小寺臨床講読ワークショップ ( Clinical Reading Workshop) フロイトの系統的理解:第Ⅳ期 2. 精神分析の完成期(1910-1920) 本ワークショップのご案内 本ワークショップは、参加時間の中でフロイト読解を体験して、精神分析の〈現場〉 へと赴くことを目指します。2016 年度は、完成期に入ったフロイトによるナルシシズ ム・精神病への新たな取り組みと、技法論文およびメタ心理学論文に含まれている興 味深い概念を取り上げると同時に、臨場感ある現代論文を参照します。 フロイトの著作は今も基本であり発想の源泉です が、読み進めるのは、容易ではあ りません。精神分析が理論的にも臨床的にも整備された 1910 年代の著作は、創成期に 比べれば取っ付きやすくても、対象関係論や現代の精神分析とはまだ距離があります。 グループで読み進めることによって、理解は深まり、 初学者の方も経験ある方も、新 鮮なフロイトに触れることができるでしょう。3年間で全体をカバーする予定です。2 年目の本年度も受け付けますので、継続の方も新規の方も奮って ご参加ください。 テキスト: フロイトの論文を系統的に講読します。詳しくは Reading List を参照 ください。ジャン-ミシェル・キノドス『フロイトを読む』(岩崎学術出版 社刊)を参考書とします。 日 程: 2016年4月以降の第三金曜(但し、3月は第五金曜) 午後7時~10時。年12回。 講 師: ところ: 福本修(余裕があれば時にゲスト講師) 小寺記念精神分析研究財団セミナールーム 新宿区四谷 3 丁目 4 番 SC ビル 6 階 受講料: 60,000円 定 20 名程度。テキストを読んで参加できる方。臨床経験の多寡は問題では 員: ありません。必要な場合、選考があります。連絡のため、メールアドレ スを必ずお書きください。 申込方法:申し込み用紙に必要事項を書いて、E-mail、FAX または郵送してくださ い。最終的に、受講の可否をご連絡いたします。その際 振込先をご確認 の上、受講料をお振込みください。 〒160-0004 新宿区四谷 3 丁目 4 番 SC ビル 6 階 小寺記念精神分析研究財団事務局 E-mail:[email protected], FAX:03-3350-9749 申込期限:2016年4月4日(月) 少人数に限定されておりますので、お申込後の取り消し、ご欠席等のないようにご 留意ください。 主催 小寺記念精神分析研究財団 Reading List: Reading Freud and post-Freudian ideas Year 2 (4) 日程は、諸事情により変更する場合があります。フロイトの邦訳に関しては、岩波書店版 フロイト全集(全と略)を御参照ください。SE は Standard Edition の略です。 1.[4 月 15 日]人物研究とナルシシズム論の端緒 「レオナルド・ダ・ヴィンチの幼年期の想い出」(全 11, 1-97;SE XI, 57-137) ※ Schröter, M (1994). Two Empirical Notes on Freud's Leonardo. Int. J. Psycho-Anal., 75:87-100. ※ Auchincloss, EL, Vaughan, SC (2001). Psychoanalysis and Homosexuality: Do We Need a New Theory? J. Amer. Psychoanal. Assn., 49:1157-1186. 2.[5 月 20 日]フロイトの精神病研究 『自伝的に記述されたパラノイアの一症例に関する精神分析的考察 〔シュレーバー〕』 (1911)(全 11、99-187;SE XII, 1-79) ※ ドナルド・メルツァー:シュレーバー症例――内的世界。Meltzer, D (1978). 1911 The Schreber Case (Inner World). In The Kleinian Development: Part Ⅰ . Freud’s Clinical Development, Ch8, Clunie Press. ※ Shengold, L (1989). Sanity and Paranoia. The cases of Chekhov and Schreber. In Soul Murder, Ch11, Yale UP. 3.[6 月 17 日]フロイトの技法論(1):治療の開始 「精神分析治療に際して医師が注意すべきこと」(1912e)(全 12、247-257;SE XII, 109-120) 「治療の開始のために」(1913c)(全 13、241-270;SE XII, 121-144) ※ Jacobs, T (2012). “On beginning the treatment”: a contemporary view. In On Freud’s “On Beginning the Treatment,” Ch1, Karnac Books. ※ Ferro, A (2012). Swimming one’s way up to the fundamental rule. In On Freud’s “On Beginning the Treatment,” Ch5, Karnac Books. ※ Thompson, MG (1994). On beginning the treatment (1913). In The Truth about Freud’s Technique, Ch18, NYU. 4.