)
○「学校は、指導要領をしっかり読み、理解し、この時間に反映する教育課程をつく
る。そのために、行政には人・もの・金の条件整備を要望する。
」
(寺崎千秋氏:全国連合小学校長会会長)
○「知識ばかりの子どもをとる企業は極めて少ない。知力はあるが人間力がない、人
間力はあるが知力がない、どちらを採るかというと、学力はなくても人間力がある
方である。評価ができにくい教育が極めて大事であるということを再認識していた
だきたい。
」
(林原博光氏:北海道富良野自然塾教頭)
3.緊急アピール文(別紙)の読み上げ
「総合的な学習の創造的な展開を進める緊急アピール」
総合的な学習の創造的な展開を推進する会
1
総合的な学習は、これからの社会及びこれからの子どもたちにとって欠かせ
ない教育です。
総合的な学習は、各教科の基礎・基本を総合化して、自ら問題を発見し、これを
解決する力や各教科の基礎・基本を生かす力を身に付けるとともに、知的好奇心・探
究心や学習への意欲を高めるものです。これからの教育において、学び方やものの考
え方の習得、主体的な問題解決等への態度の育成、生き方についての自覚等を図るこ
とは重要です。また、環境、福祉・ボランティア、情報、国際理解などの現代的課題
に対応する横断的・総合的な教育も欠かせません。まとまりのある内容を系統的に学
ぶ教科の学習は大切ですが、教科の学習だけでよいという状況ではありません。
2
総合的な学習の必要性を積極的に啓発します。
「創造」は知識と必要感が結合して生まれます。議論も見聞もせず、実践もせ
ず、したがって、よく分からないままに、あるいは、多くの課題があることに気
付かず、これまでの教育に固着して、総合的な学習を黙殺するのは、子どもたち
と日本の未来に蓋をするようなものです。1人でも2人でも、子ども・教師・保
護者・地域住民に、あらゆる機会の、あらゆる場で、総合的な学習の必要性を啓
発します。
3
総合的な学習を創造的に展開することを応援します。
「創造」の欠落した教育は、気候や土地柄が悪く、作物が育たないままにするの
に似て不毛です。総合的な学習の創造的な展開は、子どもたちの生きる力を伸ばした
いと願う様々な人々が積極的に参加、協力することによって実現します。教材やカリ
キュラム作りの助言や協同制作、教師との協力的指導、学校と地域や企業等の協力者
との連絡・調整、授業のコーディネート等、総合的な学習を創造的に展開するための
あらゆる応援を惜しみません。
4
総合的な学習を自ら創造的に展開します。
総合的な学習は、子どもの日常生活の場である家庭・地域から、意図的・計画的・
組織的な学びの場である学校へ、また、学校から家庭・地域へと往還します。地域に
おいて、自然体験やボランティア活動などの社会体験、ものづくりや生産活動などの
体験的学習、問題解決的な学習等の場や機会をつくり、自ら総合的な学習を創造的に
展開するとともに、それらの場や機会や人材を学校に提供します。
5
総合的な学習を創造的に展開するための応援策を要望します。
総合的な学習の実現は、主体的で自発的で創造的な個人の積極的な取組みが基本
です。そうした取組みを進めながらも、国を初め地方教育行政には、有効な資料の作
成、リーダー教員の養成・配置、専任指導主事の配置、実践に必要な予算措置、必要
な授業時数の確保等の応援策を要望します。先見性のある、真摯にして、献身的に取
組む人々の声が届かなくなったとき、個人と国の活力が低下します。
総合的な学習を推進する緊急シンポジウム
―子どもたちと日本の未来に活力を-
(シンポジウム開催の経緯の説明)
有馬
ゆとり教育と共に「総合的な学習の時間」が平成14年度から導入されるようになり
ましたが、経済の低迷と共に知識教育への思いが高まり、この時間への否定的な考えが
強まってきております。一方、中央教育審議会の教育課程の改定に関する答申が秋口に
も出されることになっております。
そのような中で、誕生して4年目を迎える「総合的な学習の時間」は、地域や社会と
学校・子どもたちを繋ぎ、子どもたちを育む大切な教育であると私どもは考えておりま
す。そこで、私どもは、当会を設立し、賛同者の輪を広げ、
「総合的な学習の時間」を市
民の側から積極的に支援すると共に、先生方には、よりよい創造的な学習に取り組んで
いただきたいと思っております。そのきっかけとして、今回、緊急シンポジウムを開催
するに至りました。
【シンポジウムⅠ「総合的な学習はこんなに豊か」】
「総合的な学習の時間」によって、子どもたちが、自分の頭で考え、自分の判断
で行動し、自分の意見をしっかり言える力を持った子に育っていることが分かっ
た。また、教師も手応えを感じている。
司会
○嶋野
道弘
(推進する会代表)
○宇野
直木
(新宿区立四谷第三小学校教諭)
○横山
一晃
(同上小学校6年生)
○鈴木
直美
(横浜市立戸部小学校教諭)
○簗取
明日香(横浜市立老松中学校1年生)
○山村
知花
(フェリス女学院中等部1年生)
○田島
隆一
(佐賀県立山内町立山内中学校教諭)
○田栗
千愛
(佐賀県立武雄高等学校3年生)
○一ノ瀬加代子(東京外国語大学1年生)
嶋野
総合が「学力低下の元凶」とか、
「否定的な声」が高まってきている。しかし総合は、
本当に深い授業ができるのです。
まず、生徒の皆さんに、「今振り返って見ると、やっぱりいい勉強をしたなあ」と思
うことを、話して欲しいと思います。
(総合的な学習の時間を振り返って-児童・生徒から-)
一ノ瀬
自分が今振りかえってみて一番よかったと思うことは、自分の思いや、やりたいこ
とがある時、それをどう表現するかを自分で考えて行動する力が今、ついているのでは
ないかと思うことです。私は、中学校で環境活動について取り組みました。今も、自分
が下宿している市の環境問題に取り組んでいます。自分が住んでいる市の環境問題につ
いて疑問を感じた時、どうしたらいいかなあという考えがでてきたのです。その時、中
学校で総合的な学習をやった経験が思い浮かんで、これを基に考え、これからも環境活
動をやっていきたいと思い取り組んでいます。あの時の体験が、自分で考え、行動する
力をつけたのだと思います。あの時考え、行動したことが大きな力になっていると思い
ます。もし、あの時にやっていなかったら、今、絶対にそういうことをやっていなかっ
たと思う。
嶋野
これが総合だと思う自覚があるというのは、すごいことだと思います。次は、田栗
さんにお願いします。
田栗
私は人前で話をするのは大変苦手なのです。先生からこのシンポジウムへの参加を誘
われても総合をやっていなければ断っていたと思います。
私たちは、3年間、自分の街について調べてきました。私はこの街の住人ですが、ま
だ生まれて間もないので、街のことについて知らないことが多く、地域の人たちの手助
けを借りなければならないことを沢山経験してきました。その中で自分の思いを伝えな
ければ相手もわかってくれないし、答えてくれないということが分りました。そういう
ことが改めて分って、自分の性格を見直した時に、これではだめなんだと思いました。
中学時代は自覚がなかったのですが、高校性になってから、自分が変われたのは総合学
習をやったからだと思うようになりました。
嶋野
総合学習で私が変わったという自覚をもったと言い切れるのはすごいね。次は、簗取
さんお願いします。
簗取
私は、総合学習ですごく高い目標を立てて、それに向かって一生懸命取組んできまし
た。アルミ缶1200キログラムを集めるという目標でした。夏休みの暑い中、今日み
たいな暑い日も、学校にアルミ缶を持っていくのです。くさいのや吸殻やごみが入って
いるのを洗ったりして大変だったのですが、あきらめずに続けたら、目標をオーバーし
て1214キログラムも集めました。つらかったり、くじけそうになってもあきらめず
に頑張った事が高い目標を達成できた結果につながったのだと思います。最後まであき
らめずに頑張った力が今も私についていて、中学生になって、テスト勉強とか本当につ
らくてもあきらめずに最後まで頑張れるようになりました。
嶋野
目標を立ててやったことが大きな経験になっているということですね。もう一人、同
じクラスで同じ学習をしている人がいます。山村さんお願いします。
山村
私は、総合学習のアルミ缶収集活動で高い目標を立てて、最後までやりきったという
ことが自信になったと思っています。実際にこの中学校〔私立フェリス学院中等部〕に
入るための受験勉強にしても、夢に向かって最後まであきらめずに頑張る事ができまし
た。
嶋野
僕はこの授業を見たのですが、目標値をグラフにしていたよね。1200キログラム
は、ずっと上の高いところに書かれていたよね。ところがみんなが集めたのは、当時、
ずいぶん低い所に書かれていたよね。この間をどううめるんだろうなと心配したが、結
局は目標を達成したんですね。この達成したことが受験勉強にも生きたんですね。山村
さんは私立の中学校を受験したのですが、そういうところも切り抜ける力になっている
