認定内科医資格認定試験問題(抜粋)

平成 19 年度 第 23 回
認定内科医資格認定試験問題(抜粋)
本学会は「認定内科医」と「認定内科専門医」の 2 種類の試験を行っており,昨年度までに認定内科医
は 23 回,認定内科専門医は 35 回行われた.現在の認定医数は,認定内科医 61,340名
(うち,認定試験
合格者 36,345名)
,認定内科専門医 13,977名である.
認定試験は多選択肢問題(MCQ)
を使用し,問題形式は,①単純択一形式(Aタイプ)②多真偽形式
(X2 タイプ)で,問題内容は,①必修問題②一般問題③臨床問題である.
1.ループス腎炎の疾患活動性マーカーとして最も適切なのはどれか.1 つ選べ.
(a)血清補体価
(b)抗Sm抗体
(c)抗SS-A抗体
(d)リウマトイド因子
(e)抗好中球細胞質抗体
2.60 歳の女性.胃癌の手術後 6 日目である.術後から予防抗菌薬として第 3 世代セフェム系薬が点滴
投与されている.術後の経過は良好であったが,一昨日から軟便がみられ,便培養でMRSAが検出さ
れた.
最も適切な対応はどれか.1 つ選べ.
(a)バンコマイシン内服への変更
(b)バンコマイシン点滴への変更
(c)ペニシリン系薬点滴への変更
(d)カルバペネム系薬点滴への変更
(e)第 3 世代セフェム系薬点滴の中止
3.輸血後GVHDの最も確実な予防策はどれか.1 つ選べ.
(a)新鮮血の輸血
(b)血液製剤の照射
(c)HLA適合血の輸血
(d)白血球除去フィルターの使用
(e)免疫グロブリン製剤の予防投与
(139)
日本内科学会雑誌 第97巻 第 3 号・平成 20 年 3 月10日
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4.日本人の突然死の原因として最も頻度の高い疾患はどれか.1 つ選べ.
(a)急性心筋炎
(b)虚血性心疾患
(c)拡張型心筋症
(d)肥大型心筋症
(e)Brugada症候群
5.遠位型尿細管性アシドーシスの治療薬として最も適切なのはどれか.1 つ選べ.
(a)塩化カリウム
(b)塩化ナトリウム
(c)塩化カルシウム
(d)酸化マグネシウム
(e)クエン酸カリウム
6.関節リウマチに保険適用のある薬剤はどれか.1 つ選べ.
(a)コルヒチン
(b)シクロスポリン
(c)アザチオプリン
(d)メトトレキサート
(e)シクロホスファミド
7.末梢血好酸球増多を呈することが少ない疾患はどれか.1 つ選べ.
(a)気管支喘息
(b)過敏性肺炎
(c)慢性好酸球性肺炎
(d)アレルギー性肉芽腫性血管炎
(e)アレルギー性気管支肺アスペルギルス症
8.原発性胆汁性肝硬変について正しいのはどれか.1 つ選べ.
(a)中年男性に好発する.
(b)骨粗鬆症をきたしやすい.
(c)ステロイド療法が第 1 選択である.
(d)肝組織は慢性活動性肝炎の像を呈する.
(e)抗平滑筋抗体は特異性の高い自己抗体である.
日本内科学会雑誌 第97巻 第 3 号・平成 20 年 3 月10日
(140)
641
9.75 歳の男性.脳梗塞の既往歴がある.3 日前から 38℃ の発熱と黄色の膿性痰とが出現したため来
院した.胸部X線写真を図No. 1 に,胸部単純CT写真を図No. 2 に示す.
まず行うべき病原体染色法はどれか.1 つ選べ.
(a)墨汁染色
(b)Gram染色
(c)Giemsa染色
(d)Grocott染色
(e)Ziehl-Neelsen染色
10.肺癌の大動脈弓下リンパ節転移による症状はどれか.1 つ選べ.
(a)嗄声
(b)血痰
(c)呼吸困難
(d)顔面の浮腫
(e)Horner症候群
11.大腸癌について正しいのはどれか.1 つ選べ.
(a)骨転移をきたしやすい.
(b)盲腸と上行結腸とに好発する.
(c)塩分の多い食事は危険因子となる.
(d)早期発見には血中CEAの測定が有用である.
(e)同様のステージの胃癌と比べると予後が良い.
12.気管支喘息の発作に対する治療について正しいのはどれか.1 つ選べ.
