こんにちは!栄養科です。 第 87 号 発行日:H26.6.16 調理後の食品は、調理終了後から何時間以内に喫食することが望ましいのか? 梅雨に入り、ジメジメ、むしむしとうっとうしい季節になりました。こうなると食 品を取り扱う栄養科としては、より安全な食事を患者さんにお届けすることが要求さ れます。病院のような多人数の食事を提供する施設では、食中毒防止のために厚生労 働省の《大量調理施設衛生管理マニュアル》にそって業務を行うように指導されてい ます。このマニュアルでは、「調理後の食品は、調理終了後から2時間以内に喫食す ることが望ましい」と記載されています。ここで注意が必要なのが、この 2 時間以内 というのは、調理終了後 2 時間以内ということです。そこで調理が終了してから患者 さんの所まで届くまでの作業ですが、①料理の盛り付け⇒②配膳車に納膳⇒③指示さ れた食事内容であるかどうかの最終チェック⇒④配膳車を栄養科から病棟まで移動 ⇒⑤病棟で各患者さまへ配膳⇒⑥患者さんの手元 といくつもの段階があるため、患 者さんが食事を口にするまでには、調理終了から最短で考えても 1 時間は経過してし まいます。ですから患者さんには、食事が届いたらすぐに食べてもらうことが必要で す。 「今は食べたくないからもう少し後で…。」となってしまうと、あっと言う間に 1 時間ぐらいは経過してしまいますよ。また、食事を室温で放置されると、食中毒菌は 時間と共にどんどん数を増やしていきますので、危険です。食中毒菌が最も発生しや すい温度帯は、約 20~50℃とされていますので、室温は食中毒菌が最も増殖しやす い温度なのです。食事をお届けしている温冷配膳車ですが、当院では、温室を 65℃、 冷室を 5℃に温度設定してあり、温かい物は温かく、冷たい物は冷たく食べられて、 しかも食中毒菌が増殖しやすい温度をはずしてあります。 しかし、ここは病院。検査などがあって、食事が 届いてもすぐに摂取できない人もおられます。そこ で、そんな人たち用に当院では「延食」という食事 を用意しております。これは、室温に置いておいて も大丈夫な食事にしてあります。それが、右の写真。 パン、ジャム、バナナ、ジュース、粉末スープとし ています。粉末スープは、食べる時にお湯を注いで もらうために袋のままでお届けしています。 看護師さん。 食事が病室内のそのまま置いてあったら、食事をお届けしてから 1 時間を目安として、 患者さんにお声かけしてみて下さい。 引き続き栄養科をよろしくお願いします。 執筆は、西本善子です。
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