4−3 母 語保 持教室の 開始 ( 木 村 久美 子 :学 校 教育 専 攻国 際 理解 教育 領域 M 2 ) 2006 年 3 月よ り 知立 東小 学 校に て毎 週 木曜 日の 放課 後 、6年 生の ブ ラジ ル 人 児童 のう ち 希望 者を 対 象に 母 語保 持教 室 を開 いて いる 。約 30% が外 国籍 児 童で ある この 小 学校 で は「 学校 内 では 日本 語 を話 しま しょ う 」と いう 取 り組 み がな され てい る が、 彼 らの 母語 が ない がし ろ にさ れる こと が あっ ては な らな い 。思 い切 り自 由 にポ ル トガ ル語 を 話す こと が でき 、子 ども た ちの ポル ト ガル 語 能力 を保 持・ 促 進し 、 そし てブ ラ ジル につ い て勉 強で きる 場 を提 供で き れば と いう 思い から こ の教 室 を開 催し て いる 。ま た 、中 には 中学 校 へ進 学す る 際に ブ ラジ ル人 学校 へ 進む 子 もお り、 小 学校 を卒 業 する まで の1 年 間で ポル ト ガル 語 を学 校で 学ぶ こ とが で きれ ばと 、 6年 生を 対 象と して いる 。 本稿 では こ の母 語 保持 教室 を開 始 する 際 に保 護者 に 行っ たア ン ケー ト調 査の 結 果と 母語 保 持教 室 の実 践例 を報 告 する 。 ◇ 母 語 保 持に 対 する ブ ラジ ル 人保 護 者の 意識 調査 ( 1 ) 調査 目 的 日 本で 暮 らす ブ ラジ ル人 保 護者 が自 分 たち の子 ども の ポル トガ ル 語能 力 の実 態を どの 程 度把 握 して いる の か、 また ポ ルト ガル 語保 持 に関 して ど う思 い 、ど うい う支 援 を望 んで い るの か を知 るこ と を目 的と する 。 ( 2 ) アン ケ ート 調 査の 実 施 知 立東 小 学校 にて 2005 年 12 月 にブ ラ ジル 人児 童の 保 護者 の方 々 を対 象 に実 施し た。 担 任教 師 と保 護者 と の懇 談会 時 にお ける 待ち 時 間の 間に 任 意で 回 答し ても らう 形 をと った 。 ( 3 ) 調査 内 容と 集 計結 果 基 礎 デ ータ 回答 者数 は 、子 ども の 学年 が 1年 生の 保 護 者 12 名 、2 年生 17 名 、3 年 生9 名、4年 生7 名、5 年生 6 名、6年 生4 名、不明 1名 、合 計 56 名で ある 。来 日 時期 は以 下 の通 りで あ る。 1年 生・・・日 本 生ま れ5 名 、1 歳∼ 3 歳時 来 日3 名、 6 歳時 2名 2年 生・・・日 本 生ま れ7 名 、1 歳∼ 3 歳時 来 日3 名、 5 ∼7 歳時 3 名 3年 生・・・日 本 生ま れ7 名 、5 歳時 1 名、 8 歳児 1名 4年 生・・・日 本 生ま れ2 名 、3 歳時 来 日1 名 、4 ∼6 歳 時3 名 5年 生・・・日 本 生ま れ1 名 、7 歳時 来 日1 名 、9 歳時 2 名、 10 歳 時1 名 6年 生・・・日 本 生ま れ1 名 、8 ∼9 歳 時来 日 2名 、11 歳時 1 名 調 査 内 容と そ の結 果 ①日 本に 来 てい る ブラ ジル 人 の子 ども 達 のた めに 、母 語 教育 (ポ ル トガ ル 語教 育) が必 要 だと 思い ま すか ? 100%の 保 護者 が「 は い」 と 答え てい る 。 ②子 ども の ポル トガ ル 語能 力 につ いて 4 ∼6 年 生の 保 護者 の回 答 には 、「 話 せる だけ でな く 、読 み書 き もで き る」 に印 をつ け たも の が多 く見 ら れた が、 中 には 「も う正 し くポ ルト ガ ル語 を 書く こと はで き ない 」 「理 解も で きず 、話 せ ない 」と コメ ン トを 残し て くれ た 保護 者も いた 。 1∼ 3 年生 に関 し ては 「読 み 書き はで きな い が、 話せ る 」と い う回 答が 一番 多 かっ た 。来 日時 期 のデ ータ か ら見 ると 、こ の アン ケー ト に答 え てく れた 1∼ 3 年生 の 児童 の大 半 が日 本で 生 まれ てい るか 、 生後 間も な く来 日 した 児童 であ り 、「 読 み書 きは で きず 、会 話 も難 しい 」「 会 話は でき る 」「 理 解は でき るが 、 ほと ん ど話 さな い 」と 記入 し てい た保 護者 も おり 、低 学 年に な るほ どポ ルト ガ ル語 を話 せ ない 子 、書け ない 、読 めな い子 が 多い こと が うか が える。 ③も しこ の 小学 校 で放 課後 母 語教 室が 行 われ るよ うに な った ら、 お 子さ ん を通 わせ たい で すか ? 1 名の 保 護者 を 除い て全 員 が「 はい 」 と答 えて いる 。 「い いえ 」 と答 え た保 護者 は、 今 年で 娘 は卒 業し て しま うの で 通わ せる こと が でき ず残 念 だと 書 いて いた 。 ④③ の質 問 に「 はい 」 と答 え た方 へ、 そ の理 由は ? 多 くの 保 護者 が 「ブ ラジ ル 帰国 時に 困 らな いよ うに す るた め」 「 子ど も のポ ルト ガル 語 能力 を 伸ば して や りた いた め 」「 ブラ ジル の 文化 を忘 れ ない よ うに する ため 」 「ブ ラ ジル 人と し ての アイ デ ンテ ィテ ィを 持 って ほし い ため 」 に印 をつ けて い たが 、 最も 多か っ たの は「 日 本語 とポ ルト ガ ル語 二つ の 言語 を 話せ るよ うに な って ほ しい ため 」 とい う理 由 であ った 。ま た 4名 の保 護 者が 「 子ど もが ポル ト ガル 語を 話 せな い こと によ り、親 子関 係に 支 障が 出て き てい る ため」 に印 をつ け てお り 、家 族と う まく コミ ュ ニケ ーシ ョン が 取れ てい な い子 ど もた ちが いる 現 状が 明ら か とな っ た。 ⑤③ の質 問 に「 いい え 」と 答 えた 方へ 、 その 理由 は? 回 答者 な し ⑥も し母 語 教室 が学 校 で始 ま った ら、 ど んな こと をや っ てほ しい で すか ? 全 ての チ ェッ ク 項目 に印 を つけ てい る 人も 多か った が 、特 に「 読 む力 を 伸ば す」 と「 書 く力 を 伸ば す」 を チェ ック し た保 護者 が一 番 多か った 。 会話 と 聞く 能力 は外 し たも の が多 く、 や はり 読み 書 きの 能力 はた だ 家庭 でポ ル トガ ル 語を 使用 して い るだ け では 身に 付 かな いも の だと 保護 者も 感 じて おり 、 その 支 援を 必要 とし て いる こと が 分か っ た。 ⑦コ メン ト (日 本語 に 訳し た もの をい く つか 紹介 する 。 ) ・ ポル トガ ル 語の 授業 が ある の は非 常に よ いと 思う。息 子に は 二つ のこ と ばを 学ん で欲 し いが 、私 は 仕事 で 忙し くて 教 える こと がで き ない 。 ・ 家で ポル ト ガル 語を 教 えて い るが 学校 で 教え るの は非 常 に重 要だ と 思う 。 ・ 一人 の母 親 とし て、そ して ブラ ジ ル人 とし て 、ポ ルト ガル 語 の授 業 は非 常に 重要 だと 思 う。この 学 校に はた く さん のブ ラ ジル 人が い るが 、多 く の子 ども たち がポ ル トガ ル語 を 理解 で きて いな い 。 ・ 日本にいる全てのブラジル人児童はポルトガル語を勉強しなければならな いと 思う 。 ・ ポル トガ ル 語を 教え た いと い う人 がい る のを 知っ て嬉 し く思 う。両親 は 子ど もた ち読 み 書き を教 え るこ と がで きな い ので ぜひ 授業 を 行っ てほ し い。 ・ すば らし い 案だ と思 う 。日 常生 活 にお いて 母 語は 保た ね ばな らな い のに 、私 たち の子 ど もは 失い つ つあ る 。も し時 間 が合 えば お手 伝 いし たい と 思う 。 ・ 工場 で働 い てい るの で 協力 す るの は難 し いが 、息子 が ぜひ ポ ルト ガル 語 を学 んで くれ れ ばと 思う 。来年 ブラ ジ ルに 帰る 予 定だ が、きっ と 勉強 で 苦労 する と思 うの で 、今 すぐ 始 めて 欲 しい 。 ・ もし ポル ト ガル 語の 授 業が こ の学 校で あ った ら、必 ず 二人 の 子ど もを 通 わせ る。 可能 で あれ ば協 力 する 。 ・ 何冊 かポ ル トガ ル語 の 本を 持 って いる の で、もし 興味 が あれ ば連 絡 して く だ さい 。 ・ 特別 にポ ル トガ ル語 を 習わ せ るの は高 い ので 、学校 で やっ て もら える と 本当 に嬉 しい 。 ( 4 ) 考察 ・ 感想 当 初、 母 語保 持 教室 開始 に 際し て保 護 者の 方々 から ど の程 度の 賛 同が 得 られ るの か全 く 想像 で きな かっ た 。