玉川の風 No.1

学校、家庭、地域をつなぐ
玉川中学校 学校だより 第1号 2016.4.22
文責 校長 髙野裕子
-学校教育目標- 未来を切り拓く意欲と実践力のある心豊かな人間の育成 ~自律・友愛・創造~
新入生を迎え、新学期のスタート
少し肌寒い日となった 4 月 11 日(月)、地域や関係機関、
保護者の皆様のご臨席を賜り、入学式を挙行いたしました。全
校生徒 470 名で平成 28 年度のスタートです。
第 25 回入学式の式辞において、中学校生活で大切にしてほ
しいこととして次のようなお話をしました。
開校以来 25 年間変わることのない3つのスクールモットー
があります。
自律
自律とは自分を律すること。人間は弱い心があり、嘘を
ついたり、自分をごまかしたりすることがあります。しかし、
その弱い自分を自ら正していこうとすることが必要です。それ
が自律です。
友愛
友人を愛すること。つまり友情のことです。人間は一人
ひとり個性があり、みんな違ってみんないいのです。
いじわるをしたり、人を見下したりするのではなく、互いに
生徒会長 玉村一唯さん
認め合い、支え合うことが大切です。
創造
創造とは、よりよいものを創り出すこと。現状に満足す
ることなく、よりよい学級を創ろう、よりよい学校を創ろうと
一生懸命努力すればそこに新しい創造が生まれます。
この3つのスクールモットーを常に心がけていきましょう。
もうひとつ皆さんに問いかけたいことがあります。
蒲焼きや丼でなじみのある「うなぎ」についてです。
うなぎは古く万葉集の時代から栄養価が高い食品として認
められてきました。多くの人はうなぎの尾の部分より頭に近い
部分を好んでいただくようです。しかし、運動豊富な尾の部分
のほうが良質な脂肪やビタミンなどの栄養がたくさん含まれ
ていると言われています。
誓
い
ま
す
。
だ
き
、
中
学
校
生
活
を
全
力
で
取
り
組
む
こ
と
を
上
級
生
の
皆
さ
ん
に
た
く
さ
ん
支
え
て
い
た
け
れ
ば
な
ら
な
い
と
思
っ
て
い
ま
す
。
な
る
の
で
、
時
間
の
使
い
方
を
考
え
て
行
動
し
な
中
学
生
に
な
る
と
、
部
活
動
や
勉
強
が
難
し
く
何
で
も
聞
い
て
く
だ
さ
い
。
で
し
た
。
困
っ
た
と
き
は
、
先
生
や
先
輩
に
い
ま
す
。
し
か
し
、
そ
れ
は
私
た
ち
も
一
緒
し
た
。
慣
れ
な
い
環
境
で
不
安
も
あ
る
と
思
皆
さ
ん
の
入
学
を
心
待
ち
に
し
て
い
ま
新入生代表 吉川晃生さん
では、その「うなぎの尾っぽはどこからなのでしょうか?」
このようにまず疑問を持つことが大切です。そして、この答え
にたどりつくために、書物やインターネットで調べたり、専門 家に尋ねたり、あるいは本物に触れたりと様々な方
法を考えることでしょう。こうして答えにたどりついた力やそ の経験は、自分の財産になります。この財産、つまり
あなたの学びは誰にも奪われることはありません。
どうか皆さん、自ら疑問を持ち、人と協力して様々
な方法で課題を解決していってください。
(中略)
2、3年生の皆さん、先輩としてよき手本となっ
てください。皆で「日本一通いたくなる玉川中学校」
を創りましょう。
3年生修学旅行2泊3日沖縄・伊江島の旅
玉川中 平和宣言
(一部略)
4 月 14 日~16 日
赤いハイビスカスの花、白いビーチ、青い空と輝く太陽のこの沖縄の地が、人々の泣き叫ぶ声や砲弾の音に覆
われていたとは信じられません。
私たちはこの沖縄の地を踏むために、71 年前に何が起こったのかということを学んできました。人々は無理
やり戦争に向かわされ、飢え、生きていくためのすべてを亡くしました。国と国が争い、憎しみと悲しみがいっ
ぱいになって、人の尊厳などどこにもなく、いつもぎりぎりの命を抱えて逃げ惑う姿がこの地にあふれていたの
です。
学習していくうちに、この戦争が引き起こす不条理や憎しみ、悲しみ、無常はすべて人が作り出していること
がわかりました。現在でも自ら命を絶ってしまう悲しい事象がいっぱい起こっていますが、これらも社会のひず
みから生まれることが多く、やはり、人間が作り出している災いだといえるでしょう。
また、自然の力の前に人の力など到底及ばぬことでたくさんの命が奪われることもあります。5年前の東日本
大震災では、実に 16,000 人もの命が奪われ、未だに行方不明の方々が 3,000 人近くいらっしゃいます。
私たちは今、当たり前の日が常に送れることがどれほど大切なことであるかに気づかされています。平和であ
るからこそ、私たちは安心安全に暮らすことができ、自由が得られているのです。それが平和に暮らすというこ
とだとわかりました。
この平和を守るために私たちができることは、まず、過去を学び、感じることです。本当のことは正しく知ろ
うとしなければわかりません。そして、その学びから得た答えを実践していくことが必要です。
私たちは、これからの日本を背負っていくという目標を持ち、必ず日本の平和を守っていくことを今日ここで
誓います。
伊江島で戦争を体験された伊地知紹彦様の講話の後、大倉秦世さん、三村俊太さん、
安達 誠さん、奥村凉介さんが朗読劇「缶空三線」を披露し、この平和宣言を原稿な
しで見事に語り尽くしました。実行委員もさることながら、物音一つたてず、眼と耳
で4人の宣言を聴いていた3年生の皆さんの姿に私は心を打たれました。すばらしか
ったです。
伊 江 島 シ ョ ッ ト
伊江島に残された戦争遺跡
「公益質屋跡」です。
伊江島では、昭和 20 年 4 月
16 日、日本軍とアメリカ軍との
間で、激しい戦闘が始まり、島
の周囲をアメリカの軍艦が取り
囲む中、戦闘には、兵隊だけでなく伊江島の住民も巻き込
まれました。地上戦の跡も生々しく、砲弾などの跡が残っ
ていました。
いつのまにか伊江ビーチでは、滋賀県男子選抜チー
ムと岡山県女子選抜チームによるビーチバレーの試合
が行われていました。
結果は全国制覇の実績が
ある岡山県チームの圧勝
でした。しかし、途中、
攻撃とブロック強化のた
めの「長身選手三枚替え」
やレシーブ強化のための
リベロの交代など工夫をし、
実に見事な闘いぶりの男子チームでした。
「いらっしゃい」ではなく、
「おかえりなさい」
。
「さようなら」ではなく、
「いってらっしゃい」
。
ここに伊江島のお父さん、お母さん、オジー、オ
バーの愛情を感じます。
見えなく
なるまで手
を振って見
送ってくだ
さり、涙を
流す生徒も
たくさん見
かけました。
民家さんでは、沖縄衣装を着せてもらったり、
三線を教えてもらったり、名所に連れてもらった
りなどと伊江島を満喫することができました。
家族の一員として迎えていただいたことに感謝
いたします。
伊江島の地で熊本地震の知らせを受け、いたたまれない
気持ちになりました。尊い生命を失われた方々に深く哀悼
の意を表しますとともに、被災された皆さまに心よりお見舞いを申しあげます。