第20回千葉演習林利用者説明会 東京大学千葉演習林 2015.6.25 第 20 回千葉演習林利用者説明会プログラム 於:清澄作業所 講義室 午前 10:00 開会・趣旨説明 10:15 小田 智基 スギ人工林の成長過程における蒸発散量の変動 10:30 黒岩 恵 モデル環境下での培養実験による亜硝酸動態の制御メカニズム解明とそれを担う微生物の 解明 10:45 横山 新紀 千葉県清澄山の降水中硫酸イオン濃度と渓流水濃度の関係 11:00 森本 拓 房総半島小櫃川上流における穿入蛇行河川の横断形状の対称性 11:15 西園 朋広 スギ成長の季節変化-デンドロメータを用いた肥大成長の計測11:30 小林 沙希 マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツにおける千葉県に適した系統の選抜と早期供給方法の 確立 11:45 米道 学 高齢木ヒメコマツの高芽接ぎによる天然更新の試み 12:00 昼食 於:清澄宿舎食堂 \520 午後 13:00 古木 達郎 蘚苔類相調査 13:15 尾崎 煙雄 昆虫相調査 13:30 松井 久実 イモリと同所的に棲息する両生類幼生との捕食被食関係 13:45 福山 欣司 映像モニタリングによるカエル類の生息調査 14:00 江上 浩 新規ヤマビル〈忌避剤〉に関する研究 14:15 徳橋 秀一 2015 年度秋期地質調査研修 14:30 岩崎 寿一 千葉演習林ボランティア会 Abies 活動紹介 14:45 その他の調査要旨の紹介 15:00 休憩 15:15 千葉演習林の安全管理について 15:30 千葉演習林職員の個人・組織研究の紹介 16:00 【話題提供】千葉演習林のヒメコマツに関する研究成果 16:45 講評・閉会 17:00 懇親会 於:清澄宿舎食堂 社会人\3,000 学生\1,000 20:00 閉会 表紙絵 郷台寄宿舎 100年前と同じ・・・千葉演習林の歴史の長さを感じます。 梁瀬 技術職員 作 もくじ スギ人工林の成長過程における蒸発散量の変動 小田 智基 1 モデル環境下での培養実験による亜硝酸動態の制御メカニズム解明とそれを担う微生物の解明 黒岩 恵 2 横山 新紀 3 森本 拓 4 西園 朋広 5 千葉県清澄山の降水中硫酸イオン濃度と渓流水濃度の関係 房総半島小櫃川上流における穿入蛇行河川の横断形状の対称性 スギ成長の季節変化-デンドロメータを用いた肥大成長の計測マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツにおける千葉県に適した系統の選抜と早期供給方法の確立 小林 沙希 6 米道 学 7 古木 達郎 8 尾崎 煙雄 9 松井 久実 10 福山 欣司 11 江上 浩 12 徳橋 秀一 13 岩崎 寿一 14 宮崎 怜 15 吉田 明子 16 小林 恒平 17 高齢木ヒメコマツの高芽接ぎによる天然更新の試み 蘚苔類相調査 昆虫相調査 イモリと同所的に棲息する両生類幼生との捕食被食関係 映像モニタリングによるカエル類の生息調査 新規ヤマビル〈忌避剤〉に関する研究 2015 年度秋期地質調査研修 千葉演習林ボランティア会 Abies 活動紹介 人為的管理が朽ち木性昆虫群集に及ぼす影響 東京大学千葉演習林内の林道・歩道のハイキング利用について 南房総地区天然林における樹上性哺乳類調査 マメ科植物の窒素利用とリターフォールを介した土壌への影響に関する研究 及川 真平 18 戸田 真夏 19 高木 悦郎 20 山田 立輝 21 森嶋 佳織 22 遠藤 直樹 23 渡邊 悠介 24 竹村 明浩 25 中島 徹 26 山田 祐亮 27 服部 力 28 大塚 次郎 29 鈴木 義人 30 山口 彩花 31 第三紀層における岩盤の浸食と風化 照葉樹天然林におけるモチノキ存在様式と樹木-種子食性昆虫-鳥類間相互作用系の解明 房総半島鮮新統清澄層 Ky26 火山灰鍵層層準に発達する重力流堆積物の高分解能単層解析 ニホンヤマビルの遺伝的多様性と地理的変異について タマゴダケの繁殖様式の解明 モミの針葉内生菌の種構成の解明 千葉県におけるマダニ類の生息状況 リモートセンシングと林業経営収支予測システムの架橋 全天球写真による森林計測手法の検討 スギ辺材腐朽発生に関わる生物学的環境要因の解明 キヨスミミツバツツジ、マルバチシャノキの穂木の収集、さし木増殖、保存 薬用系機能性樹木の生産効率化手法の開発 コウヨウザンの成長特性の解明 シバヤナギに形成される虫えい(ゴール)の形成機構の解明 フジの多重形成層の構造 2015 年度千葉演習林教職員の研究課題一覧 32 スギ人工林の成長過程における蒸発散量の変動 東京大学 森林理水及び砂防工学研究室 小田智基 観測地 袋山沢・新田・牛蒡沢 観測項目 ・林外雨量(新田・郷台) 、樹冠通過雨量(袋山沢内 20 点・新田 10 点・牛蒡沢 10 点) 、樹幹流量 (袋 山沢内 15 本・新田 3 本・牛蒡沢 3 本) を計測(2 週間~1 ヶ月に 1 回程度) ・開空度の測定(秋) ・毎木調査(秋) ・風速・日射・温湿度 (袋山沢 B 流域の斜面上部と下部) ・樹液流速 (袋山沢 B 流域の斜面上部と下部・新田・牛蒡沢) ・土壌水分 森林伐採により、森林流域からの蒸発散量が低下し、流出水量が増加することは、これまで 様々な流域で観測されている。その後、樹木の成長に伴い、水収支は元の状態にまで回復し、 新たな定常状態に達すると考えられる。これまで、東京大学千葉演習林袋山沢試験地における 対照流域法を用いた流量・樹冠遮断量の観測により、森林伐採後、流出水量が 200~300mm/year 増加し、植林後 14 年経過しても、伐採流域では対照流域に比べて流量が多く、伐採前の状態に 近づいている傾向は見られない。これは、降水が樹冠上で蒸発する樹冠遮断量が伐採前の状態 に回復していないことが原因であることが明らかになった。 このように、樹冠遮断量は森林の水収支において重要な役割を果たしている。そのため、森 林の成長に伴い樹冠遮断量がどのように変化するのかを検討することは森林の水循環のメカニ ズムを明らかにするだけでなく、水資源量の長期変動予測を行う上で重要である。本研究では、 東京大学千葉演習林のスギ林に注目し、袋山沢、新田、牛蒡沢の林齢の異なるスギ人工林にお いて樹冠遮断量の計測を行い、成長に伴う樹冠遮断量の変化を明らかにすることを目的とする。 写真 袋山沢・新田における林内雨・樹幹流観測の様子 1 モデル環境下での培養実験による亜硝酸動態の制御メカニズム解明と それを担う微生物の解明 中央大学生命科学科 黒岩恵(助教), 石川裕士 (修士 2 年), 堺奎介 (学部 4 年) 【調査地】 :袋山沢 【調査・研究内容】 ・ 亜硝酸は、森林の生育を制限する主要な元素である窒素の循環において、中心的な役割を果たす 窒素化合物である。ほとんどすべての異化的な窒素変換反応で亜硝酸が生成するが、現状ではそ の挙動の実態と、挙動を制御する要因について非常に限定的な知見しか得られていない。 ・ そこで本研究では亜硝酸の動態をコントロールする要因について明らかにするために、環境要因 (含水率)を変化させた培養実験を行い、生成・消費速度や経路といった亜硝酸動態がどのように 変化するかを明らかにする。また、亜硝酸の生成を担う微生物であるアンモニア酸化細菌および アンモニア酸化古細菌は培養が困難なことが知られているが、高感度な活性検出法を適用するこ とでこれまでよりも効率的に単離培養を試みる。 ・ 袋山沢 A 流域の斜面上部から下部にかけて、表層土壌(~10cm)の採取を行い、実験室に持ち帰 ったのちに窒素含有量や pH といった基本的な化学特性の測定と無機態窒素生成・消費速度の測 定を行う.培養は含水率を変化させて行い、含水率の差による土壌の性質の変化と(窒素濃度、 pH など)、亜硝酸生成・消費速度、消費経路の変化をモニタリングする。また、採取した土壌は アンモニア酸化細菌、アンモニア酸化古細菌の単離培養の試料に用いる。 【これまでに得られている知見】 昨年度までの研究で、袋山沢の A 流域においては、斜面の上部と下部において亜硝酸生成・消費 速度の傾度が存在することが明らかになった。亜硝酸の生成・消費速度は斜面下部で上部よりも高 く、この変動は現場土壌の硝酸濃度の傾向とよく一致した。一方で、加藤ら(2014)の研究により同サ イトで測定されたアンモニウム濃度や生成速度とは傾向が一致しないことも明らかになっており、 斜面系列での窒素動態の差異を生み出しているのは、アンモニアから亜硝酸までの変換仮定におけ る制御であることが示唆された。また、亜硝酸の消費経路として表層土壌において一般的に想定さ れている硝酸への変換以外にも、多様な経路で消費が生じうることが明らかになっており、特に溶 存有機態窒素への変換は量的にも重要であることが示唆された。亜硝酸の生成・消費速度は含水率、 土壌の全窒素量や炭素量、DOC/DON 比といった指標と有意な相関を有し、これらの要素が亜硝酸 動態の重要な制御因子であると考えられた。 図 1. NO 2 −動態の記述により、窒素維持・放出プロセスが詳細に解明できる 2 千葉県清澄山の降水中硫酸イオン濃度と渓流水濃度の関係 横山新紀(千葉県環境研究センター大気騒音振動研究室) 調査場所:清澄山頂付近及びキンダン川 1 はじめに 千葉県では降水中非海塩起源硫酸イオ ン(nss-SO42-)濃度は, 香取 14.7 図 1 のとおり 2008~2012 年度の ● 5 年間平均値では南部丘陵地帯の標高 365m の清澄で最 市川 14.9 ● も高かった。この清澄での降水中硫酸の渓流水に与える 影響を調べるため,2009 年から渓流水の観測を継続して ● 市原 16.0 行っている。今回,降水と渓流水の硫酸イオン濃度の関 係を報告する。 2 方法 降水のサンプリングは降水時開放型雨水採 ● 取器を用いて清澄では 1 ヶ月単位で実施した。渓流水の サンプリングは,図 2 のとおり降水調査地点から北西に 清澄 19.1 図 1 降水中 nss-SO42- 濃度分布 3.7km 離れたキンダン川で毎月1回実施した。なお流域 には生活排水の影響はないものの,硫酸分を含む地下水 ▲ (μmol L-1 )(2008~ 2012 年度平均) キンダン川観測点 の湧き出しがある。 3 結果及び考察 ● ● 旭 11.7 佐倉 13.2 図 3 に清澄の降水中 nss-SO42- 濃 度の 2008~2014 年度の 7 年間の毎月の値を示した。概 ね 30 μmol L-1 を下回ることが多いが,寒候期に大幅に 高くなることがあり,最大では 90 μmol L-1 に達した。 図 4 にはキンダン川の 2009 ~ 2014 年度の 6 年間の毎 月の SO42- 濃度を示した。測定値は 200 ~ 800 μmol L-1 ● と月毎のばらつきが大きい。 図 5 に降水中 nss-SO42- 濃度と渓流水 SO42- 濃度(13 清澄山 降水調査地点 図2 清澄山とキンダン川 ヶ月移動平均)の関係を示した。降水濃度は 2010~ 2011 年度に 30 μmol L-1程度だったが,2013 年には 20μmol L-1まで低下した。一方,渓流水濃度も同時期に 450 から 350 μmol L-1程度に低下しており,降水の変動と似た挙 動をしている。こうしたことから,清澄山系では降水に よる流域への硫酸の供給は,渓流水の硫酸濃度形成に影 響を与えているものと考えられる。 図 3 清澄降水中 nss-SO42- 濃度(μmol L-1) 図 5 降水中 nss-SO42- 濃度と渓流水 SO42- 濃度 (μmol L-1)の関係 図 4 キンダン川渓流水 SO42- 濃度(μmol L-1) 3 房総半島小櫃川上流における穿入蛇行河川の横断形状の対称性 所属:立正大学大学院地球環境科学研究科 氏名:森本 拓(博士前期課程 1 年) 調査場所:仁ノ沢、十面沢、池ノ沢 研究目的 穿入蛇行地形は丘陵地の隆起速度や河川の侵食様式および速度などが影響している。ま た、河床内に分布する砂礫堆(バー)が生み出す水流も重要であると指摘されているが、まだ 詳しく論じられていない。そこで本研究の目的では、現地測量や河道内の微地形分布、段 丘年代測定により成因を明らかにする。 調査概要 1)昨年度に引き続き仁ノ沢、十面沢と新たに池ノ沢に入り、地質条件が異なる地域で、 河床形態分類図を作成する。そのうえで、異なる蛇行弯曲部での砂礫堆(写真 1)の厚さ、形 状を計測する。 2)異なる蛇行弯曲部で谷の横断形状を現地で測量し、谷の非対称度を計測する。 3)側方および下方へ流路を変動する穿入蛇行河川の変遷を、縦断面と横断面から復原す る。そこで演習林に分布する段丘面上でボーリング調査を行い、段丘礫層の厚さや形成年 代を明らかにする。 砂礫堆(バー) 写真 1 蛇行弯曲部の砂礫堆(バー) 4 研究課題名:スギの成長の季節変化-デンドロメータを用いた肥大成長の計測- 所属:森林総合研究所森林管理研究領域 氏名:西園朋広 調査場所:33 林班 C1-1 小班,C1-2 小班 【目的】 本調査は,千葉におけるスギの肥大成長の季節変化(いつ成長を開始して,いつ成長を 停止するのか)を把握することを目的としている。 【方法】 2015 年 2 月に, 33 林班 C1-1 小版及び C1-2 小班のスギ人工林において, 20 個体を選定し, 同個体の胸高位置にデンドロメータを装着した。デンドロメータは,市販のスチールメジ ャーを破断し,バネで幹に固定した簡易な装置である。 本年度は,2015 年 4 月~2016 年 3 月の期間において,月に 2 回程度入林し,装着したデ ンドロメータを用いて,スギの周囲長を測定する予定である。 【依頼事項】 測定装置には触れぬようお願いしたい。 本調査は,JSPS 科研費 90353797『スギの成長の地域変異-「フェノロジー仮説」の検証-』 の支援を受けて実施する。 