(a)仰臥位にて安静を保つ.
(b)アミノフィリンの急速静脈注射を行う.
(c)吸入副腎皮質ステロイド薬を投与する.
(d)長時間作用型吸入β2 刺激薬を投与する.
(e)副腎皮質ステロイド薬の点滴静注を行う.
(141)
日本内科学会雑誌 第97巻 第 3 号・平成 20 年 3 月10日
642
問題 9
図 No.1
問題 9
図 No.2
R
日本内科学会雑誌 第97巻 第 3 号・平成 20 年 3 月10日
L
(142)
643
13.62 歳の女性.20 年来の関節リウマチにより近医で加療中であった.数か月前から尿蛋白陽性とな
り,最近下腿に浮腫も出現し増強してきたため来院した.
身体所見:体温 36.7℃.
検査所見:尿所見;蛋白 3+,潜血 −.
血清生化学所見;総蛋白 5.2 g dl,
アルブミン 2.1 g dl,
クレアチニン 0.6 mg dl,
総コレステロー
ル 280 mg dl,CRP 2.4 mg dl,IgG 950 mg dl
(基準 870∼1,700)
,IgA 215 mg dl
(基準 110∼
410)
,IgM 98 mg dl
(基準 46∼260)
,CH50 44.2 U mL
(基準 25.0∼48.0)
.
腎生検組織PAM染色標本を図No. 3 に示す.
診断はどれか.1 つ選べ.
(a)IgA腎症
(b)膜性腎症
(c)アミロイド腎症
(d)クリオグロブリン血症
(e)膜性増殖性糸球体腎炎
問題 13
図 No.3
(143)
日本内科学会雑誌 第97巻 第 3 号・平成 20 年 3 月10日
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14.45 歳の男性.健康診断で検査異常を指摘されたため来院した.
身体所見:身長 170 cm.体重 68 kg.
血清生化学検査所見(空腹時)
:血糖 105 mg dl,HbA1C 5.2%(基準 4.3∼5.8)
,総コレステロール
225 mg dl,トリグリセライド 450 mg dl,HDL-コレステロール 25 mg dl.
食事療法,飲酒制限および運動療法を指示し,2 か月後の血清生化学検査所見(空腹時)
:血糖 95
mg dl,総コレステロール 205 mg dl,トリグリセライド 400 mg dl,HDL-コレステロール 28
mg dl.
最も適切な治療薬はどれか.1 つ選べ.
(a)スタチン薬
(b)フィブラート
(c)プロブコール
(d)陰イオン交換樹脂
(e)チアゾリジン誘導体
15.22 歳の女性.6 か月前から足背に皮疹が持続し,2 か月前には両手と耳とに皮疹が出現した.近医
で蛋白尿を指摘されたため来院した.
身体所見:体温 37.3℃.手背,足背および耳介に皮疹がある.右手背の写真を図No. 4 に示す.
検査所見:尿所見;蛋白 3+,潜血 1+.沈渣;赤血球 50∼100 HPF,脂肪円柱 1+.
血液所見;Hb 9.1 g dl,白血球 3,100 μl,血小板 11 万 μl.
血清学所見;抗核抗体 320 倍
(均質型)
,CH50 12 U mL以下(基準 28∼45)
.
腎生検組織PAS染色標本を図No. 5 に示す.
この疾患で特異的に認められる自己抗体はどれか.1 つ選べ.
(a)抗Jo-1 抗体
(b)抗SS-B抗体
(c)抗Scl-70 抗体
(d)抗dsDNA抗体
(e)抗好中球細胞質抗体<ANCA>
日本内科学会雑誌 第97巻 第 3 号・平成 20 年 3 月10日
(144)
645
問題 15
図 No.4
問題 15
図 No.5
(145)
日本内科学会雑誌 第97巻 第 3 号・平成 20 年 3 月10日
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16.72 歳の男性.高血圧で約 10 年間の治療歴がある.2 か月前から時々,前胸部痛が出現したが,短
時間で消失していたため受診しなかった.
再来時の胸部X線写真を図No. 6 に示す.
この患者に対して適切でない検査はどれか.1 つ選べ.
(a)心エコー
(b)胸部MRA
(c)大動脈造影
(d)胸部単純CT
(e)トレッドミル運動負荷試験
問題 16
日本内科学会雑誌 第97巻 第 3 号・平成 20 年 3 月10日
図 No.6
(146)
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17.74 歳の男性.糖尿病で経過観察中に,腹部超音波検査で膵嚢胞を指摘されたため来院した.
