第1学年3組 ゲーム「宝取りゲーム」 ∼めざせポケモンマスター∼ 授業者 笹木佳代子 1,プランニング(授業計画作り)について ・昨年度の実践があったので,参考にして取り組んだ。 ・毎時間授業の始めには,宝取りゲームに役立つ動きや約束を入れた鬼遊びを行い,心 と体をほぐす運動を行う。 ・チームや友だちと話し合う場面を必ず設ける。 2 , プ ロ セ ス (授 業 過 程 に つ い て ) 回数 月日(曜日) 授 業 記 録 1 6 月 10 日 「基礎学習①」のいろいろな鬼遊びをし (火 ) た。2人組で手をつなぎ相手のお尻をタッ (45分間) チしたり,ねことねずみ・しっぽとり・島 鬼・ふやし鬼(右の写真)をした。追い掛 けたり逃げたりする素早い動きを楽しみな がら行った。 2 6 月 17 日 学習の進め方や用具の配置がわかる資料を提示し,学習の進め (火 ) 方や学習の約束について確認した。 (45分間) 「基礎学習①」のいろいろな鬼遊びをした。宝取りゲームに役 立つ動きを見つけ,みんなに広めていった。 次に,正方形のコートの真ん中に丸を書いたコートで,ミニ宝 取りゲーム(下図①)をした。鬼は丸の中には入れず,攻める人 は鬼にタッチされずに真ん中の宝を取り,宝を取ったら鬼を交代 するルールで行った。友だちと同時にスタートしたり,鬼がよそ 見 を し た す き を 狙 っ た り 考 え て 活 動 し て い た 。( 1 チ ー ム 男 女 混 合 4 ∼ 5 人 の 6 チ ー ム で 活 動 し た 。) 図① 宝 最後にぬきっこ遊び(下図②)を行った。鬼は決まった範囲し か動けず,決められた時間内で何人が宝物までたどり着けるかを 競った。一人がゴールするか捕まるまで次の人はスタートしては いけないルールにした。1対1の勝負なので集中して取り組んで いた。 ゲ ー ム 後 ,「 タ ッ チ す る 時 強 く た た か れ て 痛 か っ た 」「 相 手 チ ー ムが線からはみ出していた」など,不満を言う子がいた。そこで ①線から出ない ②優しく「タッチ」する という約束をみん なで作り確認した。 (宝) 図② 1−3−④ 3 6 月 18 日 「基礎学習①」のいろいろな鬼遊びを行った。お尻タッチやふ (水 ) やし鬼,しっぽとりを行った。 (45分間) その後集合して,メダカとなまずのルールを確認し,みんなで 作った約束も確かめた。なまずのラインは2本で,メダカは何人 でスタートしてもよいルールとした。途中,線から出て追いかけ て し ま う 子 が い た が ,「 線 か ら 出 な い っ て 約 束 し た よ ね 。」 と 声 を かけると思い出してくれた。制限時間2分で攻守交代でゲームを したが,どの子も一生懸命動き,汗をたくさん流していた。2分 を越えると集中力や体力が落ちてしまうようだった。自分のチー ムのかごが宝物でいっぱいになったのを嬉しそうに数えていた。 ゲ ー ム 後 「 タ ッ チ し た の に 逃 げ ら れ た 」「 タ ッ チ さ れ て い な い」と喧嘩をする子がいた。そこで ③「タッチ」と大きな声で 言う という約束ができた。 <メダカとなまず> 4 6 月 20 日 「基礎学習①」のいろいろな鬼遊びを行った。 (金 ) 集合して,巨大なまずゲーム(なまずのラインが4本)のルー (45分間) ルを確認した。これも制限時間2分で攻守交代とした。みんなで 円陣を組んで声を出したり,ゲームの始めにあいさつと握手をし たり,宝物の数をみんなで一緒に声を出して数えたり,宝物をと った時は「ゲットだぜ!」と声を出したりして,より活気が出て きた。 <巨大なまずゲーム> 次に集合してポケモン取りゲーム(両方向からのめだかとなま ず)のルールを確認し,用具を設置した。そして,チームの話し 合 い で 攻 め る 人 守 る 人 を 決 め , 作 戦 を 考 え た 。「 フ ェ イ ン ト を か けるとよい」という意見が出て,みんなでそ の場で練習をした。また,鬼の子からは「相 手の目を見ると行く方向がわかる」という声 も聞かれた。ゲーム中は,応援をしたりうま い動きを賞賛し広めようとした。子どもたち は時間いっぱい動き,楽しく活動していた。 ゲ ー ム 後 ,「 守 る 準 備 が で き て い な い う ち に攻められて困った」という意見が出て, ④ 「スタート」とい ってから始める というルールを作った。 1−3−④ <ポケモン取りゲーム> 5 6 月 24 日 「基礎学習①」のいろいろな鬼遊びをした。 (火 ) 集合して巨大なまずゲームのルールの確認をした。前時と同様 (45分間) に,前半2分のゲーム後作戦タイムを取り,攻守交代して後半2 授業研究 分のゲームを行った。声をかけ,応援し,攻めや守りでうまい動 きは賞賛して,必要に応じて助言した。ゲームが終わった後,集 合してゲームを振り返った。 その後ポケモン取りゲームを前回と同様のルールで行い,最後 に宝の数を数えて勝敗を決定した。 作戦タイムでは「二人同時にスタートをして,せーので逆方向 に行こう」とか「一人が捕まっている隙にもう一人が攻めよう」 などチームの友だちと協力する作戦も出てきた。砂に絵を描いて 作戦を話し合うチームも見られた。また,宝の数を数えて「あと ○個取ろう!」と声をかけるチームも見られた。 6 7 月 3 日 (木 ) (45分間) 「基礎学習①」のいろいろな鬼遊びをした。宝取りゲームの最後 の試合であることを伝え,巨大なまずゲームとポケモン取りゲー ムをした。みんなで作った約束やゲームのルールを確認し,まだ 対戦していないチームと戦った。ゲーム後今までの勝敗を表に整 理し学習の振り返りを行った。 1−3−④ 3.プロダクト(授業成果)について (1)成果 ・チームの仲間と協力して運動を行い,鬼遊びを楽しむことができた。 ・勝敗を素直に認めたり,約束やルールを守ろうという姿勢が見られた。 ・チームの人数が少なくどの子もたくさんの運動量を確保できた。 ・カラー帽子を使用したことで,チームが分かりやすくなった。 ・ゲームを少しずつ発展させたので,子どもたちはレベルアップを楽しみ,飽きず に取り組むことができた。 ・ゲームの内容がクラスの実態に合っていて,子ども達の意欲を高め,授業後半ま で集中して取り組めた。 (2)課題 ・ミニ宝取りゲーム→ぬきっこ遊び→メダカとなまず→巨大なまず→ポケモン取り ゲームと少しずつゲームを発展させてきたが,それぞれのゲームのルールを指導 するのに時間がかかってしまった。 ・基礎学習①のいろいろな鬼遊びをもっと充実させる必要がある。 ・ゲームの時,宝の数を数える方法や勝敗の伝え方をもう少し工夫するとよい。そ うするともっとゲームが盛り上がったと思う。 ・1時間ずっと鬼ごっこをするのは,1年生には集中力と体力が続かないので厳し い。授業の前半は,遊具巡りや芝生での運動を取り入れるなどして,基礎感覚づ くりをするのがよい。 (出典) ・大修館書店「体育科教育・別冊 ゲ ー ム の 授 業 」( 1 9 9 4 年 ) 1−3−④
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