2006 年 電子情報通信学会総合大会 B-1-190 XPR 可変空間フェージングエミュレータによるアダプティブアレーアンテナの BER 測定 BER Measurements of an Adaptive Array under a Rayleigh-fading Channel by a Variable-XPR Spatial Fading Emulator H. Iwai 晃一*1 高田 K. Ogawa *1 松下電器産業株式会社 J. Takada 啓*2 荒木 純道*2 K. Sakaguchi K. Araki *2 東京工業大学 ナの受信電力が共に大きくなることで、不等中 央値の改善と SNR の増大が得られたためである。 参考文献 [1]石川他:信学総大, B-1-208, March. 2003. [2]坂田他:信学技報, B-1-283, July. 2004. [3]A. Yamamoto et.al.:IEEE AP-S Vol.4A, pp.26-29, July. 2005. 1.はじめに 近年、多重波環境における携帯端末アダプティブアレー アンテナの研究が行われている[1]。そこで、クラークモデ ルに基づいて多重波環境を生成する空間フェージングエミ ュレータの開発を進めてきた。これまでの研究により、エ ミュレータのフェージング特性を調べるとともに、交差偏 波を発生させるための構成を提案してきた[2]。また、垂直 偏波のレイリーフェージングに対するアダプティブアレー の誤り率特性を調べ、最適合成(Optimum combining)として 動作することを実験により確認してきた[3]。 本稿では、交差偏波比(XPR)可変空間フェージングエミュ レータを用いて、端末アダプティブアレーアンテナに対し て XPR が及ぼす影響を調べたので報告する。 2.XPR 可変空間フェージングエミュレータ XPR 可変空間フェージングエミュレータの散乱体ユニッ トを図 1 に示す。図 1 に示すように、垂直偏波はスリーブ アンテナ、水平偏波はシュペルトップダイポールアンテナ を水平に配置することにより得る[2]。散乱体ユニットは、 正 15 角形の角に配置し、そのうちの 7 個のユニットを所望 波源、他の7個のユニットを干渉波源とし、交互に配置し た。XPR は、ユニット毎において垂直偏波と水平偏波の電 力の比として与える。すなわち、各ユニットの XPR により、 フェージングの XPR を制御する。ユニット内の垂直偏波と 水平偏波の位相差は 0 となるように調整した。ユニット間 においては、所望波、干渉波毎に、ユニットからの放射電 波の電力を等しくし、電波の位相は初期値を 0 に揃えた後 にアレーの移動方向が第 1 の散乱体から 10 度となるように 変化させた。周波数は 2GHz、変復調は 64kbps の QPSK 同 期検波で行った。最適化手法には LMS 法を用いた。 3.端末アダプティブアレーの誤り率測定 端末アダプティブアレーの誤り率(BER)を調べる。まず、 測定ポイント毎にエミュレータを制止(準静的フェージング 環境下)させて BER を測定した。次に、その平均値を求め動 的フェージングモデルにおける誤り率を評価した。測定ポイ ント数は 501、測定間隔 1/20 波長とした。すなわち、アレー の移動距離は 25 波長である。 図 2 に、端末アダプティブアレーの構造を示す。図 2 に示 すように、 1/4 波長モノポールと PIFA によりアレーを構成し、 水平面より 30 度傾けて配置した。図 3 に水平面における指 向性を示す。図 3 より、2 つのアンテナともに、垂直偏波成 分(Eθ)と水平偏波成分(Eφ)を有することが分かる。 図 4 に、XPR に対する平均 BER 特性を示す。測定では、 平均入力 SNR を 15、20、25dB と変化させた。平均入力 SNR は、所望波のみを散乱体から放射させ、1 本のダイポールア ンテナで受信したときの平均 SNR で規格化している。尚、 SIR=0dB とした。図には、測定により得た複素指向性を用い て算出した計算結果を併せて示す。図 4 より、測定値は計算 値と近い値が得られていることが分かる。更に、同じ入力 SNR においては、XPR=0dB 近傍での BER が小さいことが分 かる。これは、図 3 より 1/4 波長モノポールでは Eθが強く PIFA では Eφが強いために、XPR=0dB において 2 つのアンテ 190 潤一*2 阪口 図 1. 散乱体ユニット 1/4 wavelength monopole 20 Z PIFA 31 30 Y X 125 30 degrees 20 [mm] 35 (a)構造 (b)配置法 図 2. 端末アダプティブアレーアンテナ Cal. Meas. Y 10 Εθ Εφ Cal. Meas. 0 -10 -10 X -20 -10 0 0 0 -10 -20 [dBi] -10 0 X -20 -10 10 10 Y 10 0 [dBi] T. Sakata 浩*1 小川 10 10 10 0 -10 -20 [dBi] -10 (a) 1/4 波長モノポール (b) PIFA 図 3. 放射指向性 1.E+00 Average BER A. Yamamoto 勉*1 岩井 [dBi] 山本 温*1 坂田 ○ 1.E-01 Cal. Meas. Ave. input SNR 15dB 20dB 25dB 1.E-02 1.E-03 1.E-04 -20 -15 -10 -5 0 5 10 15 20 XPR [dB] 図 4. XPR と平均誤り率 0 10 Εθ Εφ
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