んじゃないかと本人の自覚があることがすごいナーと思いますね。
この授業では、結構トラブルもあったんでしょう。二人で一つずつ紹介してください。
山村
サンクス〔コンビニ〕でアルミ缶収集活動をしました。始める前にサンクスの店長さ
んに丁寧にお願いして、一週間ごとに2人で交代して取りに行けばいいと簡単に考えて
いたのですが、実際は,風で吹き飛ばされないように砂袋の重りを入れたり、お店が汚
い印象にならないように、きれいな箱にするようにしたり、沢山集まるので2日に一回
は回収しなければならないとかいう条件が出てきました。これらは、私たちがまったく
考えつかなかったことなのです.ビンなどが交じっている時には、アルバイトの人に分
別を手伝ってもらったりして、沢山の迷惑をかけてしまいました。店長さんにもちょっ
と注意をいただいたりしました。これは、もっと細かく計画を立てなくてはいけなかっ
たんだなーと思いました。6年生だからといって、社会のお店に迷惑をかけることはで
きません。ちゃんとするべきだと思いました。
嶋野
現実社会の勉強をしたんですね。もう一つお願いします。
簗取
夏休みに家に「すぐサンクスに来てくれ」と電話があり、駆けつけると、サンクスの
本部の方が見回りに来ていました。私たちのダンボールをくっつけただけの箱を見て、
「活動をするのはいいことだ。でも、サンクスの回収箱には保険をかけているが、もし、
私たちの回収箱が道路に落ちて、お客さんに迷惑をかけたり、怪我をさせたりしたら、
誰が責任を取ってくれるんだ」と怒られたりしました。それで、その場で、学校へ回収
箱を持っていって、もう一人の友達と箱を作り直しました。その友達が、暑さのあまり
貧血で倒れそうになったのですが、最後まで一緒に頑張ってくれて本当に嬉しかった。
回収箱に重りや砂を入れて、重かったのですが、店に戻しに行きました。最後まで頑張
って、責任を果たしました。
嶋野
社会には、決まりがあるんですね。ただ思いついたことだけではすまないという、す
ごい勉強をしたのですね。次は、四谷第三小学校の横山君お願いします。
横山
僕たちは、総合的な学習で沢山のことを調べたのですが、その結果、世の中という周
りを見る目が変わったと思うんです。例えば、福祉を学んだときには、点字ブロックが
目に見えない人にどれだけ大切かが分かって、点字ブロックの上を無意識によけて通る
ようになりました。又、環境問題では、思った以上に木が無駄遣いされていると思いま
した。例えば、割り箸を一度使うと捨てていますが、洗って使うと何度でも使用できる
と思います。折り紙で少しでも失敗するとすくちゃくちゃにして捨ててしまうので、何
か工夫すれば使えることが分かり、もっと、資源を大切にしなければと思いました。
嶋野
横山君の話を聴いて、周りを見る目が変わったといっていますが、これを「学力」と
考えていいのでしょうか。僕はこのことは、大事だと思うんです。態度が変わって来て
いるんですね。四谷小学校の授業で印象に残った事があります。ボランティアの授業の
ことで子どもがこう書いていました。
「ボランティアすると何時も気持ちがすっきりします。それにボランティアは自分から
進んでやらないとだめです。」・・と
それで、僕はイミダスでボランティアを調べてみたら「無償、奉仕、自発」と書いてあ
るんです。子どもはこんな難しいことは言っていないですね。でも、
『ボランティアをす
ると、いつも気持ちがすっきりします。これがボランティアの共通点です』と書いてあ
るので、「すっきりする」、ということは、どういうことかと考えてみますと、「無償」、
お金をもらわなくてすっきりするし、
「社会奉仕」なのですね、それと「自発、自分から
やらなくてはだめです」と書いているんですね。「ボランティアは、こういうことだよ、
と難しい言葉で教えるよりもよっぽど実感的に学んでいるな」と思うんです。
生徒たちに語ってもらいましたが、子供たちの主体的な学びには、先生の存在は大き
いと思います。先生方には、
「総合的な学習の手応えは何か」聞いてみたいと思います。
(総合的な学習の時間の手応え-教員から-)
田島
平成13年に一ノ瀬さんたちと、街づくりに取り組みその研究発表会をしました。当
時の街作り実行委員の生徒たち10人が、先生たちの研究協議会に参加したいと申し出
があり、協議会の終わりに指導講師が、「なぜ参加したのか」と質問をしました。
ある子が、
「僕は、自分たちがやった総合を見届けたかったからです」と答えた途端、み
なさんからウヮーという声が聞こえました。自信を持っているんだなナーと思ったもの
です。次に、一ノ瀬さんが、
「自分たちが取り組んだ3年生のところで質問があったら答
えたかった」といいました。沢山の活動をしたので細かいところは答えようという自信
があったのでしょうか。その次の子が、
「先生は、私たちに自分の思いを発表しなさいと
いいますよね。~実は、その年、中学校で総合学習導入の初年度で、先生方もよく分ら
なくて、質問もあまりなかったんです~が、先生たちは、自分たちには、自分の思いを
発表しなさいといいますが,今日の会議で誰も何も言わないので、がっくりきました。」
と言ったのです。それを聞いた時に、私は、「ああ、こういう子どもが育ったんだなー」
と強く思いました。このことがいつも原点にあるので、5年間続けられています。
鈴木
私は、子どもたちが、「自分作りができる」ことが、総合かなあと思います。そして、
「子どもたちの自分作りに深く関わったこと」が手ごたえです。
私が実践したこのアルミ缶の授業では、街と関わったので子どもたちが自ら乗り越え
なければならない問題が沢山ありました。問題にぶつかった時,子どもたちは,
「自分な
らどうするか」真剣に考え、いろいろとアイデイアを出し合い、考えの根拠を出します。
そこまでは,いろいろな教科でもできるのですが、そこから決定し、方向性を見つけ行
動へと移ります。その時、何に照らしてやるか、こういう考えの視点もあったのかなと
新しいものをお互いから引き出しあっていくのです。ですから、高い目標に照らして、
考えをまとめ、達成できたのだと思います。
一つのエピソードを紹介しましょう。0君がある日、
「もうちょっと、休みたいよ」と
言ったのです。頑張っている子が休みたいと言ったとき,頑張れ,頑張れと激励するこ
とは簡単ですが、やめるとか、休むとか、立ち止まりたいといった時、一端、街に関わ
ってしまったので、どうしたらいいのかと子どもたちも真剣に悩むんですね。0君は、
毎朝、登校前に町会の集積所からアルミ缶を持ってくる係りでした。何事も熱心にやる
子で、運動会の係りなどの責任ある仕事もしていました。打ち合わせも朝にあり時間的
な余裕がなかったのだと思います。彼はみんなに相談をし、学級のみんなは、0君の日
ごろの頑張りを良く知っていましたので一緒になっていろいろ考えました。
「ポスターを
貼って集めたらどうか、チラシをまいたらどうか、回覧板を回したらどうか、
・・」いろ
いろ考えるのです。この解決には、誰かが代われないものだろうかと方向性を見つけて
いきました。また、1000キロたまった時にもどうしようかと考えました。
「車椅子4
台を目指そうか、お花を色々な施設に送って喜んでもらおうか、学校に記念に何かを残
そうか」と色々考えるわけです。どの考えも子どもたちの温かい心から出ているので悪
くないのです。自分と考えが変わっても、やれるならやらせてあげよう、子どもを信じ
て待っていよう、と言う覚悟が自然にできるようになるのですね。そうしますと、子ど
もの言葉の一つ一つにも思いを込めて感じることができるのです。ですから、子どもの
話を実感を込めてうなずくことができました。
嶋野
子どもたちがアルミ缶がなかなか集まらなくて、もう車椅子をやめよう、これくらい
なら杖にしよう、杖ならすぐできると話しあった時もすごかったですね。結局は車椅子
をあげたいという目標まで、妥協せずに頑張ったんですね。それにしても、
「先生が、子
どもの自分作りに関われたんじゃないか、子どもの生き方までに関ったんじゃないか」
と教師が自覚して言えることは、教師冥利に尽きますね。
宇野
今日は,学級の子ども26人、全員を連れてきたかった。でも、誰か一人を代表に選
ばなければといった時、横山君が「是非、僕を選んでください」と積極的にいってくれ
たのです。嬉しかったですね。さて、総合の学習は、子どもたちと一緒になって学ばせ
てもらう、調べたり、分かったことの感動を共にしていくことだと思います。環境、福
祉、安全と色々やってきたのですが、多くの町の方々と深く関り、地域の人たちと名前
で呼び合えるようになりました。子ども自身も、町会の久保さんとか大友さんだなあと
名前で呼び合える関係ができたと言うことで、地域との結びつきが深まり、自分の住ん
でいる地域に対して愛着が深まりました。
嶋野
名前を呼び合える関係ってすごいですね。関りも深まるし、尊敬も生まれるし、これ
も学習成果で、すごいことだなと思います。