し かし こ の調 査結 果か ら 、保 護者 の 方々 が 決し て子 ども の 教育 に 関し て無 関 心で はな く 、母 語保 持の 必 要性 を感 じ 、自 分 たち の子 ども の 言語 能 力に つい て 危惧 して い るこ とが 分か っ た。 家で ポ ルト ガ ル語 を話 して い るの だ から 大丈 夫 、ポ ルト ガ ル語 の授 業は 必 要な い、 と いっ た 意見 もあ るの で はな い かと 思っ て いた が、 む しろ それ に反 対 する 意見 が たく さ ん聞 かれ 、ポ ル トガ ル 語を きち ん と身 に付 け るた めに は、 家 庭内 だけ で なく き ちん と授 業を 受 けさ せ る必 要が あ る、 と皆 認 識し てい るこ と が明 らか と なっ た 。ま た現 実問 題 とし て 、子 ども に 読み 書き を 教え たい 、母 語 保持 教室 も 手伝 い たい と思 って も 、仕 事 など が大 変 で時 間が 取 れな い保 護者 が 多く いる こ とも 判 明し た。 コメ ン ト欄 に は多 くの 方 が激 励の メ ッセ ージ を残 し てく ださ り 、日 本 語と ポルトガル語どちらの言語も大切にしてほしいと願う保護者の思いが感じら れ、 母語 保 持教 室 開始 を支 持 して くだ さ る方 が多 くい る こと も分 か った 。 この アン ケー ト 結果 を踏 ま え、学校 側と 話 し合 い を重 ねた 結 果、2005 年 度 3月 より 学校 の教 室 を借 りて 放 課後 母 語保 持教 室 を開 かせ てい た だけ るこ と にな っ た。 ◇ 母 語 保 持実 践 報告 ( 1 )2005 年度 母 語保 持 教室 に つい て 参加 者・・・6 年 生 男子 3 名・ 女子 6 名 計 9名 校務 主任 よ り直 接 子ど もた ち に声 をか け ても らい 受け た いと 言っ た 子に 参 加し ても らっ た 。 第一 回目 授 業 2006 年3 月 2日 内容 :自 己 紹介 を 各自 行う 。 好き な教 科 、将 来の 夢、 ポ ルト ガル 語 と日 本 語の 使用 状況 な どを 話 して もら う 。ま た、 そ れぞ れの 出身 地 を聞 きブ ラ ジル の 地図 と照 らし 合 わせ て 地理 の勉 強 を少 しす る 。最 後に 今日 の 授業 の感 想 と次 回 どん なこ とを 勉 強し たい か を私 宛 の手 紙に 書 いて もら う。 気付 き: 日 本語 が まだ ほと ん ど分 から な い来 日し たば か りの 子も い れば 、 日本 生ま れで あ まり ポ ルト ガル 語 を話 すの は 得意 では なく 、 例え ば動 詞 の活 用 を間 違え てば か りの 子 もい た。 ま た、 母親 が ポル トガ ル語 の 先生 なの で 家で い つも 勉強 させ ら れた と 、日 本生 ま れで はあ る がど ちら の言 語 も使 いこ な せる 子 もお り、 ポル ト ガル 語 能力 には ば らつ きが 見 られ た。 しか し 、全 員明 る く物 怖 じし ない 子た ち ばか り だっ たの で 、自 己紹 介 時も それ ぞれ 積 極的 にポ ル トガ ル 語で 話そ うと し 、騒 が しい くら い であ った 。 次回 何が した い かの 質問 に はポ ル トガ ル語 を書 き たい とい っ た子 が 多か った 。 第二 回目 授 業 2006 年3 月 9日 内容 :プ リ ント を 使い ポル ト ガル 語の ス ペリ ング の問 題 を解 く。 歌 詞の デ ィク テー ショ ン を行 う。 音 楽を 聞 く。 気付 き:coração を corassão と書 く など 、よく しゃ べる 子 でも 書く と なる と 間違 いが 多い こ とに 気付 い た。デ ィク テ ーシ ョン は必 死に「 ちょ っ と待 って !」と 言 いな がら 書 き取 る 子も いた が 、ポ ルト ガ ル語 が全 く書 け ない 子に と って は 、振 り仮 名つ き のヒ ン トの プリ ン トを 用意 し てい たが 少し 大 変だ った よ うだ 。 その 書き 取っ た 歌詞 が KLB とい うグ ル ープ の 歌 から 取っ た もの だっ た ので 、その 後 で曲 を聞 く とみ んな 歌 いだ し て、 特に 女 の子 には 人気 で 喜ん でい た 。 最終 授業 2006 年3月 16 日 内容 :ポ ル トガ ル 語か ら日 本 語に なっ た こと ば、 日本 語 から ポル ト ガル 語 にな った こと ば を学 ぶ。 