図-1 試験木の様子 デンドロメータを装着し,ナンバーテープとピンクテープを付している 5 2015 年度東京大学千葉演習林利用者説明会資料 研究課題名:マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツにおける千葉県に適した 系統の選抜と早期供給方法の確立 所属:千葉県農林総合研究センター森林研究所 氏名:研究員 小林沙希 調査場所:千葉県農林総合研究センター森林研究所上総試験地 要旨:現在海岸に植栽されているマツノザイセンチュウ抵抗性クロマツは、西 日本で選抜されたクローンのみで、遺伝的多様性および千葉県の環境への適応 が十分とはいえない。そこで、千葉県の環境に適したマツノザイセンチュウ抵 抗性クロマツを選抜するため、県内候補木にマツノザイセンチュウ接種検定を 実施している。この候補木の一部に、演習林クロマツ暫定採種園(南沢 45 林班 C6 小班)由来の材料を利用している。 6 研究課題名:高齢木ヒメコマツの高芽接ぎによる天然更新の試み 所属:東京大学演習林教育研究センター 氏名:米道学 場所:荒樫 24 林班 A 小班内 (目的と背景) 千葉県房総半島の房総丘陵には山地性針葉樹ヒメコマツが天然に隔離分布する。 これらヒメコマツは,近年急激に個体数が減少している。東京大学千葉演習林 内では,1970 年代には天然個体が 200 本以上あったが,現在では,20 本以下 にまで減少している。房総丘陵のヒメコマツは奥山に小集団化し,各集団の距 離が数百m以上で離れ各々の集団が隔離された状態で孤立的に点在しているこ とから,花粉流動が悪い。一方,人工交配で強制他家受粉を行った場合,種子 の充実率が向上することが明らかになっており,いかにして他家受粉率を向上 させるかが課題である。 そこで本研究では,100 年生以上の母樹と異なるクローン個体を高芽接ぎし, 早期に種子を得ることが可能であるかを試みる。 (方法) 本高芽接ぎの考え方は以下の通りである。ほぼ自殖種子しか得られない孤立 木 A があり,A の周囲には A 自身の花粉が漂ってとすれば,A に別クローンで ある B や C の枝を接ぎ,接いだ B や C の枝の雌花が開花すれば,A の花粉を受 粉し,結果的に他殖種子を得ことができる(図-1)。 図-1.高芽接ぎのイメージ 2015 年 2 月に天然木 2 本(荒樫 4.13)を台木とした高芽接ぎを行った。なお穂 木は,台木の天然木とクローン集植所(荒樫 4.13)からの 2 個体を各 15 本(合計 60 本)とした。活着調査では,千葉演習林の皆様にご協力をお願いする。 7 平成27年6月4日 研究課題要旨 研究課題名: 蘚苔類相調査 所 属: 千葉県立中央博物館 氏 名: 古木達郎 調査場所: 猪ノ川とその支流流域 調査内容要約: 千葉県立中央博物館が24年度から3年度計画で進める重点研究「房総丘陵 の自然—過去、現在、未来—」の一環として取り組んできたが、引き続き継続 することになり、27年度も調査を行いたい。 これまで、清澄山とその周辺の蘚苔類については、多くの研究者により調査 されているが、本格的な調査は行われていない。そこで、演習林に生育してい る蘚苔類相とその分布を明らかにすることを目的とする。 昨年度は、3月に郷台林道とその周辺を重点に調査した。今年度は別の地域 を調査する予定である。 また、これまでに清澄山で採集された標本を研究中してきたが、2015 年12 月に、東京大学研究総合博物館において、辻部正信氏が 1937、38 年の2年間に 房総丘陵で採集された約 1,000 点の蘚苔類標本が見つかった。全てが手書きの 簡単なラベルがあるだけの未整理標本である。現在それを整理中であるが、現 在では見つからない種も含まれており、とても貴重である。しかし、手書きの ラベルであるため、解読できない産地も多々あるため、ラベルの解読に協力を お願いしたい。今回はその一端を紹介したい。 調査場所については、辻部正信標本の産地により、再考する可能性がある。 他の利用者に留意して欲しい点: 引き続き、もし、樹木から懸垂している大型の蘚苔類やコウヤノマンネング サを見かけましたら、生育場所を教えて頂けると幸いです。 8 2015 年度 東京大学千葉演習林 利用者説明会資料 2015/6/25 千葉県立中央博物館・尾崎煙雄 1 研究課題名 昆虫相調査 2 所属 千葉県立中央博物館 3 氏名 尾崎煙雄・宮野伸也・斉藤明子・鈴木勝・斉藤修 4 目的 清澄山系の昆虫相の特異性を明らかにすることを目的とする。 5 現地調査の時期・回数 研究期間を H29 年度まで延長し、H27 年度は年間 3〜5 回程度、各回1泊2日程度の現地調査を 行い、標本化と同定を行う。 6 現地調査の場所・方法 演習林内全域において、林道周辺等での任意採集(捕虫網等を使用した採集)および各種トラッ プ調査を行う。おもなトラップ:ベイトトラップ、ライトトラップ、衝突板トラップ(FIT)、 ライトFIT、羽毛トラップ、イエローパントラップ、バナナトラップ、枯れ枝トラップなど 7 これまでの成果 (1)論文の公表 (2)甲虫類 これまでに 14 編の論文を公表した。 公表済みのものだけで、すでに 35 種の千葉県初記録があった。南方の種や山地性 の種が含まれるのが特徴。標本の整理・同定が進めば、さらに多数の初記録種が見込まれる。 ・ホソナガハナノミダマシ(ナガハナノミダマシ科) 、クロヒメトゲムシ(ヒメトゲムシ科)、シワ ムネマルドロムシ(マルドロムシ科) :この3種は科のレベルで千葉県初記録。 ・ミスジツブタマムシ(タマムシ科) :千葉県初。従来の記録は四国、九州、本州(和歌山県) 。 ・チビササラクチカクシゾウムシ(ゾウムシ科):千葉県初。九州南部、奄美大島、沖縄等に生息 する種。佐賀県の記録はあるが、本州の記録はない。 ・キソクビボソジョウカイ東海亜種(ジヨウカイボン科) :千葉県初。ブナクラス域に生息する種。 (3)蛾類 千葉演習林の蛾相について、これまでに4回の報告があり、合計 1,727 種が記録され ている。千葉県全体では約 2,250 種の記録があるが、千葉演習林はその 77%近い豊富な蛾相を示す。 さらに、調査のたびに新しく記録される種があり、生物相の奥深さを感じる。今回の調査でもヒメ アケビコノハ(ヤガ科)など、県初記録がいくつか知られているが、同定の確認中の種類もあるの で現時点では発表は差し控える。 (4)その他 ・千葉県初記録:[カメムシ目]キスジハネビロウンカ(ハネナガウンカ科)、[ハエ目]ネグロク サアブ(クサアブ科) ・再発見:アダチアカサシガメ(サシガメ科)、ベニモンマキバサシガメ(マキバサシガメ科) 9 研究課題名:イモリと同所的に棲息する両生類幼生との捕食被食関係 所属:麻布大学獣医学部 生理学第 1 研究室 氏名:松井久実・三木あずさ 調査場所:郷台作業所貯水池(10E) 猪ノ川林道側溝の水溜まり 要旨:同じ水場を繁殖に利用する複数の両生類において、オタマジャクシの捕食者として のイモリの生態学的地位を検索する。 