実はここに、山村さんのお母さんが見えています。学校でやったことが保護者、親の
立場からのどの様に写ったか、一寸聞いてみたいと思います。
(親の視点から)
山村(母)
総合学習で学んだことと言うと、コミュニケーション能力がついたこと、自分
の考えを相手に的確に伝える力がついたこと,高い目標を立てたときできるかなと先々
の不安を考えるよりも、できることからやってみて、発展させていく力がついたと思い
ます。これは、勉強についてもいえると思います。できること、できないことを互いに
鍛えあって、補い合って、助け合っていくという力がクラスの子どもたちについたので
はないかと思います。継続する力、地道な努力、すぐに成果が出ることを求めるのでは
なくて、長い目で見ていくという力がついていったと思います。
嶋野
3人の先生方に「総合の学習のポイント・・ここを逃すとだめよ」と言うことを一言
ずつ述べてもらいます。
(総合的な学習の時間に取組む際のポイント)
田島
子どもと共に活動する、子どもの目線で活動するのですが、更に大切なのは、この子
どもたちにこんな力をつけたい、こんな子どもに育てたいという具体的な子ども像を活
動計画の前に立てることです。そして,一緒に取り組む先生方と、
「今のがねらいとする
子どもの姿だよね、こういう子どもだよね」と具体的な目標をいつも、話し合っていま
す。そして、活動は子どもの目線でやろう、と無理にやることはさせていません。
鈴木
一人一人の子どもたちが今、何を思っているのかなと常に考え、私自身が面白がって
みていることです。自己決定をしているのかな、その中で何を考えているのかナーと見
ていく事がポイントです。決定する前に時間がかかるのですがその時間を保証してあげ
ること、自己決定をして価値観まで持っていくためには、振り返りをキチンとさせるこ
と、それが、確かな思いにたまっていくことが大切だと思います。
宇野
横山君が自ら、今日のためにメモをしたものがあり、これを見て感動したことが2つ
ありますので紹介します。
一つは、総合と教科の違いは、人との関わりがあることではないかということを書いて
います。なんだか、教師よりも総合が分かっているのではないかと思いました。
もう一つは、教科は、自分が学ぶことを受け入れるだけだが、総合は、自分から、言
ったり、動けたりするといっていた。彼の動きを見ていて、やっぱり総合をやっていて
良かったと思いました。
嶋野
どうでした皆さん、この子ども達、堂々としていませんか。
今までの教育と言えば、例えば、目があったら目をそらしてしまう、話し合いをする
というと、どんどん体が小さくなっていく。でも、総合の学習では、一人一人が自立し
ていると思うんです。これを学力と言う問題と絡めても、本当に考えていかなければな
らないと思います。今日、子どもたちがメッセージしてくれたこと、支えてくださった
先生方、今日の登壇者の方々から、子どもが、先生を信頼していることもみえました。
これが教育の原点ではないかと思います。
【リレー講演「なぜ
総合的な学習が必要か」】
これからの社会には、知識をもとに考えて、行動できる人が必要である。総
合的な学習の時間は、自ら考え、自ら行動する機会となる重要な時間である。
その機会に積極的に協力をおしまない人たちが社会には多くいることが分
かった。
司会
○堀田
力(推進する会代表)
○縣
秀彦(国立天文台助教授・日本ハンズオンユニバース協会副会長)
○品田
穣(東京農業大学総合研究所客員教授・元文化庁調査官)
○原田
信之(岐阜大学助教授・元オルデンブルク大学客員教授)
○平岡
久夫(経済同友会「教育問題委員会」副委員長
・日興フィナンシャル・インテリジェンス株式会社副理事長)
堀田
それぞれの立場から総合の学習の時間について、お話をいただきます。まずは、
「なぜ
必要と感じているのか」をお話ください。
(なぜ、総合的な学習の時間が必要か)
縣
私は、昨年、天動説を信じている小学生(7校 4・5・6 年 300 名)が 4 割いるという
調査結果を発表しました。報道は、4割もの子が間違ったのだからもっとしっかり教え
ることが必要と述べていたが、私は、今の学校では教えていないのに6割の子が地球は
太陽の周りを回っていることをなぜ知っているのかに注目しました。いずれの知識も教
科教育の中だけで得られるものではないという前提にたって考えることです。どんなに
教科のカリキュラムを充実させてもこのことは起きます。
例えば、「理科年表」のデーターの 8 割は 20 世紀中のものです。学校教育は基礎基本
から積み上げていく学習過程がほとんどです。従って、8 割は 19 世紀・20 世紀中の知識
を教えているということになります。一方、個性重視の多様化した学習では、これまで
の知識を教えるだけでは、学習の意欲を失うことになります。ですから、総合的な学習、
横断的な学習の場で広い視野にたって生きる力をつけさせたいものです。学習には、探
求する学習と習得する学習がありますが。総合的な学習の時間は、探求する中で、自分
で見通しを立て、推考・整理し、内省することを繰り返す学習で、総合的な学びとかテ
ーマ学習といわれる所以です。社会的な本物の活動の縮図的な学習であるといえます。
品田
私は、文明の行き詰まりが総合学習を生み出したと常々主張しています。これまで、
人類は、
効率を求めて全知全能を傾けてきました。そして、効率のよい社会になり
ました。その背景に
は、共通して一つの方法が存在しました。それは、事物とか
物事を細分化して、それを特殊化
するということで文明を進化させてきたのです。
細分化して知識を詰め込んだ結果、いろいろな問題が起きてきました。その解決策の一
つが総合的な学習の時間だと考えます。
原田
今回の設立趣意書に私が同意した理由をお話しします。なぜ総合的学習が必要かとい
うことですが、教育の基調の流れを変えてはいけないということです。総合的な学習の
設置は、教育観、指導観、児童観等、この観の転換に重要な役割を果たしてきたといわ
れています。4、5 年前から学力の低下が言われ続けています。そのための教え込みの
授業の復権に私は、危機感、焦燥感をもっています。教え込みの授業を転換させ、子ど
もの主体的な授業を実現させていくこと、つまり学校文化の転換です。なかなか難しい
ことですが、教え込み授業を復権させてはなりません。
巷では、学力向上政策として、学習指導要領に教える内容を盛り込んで学力を高めよ
うとしています。この学力は、私たちが思い描いている学力ではなくて、クラシカルな
文化、読み書き計算を基調とするものです。バランスのとれた学力モデルが必要です。
教科の知識と学習スキル、教える内容と教え方のバランス、自分の力と社会的な力のバ
ランスがとれた学力モデルを考えた時、総合的な学習の方向は間違っていません。世界
の動向と日本の教育改革の流れからしても総合的な学習をなくしてはならないと考えま
す。
堀田
ありがとうございました。学力低下論ですが、海外と比べて学力が落ちているので、
総合の時間を減らして知識を詰め込めという意見をどうお考えですか。
原田
問題解決力は見えない学力、新学力観は実態のない学力だというふうに言われていま
す。それらをいかに見えるものにしていくかが課題です。
堀田
その解決のためにも総合的な学習が必要なのだというお話の筋になりますね。
平岡
経済同友会の「教育問題委員会」で、今の時代はどういう時代かと考えた時、一つの
問題に対して、答えは一つではなくいろいろある、あるいは、答えがないこともあると
考えるのです。また、一つのことを決定したとき、正解であるかどうかは、すぐには分
からないということです。しかし、決定する時に大事なことは、総合的な知識が必要で
あるということです。もう一つ大事なことは、チームの力です。確かに一人の人がいな
いと前に進まないということはあります。しかし、その新しい発明・発見をした人には、
その人をサポートした人もいたわけです。総合的な学習で、こういう力を小さい時から
養っていただいて、プロセスを踏んで考えられる人を私たち経済界では求めています。
堀田
ありがとうございました。それぞれの立場からお考えを披瀝していただきました。私
も検察庁、法務省で 30 年、さわやか福祉財団、ボランティアで 15 年といろいろな人と
会ってきて、特に若い人に会って、こんなことも知らないのかとびっくりする経験が増
えてきたように感じます。私が不思議に思うのが、大学入試のセンター試験です。こん
なことを知らないと大学に入れないのかと思わせるすごい知識量ですね。実際に会った
人たちとのギャップは、どこでどうなっているのだろうと考えさせられます。テストの
時に覚えて、後はスパッと忘れる勉強の方法、覚えることが勉強のようです。教科の勉
強というのは、先程の子どもたちのように、自分が好きなこと、知りたいことを考えて
決め、聞いたり調べたりすることを身に付けて、それが力になっていることが大切なこ
とです。知識をもとに考えて、行動できる人が必要です。それには、子どもは力を持っ