お 別れ パ ーテ ィー を 開く 。 気付 き: 来 日し た ばか りの 子 に少 しで も ポル トガ ル語 に 関連 付け て 日本 語 の語 彙を 増や し ても ら う意 味も 含 めて 、カ ッ パや タバ コ、 フ ラス コな ど のポ ル トガ ルか らも た らさ れ た言 葉と 柿 や着 物な ど ポル トガ ル語 に なっ た日 本 語を 勉 強し た。 日本 と ポル ト ガル そし て ブラ ジル の 交流 の歴 史な ど につ いて 勉 強し た かっ たが 、時 間 が限 ら れて おり 断 念し た。 パ ーテ ィー では 、 この 日の 学 習に 出 てき た「 ボー ロ 」や 「 金平 糖」 も 用意 して い たが 、初 めて 食 べる と言 う 子が ほ とん どだ った 。 たっ た 3回 の母 語 保持 教室 だ った が、 みん な とて も楽 し かっ た と言 って くれ た のが よか っ た 。た だ 、ポ ル トガ ル 語能 力に 関 して は個 人 差が 大 きく、 また 母語 保 持の た めの 教材 の 数も 限ら れ てお り、 全員 に とっ て有 意 義な 授 業だ った かど う かは 疑 問が 残る 。 今後 、日 本 人で ある 教師 が どの よう に 子ど も たち の母 語を 教 えて いけ る のか と いう 点か ら 研究 を重 ねて い きた いと 感 じた 。 ( 2 )2006 年度 母 語保 持 教室 に つい て 参加 者・・・6 年 生男 子1 名 ・女 子7 名 計8名 日本 生ま れ の児 童・ ・ ・2 名 、5 年前 に 来日 児童 ・・ ・ 1名 2∼ 3年 前 来日 児童 ・ ・・ 4 名、 1年 前 来日 児童 ・・ ・ 1名 6年 生に 在 籍す る ブラ ジル 人 児童 に参 加 申込 書を 配り 、 希望 した 子 を対 象 に木 曜日 の放 課 後3 時 から 4時 ま で授 業を 行 うこ とに した 。 参加 申込 書 には 来 日時 期と ポル ト ガル 語で ど の程 度 会話 がで き 読み 書き がで き るの か尋 ね た。 第一 回目 授 業 2006 年5 月 25 日 ねら い: 仲 良く なろ う ! 1. 各自 ど の程 度の ポ ルト ガ ル語 能力 を 有す るの か文 法 問題 を解 い ても ら う。 2. 自己 紹 介 3. 今後 の 予定 名前 、 誕生 日 、出 身地 、 趣味 等を 発表 し ても らう 。 ど う いっ た こと をこ の 授業 で学 びた い のか 書い て もら う 。 気付き:文法問題調査に関しては、3名は 「わ から な い」とい っ て名 前を 書 いた のみ 。 そのうち2名は全くポルトガル語を読めな い模様。自己紹介時も日本生まれの児童1 名は一言もポルトガル語を発さなかった。 他の子が「自信を持って話しなよ!」とポ ルトガル語で言っていた。他の児童は積極 的に 話す 。 「Lição de casa は ?」 と すぐ 宿 題を求めてきたのには驚いた。レベルがそ れぞれ異なるので、どう授業でカバーして いくかが課題。また特に日本生まれの子の ポルトガル語学習に対するモチベーション をど う高 め てい くか を 考え な くて はな ら ない 。 第二 回目 授 業 2006 年6 月 1日 ねら い: ポ ルト ガル 語 がど の 程度 聞き 取 れて いる かを 調 査す る。 1. 今後 の 話 2. 物語 を 聞く 先週 書 いて も らっ た皆 が した いこ とを ど う進 めて い くか Vitória Régia の 物 語の CD を聞 いて ま とめ る。 3. 国語 の 問題 を解 く 4. 曲を 聞 く 猫 に つい て絵 を みて 答え る。 Sandy&Junior の 曲を 聞い て 歌 う。 気付 き: Vitória Régia の話 は 少し 選択 が 悪か った かも し れな い。 登 場人 物 の会 話の 途中 に その 物 語に つい て の話 が出 て くる と言 う構 成 だっ たた め 、要 約 しに くか った よ うだ 。 だが 、ほ と んど ポル ト ガル 語が 聞き 取 れて いな い ので は ない かと 思っ て いた 日 本生 まれ の 児童 も聞 き 取り はで きて い るこ とが 判 明し 、 日本 語で きち ん と登 場 人物 など 把 握し て書 く こと がで きて い た。 