具体的には、イモリの胃内容を吐き戻し法により回収・固定し解析に供する。同所的に棲 息しているのに捕食されないオタマジャクシがいる場合、その理由についても探索する。 調査頻度は郷古池にオタマジャクシがいる時期を中心に年数回程度を予定している。 特に、ヒキガエルの成長ともつ毒成分の質的量的変化、ヒキガエルオタマジャクシとイ モリの捕食についての関係に注目しているため、郷古池周辺でヒキガエルの幼体や成体を 発見されることがあったら、捕獲のご協力をお願いしたいです。 10 研究課題名:映像モニタリングによるカエル類の生息調査 所属:慶応大学生物学教室 氏名:福山欣司 調査場所:猪の川および郷台作業所 要旨: 本研究では、カエル類の生息状況を自動的にモニタリングする方法の開発を 行ってきた。従来の音声モニタリングに加え、自動録画装置(タイムラプスカ メラ)を用いて、カエル類の出現と繁殖アクティビティのモニタリングを試み ている。調査期間は 2015 年 4 月から 2016 年 3 月まで。 調査場所と調査対象種は以下の通り。 1.猪の川:カジカガエルのモニタリングのために IC レコーダー1台とインタ ーバルカメラ1台(地図1)を設置している。何れもタイマー式で夜間に スイッチが入る。日中はスイッチオフの状態になっている。 2.郷台作業所:事務所下の池(郷古池)で産卵するカエル類(ヤマアカガエ ル、アズマヒキガエル、モリアオガエル)の映像モニタリングを行ってい る。ここに設置したインターバルカメラ(写真 1)は、毎日 7:00AM、10:00AM、 13:00PM、16:00PM に写真を撮影する。6 月から 11 月は中断予定。 地図1(上左)、写真 1(上右) 11 2015 年度 東京大学千葉演習林利用者説明会用資料 2015.6.25 研究課題名:新規ヤマビル<忌避剤>に関する研究(共同研究)・・・<駆除剤>開発から継続3年目 所属:住化グリ-ン株式会社 生産・開発部 氏名:江上浩 調査場所:不特定(演習林内のヤマビル発生地での活動時を想定し、作業着等への装着試験) 要旨: (1)研究目的: 野生動物等の増殖・拡散に付随して重要性を増しているヤマビルの被害防止に資する為の、一 般用の人防御用処理剤の開発を達成する。既存市販剤はほぼスプレータイプであるが、初の装 着型製剤の完成を目指す。これにより、人体への薬剤の付着懸念をほぼ皆無にするとともに、装 身具(靴や衣服等)への悪影響(劣化や色あせ等)軽減を目指す。 (2)昨年度までの成果概要: (1)マリックスター<駆除剤>に関しては、2013 年の 6 月及び 10 月の野外囲い試験を経て 10 月 の野外歩道試験によって製剤を決定し、2014 年 GW 前の上市を達成することが出来た。本内容の 一部に関する論文を 2014 年の日本衛生動物学会誌に掲載した(演習林側を責任著者とし、当社 共著)。 (2)並行して、植物影響調査は、農作物等を中心にモデル試験(2013 年・当社)を経て、2014 年に 演習林内での自然植生下での試験実施確認を行った。本内容に関する論文も、上記スタイルにて 作成中である。 (3)一方、<忌避剤>に関しては 2014 年の初回実施にて落第となり、技術的難点を(及第点を貰 えるレベルまでは)改善した製剤を本年供試すべく取り組み中である。 (3)本年度の研究内容: (1)候補製剤を作業着等に装着していただき、林地内該当箇所にて、降雨時の残効性を含む忌 避効果に関するデータ収集を行う。 (2)加えて、実用性に関する総合評価(着脱時の手間、装着感や装身具に対する影響等を含む) をアンケート形式にてまとめていただき、それらを改善した製剤を本年シーズン中に完成させるこ とを目指す。 以上 12 2015年度千葉演習林利用内容要旨 課題名:2015 年度秋季地質調査研修(日本地質学会主催) 報告者氏名:徳橋秀一 (上記研修の主任講師) 所属:産業技術総合研究所(産総研) 地圏資源環境研究部門 客員研究員 利用場所:黒滝口から郷台畑にかけての猪の川 (本流) 沿い(予定) 利用期間(予定):11 月 10 日(火) ~11 月 13 日(金) (研修期間は 11 月 9 日(月) ~11 月 13 日(金) の予定) 宿舎の利用:なし 利用 (研修) の目的・概要等 本研修は、地質関連会社からの依頼をうけて始まったもので、資源系、建設 系、環境系などの地質関連会社に就職しながら、大学、大学院時代に地質調査 に関連した実習や訓練などを受けなかった若手の技術者を主な対象に、希望者 を募って毎年 4 泊 5 日で実施しているものである。依頼相談のあった 2007 年度 よりこれまで毎年行っており、今年度で 9 年目となる。 本研修は、最初の5年間は、依頼を受けた産総研の地質調査総合センター(前 身は旧工業技術院の地質調査所で、日本の陸・海域の各種スケールの地質図の 作成・発行をはじめとする地質に関する総合研究機関)の外部研修プログラム として、㈱地学情報サービスの管理・運営の下で行われてきたが、2012 年度か らは日本地質学会主催、産総研地質調査総合センター共催で今日に至っている。 本研修では、地質調査 (地質図の作成など) を実施する際の基礎となる地質学 的なルートマップづくりの作業を主に猪の川沿いで行ってきた。黒滝より上流 の猪の川沿いには、新第三紀の地層 (上位より、安野層、清澄層、天津層と名づ けられている地層) が、ほぼ連続的に露出するとともに、河川が蛇行しているた めに、同じ地層、同じ凝灰岩鍵層が繰り返し現れることから、地層の連続性を 確認し、また、断層によって地層がずれる様子を直接確認することができるな ど、地層や地質構造解析の基礎を理解しながらルートマップを作成する上で非 常に適している。また、地質学の世界で有名な“黒滝不整合”の名前の発祥の 沢でもあるなど、地質学の研究において付加価値の高いルートでもある。さら に、安全に歩ける平滑な河床である上に、林道もすぐ近くにあることから、初 心者が沢沿いでルートマップづくりの作業を安全に実施しながら、地質学的な 見方と地質調査法の基礎を実地で学ぶ上で、本ルートは極めて優れている。 今年度は、5 月 8 日(月) ~ 5 月 13 日(金) に春季地質調査研修を実施したが、 猪の川林道沿いでの崩壊の影響で通行禁止となったことから、同じ地層が分布 する東隣りの七里川(小櫃川本流上流部)で実施した。秋季研修の実施時期に も猪の川林道の通行禁止が継続する場合は、春季研修の場合と同じく、七里川 沿いで行う予定である。 なお、本研修の実施内容の詳細や近年の具体的な実施状況については、主催 者である日本地質学会の HP の技術者教育の項目を参照されたい。 (以上) 13 千葉演習林ボランティア会 Abies 活動紹介 2015 年 6 月 ボランティア会 Abies 岩崎寿一 千葉演習林ボランティア会 Abies は千葉演習林をフィールドとして活動しているボラ ンティア団体です。