ているのですから、信じて待つという指導により、本人にも社会にも真の力がつくとい
うことでぜひぜひ行ってほしいものです。昔は、そのような教育をしなくても、親の言
うことを聞いて、会社に入ったら上の人のいうことを理解さえすればよかったのです。
言われたことをまとまってやることで経済は発展し、経済大国となりました。今は、そ
れが 180 度変わりました。
それでは、これからどうすればよいのかについて二順目のお話をいただきます。
(総合的な学習の時間はこれからどうすればよいか)
縣
本物の活動をするには、基礎基本がないとできません。物事を習得していく学習も大
事だと思っています。探求していく学習とのバランスをどうするかです。
学習にあたっては、大学・研究機関・企業や町にいる専門家をぜひ活用してください。
専門的な内容には、先生方だけで対応することは不可能です。大学等でも特性を生かし
て学校を支援したいと思いつつあります。情報化の社会です。インターネットを使って
学びの共同体が様々な分野で育っています。ハンズオンユニバースは 1992 年にカリフォ
ルニア大学から始まり、ワークブック、ソフトウェアー、ワークショップ等で国際的に
情報交換を行っています。内容は、科学の発見、超新星や新たな惑星の発見、また、科
学者として論文にまとめ、推考整理しています。日本の中学生・高校生が外国の中高校
生と協力して観測することにより、お互いにデーターをチェックすることができ 24 時間
観察が可能になります。このような方法で、総合的な学習がより広がります。
品田
総合的な学習の時間のねらいは、皆さんご存知のように自ら考え、判断し、行動する
ということで、学力低下どころか、学力は高まると考えます。
これから解決すべき問題点としては、二つあると思います。一つは、学齢前の現体験
です。これは、家庭や地域の問題で学校以前のことです。昔の子は体験の中から不思議
を探しましたが、今の子は、テレビを見て、不思議を発見しています。自ら課題を見つ
ける時に現体験がないものですから、学校が現体験をさせなくてはなりません。それを
文部科学省は、子どもが遊んでばかりいる、あるいは、這い回る体験学習で学力が低下
していると考えてしまうのではありませんか。しかし、体験が不足しているのですから、
家庭も地域も学校もなんとか遊ばせなくてはならないのです。
二つ目は、自ら考え、自ら解決するその方法の開発が必要です。日常生活においても、
研究においても疑問を解決する方法は同じです。私も地域の学校で子どもたちに教える
機会があります。地域に連れて行って不思議を発見させます。“何で木は高いの”“ニセ
アカシアにとげがあるのはなぜ”など 10 個ほどの発見をします。それを自分で解決する
のですから、なかなか大変です。まずは、こうではないかと推測をし、仮説の研究をし
ていきます。学者の研究方法と同じです。生物学者になりたいという子も現れました。
総合的学習には未来があります。
原田
先程発表された子どもたちは、皆さん小さなタスクをもっています。それは、自分で
計画を立てる、そして実行する、やりきるまでやる、ということです。計画を立てる時
には見通しをもつ力や自分では何ができるかという自己理解が深まります。実行する時
には、学んできた学習技能や知識、他者との関係などが求められます。タスクがいたる
ところにちりばめられていることが大切です。学習の前も学習しながらも学習後も人に
伝えることも含めて「なすことに学ぶ」のです。学びのタスクを繰り返すことによって
発展します。それを教師は支援をするのです。
今の時代は、権威が暴落した、あるいは不確かな時代といわれています。教科書も古
い時代の内容であったり、マスコミをにぎわす先生もいたりして、先生の権威も失墜し
ている時代です。ですから、自分の目や足で確かめること、主体的な学習が必要です。
“教科書を覚えておきなさい”
“先生のいう通りにしなさい”というのは古い時代の教育
です。学校で身に付けた知識は、すぐに使えなくなります。一生涯学び続けることが求
められる時代です。自分で学ぶ、生涯学び続ける力をつけるためにも総合的学習の時間
は必要です。
平岡
企業で話題になっていることは、
「CSR」、企業の社会的責任ということです。その一環
として「学校と企業・経営者の交流活動推進委員会」を立ち上げ、経営者が中学校・高
校へ実際に出向き、出前授業を実施しています。1999 年度から 2004 年度までに 146 件、
2005 年度は 7 月までにすでに 19 件申し込みがあり、講師派遣も急増しています。
最後に、海外の状況を一つだけ紹介いたします。イギリスにおいても 2002 年 9 月から
総合的な学習が始まっています。日本の公民と道徳を合わせたようなものですが、英語、
数学、科学といったコア科目と同様に重要視されています。総合的学習で、市民として
生きていくためにはどういうことが必要かを習得した上で、13、4歳になってから、経
済の学校、芸術の学校、スポーツの学校などそれぞれの特性に合わせて進学させていき
ます。ニートの語源の国としては、決してニートにはならないように喚起しています。
堀田
様々な話がでましたが、総合的に判断していただければ嬉しいです。パネリストの皆
様に拍手をお願いします。
【シンポジウムⅡ「総合的な学習の推進のために何ができるか」
】
私たちは、指導要領に基づいた総合的な学習の時間に創造的な取り組みを応援し、
協力をおしまない。行政にも、積極的な条件整備を要望する。
司会
小山内
○小山内美江子(推進する会代表
脚本家)
○鮫島
明良(東京都小学校PTA協議会会長)
○鈴木
功一(静岡県掛川市立日坂小学校校長)
○寺崎
千秋(全国連合小学校校長会会長・練馬区立光和小学校校長)
○林原
博光(北海道富良野自然塾教頭)
第 3 部は、総合的な学習の推進のために何ができるかというテーマです。いろいろ
な立場の方がいらっしゃいますので。それぞれの組織ではどのようにお考えになってい
るか、見解をご紹介ください。鈴木先生からお願いします。
(総合的な学習の時間のために何ができるか)
鈴木
私の学校は前・後期制にしましたので、総合も思い切ったまとめ取りの教育課程を組
みました。前期は「個人テーマへの挑戦」です。夏休みは「宝島」と命名して、一人一
人が宝を探し、夏休みの前後はまとめ取りをして、先生方が個人指導をして「個人カリ
キュラム」を作成し、テーマに挑戦させます。共同で活動することも大事ですので、後
期は「クラス単位の問題解決とその過程の表現」とし、クラス単位で、環境とか地域の
産業などについて取り組みます。そして、先生方に本気になってもらうために、1 年に 2
回、総合学習の研究発表会を開きます。昨年は、子どもの数の約 2 倍の参観者がありま
した。本校の先生方も努力しています。
小山内 次は、PTA の会長 鮫島さん、お願いします。
鮫島
我が家の一番下の子が 5 年生で総合的な学習を学んでいます。英語教育の指定を受け
ている学校なので、総合の時間は主に英語を学んでいます。英語を話せるか否かは別と
して、町で外人に接した時、気後れしない態度が育っていることは良いことだと思いま
す。また、わが子はイルカが好きで、総合の時間に発表するために、イルカとは何かを
研究するのです。イルカは哺乳類で、たまごから生まれるのではないと知ります。理科
の領域です。次に、水族館に行くに当たっては、親との交渉です。どこにあるか場所を
調べます。次に、交通手段を考えます。いくら交通費がかかるか、入館料はいくらかを
計算します。算数です。更にまとめるために国語力が必要です。子どもは、いろいろな
教科を自分の中でコーディネイトしながら、親を抱き込み、発表までもっていきます。
教科だけでは済まない有効な手段だと考えます。
今、子どものことだけいろいろ言いますが、一番勉強が必要なのは、親です。例えば、
社会に起きている事件に関しても、哲学も含めて、なぜ自分が生きているのか、なぜ他
の人と一緒に生きていかなくてはいけないのか等、親が教えなくてはいけない。学校で
教える前にまず家庭で教えなくてはいけないことに親は気づかなくてはいけません。私
が大学で専攻した社会学も、法社会学とか経済社会学とかつまり勉強したことを如何に
今の社会と結びつけて考えていくか、社会の中で如何に生かしていくかということで総
合の学習の学びと同じです。総合の学習は、大事なファクターとなります。
小山内
寺崎
次は、全国の小学校校長会の会長の寺崎先生、お願いします。
校長会として何をやっているのかと問われますと、一つは、学習指導要領の趣旨の徹
底です。総合的な学習の時間についての記載は、たった 1 ページです。しかし、この時
間を有効にするには、学習指導要領のすべてのページを理解していないとできません。
なぜなら、総合は、各教科で身に付けた知識や技能を相互に関連付けて総合的に働かせ
る力を身に付けさせることだからです。3 日前に中教審の義務教育特別部会の審議経過