他の 児 童に 関 して は、 ポル ト ガル 語 を文 章化 す る時 間に 差 があ り、 すら す らと 書く 子 、一 文 字書 くの に時 間 のか か る子 、単 語 のス ペル が 分か らず 悩む 子 と色 々で 、 結局 国 語の 問題 は全 員 でや ろ うと 思っ て いた が、 個 人で やる こと に なっ た。 日 本生 ま れの 子も アル フ ァベ ッ トに フリ ガ ナを ふれ ば 理解 でき るよ う だっ た。 歌 をか け ると 皆急 に元 気 よく なっ て 、ず っ と歌 い続 け てい た。 第三 回目 授 業 2006 年6 月 8日 ねら い: ブ ラジ ルの 地 理に つ いて ポル ト ガル 語で 勉強 す る。 1. Os Continentes 大 陸に つい て 2. O Brasil na América do Sul 3. O Brasil é um super-país! 南 アメ リ カに つ いて 面 積、 人口 、 首都 、ア マゾ ン 川、 イグ ア スの 滝 、 パン タナ ル など につ い て 4. As Regiões Brasileiras 気付 き: 南 アメ リ カ大 陸の 他 の国 々に 関 して は、 国名 は 知っ てい て も首 都 まで は分 から な かっ たよ う だ。 ブ ラジ ル が fronteira(国境 )を 接 して いる 国 は? と いう 質問 が あっ た がそ の国 境 とい う単 語 を知 らな い子 が いて 、他 の 子が 説 明し てあ げて い た。「 地理 の 勉強 がし た い !」と最 初か ら希 望 して いた 子 は喜 ん で授 業に 参加 し 、ブ ラ ジル が5 番 目に 大き い 国だ とい うこ と も知 って い たり と 真剣 に取 り組 ん でく れ た。 だが 、 興味 の無 い 子は 空欄 に黒 板 の答 えを 埋 めて い くの みで 、つ い てい け ない 子に は 日本 語で 説 明を 行わ ねば な らず 、一 斉 授業 の 難し さを 痛感 し た。 第四 回目 授 業 2006 年6 月 29 日 ねら い: 歌 を聞 きな が ら単 語 を聞 き取 っ て書 く 。 diminutivo( 縮 小 辞) を勉 強 する 。 1.Coelinho の 曲 を流 す 聞 き 取っ て穴 埋 め 2. diminutivo の説 明 3.Terezinha de Jesus の曲 を流 す 聞 き 取っ て穴 埋め 4.Sandy&Junior の 曲を 聞く 気付 き:Coelinho の 歌 を流 し て聞 いた と ころ 、全員 聞 いた こ とは あっ た よう で、 それ ぞれ つ ぶや い たり 歌っ た りし なが ら 、穴 埋め をし て いっ た。 ど んど ん 書き 込ん でい く 子か ら 、何 度も 繰 り返 して 聞 くう ちに ちょ っ とず つ空 白 の部 分 を埋 めて いく 子 から 色々 い た 。bolo, bolinho, bolão とい うよ う に順 番に 当 てて 語 彙変 化を 言わ せ てい くと 、 みん な 張り 切っ て 答え てい た。Terezinha de Jesus の 曲も 何度 聞い て も飽 き ない よう で 、や はり 歌 を使 うと 皆元 気 が良 くな り 、授 業 への 参加 度も 高 くな る。 最 後は Sandy&Junior の Lenda と い う曲 の大 合 唱で 終了 。 第五 回目 授 業 2006 年7 月 6日 ねら い: ゲ ーム で楽 し く遊 ぶ 。 気付き:水泳練習の関係で授業時間も短かった ので、それぞれ好きなゲームをプレイすること に。クイズ形式のものや、クロスワードのゲー ムなどをやったが、ポルトガル語を読めない子 も友 達に 手 伝っ ても ら いな が ら一 生懸 命 クイ ズを 読ん で チャ レン ジ して い た。 第六 回目 授 業 2006 年7 月 13 日 ねら い: ブ ラジ ル料 理 につ い て調 べま と める 。 気付き:料理を調べて作りたいという希望が多 かったため、パソコン室でブラジル料理につい て検索する時間を持った。調べたものを紙にま とめてもらおうと思っていたが、みんな印刷し てそれでおしまいになってしまい、これからど うや って そ の情 報を ま とめ さ せる かが 問 題と なる 。 第七 回目 授 業 2006 年7 月 21 日 ねら い: 調 べた 情報 を 自分 な りに まと め る。 気付き:インターネットで調べた情報と料 理本の情報の中から自分がまずまとめたい と思ったものを選んで、分かりやすく絵や 図を用いてまとめるよう指示を出した。だ がほとんど本から丸写しだったので、自分 がなぜそのレシピを選んだのかを必ず明記 するように言った。