2004 年に発足し、2014 年現在の会員数は 43 名です。 主な活動は次の通り:演習林主催行事のサポート、各種研修会聴講、歩道修理、除草、 会員の観察会、演習林見学者の案内、Abies 通信の発行等を行っています。 2014 年度は 2 月の大雪とその後の暴風雨により、演習林の林道と歩道に大きなダメージが 残り、活動に支障が有りましたが、年間 19 回の活動を行い、延 127 名の会員が参加しまた。 主な活動の写真を紹介いたします。 植林 1 年後の下草刈 作業終了 林見学者の案内と説明 (池の沢:Abies が植林したスギ・ヒノキ) (猪ノ川林道にて) 試験研究:ドングリの皮むき作業 高校生ゼミナール サポート (千葉大学海洋バイオシステム研究センター) 14 「人為的管理が朽ち木性昆虫群集に及ぼす影響」 横浜国立大学大学院環境リスクマネジメント専攻 小池研究室 修士 1 年 宮崎怜 ・調査場所 24 林班 荒樫沢郷台林道付近 ・調査目的 照葉樹天然林(千葉演習林)と暖温帯里山における朽ち木性昆虫群集を明らかにし、人 為的な管理や都市化が及ぼす影響を評価する。 (主に甲虫類) ・調査項目(スケジュール) 1、 林内の朽ち木の計測(環境データ)と昆虫サンプリング 林内に、区画(10m×10m程度)を 3 つほど設置し、区画内にある朽ち木の本数や 体積などを記録する。その後、朽ち木を割り、昆虫をサンプリングする。割る本数は 20~30 本程度を見込んでいる。本年度の 10 月~12 月に行う予定。この調査は 1 回の み。 2、シイタケほだ木による昆虫サンプリング 林内に尾根と谷を 2 つずつ通るラインを設定し、 ライン上に等間隔で直径 10~20cm、 長さ 50cm のほだ木を設置する。一定期間設置した後、穿孔している昆虫をサンプリ ングする。本数は 15~20 本。設置期間は今年度の 5 月から来年度の 9 月まで。 3、 餌トラップによる成虫調査 バナナと焼酎をペットボトルに入れて樹木にくくりつけるような形で設置。個数は 20 個ほど。1 日単位で行い、夕方に設置し翌朝に回収する。今年度と来年度の 6 月 ~8 月に月 2 回程度行う。 4、 毎木調査(環境データ) 10m×10mの区画を 3 箇所ほど設定し毎木調査を行う。 5、 ピットホールトラップ ピットホールトラップを林内に 20 個ほど設置。プラスチック製のコップを埋める ような形で作成する。1 週間単位で今年度と来年度の 6 月~8 月に月 1 回程度行う。 ※けものみち付近にシイタケのほだ木を設置してあります。調査地近辺を歩かれる際はご 注意ください。ご迷惑をおかけします。 15 東京大学千葉演習林内の林道・歩道のハイキング利用について 所属:一般財団法人 千葉県観光公社 内浦山県民の森管理事務所 氏名:吉田明子 場所:林道および歩道 千葉演習林は、かつては人々が行き交う生活道があり、また薪や木炭、木材の生産地として多くの人々 の暮らしに関わってきた森でもあります。 その昔の人々の暮らしに思いを馳せ、また自然豊かで変化に富む魅力的なこの素晴らしい森を紹介し たく、これまで様々な切り口で千葉演習林を利用させていただきハイキング等の催事を実施してきまし た。 昨年度は、積雪や崩落等の影響で、コースの変更や中止を余儀なくされましたが、今後も安全第一で 千葉演習林の魅力を多くの皆さまへお伝えしていけたらと考えています。 平成 27 年度の計画 (実施済) 郷台林道・今澄歩道 4/23 「春の会所・清澄ハイク」 11/11 「 『東条みち』をゆく」 郷台林道・橋ノ沢歩道・加勢歩道 12/ 7 「猪ノ川渓谷ハイキング」 猪ノ川林道(通行止めであれば別コースに変更) 1/18 「新年ハイク 目指せ!三石山」 郷台林道・三石歩道 1/19 「新年ハイク ゆくぞ!清澄山」 本沢林道・郷台林道・小屋ノ沢歩道・今澄歩道 平成 26 年度の実施結果 4/23 「春の猪ノ川渓谷ハイキング」 通行止めにつき他のコースで実施 11/19 「ロングハイキング」 通行止めにつき中止 12/8 「紅葉ハイキング①」 通行止めにつき中止 12/9 「紅葉ハイキング②」 郷台林道・加勢歩道・加勢林道 1/8 「清澄八山をめぐる①」 一杯水歩道・浅間歩道・長尾歩道・新独鈷歩道 1/9 「清澄八山をめぐる②」 向山歩道・一杯水林道 3/16 「春の石尊古道ハイク」 石尊歩道・前沢歩道・麻綿原歩道 4/23「春の猪ノ川渓谷ハイキング」の様子 16 3/16「春の石尊古道ハイク」の様子 研究課題名:南房総地区天然林における樹上性哺乳類調査 所属:千葉科学大学 氏名:小林 恒平 調査場所:楢の木、風致林、三石林道、アラカシ 要旨: 演習林内の広葉樹天然林、針葉樹天然林、針広混交林から図1に示すA~Dの4つの調査地 を選定し、各調査地に15~26個の調査用巣箱を設置する。巣箱の設置高は作業の安全面を 考慮し、1.5mとする。その後、月1回の頻度で巣箱の利用状況を確認する。巣箱利用の確 認には、スネークカメラを利用する。 2015年1月に巣箱設置が終了し、現在までに、ヒメネズミ、ヤマガラ、シジュウカラの利 用が確認されている。 今後も巣箱の利用確認を継続する予定であるため、設置している巣箱には触れないよう お願いしたい。 図 図1.調査地 図2.設置巣箱 17 研究課題名: マメ科植物の窒素再利用とリターフォールを介した土壌への影響 に関する研究 所属: 茨城大学大学院理工学研究科 氏名: 及川真平 調査場所: 清澄宿舎周辺、郷台作業所周辺 調査内容要旨: マメ科植物と窒素固定菌の共生関係は、 多くの陸上生態系の機能に重要な役割を果 たしている。一般に植物が利用できる土壌中の窒素には限りがあり、植物の成長はこ の窒素量に制約を受けているため、窒素をなるべく長く保持する機構を持つ。老化し た葉などが枯死する際には組織中の窒素の一部を回収し、新しい葉や種子で再利用す る。このとき回収されなかった残りの窒素が、リターフォールにより土壌に供給され 土壌の栄養塩状態を変える。従来、マメ科に代表される窒素固定植物では、非窒素固 定植物と比べて窒素による制約が小さいために、相対的に窒素回収能力が低く(=あ まり窒素を再利用しない)、リター中の窒素濃度が高いと予測されてきている。し かし現時点ではその一般性について結論できるだけの情報が蓄積していない。私た ちは冷温帯と暖温帯に生育する複数のマメ科植物を対象に野外調査を行っている。千 葉演習林では、これまで採取できていない植物(マメ科ミヤマトベラ)を調査対象と し、上記予測の検証に用いたい。具体的には、ミヤマトベラ10個体から、緑葉とリタ ー(枯葉)をそれぞれ10枚ずつ採集し、窒素回収能力を解析する。 18 研究課題名:第三紀層における岩盤の侵食と風化 所属:立正大学(地球環境) 氏名:戸田真夏 調査場所:2B鳥居沢 および 堂沢風致林 鳥居沢では 1992 年 7 月から河床岩盤の侵食量を計測しています。