報告について、校長会の意見を述べる機会があり、今の指導要領を基本的には変えない
という中教審の方針に賛成であると言ってきました。とはいえ、現場の先生方は、指導
要領を読んでいるのですかと委員から質問されました。生活、総合の学会などでも同じ
ようなことがありましたが、指導要領をしっかり読んで、その趣旨を理解し、それを総
合に反映するような教育課程をつくり、実践しないと、勝手気ままなものになりかねま
せん。
もう一つは、そのための予算で、人、物、金が総合ではかかります。それだけの措置
をしっかりしてもらわないと学校はただ知恵を働かすだけではできません。条件整備を
していただきたいと文科省に要望してきました。校長会として、全ての国会議員にも要
望していきたいと考えています。
それから、全国8つのブロックの校長会では、研修会の中で必ず総合的な学習につい
てテーマを掲げて研修をしております。特に校長は、その望ましい教育課程の実施のあ
り方にどう関わればよいか研修をし、各学校で実践するようにしています。今までのデ
ーターや調査発表の中に総合には格差がある、まだ十分に取組んでいないところがある
といわれています。とすれば、ひとえに校長の責任であると校長会で述べてきました。
校長がリーダ-シップをとって、大事な総合的な学習を守らなければなりません。
林原
哲学や理念をもった自然塾が欲しいと倉本聡さんと話をしていましたら、堤義明社長
からゴルフ場の跡地の使い方について相談がありました。そこで、元は森であったので、
元に戻す場やプロセスの中で、自然学校を作ってみてはどうかという提案をし、承諾さ
れました。来年の 4 月にオープンします。350 本の木を植えます。元の森に戻すために
は、10 万本の木を植えることになり、50 年はかかります。また、ホールの中に 460mの
地球の道をつくりました。地球が生まれてからの 46 億年の長さを 460m歩いて実感して
もらおうというものです。人間が現れてからはたった 50cm なのです。
私は、別のところでも学校を開いています。自然に関心をもたない人に来てもらいた
いと思っています。どうすればいいかと考えた時、やはり総合の時間です。倉本先生と
総合と組んでここをやろうと話しています。なくなるということは困ります。
小山内
私は司会ですが、「3年 B 組金八先生」をなぜ書いたかをお話したいと思います。
1979 年 10 月から番組が始まりました。1978 年 3 月にわが子が中学校を卒業しました。
1 年生の時は明るかった子が 2 年になり、3 年になると話すことが高校受験のことしかあ
りません。いい高校、いい大学がいい就職につながるという神話が歩き始めていました。
子どもは自分の力が分かっているのに、親から尻をたたかれる話をいっぱい聞かされた
時代です。辛かったですが、その中で学んだことは、とにかく聞いてあげればよいとい
うことでした。子どもの友達の話をたくさん聞きました。その頃、中学生の家出、中学
生の万引きという新聞記事が目につくようになりました。新聞紙の向こうからもがいて
いる中学生の姿が見えました。そこで、君たちは、自分の道を歩いていったらいいじゃ
ないかという応援歌を書こうと思いました。
ドラマの中の金八先生が子どもたちを荒川の土手に連れて行って「君たちは受験戦争
と言っているが、これは本当の戦争か?弾がどこから飛んでくるのか。爆弾がおちてく
るのか。この川が流れていくずっと向こうの国では、君たちと同じ年の子が死んだり、
飢えたり、傷ついた親を介護したりしている。君たちはテストの 1 点 2 点も大切だが、
その勉強をどう生かすかということだ。海の向こうの子どもたちのことも考えてもらい
たい。そういう子どもたちになって欲しい。」と延々と語らせました。子どもたちは、ド
ラマのどこかに自分を見つけたのでしょう。大変評判になりました。その後、私は、北
海道から九州まで学校を歩いて、取材をしました。校内暴力が吹き荒れていました。先
輩の先生方はご苦労が多かったことでしょう。
次に話があったのが、経済成長が波にのった 1988 年でした。母親が労働力として働き
に出て行きました。その結果、家庭から食卓がなくなりました。個食の時代です。食卓
において人間の歴史が始まっていくのに教える場がありません。その時起きた現象が、
皆が子どもです。注意をされると「うるせえなあ」という声は聞かれず、スウッといな
くなってしまう。どこに行ったか分からない。その中で起きた事件が女子高校生コンク
リート詰め事件です。
1995 年、また書こうと思いました。いじめが始まったのです。死に至るいじめがあり
ました。死というもの、相手の痛みが分からないのです。その中で阪神淡路の大震災が
起き、若者たちがボランティアで活躍し、世の中捨てたものではないと思いました。そ
の頃、埼玉県の高校受験で偏差値を参考にはしないと決定されました。大田区のある先
生が 3 月にお別れ遠足でディズニーランドに行くのではなく、やりたい授業があるとい
って横断的な授業が行われました。
1999 年は、学級崩壊です。実際をみると、学級崩壊ではなく、授業崩壊です。教科担
任ですので同じクラスの子でも授業によって態度が変わるのです。それを親がどう見て
いるのかも学級崩壊を生むことになります。
2001 年にマイノリティーの人権問題を扱いました。性同一性障害です。身体は性転換
して男性になっているのですが、病院にいって保険証を見せると、女性と書かれている
ことに苦しむ話題を話し合いました。
2004 年は、障害のある人と共に生きていこう、その中で恐ろしい性感染症、エイズの
問題を取り上げました。先進国の中で、日本が一番爆発的に増えています。文科省は、
寝た子を起こすなといっておりますが、子どもは寝ていません。目を爛々とさせて、間
違った知識を取り入れています。親だったら、ちゃんと教えるべきですという思いがあ
ります。性感染症の子の中には麻薬にも手を出し始めた子がいます。
では、先生方は 25 年をどう感じられ、総合的な学習をどう伸ばしていくかをお話い
ただきます。
(総合的な学習の時間をどう伸ばしていくか)
鮫島
うちの子どもたちを見ていると、教科をまたいで、自分でコーディネイトする力や生
き生きと活動する姿が見られます。親としては、読み書きそろばんといった基礎学習を
生かして総合につなげて欲しいです。親へのアピールも足りないと思います。総合学習
とは何ですかという質問があります。学校から、いろいろな会から、PTA から発信する
ことも必要です。まず、正しく理解してもらうことです。当然、教員の資質に関わる問
題で、教員に迷いがあると子どもに伝わります。学校の取り組みが必要ですし、それを
サポートするのに保護者を活用していただければより総合的な学習への関心が高まるの
ではないかと思います。
小山内
鮫島さんにお伺いしたいのですが、総合的学習は家庭と一緒になってやると効果が
上がると思うのですが、どのようにお考えですか。
鮫島
基本的には学校は勉強を教えてくれるところという認識が保護者にはあると思うので
すが、総合に関しては、どう社会と関わるのか、どう友達と関わるのかといった問題を
子どもが身近なものとして捉えていることが重要で、その点で親が関わることも重要だ
と考えています。
鈴木
先程、原田先生が「なすことに学ぶ」で、なすだけで終わってしまってはいけないと
おっしゃっていましたが、その通りだと思いました。地域の一番の産業がお茶なもので
すから、お茶について調べるのですが、詳しく知らない子どもたちは、親や農協に聞い
たり、いろんな人を訪ねていって聞いて、調べて、その効果や郷土の産業としての魅力
を劇化するのです。総合の追究活動の後半の部分に表現をいれてみると、実に面白い。
表現するためには、調べ直しがないと出来ないのです。そして、表現するためには、ク
イズを入れたり、時にユーモアも入れるのです。表現の手段と自分たちが追究したこと
をつなぎ合わせていくと楽しい。それでいて、自分たちが学んだことがすっと残る学び
になっていきます。去年の発表では、4 年生が大型のユンボを動かしました。1 年がかり
でオオクワガタを卵から孵した子がいました。大事にしたい姿だと思っています。
寺崎
今の学習指導要領は、読み書き算の基礎を徹底させて、厳選された各教科をしっかり
身に付けて、その身に付けたものを使って総合で、自分で課題を見つけて、自分で計画
を立て、実行し、新しい自分なりの知見を見出していく、まさに、これからの日本の子
どもに必要なことを学習する時間が設定されました。全面実施になってまだ 4 年です。
ようやくここまできたのです。これからが、この時間をしっかりと育んでいく大事な時
期にはいるわけです。中教審は、少なくともこの時間はなくすことはしない、基本的な
枠組みは残す、ただし、時数はといっています。本当は、時数も減らして欲しくありま
せん。実践をしっかりやっていくためにはそれなりの時間が必要です。教師が効率的に
