H24授業のエキスパート養成事業 中1 道徳「よりよい社会を目指そう」 《本時のねらい》 ● 人と人とのつながりの中で、よりよい社会をつくろうとする実践意欲を育てる。(4-(2)よりよい社会の実現) 《資料名》 ● ふれあい直売所(県版道徳用教材「『愛』ある愛媛の道徳-中学校-」) 《指導内容について》 ○ 本主題の指導内容は、「公徳心及び社会連帯の自覚を高め、よりよい社会の実現に努める。」である。 ○ 自分たちが安心した生活を送ることができるのは、社会の多くの人との善意による「つながり」に支え られているからである。自分たちも社会の一員として「つながり」の中で生きていることに気付き、より よい社会を目指していくことが大切である。 生徒について ◇ 中学生の社会の中での関わりといえば、学校における地域との交流行事や、地域の祭行事等と限ら れた範囲のものであり、世の中の有り様というものは十分に理解できているとは言えない。 ◇ 既成のものに対する反発心が出てきて、表面上は社会を批判的に捉えることもある。しかし、自己 中心的で自分勝手な言動はよくないと思う心も内面には存在している。誰もが望むよりよい社会の実 現については、大人よりも純粋に考えることができる。 資料について r 本資料は、愛媛で(無人)ふれあい直売所を営む「私」が主人公である。 「私」はお盆で帰郷した 際、妹から「無人直売所ではもうけにもならないし、不正をする人もいるので経営が成り立たなくな る」と指摘される。妹の言葉が心のどこかに引っ掛かっていた「私」だが、笑顔で直売所を利用して いる親子の姿や会話から、人々とのつながりを思い起こし、直売所を続けていこうと決意する話であ る。 ◇ 指導について ◇ 導入では、この校区にも存在する(無人)ふれあい直売所を紹介し、どのようなものかを説明する ことにより、学習への意欲を高める。 ◇ 展開では、直売所の運営について否定的な妹の気持ちと、その言葉によって悩む私の気持ちを読み 取らせる。その際、地域の人に喜んでもらいたい「私」の思いと、不正をされては困るという「妹」 の思いの両方が自分の中に存在することを確認させる。そして、妹の思いも分かりながらも、笑顔で 利用している親子の姿を通じて、そのもやもやした気持ちが晴れた「私」の姿から、社会に対する望 ましい関わり方に気付かせたい。 ◇ 終末では、自らがこれまでの生活の中で感じた「つながり」「ふれあい」を思い起こさせ、よりよ い社会の実現に向けた実践意欲を高めていきたい。 授業改善のポイント 「自己と対話し、自分との関わりの中で考える」ための言語活動を充実する。 ◇ 発問に対して自己と対話し、じっくりと考えさせるためにワークシートに自分の考えを書く活動を位置付け る。その際、心情円盤を用いることで、多様な考えを引き出す。また、友達の考えを聞いたり、自分の考えを 伝えたりする中で考えを深めさせる。 ◇ 生徒の発言の背景にある思いや願いを生徒自身が明確にできるようにするため、教師の適切な問い返しや補 助発問を行う。 1 参考1 心情円盤等の活用 道徳の時間に心の動きや心情を表現するために、小道具をひとまとめにして生徒に渡しておく。 通常、以下のものを準備している。 ホワイトボードシート そのほかにも、ネームプレートや短冊黒板なども活用するとよい。 小さいホワイトボ 心情カード ードのマグネットシ 3色のカードを ートを準備しておき 準備しておきま ます。ちょっとした意 す。どの考えに近 見を書き込んで掲示 いのか、はっきり すると、自分たちの意 させたいときに使 見が黒板に並ぶので、 います。全体の傾 身近なこととして捉 向を見るときなど えやすくなります。ま に便利です。 た、右下はマグネット のクリップで意見を 封筒にひとまとめに 書いた紙を黒板に貼 して道徳のファイルに れます。 入れておきます。 心情円盤 心情の変化を表すのに使います。気持ちの 変化に合わせ随時動かせるという利点があり ます。また、二者択一でないため、微妙な心 の動きを表すのにも役立ちます。手元で使う とき用と、マグネット付きの掲示用の2枚を 用意しています。 ↑【マグネットシートを用いて生 徒全員の意見を並べた黒板】 ← 【心情円盤を動かしながら考 えをまとめている生徒】 ←【心情の変化を捉えやすくさせるた めの掲示用の大きな心情円盤】 参考2 ワークシートの工夫 見えない心の動きを見えるようにするためには、参考 1 のような道具を使うとともに、ワークシ ートも活用している。授業の流れによって教師は発問を変える可能性もあるので、ワークシートに 載せる情報は少なくしておく。また、書くことが主にならないように、何を書かせるのかを事前に よく検討しておくことが大切である。 本時のワークシ ート。心情円盤を中 心に据え、相対する 考えをその左右に 書かせました。 資料によっては心情の変化を円盤の 色分けで表させることもあります。 2
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