日中ファッション雑誌の比較分析を通して見た日本女性のライフスタイルについて ――『egg』『ViVi』『CLASSY.』などを中心に―― 714104 石 培霖 キーワード:女性ファッション雑誌、ライフスタイル、日本女子力、提携誌の現地化 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------1.目的: 日本の映画、アニメ、ファッション雑誌、音楽などの文化産業は「クールジャパン」と して、海外に進出している。例えば、世界ファッション雑誌の中で、有名なのはほとんど日本に集ま り、光文社の『CLASSY.』と講談社の『ViVi』などは人気な女性ファッション雑誌になっている。女 性のライフスタイルとファッション文化には綿密な繋がりがある。近年、社会構造の変化などの影響 を受け、女性ファッションというフィールドは変わっている。女性ファッション雑誌は「紙媒体」と して存在しており、ファッション文化との関係も、従来モデルから大きく変化しつつある。女性ファ ッション雑誌は、質の高いコンテンツを持つメディアとして、読者にリッチなイメージを与えること が出来る。そうしたライフスタイルの変化とファッション文化の変化との関係をまとめ、女性ファッ ション雑誌を分析し、女性ファッション文化の現状と女性ライフスタイルを明確化しようとする。 2. 方法: 女性ファッション雑誌『egg』、『ViVi』、『CLASSY.』の内容分析。特に雑誌メディア の特性の一つはセグメント性がある。セグメント性とは、読者層を性別、年齢、興味、関心、ライフ スタイル、所得・資産、職業などによって細かく限定することである。近年女性ファッション雑誌は セグメント化によって分類されている。 3. 分析結果: 中国で海外提携誌が売れるために、決定的に大きな違いとなったのは「現地化でき たかどうか」。日本女性ファッション雑誌は世界に類を見ない完成度の高いセグメンテーションがな されている。最近では広告と記事が一緒になっている「タイアップ記事」も主流になった。読者に 「広告だ」と認識させずに購入して欲しい商品を記事の中で違和感なく認知・理解してもらう効果的 な方法である。東京ガールズコレクションは日常生活で使われている服にファッションの要素を入れ ている理念が広がる。日本女性のライフスタイル消費実態を紹介する自分自身が心から感じることの できる喜びこそが、ライフスタイルバターンの多様化がみられる 20〜30 代の働く女性に注目してい る。女子力を上げる主要な目的であること、更に、「自分のため」ということから派生した意味内容 なのか、女子力は、「女性だから」と遠慮せずに企業社会で活躍する力や、自分の意見をはっきりと 主張する力、時には性的欲望の主体となるパワーという意味までももつことについても論じた。女子 力は、女性が「男性のように」振る舞うことを積極的に促している概念であることを指摘した。 4. 結論: 日本のファッションのイメージは憧れ的なポジションから、日常的に取り入れるファッ ションへ変化してきたと感じている。働く女性が増加している。溢れる情報の中で自分について明確 にすべきだということ、社会状況が変化するなかで「女子力」を持つ、「自分らしく」生きることが 今日の女性のライフスタイルにおける主題となっている。日本の女性ファッション雑誌と中国の女性 ファッション雑誌を分析し、分かってきたことはある。日本の女性たちは女性ファッション雑誌を通 して、自分になりたいタイプ、自分に似合うスタイルを見つけて、自分自身の女子力を発見して、う まく利用して、素晴らしい生活をしていくことである。 5: 主要参考文献 岩崎 剛幸(2012.3)『図解入門業界研究 最新アパレル業界の動向とカラクリがよーくわかる本』、秀和 システム 経済産業省(2014)『コンテンツ産業の現状と今後の発展の方向性』 辻 泉(2014)『女性ファッション雑誌の過去・現在・未来—内容分析を中心とする,マルチメソッド・ アプローチによる実態把握に向けての試み』大妻女子大学紀要
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