教えるにはある程度の枠組みの中でできますが、総合の中で子どもが本気でやるにはそ
れなりの時間が必要です。その意味でも守ってもらいたいと思います。今日、皆さんと
このことを確認できたことが素晴らしいことだと思いますし、ぜひ、22179 校の子ども
たちが今日発表していただいた皆さんのように元気に育つことを期待したいと思います。
林原
10 日程前に山梨県のある先生に会いました。環境教育の必要性について、いろいろ話
をしました。環境教育の大事なのは良く分かるが、今、親たちが求めているのは、実は
そういうことではないのです。もうちょっと成果が目に見える教育が求められているの
です。優秀な受験校に何人いったか、成績がどのくらい上がったかというようなことを
求めているのであって、悠長なわけの分からない、結果が見えない環境教育などに本当
いうと関心がないのです。先生たちもしょうがないからそっちの方向にいくのです。先
生の質も変わってきたと思います。私の小さかった時には、そんな先生は少なかったと
思います。
ついでにお話しますが、私は TBS という放送局で、人事を 6 年担当して、採用をして
きました。これは大事なことなのですが、お父さんもお母さんも先生方もずいぶん勘違
いされています。いい企業にお子さんを入れたいと思っていらっしゃいますが、知識ば
かりの子どもをとる企業は極めて少ないと思います。分かり易く4つにまとめますと、
一番企業が欲しいのは、知識力、知力があって、人間力がある人です。人間力というの
は体力、気力、交渉力などが総合された力だと思います。一番欲しくないのが、知力も
人間力も劣っている人で、企業はとりません。間にある二つで、知力はあるが人間力が
ない、人間力はあるが知力がない、どちらを採るかというと学力はなくても人間力があ
る方です。総合の時間について、今の私の話に結び付けて考えていただきたいのですが、
人間力を育てるのは何かということをもう一遍考えていただきたい。即結果がみえる、
即評価ができるというようなものではなくて、評価ができにくい教育が極めて大事であ
るということを再認識していただきたいと思います。
小山内 私は、NPO 法人 JHP・学校をつくる会の代表をしています。カンボジアに 135 校をつ
くりました。大学生を主体としてボランティアで行っています。しかし、大学生は、釘
を打つと指を打ち、くぎ抜きは上に持ち上げて釘が抜けないといいます。やってみるこ
とが大切だということが総合的学習だと思っています。学生は、今月末に帰ってきます
が、汗流して働いて三食しっかり食べるので皆太っています。私は、次の世代の親にな
る大学生に賭けています。
以上
総合的な学習の時間の
子どもたちの確かな学び
神奈川県横浜市立戸部小学校
平成16年度
やさしさから
総合的な学習の時間
『IKETERU
笑顔パワー隊』
やさしさが
5年生のとき、車いすを買うためにみんなでアルミ缶を集めると同時に、ハートケア
横浜の方達と交流する計画を立てました。
初めて、ハートケア横浜に行ったときは、どんなところなんだろう、本当に喜んでも
らえるのか、ちゃんと話せるのかと不安がありました。でも、着いて、みなさんの喜ん
でくださる笑顔を見たらほっとしました。中には、泣くほど喜んでくださる方もいて、
わたしは、すごくうれしくなり、はじめの不安はなくなりました。
それからは、ハートケア横浜でのふれあいの準備をするときは、ハートケア横浜の方
達がリハビリをふくめて楽しめるようなゲームを考えたり、喜んでもらえるような季節
ごとのプレゼントカードや折り紙を作ったりしました。今は、クリスマスカードを作っ
ています。喜んでもらえるだろうなとわくわくします。
わたしは、菅さんというかたに名刺をわたしたのがきっかけで、お手紙をいただきま
した。そこで、次のときにプレゼントをもって、菅さんにお会いするのを楽しみにいき
ました。菅さんは、お部屋のベットの横に、いままでにプレゼントしたものを飾ってい
てくださっていました。ひとつもなくさず大事にもっていてくださるのを知って、すご
くうれしくなりました。わたしは、枕もとで本を読んでさしあげました。菅さんは、声
がでにくいのに一生懸命「ありがとう。ありがとう。
」といってくださいました。
わたしは、お年寄りの方達との交流から、やさしくすると、もっとやさしさがかえっ
てくることや、言葉で心を伝えることの大切さを学びました。これからもいろいろな人
とふれあっていきたいです。
平成十七年三月
これまで、朝には、いつもガチャガチャいっていたアルミ缶がなくなってすっきりし、
かわりに新品の車椅子がきて、なんだか、ぽっかりとした穴があいた気分だった。朝当
番もいなくて、「あれっ。」と思ってしまう日もあった。登校して、アルミ缶つぶしをし
て、問題を話し合うことを習慣づけてしまうほど続けてきたんだなあと思った。
ピカピカの車椅子を見たとき、「やったあ。」と思った。プレゼントをしたときもうれ
しかった。友達が誕生日のときにプレゼントをあげて喜ばれたときと全く同じ感覚だっ
た。ちがうのは、それが大勢の人で作り上げたということ。何回味わってもうれしい感
情だ。
【集める】ってすごいなあと思った。やらなくては進まないという当たり前のこと
を改めて感じた。
中学校へ行って胸をはっていえる自慢の思い出。自分の中の視野を広げられた気がす
る。町や社会にでて活動したから。協力してくれる人、優しい人がいっぱいいると思い
うれしくなった。
笑顔がたくさん!!
わたしたちは、今、笑顔がいっぱいになるために、アルミ缶を一生懸命集めています。
わたしは、近所の人、数人に「アルミ缶を集めています。その集めたアルミ缶を売っ
て、町に車いすを贈りたいのです。」と、たのみに行きました。すると、「それなら、今
度、ためておくね。
」と、気持ちよく OK してくれました。
夏休み中とかは、六十個以上家にたまりました。みんなも、コンビニや大塚商店・幼
稚園などに行ったりして、夏がおわってからも、毎週とりにいっています。
ハートケア横浜の交流では、お年寄りのかたはもちろん、わたしたちも楽しく交流が
できていいと思います。今では、2年生もいっしょにいっています。これからも、他の
学年もいっしょに交流することが多くなるといいなと思います。
ハートケア横浜の方達は、わたしたちを楽しみに待っていてくださいます。わたしも
楽しみです。でも、わたしは思いました。なぜ、そんなに楽しみにしてくださっている
のだろうと。わたしは考えてみました。子どもが好きで、いっしょうけんめいのわたし
たちを見て、もっとそのことを見たいと思ってくださるのかなと。
わたしは、ハートケア横浜のかたは、本当に楽しみに待っていてくださるので、うれ
しいです。わたしも相手のかたの笑顔が楽しみです。これからも、笑顔がいっぱいにな
るように、がんばりたいです。
ふたを集めて
アルミ缶をつぶしているときに、アルミ缶のふたをはずします。ふたの裏には、プラ
スチックが付いています。プラスチックを付けたまま金属会社に売ることはできません。
ぼくは、ふたの裏のプラスチックをはずそうとしましたが、なかなかとれませんでした。
無理にとろうとすると、とても危険でした。ぼくは、これを何かにつかえないかと思っ
て、集めてみることにしました。
それから、ぼくは、アルミ缶をつぶすときに、ふたがついているものがあると、ふた
をはずして、洗って箱にためはじめました。けっこうたくさん集まったので、びっくり
しました。
ふたにも、いろいろな色があってきれいです。デザインもついています。お茶のふた
は、絵が4種類もあります。こんなところにも工夫しているんだなと思っておもしろい
です。ときどき箱からだしてならべてみると、すごくきれいで楽しいのです。ぼくは、
これを使って総合でやってきたことの記念になるような大きな絵をつくってみたいです。
そのためにも、最後まで集めていきたいです。
伊勢竜さん
ありがとう
わたしが、いままで考えていて答えが見つからなかったことは、『自分のよさ』です。
ですが、この総合学習を通して、答えがひとつみつかりました。
わたしは、毎週金曜日に、伊勢竜さんでためておいてもらったアルミ缶を取に行くの
ですが、途中であきらめてしまいがちなわたしがよく今まで続けてこられたと思います。
わたしが、伊勢竜さんに行くようになったのは、さやかさんが誘ってくれたからです。
伊勢竜さんは家からも学校からも近いので、できるだろうと思ったので一緒に集めるこ
とにしました。伊勢竜さんに、アルミ缶収集についておねがいすると、快くひきうけて
くださいました。金曜日に取に行くと、伊勢竜さんは、アルミ缶を用意しておいてくれ
ます。洗っておいてくれることもあります。ありがたいなあと思いました。
その中でも、忘れられないのが、夏休みのある一日です。暑い日でした。もらいにい
ったわたしたちに、
「今日は暑くて大変だね。
」
と、バニラのアイスをひとつづつくださいました。今でも、そのうれしい気持ちをよく
おぼえています。
