動物医のアドバイスダイアリー - 松波動物病院メディカルセンター

より子供や高齢者のコミュ
ます。ペットを飼うことに
がますます深まりつつあり
近年、人間と動物の関係
空 間 を 共 に し て き ま し た。
いるように、昔から時間と
動物は絵画にも描かれて
与えていると思われます。
安心感を与えています。も
その中で動物たちは人間に
し、積極的に会話するなど
し動物が不安そうな行動を
ニケーション能力が向上
の効果をもたらします。
したなら、人間も不安を感
じたのです。
医療現場では、アニマル
セラピーという形で患者と
な姿を見てリラックスする
ことができ、動物の過酷な
つまり、人は動物の幸せ
場では多動症の子供が動物
状況を見てストレスを感じ
動物が触れ合うことでリハ
といることで落ち着いたり
ていたのです。今日におい
ビリが進んだり、教育の現
し ま す。 あ ら ゆ る 現 場 で、
ても根本は変わりません。
介助犬やペット、セ
動物は人間に大きな影響を
ラピードッグなど、そ
の動物たちが置かれた
状況により不安、スト
レス、怒り、喜び、安
心などいろいろな感情
を共にしています。動
物は私たちの精神とつ
ながり、その存在が人
に精神安定をもたらし
ます。しかし、その反
岡本奈都子
トリマー や、受け入れられないこと
にも受け入れられること
性格があるのと同様に、犬
格です。人間にさまざまな
次に考えるのは動物の性
変化があります。そんな時
ない日があり、彼らなりの
何となく体調や気分が良く
退は避けられません。
また、
運動能力の低下や食欲の減
間 と 同 じ よ う に 年 を 取 り、
動物も生きている限り人
ない重要なことだと言える
があります。例えば、セラ
に そ っ と 対 応 す る こ と も、
対もありうることを理解す
ピードッグの場合なら、人
共に生活する私たちの役目
しょう。
に囲まれ、触れられ、聞き
るのも大切でしょう。
慣れない音や見慣れないも
です。
彼らの生活をより豊かに
のなどに平然とし、それで
いて楽しく活動しなくては
えましょう。良質な生活を
ちに何を求めているのか考
したいのなら、彼らが私た
も持って生まれた性格があ
人間と同じように、犬に
するためにペットを飼うな
なりません。
り、人に囲まれ尻尾を振っ
心理的に絆が深まり、私
ら、まず彼らが心安らかに
になってしまう犬などさま
たちの大切な家族やパート
て喜ぶ犬や、耳を伏せて逃
ざまです。性格的に合わな
ナーになってきているペッ
暮らせる環境にしなければ
い生活環境は、犬も不幸に
トたち。これからも欠かせ
げてしまう犬、大きな音に
します。環境にあった犬を
ない存在であることに変わ
ならないはずです。
求めるのであれば、性格は
りはないでしょう。
平気な犬や、驚きパニック
決して無視することのでき
2016.7
75
松波動物病院メディカルセンター
愛するペットのために…Vol.392
動物医のアドバイスダイアリー
【ペットと人のつながり】