[7 月 15 日]フロイトの技法論(2):転移理解と解釈 「転移の力動論にむけて」(1912b)(全 12、209-220;SE XII, 97-108) 「想起、反復、反芻処理」(1914g)(全 13、295-306;SE XII, 145-156) ※ マートン・ギル:第 10 章 Freud の遺したもの Freud の技法はいつ完成したのか。 『転移分析』金剛出版。Gill, MM (1983). Freud’s Legacy. When Did Freud’s Technique Become Definitive? In Analysis of Transference: Theory and Technique, Ch10, IUP. ※ Sklar, J (2011): Formulations of interpretation in clinical practice, In Landscapes of the Dark: History, Trauma, Psychoanalysis, Ch3, Karnac Books. 1 5.[8 月 19 日]ナルシシズム概念の導入 「ナルシシズムの導入にむけて」(1914c)(全 13、115-151;SE XIV, 67-102) ※ Segal, H & Bell, D (1991): The Theory of Narcissism in the Work of Freud and Klein, In Sandler, J, Person, ES & Fonagy, P (Ed.): Freud’s “On Narcissism: An Introduction”, pp149-174, Yale UP. ※ Bolognini, S (2010). Reconsidering narcissism from a contemporary, complex psychoanalytic view. In Enduring Loss: Mourning, Depression and Narcissism Throughout the Life Cycle, Ch6, Karnac Books. 6.[9 月 16 日]症例狼男の研究:原光景と境界精神病 「ある幼児期神経症の病歴より〔狼男〕」(1918b[1914]) (全 14、1-130;SE XVII, 1-122) ※ ドナルド・メルツァー:狼男――原光景。Meltzer, D (1978). 1918 The Wolf Man (The Primal Scene). In The Kleinian Development: Part Ⅰ . Freud’s Clinical Development, Ch9, Clunie Press. ※ Wink, P (1990). Freud, Truth, and the Wolf Man. Psychoanal. Contemp. Thought, 13:365-416. 7.[10 月 21 日]フロイトのメタ心理学(1):無意識について 「無意識」(1915e)(全 14、211-254;SE XIV, 159-215) 「抑圧」(1915d)(全 14、195-210;SE XIV, 141-158) ※ Wegner, P (2007). Metapsychology and clinical practice: lessons from Freud’s “The unconscious”, In On Freud’s “The Unconscious”, Ch1, Karnac Books. ※ Britton, R (2015): Is there a system in the system Ucs.? & Natural history of the mind. In Between Mind and Brain, Ch3 & 4, Karnac Books. 8.[11 月 18 日]フロイトのメタ心理学(2):対象喪失 「喪とメランコリー」(1917e[1915])(全 14、273-293;SE XIV, 237-258) ※ ニコラ・アブラハム&マリア・トロック:「喪あるいはメランコリー」、大西雅 一郎・山崎冬太監訳『表皮と核』松籟社、2014.Abraham, N and Torok, M (1972) . Mourning or Melancholia: Introjection versus Incorporation, In The Shell and the Kernel, Ch5, University of Chicago. ※ McGinley, E (2010). Mourning or Melancholia: What’s love got to do with it? In Enduring Loss: Mourning, Depression and Narcissism Throughout the Life Cycle , Ch6, Karnac Books. 9.[12 月 16 日]外傷論の再浮上 「『戦争神経症の精神分析にむけて』への緒言」(全 16、109-113;SEXVII, 205-216) ※ Ferenczi, S (1928, 1980). Two types of war neurosis. In Further contributions to the theory and practice of psychoanalysis. New York: Brunner/Mazel. 