計測地の 河床にはボルトが打ってある(写真1、2)ので、踏み荒らさないようにして 下さい。また、側壁に釘やボルトによって薄い鉄板を打ち込んで最高水位の値 を得られるよう試みています(写真 1)。さらに、侵食に大きな影響を及ぼすと 考えられる土砂の移動状況を調べるため、トレーサー(砂をつめて着色したペ ットボトル)を投入しています。 鳥居沢入り口付近が流木等で通行が妨げられるようになってしまいました (写真3)。お手数をおかけしますが流木等を撤去して安全に通行できるように していただきたいと思います。 堂沢風致林では貫入試験を行い、土層厚を計測する予定です。本年度もよろ しくお願いします。 写真1.最高数位を計測する装置(白い線状のもの) とボルト(〇内) 写真2.河床に打設した ボルト 写真3.鳥居沢入口の流木(上流より) 19 照葉樹天然林におけるモチノキの存在様式と樹木-種子食性昆虫-鳥類間相互 作用系の解明 筑波大学菅平高原実験センター 髙木悦郎 調査場所:天津,郷台,札郷作業所構内,橋ノ沢(標識杭 B3,B5 付近)郷台林道(標識杭 V12 付近) ,前沢(標識杭 M50,M51,O1 付近) 1.調査内容と利用場所 1.1.シードトラップによる落果調査(各月) 札郷作業所近くのモチノキ植栽地(前沢,標識杭 O1)にシードトラップ(図 1)を設置 し,落果とモチノキタネオナガコバチ(図 2)による寄生の関係を調査する. 1.2.サンプリング調査(7 月,9 月,11 月,1 月) 橋ノ沢(標識杭 B3,B5) ,郷台林道(標識杭 V12) ,前沢(標識杭 M50,51)脇に 25 m × 25 m の調査区を設定し,角に生育する樹木に標識テープを巻いた.また,調査区内の全モ チノキにも標識テープを巻いた. 天津,札郷,郷台作業所内,および前述の調査区内のモチノキとタラヨウの着果を定期 的にサンプリングし,着果量と昆虫による寄生の関係を調査する. 図 1.モチノキ植栽地に 設置したシードトラップ. 図 2.産卵中のモチノキ タネオナガコバチ成虫. 2.協力依頼事項等 本研究では、鈴木氏,阿達氏をはじめとする千葉演習林の職員の方に,調査,着果の採 集,およびシードトラップを用いた落下果実の採集等,多大なるご協力をしていただいて いる. 20 研究課題名:房総半島鮮新統清澄層 Ky26 火山灰鍵層層準に発達する重力流堆積物の高分解 能単層解析 所属:千葉大学大学院理学研究科 地球生命圏科学専攻 地球科学コース 博士前期課程 1 年 氏名:山田立輝 調査場所:沢沿いの露頭での調査を基本とする.猪ノ沢 滝ノ沢 土沢 四郎治沢 上人沢 七里川 仲沢 濁川 スナ沢 以上の沢沿いでの調査を予定している. 要旨: 本研究は重力流堆積物の堆積プロセスの高分解能の解析を目的としたものである.その ため,上述した調査場所のそれぞれの沢沿いの露頭で地層の調査を実施する.得られた地 層のデータに対し,Ky26 火山灰鍵層を使うことで重力流堆積物単層を対比し,単層解析を 行う. この地質調査では,地層の走向・傾斜,岩相,層厚,粒度,古流向を測定する.走向・ 傾斜,古流向の計測はクリノメーター(図 1)を使用する.走向,傾斜は地層の層理面にク リノメーターを当てることにより方向を測定する.古流向は重力流堆積物基底にみられる ソールマーク,または重力流堆積物中のリップルを利用し方向を測定する.岩相は観察に よって,粒度は粒度見本と見比べることによって測定する.観察の際,ねじり鎌,ハンマ ー等を使用し,露頭表面を削ることで観察を行いやすくする.層厚は折尺を使用すること によって測定を行う.調査の際,設置して計測する機器は使用しない. 図 1.クリノメーター 21 ②調査内容要旨 研究課題名:ニホンヤマビルの遺伝的多様性と地理的変異について 所属:宇都宮大学大学院農学研究科森林科学専攻 森林生態学・育林学研究室 氏名:森嶋佳織 調査場所:浅間山(41 林班) 郷台林道往復(22-24 林班) 要旨: ニホンヤマビルが古くから生息する地域と近年分布拡大している地域において、ニホン ヤマビルの遺伝的変異の調査をすることで分布拡大のルートを探り、今後のニホンヤマビ ルの被害防除の一助とすることを目的とする。 演習林内において 30 匹程度のニホンヤマビルを採集し、遺伝解析用試料とする。 捕獲には、ヒトおとり法を用いる予定である。採集したニホンヤマビルは、その場で、95% エタノールにつけ、持ち帰る。 また、採集場所を GPS を用いて記録する。 22 研究課題名:タマゴタケの繁殖様式の解明 所属:東京大学大学院農学生命科学研究科 氏名:遠藤直樹,松下範久 調査場所:未定 【調査内容】 タマゴタケ Amanita caesareoides(図)は,欧州で「皇帝のきのこ」と呼ば れる A. caesarea に近縁な食用きのこである。本種は,樹木と外生菌根共生をするため,マ ツタケと同様に人工栽培化が困難である。本研究では,野外におけるタマゴタケの繁殖様 式を明らかにするため,子実体と菌根の採集を行う。また,タマゴタケの近縁種(キタマ ゴタケやチャタマゴタケ)が発生していた場合も,子実体と菌根の採集を行う。 【演習林職員の方,利用者の方へのお願い】 林内でタマゴタケ,キタマゴタケ,チャタマ ゴタケの子実体を見かけたら,遠藤まで,ご連絡いただければ幸いです。その際,食用と して採集していただいても構いませんが,柄の基部やツボ(子実体の根元にある白い袋状 のもの)など,子実体の一部を採集せずに残しておいていただけると助かります。 タマゴタケの子実体(左)と菌根(右) キタマゴタケの子実体 23 研究課題名:モミの針葉内生菌の種構成の解明 所属:東京大学大学院農学生命科学研究科 氏名:渡邊悠介,松下範久 調査場所:郷台林道周辺、27 林班 B3 小班 【研究目的】 内生菌は,宿主植物に病気を引き起こすことなく,植物の健全な生きた 組織内部に生育している菌である。本研究では,モミ針葉の内生菌相を明らかにし,さ らに内生菌の伝播・繁殖様式を明らかにすることを目的とする。 【昨年度までの結果】 郷台林道および猪ノ川林道周辺に生育している 10 本のモミ成 木を対象として,2013 年 7 月に,当年葉と一年葉から内生菌を分離した。その結果, 当年葉で 34 種,一年葉で 36 種,合計 40 種の内生菌が分離された。 郷台林道周辺に生育するモミ成木 5 個体を対象として、2014 年 4 月から 2015 年 2 月までの 2 ヶ月ごとに,当年葉と一年葉から内生菌を分離した。その結果,当年葉では, 4 月には数枚の葉からしか内生菌が分離されなかったのに対して,6 月と 8 月には 9 割 以上の葉から内生菌が分離された(図 1) 。また,一年葉の内生菌分離率には,4 月~8 月の間で大きな差はなかった。これらのことから,内生菌は,モミの展葉直後に針葉に 感染すると推測される。