絵を描くのが好きな子 は丁 寧に 仕 上げ て いた 。ポ ル トガ ル語 が 書け ない 子も 、 本を 一生 懸 命読 ん でア ルフ ァベ ッ トを 写し て 日本 語 と併 記で 仕 上げ てい た。 第八 回目 授 業 2006 年7 月 27 日 ねら い: 自 分で ま とめ たレ シ ピを 自分 の こと ばで 発表 す る。 どの 料 理を 実 際に 作る かみ ん なで 選ぶ 。 気付 き: 前 に出 て 一人 ずつ レ シピ を説 明 して もら おう と 思っ たが 、 見学 者 もい たの でみ ん な恥 ず かし がっ て 結局 その 場 でレ シピ を読 む こと にな っ た。 最 初は 予定 して い なか っ た調 理実 習 をさ せて も らえ るこ とに な り、 どう し よう か 話し 合っ た結 果 みん な 個人 で一 品 ずつ 作り た いと いう こと に なっ た。 時 間等 の 都合 で調 べて ま とめ た レシ ピが 学 校で は作 れ ない 子も いた の で、 また パ ソコ ン ルー ムに 行き 1 時間 内で で きる 料 理を 調べ た 。 第九 回目 授 業 2006 年8 月 24 日 ねら い: 実 際に ブラ ジ ルの お 菓子 を作 っ てみ よう ! 家庭 科室 にて Bom Bocado, Brigadeiro, Beijinho, Amendoim Açucarado, Biscoito Crock Crock, Bolo de Banana の 6 品を 作 る。 気付 き: ベ イジ ー ニョ やブ リ ガデ イロ な ど作 りな れて い る子 は、 レ シピ を 見ず に手 際よ く 作業 を 進め てい た 。出 来た お 菓子 はみ んな で 食べ た後 、 職員 室 に持 って いく と 校長 先 生を はじ め とし 沢山 の 先生 にお いし い と褒 めて も らっ て 子ど もた ちは う れし そう だ った 。 焼けるの まだ かな 【 資 料 1. 母 語保 持 教室 に 関す る アン ケー ト】 Olá. Sou a Kumiko Kimura, estudante da Universidade de Educação de Aichi. Estudei o português na universidade em Tóquio e agora faço pós-graduação aqui em Aichi. Venho à escola Chiryu Higashi para ajudar os alunos brasileiros e estou vendo a situação que as crianças brasileiras estão, esquecendo o português e tendo dificuldade em compreender o português. Tendo o conhecimento da língua apenas até a idade em que parou os estudos no Brasil. Alguns dos alunos têm vergonha de falar português em frente dos amigos japoneses. Eu queria que as crianças achassem a língua portuguesa bonita, e que tivessem muito orgulho de falarem o português. Consultei a escola e me disseram que poderia usar as salas de aula (após o horário das aulas) para dar aulas de português para seus filhos, mas para isso será necessário a permissão e colaboração dos senhores. Eu gostaria muito de começar as aulas no próximo ano letivo, mas preciso da ajuda de vocês. Se tiverem interesse pelo assunto, ou se puderem colaborar para realizar esse projeto, escreva no espaço final da enquete seguinte ou me mande e-mail, ********@hotmail.com Gostaria de saber o que os senhores pensam a respeito sobre as aulas de português para as crianças. Por favor, assinalem as opçoes na enquete seguinte. Enquete aos pais ou responsáveis nome do aluno (não é obrigatório escrever) idade e série do aluno sexo masculino anos série feminino Quando veio ao Japão? 