社会科 【概要】 歴史的分野「フランス革命」の授業で,パワーポイントを用いて資料を提示し,学習課 題に対し,興味をもたせ,フランス革命前後の変化をとらえやすくした。 【ICT 活用の成果・課題】 ○生徒の思考の流れを意識した資料提示により,スムーズな授業展開ができた。 ○資料を加工することで,注目させたいポイントを明示できた。 ○それぞれの生徒に考えをもたせることができ,話し合いの場面で意見交流が活発に行 えた。 ◇導入部分で提示する資料の数が多く,全体的な時間配分がうまくいかなかった。提示 する知識の精選をさらにおこなう必要がある。 ◇板書とワークシートを併用し,残しておきたい資料を常に生徒がみれる(もっている) 状態にする必要がある。 ◇時間配分がうまくいかなかったことから,生徒自身の言葉でまとめ・ふりかえりをさ せることができなかった。 数学科 【概要】 「確率」の概念について,それぞれの生徒が行ったさいころの試行をエクセルに打ち込 んでグラフを作成していき,それぞれの出る目の確率が 1/6 に収れんしていく様子を視覚 的に理解しやすくした。 【ICT 活用の成果・課題】 ○テレビ画面に映して,それぞれの生徒が作業して得られたデータがリアルタイムでグ ラフに反映されていくことで, 「確率」に対する概念を修正することができた。 ◇テレビ画面で提示すること、板書に書くことをそれぞれ整理しておく必要がある。 保健体育科 【概要】器械運動の技を高めるため,ビデオカメラを活用し,自分の技の映像を見ること ができるように設定し,その映像を大型モニターでチェックし,自分で確認したり,仲間 からアドバイスをもらったりする全体思考の場面を設け技能や思考力を高める取り組みに 活用した。 【ICT活用】○VTRで自分の演技や人の演技を見ることができるので,自己・他己評 価がしやすかった。 ○ビデオカメラを使って振り返りができるので良かったと思う。ICT機 器の有効性を感じた。 ◇拡大やスローでの再生なども行うとさらに良かったのではないか。 【基礎学力】 ○あらかじめホワイトボードに技のポイントをしめしてあり,そのポイン トを意識して練習しているので,ビデをカメラで撮影された自分や人の 技を見た特にアドバイスがしやすくなっている。 ○先生から肯定的評価がたくさん出てくるので,生徒同士でも比較的意見 が言いやすい集団になっている。 ◇集団思考の場面で,意見をもらった生徒がそれにこたえられるような場 面もあったら良かった。 英語科 【概要】教科書 LESSON1(be 動詞)に入る前の文法導入として、iPad(パワーポイント) とプロジェクターを使って、be 動詞を使った肯定文・否定文・疑問文の作り方を 学習した。 (以下、○…成果、◇…課題) 【ICT 活用】○文字や画像が実際に動いたり、主語や動詞などが色分けされていたりして、 語順や重要な箇所を頭の中でイメージしやすい。文法という堅苦しいイメ ージを少しは取り払うことができたと感じた。 ○肯定文・否定文・疑問文の作り方を一度に説明したが(関連性や規則性を 発見させながら理解させたかったため) 、長い説明になっても、顔が下がる 生徒が少なかった。 (ICT に対する興味) ○パワーポイントを用いて説明を行った後、練習問題を解いたが、ルールを 覚えきれていない生徒に対しては、ピンポイントでもう一度視覚的に伝え ることができたため、理解につながった。 ◇ICT の操作に気を取られ、生徒全体の様子をはっきりと見ながら授業を進め ていくことが難しかった。 ◇ICT がメインの授業になってしまったため、使いどころや生徒の実態を見極 めながら、長時間 ICT に頼り切らないような工夫が必要である。 社会科 【概要】地理的分野「日本の諸地域・九州地方の農業」の単元で,自主制作デジタルコン テンツやグーグルストリートビューを用い,興味・関心を高めたり,空間的に地形を見る ことを可能にしたりした。 九州の特産物をパワーポイントで紹介する ビニールハウスをスマホ(グーグルスト リートビュー)から提示する (以下,○…成果,◇課題) 【ICT活用】○興味ある映像や解像度の高い画像を集めてあり,ICT の強みが出ていた。 ○グーグルストリートビューは生徒の関心を集めていた。 ○資料としてのデジタルコンテンツが豊富で,ICT 機器の活用もスムーズ だった。 ◇ICT を意図的に活用するように,指導案段階で計画したら良い。 ◇スマートフォンを使うときは事前確認し,環境を考えておく。 (3メガではコマ落ちする) ◇電子黒板の線の引き方など,事前に練習しておく。 【基礎学力】 ○一人の生徒の疑問に,みんなで考え答えを見つけようとするクラスの雰 囲気が良い。 ○教材研究がよくされていて,板書もわかりやすかった。 ◇一部の生徒に発言が偏らないように全員で発表するルール作りを行う。 ◇生徒間で考えたり調べたりする活動時間を保障し,練りあいの場面を入 れる。 ◇中心発問とサブ発問を用意し,問いの構造を明確にしておく。 ◇教えたいことが生徒から自然に出てくるのが望ましい。多くの想定をし ておく。 体育科 【概要】跳び箱の単元で,ビデオで生徒の実技の様子を撮影し,生徒に自らの動きを確認 させるために「追いかけ再生」機能を利用した。 【ICT活用】○DVD録画機の追っかけ再生機能で15秒遅れて,自分自身の跳び箱の フォームをモニター画面でチェックすることで,その場でフォーム矯正の ための自分自身の課題を自己分析し,改善策を考えることができ,見事に ICT活用がされていた。 ○先生自身の跳び箱の映像を,ホワイトボードに略画で描きいれ,どのよ うなフォームが望ましいのか生徒はイメージすることができ,その目標に 向かってチャレンジしようと意欲付けできる活用がされていた。 (山森指導主事) 【基礎学力】 ○お互いに良いところや改善点を見出し,声掛けができる集団作りができ ていた。 ○フォームの分析で,視点を明確にナンバリングされていたので理解しや すかった。 ○PDCAサイクルで見事な授業展開だった。最後の振り返りは,自分の 言葉でまとめて発表できていたので良かった。 ○大丈夫?すごいね!などの声が自然に出る集団作りがすばらしい。 (山森指導主事) ◇踏切り板の位置を3か所でそれぞれ離すと,水平開脚跳びのポイントが 掴みやすかったのではないだろうか。 ◇自分の演技に精一杯で,後ろからの声掛けがもう少しあればよかった。 (有松指導主事) ◇お互いの評価や気づきをいえる声掛けがあれば良かった。 (山森指導主事) 特別支援 【概要】発達検査(WISC)において, 「視覚的な処理が得意」「絵や図の理解や操作は全般的 に得意」という結果が出たため,パソコンやタブレットを用いた授業を展開して いる。ボタンつけの授業では,タブレットを用い,やり方を映像を通して詳しく 示した。 板書で作業の要点と写真を提示する。 ボタンつけのやり方をタブレットで確認する 【ICT活用】○タブレットで画像を大きくしたので,分かりやすく興味を引くことがで きた。 ○目的に応じて生徒自ら ICT 活用する能力を育てることができていた。 ○タブレットの扱いに慣れており,日常的な ICT の活用をうかがうことが できた。 ○手元に要点をまとめた映像を作っておさえていたのが良かった。 (有松指導主事) ◇細かい作業が早くて分かりにくいところもあったので,スロー再生を考 えると良かった。 ◇ビデオの音声が小さく聴き取りにくかったので,授業者の支援があると 良かった。 ◇カット割りをすると注目するところがわかりやすくなったのではないか。 作業のじゃまにならないように布とボタンに3回ずつ通して回すことを 示す。 (有松指導主事) ◇無理に ICT 活用を使うのではなく,必要な場面を吟味し効果的に使う。 (有松指導主事) 数学科 【概要】3 年「円周角の定理」の単元で,Function View を用い,生徒に円周上の2点をさ まざまに変えさせて円周角と中心角の関係を見ることが可能になった。 【ICT 活用】 (以下,○…成果,◇…課題) ○動きがあることで,生徒の興味・関心を集めることができた。 ○生徒が自由に操作することができるので,意欲の向上につながると考えられる。 ○円周上の点を動かすことで,円周角と中心角の関係を視覚的にとらえることができた。 ◇指導者がそのソフトをどれだけ使えるかで,より詳しく教材を作成することができる。 ◇今回使用したソフトのマクロを組むことができると,より多くの領域で活用することが できる。 ◇中心角が 180°以上にも対応していないと生徒の想像力に対応できない。 また,活用問題には結びつきにくい。
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