わたしが毎週取りにいけるのは、伊勢竜さんがあらってくださったり、多いときには
小分けにしてくださったり、親切にしてくださったからだと思います。
この活動を通して、わたしは、自分のいいところをつくることができました。いまま
でのわたしは終わらせるまでの過程で、一生懸命にやったという実感がもてませんでし
た。でも、この活動は、一生懸命やれました。一生懸命やると、その分、うれしいこと
がありました。だから、これからも、なにかやるときは、途中の過程でも一生懸命やり
たいと思っています。
自分の成長
ぼくは、自分は成長していると思いました。それは、勉強ができるようになったり、
みんなとしゃべれることができるようになったりしたことです。でも、一番成長したな
と思うのは、みんなに喜ばれたことです。
1回めのハートケアの帰り道。ぼくは、楽しかったことを、俳句にしました。
『やさしいな
ハートケアの
あたたかさ。
』
『あたたかい
ハートケアには
春の風』
「そうだ。これをつぎにハートケアにいくときに紙に書いてプレゼントしよう。
」と思い
ました。
2 回めのハートケア横浜訪問のテーマは、ハロウィンでした。ゲームやカードの用意
をしました。そのときぼくは、前に作った俳句を紙に書きました。喜んでもらえるかな。
ぼくは、ハートケア横浜にいって、俳句をプレゼントしました。うけとったおばあさ
んは、笑顔いっぱいで涙をうかべて、すごく喜んでくださいました。ぼくが、おばあさ
んに笑顔をあげられたと感じてとてもうれしかったです。看護婦長さんも、とても喜ん
でくださいました。そして、ハートケア横浜の玄関にかざってくださいました。初めて
つくった俳句がハートケア横浜で喜んでもらえてとてもうれしかったです。
ぼくは、これからも、ぼくの気持ちをいい俳句で書いていきたいです。そして、ハー
トケア横浜で喜んでもらいたいです。
輝いた自分
ぼくは、総合学習で大きく三つ輝くことができたと思います。
一番めは、車いすを借りに2回もいったことです。車いすを借りるときは、すごく緊
張しました。西区役所に行って、社会福祉協議会の人と交渉します。交渉は成功して、
学校に車椅子を借りて、次の日に車いすの使い方やおし方をみんなに教えました。その
ときは、みんなの前で話したからそれもすごく緊張しました。車いすを返しにいくとき
は、ぼく一人だったので、階段がすごくたいへんでした。返すときも、役所の人にお礼
をいいました。ぼくは、それをして、みんなの前で発言などをはっきりいえるようにな
りました。達成感があったから輝いた自分だと思いました。
二番めに輝いたと思うことはアルミ缶つぶしです。五年生のときに、アルミ缶つぶし
大会をして、準優勝しました。それで、六年生になってつぶすのに、汗をかきながらが
んばってやりました。朝の当番にも火曜日にたってアルミ缶をつぶしたり集めたりして
います。
3番めに輝いたと思うことは、ハートケア横浜に行ったことです。ハートケア横浜は、
高島町の近くにあります。そこで、お年寄りの人とふれあいました。ショータイムとい
うのをします。歌や踊りをします。そのあとでマイプランといって、個人でお年寄りと
遊んでふれあいます。ぼくは、おはじきをしました。最後にプレゼントをあげます。プ
レゼントには、ハロウィンカードとおはじきと風船をあげました。すごく喜んでもらえ
たのでうれしかったです。
アルミ缶を集めて…。
私は、アルミ缶収集活動をやってこんなことを思うようになりました。この活動を一
年生の時にやっていたら今のような気もちで、できなかったと思います。なぜならこの
活動への私の考えは、一年生~四年生までに学んだことをつみ重ねて活かしてやってい
るからです。ボランティア精神や物に対して、いろいろな方向から考えるという見方な
ども成長して、今の自分がいるからと思うからです。
私の心の中にあるボランティア精神というのは、
「やらされることでなく、自分から進
んでやること。
」です。仕事だったらやらされたり、ぜったいにやらないといけないこと
だけどボランティアは、自分で見つけて、自分がちゃんとできることをやるのだと思い
ます。だからハートケアでもいっしょで、自分から進んで一番自然な形でせっしてきま
した。
いろいろな方向から物を見るというのは、アルミ缶収集活動に対する気もちも、いろ
いろな考え方ができることです。一年生の時にやっていたら、きっと「めんどくさいか
らやだ。
」
「きたないからやだ。
」などの気もちがいっぱいで出来なかったと思います。け
れど、今は、
「めんどくさい。」などの気もちより「楽しい!!」というきもちでやっていま
す。それと「ゴミ」とだけでなんでも考えているのではなく「リサイクル」という考え
方もとりいれてみているので楽しさが深まってきたのです。
お年寄りとふれあって
私はハートケア横浜や戸部本町ケアプラザで輝けたと思います。理由は、私が何かす
るとお年寄り達が笑ってくださったり、不自由な手を動かして拍手してくださったりし
たからです。ボランティアで演技をした時も、
「ありがとう」と言ってくださった人がい
ました。この時私は「あっ!喜んでくれたんだ」とうれしく思いました。心もあたたか
くなれました。そして私は、「ボランティアってきもちいい!」と感じました。
個人でふれあう時も最初はあまりコミュニケーションがとれなくて気まずい雰囲気に
なってしまいました。でもだんだんコミュニケーションがとれるようになってきたら、
会話が次から次へと続いて自分でもびっくりするくらいしゃべっていました。好きな食
べ物を教え合ったり、その方は戸部小卒業の方だと分かり、年も教え合ったりして、楽
しい時間をすごせました。
「かわいいね。
」と言われる時もあります。そういう時は、おせじと分かっていてもす
ごくうれしくなります。でもその後がどうしたらいいか、時々困りました。今になって
「ありがとうございます。
」って言えばよかったと思います。
あと、私がボランティアをすると、みんな笑顔になってくれます。なので私も笑顔に
なれます。自分で自然に笑顔を出せたのが楽しくなりました。
ボランティアは相手が喜んでくれれば、私も喜べるので、喜びは2倍になります。ま
た、私は6年生のはじめから「小さなことから自分にできることをやっていきたい。」と
考えていました。その一歩一歩を、お年寄りの方とのふれあいなどでも、できたと思っ
ています。
山梨県塩山市立松里小学校
平成15年度
総合的な学習の時間『松里地区がこんなふうになったらいいな』の感想
6番
この総合的な学習の時間では、グループでやるようなこともあったし、1人でやるよう
なことなど、いろいろなやり方がやれていいなあと思います。1人でやる時、始めは、
不安だな。心配だな。などと、自信がなかったけど、分からないことは、人に聞いたり
して、よりよく活動ができるように頑張りました。発表するときに、少しでも自分の調
べたことがみんなに分かってもらえるように、いろいろ考えたり努力したり、苦労した
ことが、たくさんあったけど、発表をやったあとは、自分1人でできた。よくがんばれ
たなあと、いろいろな、喜びの声が出ました。何回かやっていくと、こんどはグループ
でやることもあって、私は、グループでやれば、だれかがたすけてくれる。まかせてお
けばという気持ちがあったけど、やっていくうちに、自分からどんどん進んでやってい
きました。「あれ。いつのまに、こんなにできるようになったんだろう。」と思えるよう
にもなりました。それは、自分でこれじゃいけないんだ。努力すればできるようになる
んだなあ。と、自分に言い聞かせてがんばってやってきたからだと思います。前から努
力していろいろなことができるようになって、自信がもてるようになったし、今ではと
ても楽しいなあ。と、前にやったような不安はなくなったし、グループでやるときは、
友達のことを考えたりもできるようになって、すごくかわったと思いました。それから、
ほかの発表にも、なにか、自信がついたので、少しぐらいはずかしくても、頑張って出
来るようになりました。やっぱり、この総合的な学習があってよかったと思いました。
8番
総合的な学習でどんな心が成長したかというと、自分から進んで行動できるようになっ
たことと、やることがなくても自分からみつけだすことです。友達が困っていても自分
から進んで声をかけられるようになったし、グループのリーダーとして責任感を感じな
くてはならないなあ、と思えるようになりました。みんながなにかをしていてやること
がなくても自分からみつけだすことができるようになったので、工夫などがたくさん出
来ました。今までは人にたよっていたけれど、今回リーダーになってみてすごく責任感
や自分でなんとかしなきゃなということがまじめに考えられました。自分から積極的に
なることで自信がたくさんつくんだなあと今回あらためて感じました。わたし自身、前
は自信があまりなかったので、この「総合的な学習」があれば自信がふやせると思うの
でやりたいなと思いました。積極的にとりくめるようになって本当によかったで
す!!!!
