YKK 会社概要 YKK株式会社(YKK Corporation; 以下「YKK」 と表記)は1934年に設立され、ファスナーやボ タン、鞄などのファスナー関連製品を製造して いる。同社の経営体制は、ファスニング事業、 建材事業、工機事業、研究開発事業と大きく 4つに分かれており、建材事業が同社最大の事 業部門となっている。 YKKは世界70カ国に130社の関連会社を有し、 2006年3月末時点での従業員数は38,398人、売 上高は53億ドルである。また同時期における同 社の総資産は69億ドルとなっている。 • • • • • • テープ織り編み 染色 ダイキャスト及びスライダー組立 プレーティング及びエナメル加工 チェーンメイキング ファスナー加工 YKKインディアでは衣類、履物、鞄・袋物とい った市場に対応しており、3 & 5番ポリエステ ルコイルや3 & 5番ビスロン、3 & 5番金属フ ァスナー、2 & 3番インビジブルコイルといっ た、様々な種類のファスナーの製造・販売で知 られており、アルミニウム、ゴールデンブラ ス、アンティークブラス、アンティークシルバ ーを使用した金属ファスナーも製造している。 インドにおけるYKK YKKは、YKKの完全子会社であるYKKインド(YKK India Pvt. Ltd.; 以下「YKKインディア」と表 記)を通じてインド市場に参入した。YKKイン ディアは、金属及び非金属ファスナーの製造を 目的として1995年に設立され、現在はファスナ ーやファスナー部品などの幅広い製品を製造し ている。 同社の工場は本格的な設備が整い、テープ織り 編み、染色、ダイキャスト及びスライダー組 立、プレーティング及びエナメル加工、金属/ 非金属スライドファスナー、チェーンメイキン グ、ファスナー組立が行われている。 成功の要因 YKKのブランド力 YKKインディアは、インド国内24都市に5営業 所、ディーラー40店舗のネットワークを通じて 事業を展開している。 YKKインディアの工場はハリアナ州バワールに あり、36エーカーの広大な敷地を持つ。工場は 1997年3月に操業を開始、コンピュータ化され た生産管理システムを備えており、以下のよう な機能を有する: YKKは世界に認められたファスナーブランドで あり、その圧倒的なブランド力を活用すること により、YKKインディアはインド国内で強固な 地盤を築いてきた。また、同社は、日本の本社 及び世界のグループ企業と同一基準で展開して きたことも、市場での地盤強化につながってい る。 83 将来計画 YKKインディアは、ハリアナ州にある既存の 生産工場の拡張を計画しており、2006年から 2010年にかけて6,000万ドルを超す資本投入を 行う計画を立てている。 さらに同社では、新市場の開拓にも力を入れて いる。これまでの繊維輸出割当制度が撤廃され たことで、インドにおけるアパレル製品の輸出 量が大幅に増加し、YKKインディアにもビジネ ス拡大の機会が訪れる格好となった。結果的 に、現地では輸出向け生産の要件を満たす服飾 装飾品の需要が高まっている。 84
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