現在,10 月以降の結果を解析中である。 【今年度の予定】 27 林班 B3 小班に生育するモミ稚樹を対象として,光条件などの 変化が内生菌相に及ぼす影響を調査する。 【利用者の方へのお願い】調査対象のモミには,目印のための標識テープ(ピンク色) を巻いてありますので,調査期間が終了するまで枝・葉の採集をしないようにお願いし ます。 分離頻度(%) 120 100 80 60 当年葉 40 一年葉 20 0 4月 6月 8月 図. 4 月~8 月のモミ針葉内生菌の分離頻度(%) 24 調査内容要旨 研究課題名 千葉県におけるマダニ類の生息状況 所 属 千葉県衛生研究所 氏 名 竹村明浩、田﨑穂波 調 査 場 所 札郷作業所周辺 調 査 内 容 札 郷 作 業 所 周 辺 に お い て 、 70cm×150cm の フ ラ ン ネ ル 生 地 の 両 端 を 長 さ 100 ~ 150cm の 塩 ビ 管 に 取 り 付 け 、 植 生 上 及 び 地 面 を 引 き ず り フ ラ ン ネ ル 生 地 に 付 着したマダニを採集する。 採集したマダニ類は、持ち帰り研究室にて種の同定を行う。 調査時間は、1 定点30分とする。 調査回数は、おおむね四半期に1回、年4回。 25 リモートセンシングと林業経営収支予測システムの架橋 大学院農学生命科学研究科 中島 徹 調査場所 人工林固定試験地等 研究内容 本研究の目的は千葉演習林の人工林や固定試験地を対象に、システム収穫 表・林業経営収支予測システムとリモートセンシングを組み合わせ、無間伐林や高齢林 等の幅広い人工林に適用できるツールを開発することである。これまでの研究で、高齢 林の実測値をシステム収穫表の成長モデルに反映させ、樹高や直径推定の検証を行っ た。また、リモートセンシングによって計測された単木情報の積み上げによる林況を初 期状態としてシステム収穫表・林業経営収支予測システムに組み込み、幅広い森林の現 況を将来予測に反映し得ることを確認した。今後、リモートセンシングで詳細に計測さ れた林分の現況を基礎に、研究を継続することを予定している。なお本研究は科学研究 費助成事業、寄付金等の助成の下で実施している。 図 1. 樹木幹解析のための伐倒の様子 図 2. リモートセンシングによる三次元鳥瞰図 1200 Frequency 本数密度 (本/ha) 平均樹高 (m)(m) Average tree height 35 30 25 20 15 ×Estimated 推定値 10 Observed ◇ 実測値 5 1000 800 600 実測値 実測値 推定値 実測値 推定値 (林齢 (林齢 (林齢 (林齢 (林齢 20) 45) 45) 102) 102) 400 200 0 0 0 20 40 60 80 100 2 10 18 26 34 42 50 58 66 74 82 90 98 Diameter class (cm) 120 Stand age (year) 林齢 (年) 図 3. 直径階 (cm) 樹高の成長予測の一例 図 4. 直径階別本数の予測の一例 26 研究課題名:全天球写真による森林計測手法の検討 所属:一般社団法人 日本森林技術協会 氏名:吉田城治、山田祐亮 調査場所:人工林固定成長試験地(鐘付台、安野、牛蒡沢等) 要旨: <背景> 森林資源の利用推進の背景から、森林資源量把握が喫緊の課題となっている。 誰でも実施可能な簡素な森林調査手法の一つとして、林内の全天球写真に注目し、その実 用可能性を調査している。 全天球写真は角度情報が取得可能なため、立木までの距離が算出できる。つまり、写真か ら立木の直径や樹高だけでなく、曲がりの状態等様々な情報が取得できる可能性があるが、 林内環境での検証はまだ行われていない。 全天球写真から立木の情報を取り出す手法の開発を行うとともに、様々な林内環境での適 用可能性を検証する。 <試験地利用について> 検証方法として、同一の箇所(様々な地形・林種)において毎木調査(地上から複数の高 さでの直径・樹高など)および全天球写真撮影による画像処理を行い、林内環境による測 定精度の違いを検証する。 27 課題名:スギ辺材腐朽発生に関わる生物学的環境要因の解明 森林総合研究所 森林微生物研究領域 服部力 東京大学秩父演習林山田利博教授との共同研究で、清澄地区内のスギ人工林 および清澄作業所内において、試験研究を行う。 2014 年 10 月にスギ辺材腐朽菌の種駒を接種した林分において、被接種木の 伐採を行う。接種区1では、樹幹傷が腐朽長に及ぼす影響を評価するため、ス ギ辺材腐朽菌の1種ヒメカバイロタケモドキの感染駒を、1個および横に 3 連 で3個接種した区をもうけ、それぞれについて腐朽長を測定するとともに、菌 の再分離を行う。接種区2では、辺材腐朽菌の心材への感染能を調べるため、 心材に到る孔をドリルで穿孔し、2種の腐朽菌(ヒメカバイロタケモドキ、 Physisporinus sp.)およびコントロールとして滅菌駒を接種した。 接種木の伐倒は 10 月に行う予定である。伐倒木は解体を行い、変色域や形成 層壊死の有無などの樹体反応を調べるとともに、接種菌の再分離を行い、菌の 感染状況を明らかにする。林内において伐採を行うとともに、解体、樹体反応 の観察および菌の分離作業は清澄作業所内において行う。菌株の確立、菌の同 定などは森林総合研究所に持ち帰った上で行う。 28 2015 年度 東京大学千葉演習林調査内容要旨 1.キヨスミミツバツツジ、マルバチシャノキの穂木の収集、さし木増殖、保存 所属 国立研究開発法人 森林総合研究所 林木育種センター 遺伝資源部 探索収集課 大塚 次郎 場所 キヨスミミツバツツジの自生地、 マルバチシャノキの植栽地(札郷作業所近辺) 林野庁が実施しているジーンバンク事業の一環として、千葉演習林内に自生して いるキヨスミミツバツツジ数個体(穂木及び種子)及びマルバチシャノキ3個体 (穂木)を収集し、穂木については、林木育種センターでさし木増殖し、保存す る。種子については専用の冷凍施設で保存する。収集方法は、剪定鋏、測桿鎌(検 測桿の先に鎌を付けたもの)もしくは高枝切鋏を使用し、各個体から穂(約 20 ㎝)を 10 本程採取する。また、採取個体の樹高、胸高直径、位置情報を調査し、 写真撮影も併せて行う。 2.薬用系機能性樹木の生産効率化手法の開発 所属 国立研究開発法人 森林総合研究所 森林バイオ研究センター・森林バイオ研究室 谷口 場所 通行可能な林道全域の周辺のカギカズラ自生地 亨 漢方に使用されているつる性樹木カギカズラの自生状況を調査し、自生箇所を GPS により記録する。調査範囲は、演習林の林道沿いを想定している。自生状況を 把握した後、さし木又は堀取りにより個体を収集する。温室等で鉢に植え、活着、 生育した後に主要薬用成分であるアルカロイド(リンコフィリン及びヒルスチン) の個体別の含有率を高速液体クロマトグラフィーにより調査する。また、組織培養 によるクローン増殖を個体別に供試する。 