検査所見:血液所見;赤血球 410 万 μl,Hb 13.6 g dl,白血球 6,000 μl,血小板 22 万 μl.
血清生化学所見;総ビリルビン 0.8 mg dl,AST 28 IU L,ALT 35 IU L.
MRCP写真を図No. 7 に,十二指腸内視鏡写真を図No. 8 に示す.
診断はどれか.1 つ選べ.
(a)慢性膵炎
(b)膵仮性嚢胞
(c)膵管内乳頭粘液性腫瘍
(d)膵solid-pseudopapillary tumor<SPT>
(e)浸潤性膵管癌
18.83 歳の男性.半年前から歩行時の息切れが増強したため来院した.5 年前から息切れがあり,近医
でβ2 刺激薬の治療を受けていた.6 年前まで 40 本 日×65 年間の喫煙歴がある.
身体所見:身長 172 cm.体重 74 kg.体温 36.5℃.脈拍 76 分,整.血圧 142 76 mmHg.
胸部X線写真で肺野の透過性亢進と横隔膜の平低化とを認める.
気管支拡張薬吸入後のスパイロメトリ:FEV1.0% 46%,%FEV1.0 61%.
気管支拡張薬吸入後のFEV1.0 の増加は 45 mlである.
検査所見:動脈血ガス分析(室内気吸入下)
;pH 7.40,PaO2 76 Torr,PaCO2 44 Torr,HCO3 ­
26 mEq L.
この患者で最も推奨される治療法はどれか.1 つ選べ.
(a)短時間作用型β2 刺激薬の増量
(b)長時間作用型抗コリン薬の使用
(c)吸入副腎皮質ステロイド薬の使用
(d)長期酸素療法
(e)外科治療
19.25 歳の女性.昨年から時々関節痛と発熱とが出現するようになった.夏に日光浴後,顔面に紅斑
が出現した.尿蛋白と尿潜血とが陽性と指摘されたため来院した.
検査所見:尿所見;蛋白 2+,潜血 2+.
血液所見;赤血球 300 万 μl,白血球 2,000 μl,血小板 7 万 μl.
血清生化学所見;総蛋白 7.8 g dl,アルブミン 3.2 g dl,クレアチニン 0.8 mg dl.
次に検査すべき血清学検査項目はどれか.1 つ選べ.
(a)IgA
(b)IgG
(c)ASO
(d)抗核抗体
(e)MPO-ANCA
(147)
日本内科学会雑誌 第97巻 第 3 号・平成 20 年 3 月10日
648
問題 17
図 No.7
問題 17
図 No.8
日本内科学会雑誌 第97巻 第 3 号・平成 20 年 3 月10日
(148)
649
20.糖尿病性腎症について正しいのはどれか.1 つ選べ.
(a)高血圧は悪化因子ではない.
(b)心血管疾患の発症は高率になる.
(c)ネフローゼ症候群を呈することは少ない.
(d)尿中微量アルブミン測定は顕性腎症の診断に使用される.
(e)血液透析導入後の生命予後は慢性糸球体腎炎と比べ良好である.
21.Marfan症候群に出現した労作後胸痛発作の診断に最も有用な検査はどれか.1 つ選べ.
(a)胸部X線
(b)心エコー
(c)胸部造影CT
(d)Holter心電図
(e)運動負荷心電図
22.保険医療について正しいのはどれか.1 つ選べ.
(a)自由診療とは保険外診療を意味する.
(b)被保険者とは保険を運営する組織を意味する.
(c)保険医とは保険審査委員会に所属する医師を意味する.
(d)混合診療とは多医療機関にまたがる医療提供を意味する.
(e)診療明細<レセプト>とは医療機関が医療費支払いを受けた領収書を意味する.
23.71 歳の女性.近医で糖尿病の治療中である.4 か月前から血清CRPが 3∼4 mg dlで推移し,原因
が不明のため来院した.発熱などの症状は特にない.
心エコー写真(心尖部四腔像)
を図No. 9 に示す.
最も適切な対応はどれか.1 つ選べ.
(a)経過観察
(b)抗凝固療法
(c)血栓溶解薬投与
(d)生検
(e)手術
(149)
日本内科学会雑誌 第97巻 第 3 号・平成 20 年 3 月10日
650
問題 23
日本内科学会雑誌 第97巻 第 3 号・平成 20 年 3 月10日
図 No.9
(150)