11番
ぼくは今まで自分から進んでやるということをしてきていなかった。けどほかの人を見
ると自分から進んでやっているので、ぼくはこのままではとりのこされると思って、そ
れからそのことに気をつけてやったということ。少し心が進歩したと思う。ぼくはグル
ープで総合をやっていたり、じぶんで自分がちょっとたよりないと思ったときがあった
のでちゃんとして自分から進んで友達を見ならってやっていったので、その見ならった
ことをはっきしてきたいと思う。今までこれだけのことをしてきて少しづつ少しづつ自
信がついていっているということはいいことと思う。
13番
総合的な学習をしてぼくは、三つあります。
一つめは、いぜんより学ぶことがおもしろいと思うようになりました。まえは、学校
にきてもめんどくさい、つまらないと思っていたけど、総合的な学習をしていたら、友
達といっしょに考えたり話をしたりしてたら、いつのまにが、学校にきて、総合的な学
習のほかにも勉強がたのしくなりました。
二つめは、自分から進んで学べるようになりました。1年生~4年生までは、ほとん
ど、自分でなんとかやろうとしないで、人にたのんだり友達にまかせたりしていたけど、
総合的な学習の時間をやっていたら、人まかせにしていると、人にさきこされてしまう
という気持ちがでてきて、いつのまにか自分だけで進んで行動できるようになりました。
最後は、リーダーシップをとるようになったことです。4年生までは、ぼくは、リー
ダーをやらずに班員のままでしたけど、5年生になったら、総合的な学習をやり、どん
どん自分にじしんをもてるようになっていて、総合的な学習だけでなく、班長にも自分
からすすんでできるようになり、クラブの班長、たてわりのふく班長といぜんよりくら
べものにならないほど自分から班長やリーダーになるのがおもしろくなっていき、いつ
のまにか、すごくべんきょうが大好きになっていました。そして、これから中学生にな
るけど、この総合的な学習の力をすごくして中学生の生活につなげていきたいと思いま
す。
埼玉県杉戸町立杉戸小学校
平成16年度
総合的な学習の児童の感想
3年第3単元「ぼく・わたしの交通安全」
(地域)
わたしは、交通安全の勉強をして、原因について調べました。いろいろなことが分か
りました。
「ぼくわたしの交通安全」で事故がとってもこわいことが分かりました。わた
しは、これから、気をつけたいことは、横断歩道をわたるとき、車が来ているかどうか
かくにんすることと、自転車に乗るときは、ブレーキのかくにんやルールを守っていき
たいです。
おうちの人に知らせたいこと。①事故の1番多い原因はわきみ運転。②事故になりや
すいあぶない時間たいは、朝6時から8時まで、夕方4時から6時まで。③事故にまき
こまれやすい人は、ボーとしている人、50代や30代ということです。
今までの自分とくらべて、1つ目は、3年生になって初めて発表するとき、ドキドキ
したけれど、今はみんなの前でもドキドキしないで発表ができるようになりました。こ
れからも、発表するときは、まちがえてもどうどうと発表していきたいと思っています。
2つ目のかわっていったことは、まとめ方です。3年生のはじめは、あまり分からな
くて、じゅんじょよくできないで、どうやって発表するのかも分からなくて、ごちゃご
ちゃでした。でも今は、じゅんじょよくまとめて発表することができるようになりまし
た。
1年間けいめいの勉強をして、2年生まで生活科の勉強だったのが、3年生になって
けいめいになりました。はじめ、けいめいってなんだろうと思っていたのが、今は、け
いめいのことも、けいめいをすることも、発表の仕方もわかるようになりました。わた
しは、みんなと協力して、大膳掘りについて調べたり、ぶどうについて調べたり、その
ほか消防署のことや警察官のことなどいろいろ調べてきました。
3年生で、いろいろな発見、いっぱい見つけられたので、4年生になったら、もっと
いろいろな発見ができるかもしれないと思っています。これからもがんばりたいです。
4年第3単元「伝えよう
見つめよう
心と心」
(福祉)
最初は、わたしは「かわいそうだな」とか「もしわたしがそうなったらもう生きてい
けない」とか思っていました。でも「かわいそう」とは言えなくなりました。なぜかと
いうと不自由なところがある人も、その不自由なところのハンデがあるのに、たくまし
く生きているからです。わたしも、そんけいして、いろんなことにちょうせんしたりし
たいと思います。今までは何とも思っていなかったのに、不自由な人と会話できるのが
すごく楽しいんだなと、と思えるようになりました。
● 2学期とくらべて、具体的なかだいが作れるようになった!
● 1時間インターネットで、調べてみたけど、いい物がなくって、その1時間が無だ
になってしまいました。ほかの時間はとても上手にできました。自分が調べたこと
をたくさんのせることができて、とてもよかったです。
● 2学期発表したので、やる前はドキドキしたのも、発表し始めると、全く問題なく、
いつのまにか、む中になってしまっていました。「かわいそう」と思っていたのが
「すごいな、えらいな」と思えるようになりました。
4年「伝統工芸豆博士」
(地域)
この勉強の中で、自分と、昔の人、そして学習した相手の人の、三つのことが、勉強
になりました。その中で、発表は、皆に色々なことが教えられ、豆事典は、もう少し書
く位置、絵を工夫してやれば、もっといい豆事典になったと思います。でも、自分なり
に出来ることは、やったつもりです。これからは、豆事典のことを、思い出してもっと
分かりやすい事典などを作っていきたいと思いました。
最初はこんなのどうだっていいみたいな感じがあったけれど、そういうことはとても
大切でした。自分の発表の心を信じて、がんばり、自分自身のいいところを、色々なこ
とに使い、色々なこところに生かしていきたいと思いました。そして、何よりも伝統工
芸があったから、今の物があるということが、とても心にのこりました。
5年
○
「追跡
ぼくわたしの命」
(健康)
この学習をして、
「命」それは、何だと考えたら、わたしは、いつも「世界で一つだ
けの、みんながもっている宝物」しか、かんがえることができなかった。
今発表をおえて、改めて「命」について考えると、
「自分で自分をまもるもの、人には
あげられない、不思議なもの」だということについて、改めてつくづく思いました。こ
れからの生活の中では「命」というものを、意識して、妹、友達と生活していきたいです。
○
命について勉強して、自分の命は自分のものだけではない、みまもっていてくれた
人の全員の命だと今は思います。DNA、遺伝して私がたん生しました。どこかでだれ
かがとめてしまったら、いまの私はいないと思います。
私は、だからこのままDNA(遺伝)をつづけるため、自分の命をもっともっと大切
にしていきたいと思います。そして、このままずっとつづくといいと思います。
6年「日本文化探究」(国際理解)
私は日本人であることをすごくうれしく思います。大昔に行っていた伝統を続けてい
てその心を持った日本人になれてすごくよかったです。日本人でいること、すごくほこ
りに思います。
私は今までどうして日本ってすばらしいな、ということに気がつかなかったのだろう、
とすごく不思議に思いました。今、日本でいること、すごくすごくうれしいです。日本
文化で学ぶ心がすばらしく思いました。私は、これから今までの日本の伝統を続けてい
けるように努力したいです。私は日本人が続けていた伝統を行う心、礼儀や作法をはじ
め、集中、努力、根気などの心や気持ちを大切にしていきたいです。
今まで、日本人の人たちがたくさんの伝統を守り続けてきたので、こんどは私(私た
ち)がたくさんの伝統を守る番です。相手を思う心、礼儀、作法、集中、努力すべてが
やろうという気持ちにならなければ、できないものです。日本の伝統もそうです。すべ
てやる気が大切なので、やる気を大事にしていきたいです。
6年児童が考える「総合学習」とは
○総合は、将来につながることを勉強するものだと思います。
○すべての教科の勉強を必要とするのが総合だと思います。
○総合は、自分が新しい考えになって、大人になっていくように思う。
○総合は、深く調べるので、人に伝えたいと思うようになる。
○算数は、やり方や答えが決まっていて、いくつもの方法がない。
でも、総合は答えがなく、一人一人の課題や調べ方が違っていて、とても個性が現
れる勉強だと思う。
○総合は、自分の得意なことが発揮できる。
○総合は、色々なことを調べていって、色々なことがわかって、まわりが明るくなる
感じがする。
○総合は、すごく考えるところが多く、それがとてもいい。考えることが好きになる。
○総合は、ほかの人の発表を聞いて取り入れたり、発展させることができるのでとて
もいい。
○総合は、自分の興味からスタートして勉強していくのがいい。
○教科の勉強は、先生が教えるのだが、総合は、自分で学んでいくところが違う。
○総合では、友達の新たな考えなどが見えるようになって、友達関係も良くなる。
○総合の勉強をやって、積極性が生まれてよかった。
静岡県静岡市立中藁科小学校
総合的な学習の時間を振り返って
実践1[藁科川と人々のくらし](H14)での振り返り
○
これまでの自分と変わったなと思うことが一つあります。それは誰かに自分の伝えた
いこと必死で勉強して自分の気持ちを伝えることです。今までの私はよくがなく、ち
ょっとわかれば「これでいいや」と思っていました。でも藁科川のことを調べると、
今の藁科川を少しでも、知ってもらいたくて、中3の理科の本を読んだり、国土交通
省の人との電話やいろんな事があったけど、最後には発表ができました。人に伝える
ということが、私が成長したことだと思います。
・みんなの発表を聞くと聞くと感動した。藁科川は遊ぶだけではないと分かった。
・川はきれいだったので感謝するような気持ちになりました。
・この街は教えてくれる人がいたり優しい人がいてくれるので、このまちがもっと好
きになりました。
・こんなに川っていいんだなと思った。川への見方がいっぱい変わった。
・藁科川すごいと思った。普通の川じゃなくてすごい川だと思った。
実践2[お茶の郷・中藁科](H15)での振り返り
○
私はグループ別でやると「協力して仲よくグループでできた」と思いました。いろん
なグループ別をやって、私はグループの人と協力してできたと思う。一番町小学校で発
表の時とグループの人とうまくいったときです。とう茶をやったときに、とう茶って何
だろうと感じて研究していくうちに、とう茶のこともわかってきたし、その他のことも
わかってうれしかった。話し合うこともうまくできるようになりました。私は外へ行っ
て自分からインタビューがまったくできなくて、自分が疑問に思っていることがわかり
ませんでした。先生とかにさされても小さい声で堂々とできませんでした。発表すると
き、緊張するけれどみんながわかりやすく聞きやすくするためには堂々としなくちゃい
けないと思ったから、堂々と自信を持って言えるようにがんばったらできるようになっ
てうれしかったです。これからも堂々と言えるようにする。(E.T)
○
私は疑問や問題を作るのはあまり得意じゃなくて嫌だったんだけれど、あゆっ子でい
ろいろなところへ行って、いろんなひとの発表を聞いていたら疑問や問題を作るのか嫌
いじゃなくなった。一番町小へ行ったときは、なんでこんなにお茶の商品があるのかな
と思った。
(M.K)
以上