1. Você acha que é necessário as aulas de língua materna (português) para as crianças brasileiras aqui no Japão? sim 2. não Marque as opções que se encaixam ao seu (sua) filho(a) sobre o conhecimento da língua portuguesa; 3. □ Fala, lê, e escreve bem. □ Fala e lê mais ou menos. □ Não sabe escrever e ler, mas fala bastante. □ Sabe conversar em português. □ Entende mas não fala. □ Outros ( ) Se houvesse aula de português na escola Chiryu Higashi após as aulas, você gostaria que seu filho a freqüentasse? sim 4. Se respondeu sim, por quê? não Marque quantas opções quiser. □ O meu filho está esquecendo a língua portuguesa. □ Para não ter problema quando voltar ao Brasil. □ Para desenvolver a capacidade do português. □ Para não se esquecer da cultura brasileira. □ Para não perder a identidade brasileira. □ Temos dificuldade no diálogo familiar pois a criança não falar português. 5. □ Quero que o meu filho fale as duas linguas; português e japonês. □ Outros( Se respondeu não, por quê? ) Marque quantas opções quiser. □ Não tem problema de língua. □ Não vejo motivo para aprender português. □ Já decidimos morar no Japão, por isso não é preciso ensinar o português. 6. □ Quero que volte logo para casa. □ Fala bem o japonês por isso não é preciso. □ Outros( ) Se começasse a aula de português na escola, o que é que você desejaria? Marque quantas opções quiser. □ aumentar a capacidade de conversar □ aumentar a capacidade de ler 7. □ aumentar a capacidade de escrever □ aumentar a capacidade de ouvir □ estudar a cultura brasileira □ estudo das outras matérias em português. □ Outros( ) Se tiver algum comentário a fazer, escreva baixo. Se tiver interesse na aula de português ou de colaborar para começar aulas de português ou mesmo para ensinar o português para as crianças, voluntariamente, escreva por favor. Muito obrigada 【 資 料 2. ア ン ケー ト 日本 語 訳】 こん にち は。 