アメリカ研修報告・番外編 “Andy`s home visit”

アメリカ研修報告・番外編
“Andy’s home visit”
報告:峯
勇人
今回の研修は、6泊8日で、ニュージャージー州、デラウェア州、カリフォ
ルニア州で、いくつかの学校施設を見学させていただくことができたのだが、
カルフォルニアに移動する前日の3日目の夜に光栄にもアンディ・ボンディ博
士からの自宅への招待を受け、訪問させていただくことができた。
私たちの乗ったマイクロバスが閑静な住宅街の中にある家の前に着くと早速、
アンディ博士と娘さんのアレクシスが笑顔で迎えてくれた。自宅のリビングで
は、アンディ博士の妻で PECS の共同開発者のロリと息子のサムが出迎えてくれ
た。家のベランダの前は、ちょっとした林になっており、ときおり野生の鹿な
どが顔を出すそうだ。
今回の研修旅行を主催した「たすく」のサイトー氏が挨拶しプレゼントの交
換を行ったあとアメリカンホームパーティを楽しんだ。バーベキューを作るの
は、一家の大黒柱の責任である。なんとアンディ博士がベランダで直々にバー
ベキューを焼いてくれた。パンにはさむ肉は、チキン、バッファロー、ビーフ
などがあった。ソフトドリンクとワインやビール飲料、ディップスナックと野
菜など、とてもおいしい料理をたくさんいただいて歓談した後は、リビングで
アンディ博士の立ててくれたコーヒーを飲みながら、質疑応答の時間を取って
いただくことができた。
たすくのスタッフとその家族と全員で20人弱の訪問客だったが、リビング
に集まっても余りある広さだ。デラウェア州における自閉症支援システムのお
話や、地域での密着の重要性など、とても貴重なお話を聞くことができた。
お話の中で1番印象に残っていることを紹介する。アンディ博士はこのよう
に言った。
「学校や家だけでなく、地域でも PECS を使用することがとても大事
ですが、日本では PECS をマクドナルドやショッピングセンターなどの地域の中
で使用しようとすると、周りの人の目が気になったり、地域の人たちの理解が
得られなかったりなど、不安視する意見を聞くことがあります。地域で PECS の
適切な使用を広めていくために、大切なことは何でしょうか?」という問いを
出された。その答えは「デラウェア州では自閉症の子どものほとんどが PECS を
使っています。そしてその子どもたちが何度も地域に出かけて PECS ブックを利
用しているから、地域の中でもそれが普通になっています。だから、多くの人
に PECS を知ってもらう努力も大事ですが、それを子どもたちが実際に地域で適
切に使う機会をたくさん作ることも大事です。」というものであった。
数時間の滞在の後、アンディの家族の運転する車とアンディの友人でピラミ
ッド社の経営顧問であるネイサンの車に分乗してフィラデルフィアのホテルに
戻った。帰国してからのこれからの PECS を使ったコミュニケーション支援や啓
発活動に役立てることができる、非常に貴重なお話を伺うことができた。素晴
らしい交流の時間を設定してくださった、アンディとロリ、それからすべての
人に感謝の言葉を送ります。