apan Railway & Transport Review 第二十七号(2001年6月) 次の50年 論説 特集 鉄道技術の発展 事故、自動車との厳しい競争などを乗り越えて今日まで技 第二次大戦後の鉄道技術発達史と近未来 日本の鉄道は戦災、 術を発展させ、電車技術や安全においては世界の第一人者の地位を築いたと言 えよう。日本におけるパワー・エレクトロニクスと鉄道システム工学の権威で への課題と展望 曽根 悟 ある著者が、日本の戦後鉄道技術の発展を世界的視野の中で解説し、かつ当面 する諸問題とその解決方策についても検討する。 工学院大学教授 鉄道技術―過去50年とこれからの予想 ロデリック・A・スミス ロンドン大学インペリアル・カレッジ教授 過去50年における鉄道技術の進化 フランソワ・ラコット アルストム・トランスポール社 早稲田大学教授 今日、日本の長距離急行旅客列車のほとんどは動力分散方式によっている。し かし、1 9 5 0 年代末までは、それらのほとんどは機関車に牽引されていた。新進気 鋭の経営学者が、戦後国有鉄道による電車技術の開発と長距離優等列車電車化 の過程を考察する。 列車方式の選択 ―動力集中から動力分散へ 稲山 健司 フランス国鉄は一貫して、戦後のヨーロッパ鉄道高速化の主要な推進力であっ た。フランス国鉄技術陣を率いて今日なお鉄輪鉄軌道方式の世界最高速度記録 を保持するT G V 太平洋線車両を開発した著者が、フランス、ドイツ、イタリアに おけるこれまでの技術発展の経過を回顧し、ヨーロッパ鉄道が直面する諸課題 について検討する。 新幹線の開業はフランス鉄道技術陣の意欲を鼓舞したが、これによって日本の 鉄道技術陣はフランスから借りたものを返したといえる。フランスと日本の経 済・経営史に通じた著者が、商用周波数交流電化技術の開発と導入を中心とす る戦後の日仏鉄道交流について考察する。 日仏鉄道技術交流に関する一考察 ―第二次世界大戦後を中心に 原 輝史 過去5 0 年に生じた鉄道の技術、運用、経営における変化は、鉄道の創業時代以来 かつて無かったものであった。日本の事情にもよく通じた英国の鉄道工学の第 一人者が、英国と日本を中心にこれまでの鉄道の発展の軌跡をたどりつつ、今 後5 0 年間の鉄道の発展を規定するであろう基本条件のいくつかについて考察 する。 明治学院大学講師 もう一つの視角から 国境をうち破って トルステン・バートマン フンボルト大学 ベルリンの壁の崩壊とそれに続く冷戦の終焉は世界の政治と経済に大きな変 革をもたらし、いまや国民国家は全地球的規模で演じられる数々の大競争を管 理する能力を失ったかに見える。しかし、歴史を顧みれば、1 9 世紀には鉄道が国 民を統一し、国民経済を強化することによって、新しい国境を築いたのであっ た。ドイツの若き学徒が、ドイツと日本における鉄道国有化の歴史的意義を考 察する。 日本の鉄道事業者1 日本の鉄道産業 寺田 一薫 東京商船大学助教授 この新連載シリーズは、日本の数多い鉄道事業者を地域ごとに紹介していく。 第一回はJ R 各社、民鉄、公営地下鉄などからなる日本の鉄道産業について概説 し、規制と財政助成による政府の役割についても説明する。 トピックス 2000年11月から2001年1月まで 写真特集 日本の鉄道―半世紀前と今日 Copyright © 2001 EJRCF. All rights reserved.
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