愛知 教育 大学 の木 村久 美子 で す。 私は 大学 でポ ルト ガル 語を 勉強 し、 今は 院生 とし て愛 知で 勉強 して いま す。知立 東 小学 校に も定 期的 に訪 問し 子ど も達 の学 習支 援を して いま すが 、ポ ルト ガル 語を 徐 々に 忘れ つつ ある 子ど も達 、年 齢相 応のポルトガル語能力が身に付いていない子ども達の現状を目の当たりにしてい ます 。日 本人 の友 達の 前で は恥 ずか しが っ てポ ルト ガル 語を 話さ ない 子も いま す。 私は 子ど も達 がポ ルト ガル 語が すば らし い 言語 だと いう こと に気 付き 、自 信を 持っ て話 せる よう にな って ほし いと 思っ てい ま す。今、来年 度か ら放 課後 に母 語教 室を 開催 しよ うと の話 が出 てい ます 。学 校が 教室 を 貸し てく ださ るそ うで す。保護 者の 方々 のご 理解 とご 協力 が必 要で す。もし 、こ の 話に 興味 のあ る方 、こ のプ ロジ ェク トの 実現 に協 力し てく ださ る方 がい らっ し ゃい まし たら 、ア ンケ ート の最 後の 部分 のス ペー スに ご記 入い ただ くか 、メ ール で ご連 絡く ださ い。 保護者の方々が子どもへのポルトガル語学習支援に関してどう思っていらっしゃ るか 是非 知り たい と思 いま す。 次の アン ケ ート の質 問に 是非 お答 えく ださ い。 保護 者の 方々 への アン ケー ト 児童 の名 前( 任意 ) 児童 の年 齢・ 学年 性別 才 男 年生 女 来日 時期 ① 日本 に来 てい るブ ラジ ル人 の子 ども 達の た めに 、母語 教育(ポ ルト ガル 語 教育) が必 要だ と思 いま すか ? はい ② い いえ お子 さん のポ ルト ガル 語能 力は 次の ど れに 当て はま りま すか ? □話 せる だけ でな く、 読み 書き もで きる □話 せる だけ でな く、 ある 程度 読め る □読 み書 きは でき ない が、 十分 に話 せる □簡 単な 会話 程度 なら でき る □聞 くこ とは でき るが 、話 せな い □聞 くこ とも 話す こと もで きな い □そ の他 ( ③ ) もし 知立 東小 学校 で放 課後 母語 教室 が 行わ れる よう にな った ら、お子 さん を通 わせ たい です か? はい ④ い いえ はい と答 えら れた 方そ の理 由は ?( 複 数回 答可 ) □ポ ルト ガル 語を 子ど もが 忘れ てき てい る ため □ブ ラジ ル帰 国時 に困 らな いよ うに する た め □子 ども のポ ルト ガル 語能 力を 伸ば して や りた いた め □ブ ラジ ルの 文化 を忘 れな いよ うに する た め □ブ ラジ ル人 とし ての アイ デン ティ ティ を 持っ てほ しい ため □子 ども がポ ルト ガル 語を 話せ ない こと に より 、親子 関 係に 支障 が出 てき てい るた め □日 本語 とポ ルト ガル 語両 方話 せる よう に なっ てほ しい ため □そ の他 ( ⑤ いい えと 答え られ た方 その 理由 は? ( 複数 回答 可) □ポ ルト ガル 語は 話せ るの で必 要な い ) □ポ ルト ガル 語を 学ば せる メリ ット はな い □日 本で 暮ら す予 定な ので 必要 ない □放 課後 は家 にい てほ しい □日 本語 が十 分話 せる ので 重要 だと 思わ な い □そ の他 ( ⑥ ) もし 母語 教室 が学 校で 始ま った ら、 ど んな こと をや って ほし いで すか ? □会 話力 を伸 ばす 勉強 □読 む力 を伸 ばす □書 く力 を伸 ばす □聞 く力 を伸 ばす □ブ ラジ ルの 文化 の勉 強 □ポ ルト ガル 語で の他 の教 科の 勉強 □そ の他( ) ⑦ 何か コメ ント があ れば 、お書 きく ださ い 。ま た 、ポ ルト ガル 語 教室 に興 味の あ る方 、教 室開 始に 協力 して くだ さる 方、そし て ポル トガ ル語 を教 えて もよ いと いう 方が いら っし ゃい まし たら 、お 書き く ださ い。
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