2 ※ Frankel, JB (1998). Ferenczi's Trauma Theory. Am. J. Psychoanal., 58:41-61 ※ Sklar, J (2011): Daydreams, dreams, and trauma, In Landscapes of the Dark: History, Trauma, Psychoanalysis, Ch5, Karnac Books. 10.[1 月 20 日]フェレンツィ前期 ※ Ferenczi, S (1913): Stages in the Development of the Sense of Reality, In First Contributions to Psycho-Analysis, Karnac Books. ※ Eros, F (2012): Some social and political issues related to Ferenczi and the Hungarian school. In Ferenczi and His World Rethinking the Spirit of the Budapest School, Ch3, Karnac Books. ※ Flaskay, G (2013): From patient to founder of a psychoanalytic school: Ferenczi’s influence on the works of Melanie Klein, In Ferenczi for Our Time. Theory and Practice, Ch1, Karnac Books. 11.[2 月 17 日]倒錯と女性論 「子どもがぶたれる」(全 16、121-150; SE XVII, 175-204) ※ ドナルド・メルツァー:子どもは叩かれる――倒錯。Meltzer, D (1978). 1919 The Child Being Beaten (The Perversions). In The Kleinian Development: Part Ⅰ . Freud’s Clinical Development, Ch11, Clunie Press. ※ レオナード・シェンゴールド:フロイトの「子どもがぶたれる」への解説。『魂の 殺害 虐待された子どもの心理学』第 8 章、青土社。Shengold, L (1997). Comments on Freud’s “A Child Is Being Beaten”. In On Freud’s “A Child is Being Beaten”, Ch8, Yale UP. ※ Lax, RF (1992). A Variation on Freud's Theme in "A Child is Being Beaten"—Mother's Role: Some Implications for Superego Development in Women. J. Amer. Psychoanal. Assn., 40:455-473 12.[3 月 17 日]不気味なものと不安 「不気味なもの」(1919h])(全 17、1-52;SE XVII, 217-256) ※ Rhode, M. (1984). Ghosts and the Imagination. J. Child Psychother., 10:3-13 ※ Hamilton, J.W. (1991). A Reconsideration of the Freud-Tausk-Deutsch Relationship*. Psychoanal. Rev., 78:267-278 3 小寺記念精神分析研究財団主催/2016年度 小寺臨床講読ワークショップ参加申込書 参加申込書は、下記住所まで E-mail、Fax または郵送にてお申し込み下さい。 メールの場合は、申込書の添付をお願いいたします。 新宿区四谷 3 丁目 4 番 〒160-0004 SC ビル 6 階 小寺記念精神分析研究財団事務局 FAX:03-3350-9749 E-mail:[email protected] 申込締切:4月4日(月) 申込 月 日 フ リ ガ ナ 氏 勤 所 名 務 男・女 (19 年生) 先 属 連絡先住所 自宅・勤務先 職種 経験 年 (どちらかに○) 〒 e-mail アドレス 電話(携帯可) 自宅・勤務先 セミナーの内容は、臨床心理系大学院修士課程修了程度の知識を前提としています。今期 は、精神分析の始まりから扱います。参加者のメンバー構成および採否に関しましては、 当方にご一任いただきます。決定次第、葉書、または申込書記載の E メールアドレス宛て にてご連絡いたします。振込先は、その際ご案内します。 教育・研修歴( 最終学歴・研修機関のほか、これまで参加した系統講義・セミナーなど ) 4 本ワークショップへの参加動機 基本知識([ ]内の該当するものに○をしてください) 最も印象に残るフロイト論文:① ② ③ キノドス 『フロイトを読む』は[既読・未読・読むつもり] 西園昌久監『現代フロイト読本』は[既読・未読・読むつもり] 英語力は[十分ある・時間を掛ければ読める・ほとんど読めない] その他(あればご自由にお書きください) 本セミナーをどのようにして知りましたか?該当する箇所に〇を付けて下さい。 郵便 ・ ホームページ ・ メール ・ 知人の紹介 ・ その他( ※記載いただいた個人情報は、セミナーのご連絡及びご案内のみに使いたします。 5 )
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