3.コウヨウザンの成長特性の解明 所属 国立研究開発法人 森林総合研究所 林木育種センター 遺伝資源部 探索収集課 大塚 次郎 場所 コウヨウザン植栽地 平成27年度は、コウヨウザン遺伝資源の導入元情報、管理経過、生育状況等の 様々な情報を収集し、それらの成長、各種被害、曲がり、折損状況等の調査結果を 基に、生育地での成長パターンを明らかにする。さらに、生育環境と成長特性、各 種被害、折損状況等との関係を解析する研究を実施する 平成28年度以降、サンプル個体の伐倒、樹幹解析、材質調査等も実施する予 定。 29 研究課題名:シバヤナギに形成される虫えい(ゴール)の形成機構の解明 所属・氏名:茨城大学農学部資源生物科学科・鈴木 義人 調査場所:郷台林道沿いのシバヤナギ生育場所 要旨: 虫えい(ゴール)は植物の寄生虫が形成するコブであり,葉や茎などに分化 した組織が,色や形の全く異なる組織に分化したものである。本研究で対象と するシバヤナギに形成されるゴールは,ハバチ(Pontania sp.)が形成者であり, 産卵時に卵と共に分泌される卵台液が初期ゴールの誘導にかかわり,その後, 孵化した幼虫からの摂食刺激によって更に大きく成長する。これまでに,ゴー ル内には維管束系が発達していること,また,幼虫の摂食部位はカルス様の細 胞分裂が盛んな組織であることが判明した。また,それらの現象に関与するこ とが知られている植物ホルモンのオーキシンやサイトカイニンが卵台液,幼虫 内に高濃度で含まれることを示した。さらに,幼虫はトリプトファンを前駆体 としたオーキシン合成能を持つことも示された。また,活性型オーキシンであ るインドール酢酸(IAA)の生合成能がゴール形成昆虫のみならず,カイコ等の 非形成昆虫にもあることを見出し,カイコを用いて IAA の生合成経路の解析を 行い,インドールアセトアルドキシム(IAOx)が生合成中間体であることを明 らかにするとともに,IAOx から IAA への変換を阻害する生合成阻害剤を化合 物ライブラリーから同定した。ハバチにおいても,IAOx が中間体であり,得ら れた阻害剤によって同じステップが阻害されることから,ハバチは昆虫が元々 有していたオーキシン生産能を進化的に高めて,ゴール形成に役立てたとの仮 説を立てた。昨年度は得られた阻害剤をハバチに投与し,ハバチによるゴール 形成阻害の確認を目指したが,有効な投与法が見いだせず,本年度も引き続き ゴールを採種し,阻害剤の投与実験を行う。 演習林では,主にシバヤナギの生育場所において,ゴールを採集し,研究室 で半培養しつつ阻害剤処理を行う。あるいは演習林内現場での阻害剤処理を行 う。 30 研究課題名:フジの多重形成層の構造 所属:東京大学大学院 農学生命科学研究科 演習林 氏名:山口彩花 調査場所:11、20-23 林班の郷台林道沿い 要旨:フジの幹内部には複数の形成層、木部層が存在する(図1)。その構造等を調べ るため、千葉演習林では次のような調査を行う。調査場所中の 4 本のフジについて、毎 月成長錐で各 1 か所サンプルを採取し、各木部層における成長の季節変化を観察する。 その後、成長錐で採取した部分、幹が二股になっている部分などを円盤・丸太として採 取し、幹内部の様子を観察する。また、3 本のフジについて幹の一部を人為的に曲げ、 針金で固定し、曲げた状態を秋頃まで保つ(図2)。秋頃に曲げた幹を採取し、幹内部 の様子を観察する。 調査で用いるフジにはピンク、黄のテープを巻きつけいているので、調査が終了するま では伐採等を行わないようお願いします。 図1 フジ幹内部 図2 フジ幹曲げ実験 31 2015年度千葉演習林教職員の研究課題 区分 代表者 構成員 千葉演利用 課題名 利用場所 備考 組織研究 広嶋卓也、久 本洋子、當山 啓介 ヤマビル忌避剤の開発 組織研究 広嶋卓也、當 森林管理係、 山啓介ら 清澄作業所 高齢間伐が下層木・下層植生に与える影 今澄40C6 響の調査 組織研究 広嶋卓也、當 山啓介 歴史にみる人と自然の関係史 各所 組織研究 久本洋子 種苗ゼミ マツ材線虫病抵抗性マツに関わる研究 武者土採種園、南 千葉県森林研究 沢集植場、札郷苗 所共同研究 畑他 組織研究 久本洋子 種苗ゼミ 房総のヒメコマツ保全に関わる研究 生息地、採種園、 実験室 組織研究 久本洋子 二次林調査班 広葉樹二次林の更新動態とシカの影響 組織研究 村川功雄 組織研究 藤平晃司 個別研究 久本洋子 温帯性タケ類の一斉開花現象に関与する 郷台モウソウチク 遺伝子の探索 林、実験室 個別研究 當山啓介 環境配慮型の高齢人工林主伐・天然林移 南沢45C11-1、分 行技術の開発 析室、各所 個別研究 軽込 勉 種苗ゼミ 房総丘陵におけるヒメコマツの分布変遷 実験室、分析室、 からみた種子の遺伝的多様性と自殖の検 生圏システム研究 科研(奨励研究) 証 室 個別研究 軽込 勉 種苗ゼミ 抵抗性アカマツの人工交配による抵抗性 郷台苗畑、実験室 の変化 個別研究 軽込 勉 種苗ゼミ ヒメコマツのさし木増殖のための発根時期 札郷苗畑 の検証 個別研究 里見重成 種苗ゼミ キヨスミミツバツツジのさし木最適条件の 札郷、郷台・仲沢集 検討 植所 個別研究 里見重成 種苗ゼミ ミツバツツジ種子の長期貯蔵試験 区分 代表者 協力者 課題名 千葉演習林の昆虫相調査 演習林基盤 データ整備生 千葉演習林のフロラ調査 物部門植物班 住化グリーン(株) 共同研究 国立歴史民俗博 物館等共同研究 房総のヒメコマツ 研究グループ・ヒメ コマツ協議会 桧尾20A、平塚 鈴木牧氏との共同 34B1、小坪沢47B4 研究 各所 千葉県中央博物 館共同研究 各所 千葉県中央博物 館共同研究 利用場所 備考 千葉演不使用 個別研究 広嶋卓也 皆伐・利用間伐量の都道府県別積み上げ 室内作業のみ による国産材生産量予測モデルの開発 個別研究 久本洋子 タケ亜科植物における推定雑種検出を可 能とする簡明な検索システムの検討 個別研究 久本洋子 北村系子、後 藤晋 北方針葉樹林における標高適応に関わる 森林総合研究所北 科研(基盤B)分担 フェノロジーの分子遺伝機構 海道支所 (代表:後藤 晋) 個別研究 久本洋子 鈴木重雄、江 上浩 放置マダケ林における事前伐採と塩素酸 ナトリウム粒剤(クロレートS)全面土壌散 布による防除とその後の植生変化 個別研究 當山啓介 尾張敏章 他 情報技術を活用した天然林施業の知識 ベース構築とその運用 個別研究 當山啓介 有賀一広 他 長期的な森林バイオマス利用可能量算定 モデルの構築とエネルギー収支分析 科研(基盤B)分担 個別研究 當山啓介 広葉樹林の利用を含む森林経営の計画・ 方針策定に係る研究 民間受託研究 32 北海道演習林 科研(基盤C) 科研(萌芽)分担 写真 1908年5月の郷台寄宿舎 千葉演習林所蔵
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