研 究 業 績 等 に 関 す る 事 項 著書,学術論文等の名称 単著, 共著の別 発行又は 発表の年月 発行所,発表雑誌等 又は 発表学会等の名称 概 要 (著書(欧文)) 1 Oaths in Sumerian Archival Texts: A Case Study of Ur III Nippur Yale University, Ph.D. Dissertation (University Microfilms International) 単著 1993年-11月 共著 2004年 共著 2005年 メソポタミアの宗教都市ニップー ルで紀元前三千年期のウル第三王朝 (新シュメール)時代に記録された 三千余りのくさび形文字文書をもと に、契約の過程で頻繁に用いられた 「誓い」の習慣の解明を試みた。そ の表現形式、内容と義務、関係する 当事者、実施の場所を追究すると共 に、押印、証言、保証、官吏の立会 など他の確証方法との関連も検討し た。 (著書(和文)) 古代オリエント事典 1 2 国際学のすすめ 常磐大学 日米文化交流史 彼 らが変えたものと残 したもの 共著 3 岩波書店 2005年 学陽書房 プレゼミナール授業 展開案 共著 2008年-11月 (学術論文(欧文)) 1 Terms Expressing "Guarantee" in Neo- sumerian Texts from Nippur 常磐大学 『松本克己教授退官 記念論文集一言語学 論叢特別号』筑波大 学一般応用言語学研 究室 88-100頁 単 1993年-9月 日本オリエント学会編。338-339, 359-360, 537, 628頁担当。日本の オリエント学関係者の総力により完 成。 同大学国際学部編20-33頁。「民 間による国際協力−NGOを中心に」 担当。 本学国際学部の学生に対し て国際学の基礎知識を提供するため に編集された入門書。学部所属教員 により分担執筆。 波多野勝編147-172頁。第5章「日 本、アメリカそしてイスラーム−思 想・文化と社会の『三角関係』」担 当。イスラームは、日米両国の歴史 で政治的に「利用」されたことがあ る。その後米国では生活に根差す宗 教として浸透し始め、日本では政治 的な動機がなくなる共に勢力が弱 まった。現在日本のイスラーム観は 米国の影響を受ける。その思想をよ り深く理解し主体的に判断すべきで ある。 依田泉編153-62, 65-66頁。「発 表演習(2)」「レポート作成 (2)」「おわりに」担当。後に 『学びの技法』という授業に発展す る初年次教育科目の内容の詳細を提 案する。 古代シュメール語には、「保証」 と訳される語句がいくつか見いださ れるが、これまでみな同じ概念を表 すかのように一括して扱われてき た。しかし、対象となる資料体内で は、指示される現象が既に生じた出 来事に対する確認なのか将来の行為 に対する約束なのかという差異のあ ることが判明した。またそれぞれの 使用される表現の使用される取引・ 契約の種類が限定されているという 傾向も観察された。 (学術論文(和文)) 1 ハムラビ法における 「拘束」を表す語彙 単 2 3 4 5 シュメール語の誓い の定型句―ウル第三 王朝のニップール文 書を中心に 単 1994年-3月 単 1995年-3月 単 1996年-3月 シュメール語の「呪 い」と「誓い」 新シュメール期ニッ プールの「王の名に よる誓い」 7 メソポタミアからレ ビ記への語りかけ― 債務による拘束をめ ぐって 『ニダバ』(西日本 シュメール語には誓いを導入する 言語学会)第23号 表現が大別してふたつある。両者の 48-53頁 相違はこれまで、誓われる内容が将 来期待される行為の実現なのか、そ れとも、過去に起こった出来事の確 実さなのかに拠る、とされてきた。 しかし、用例の研究から、この二種 類の語句は、誓いが王の支配下のも のか神の権威に服するものかにより 使い分けられるということが認めら れた。 『吉川守先生御退官 シュメール語の「悪・呪い」と訳 記念言語学論文集』 される名詞の用法を、ウル第三王朝 ニップールの例を中心に考察した。 渓水社 361-371頁 そして、「呪いを断つ」という表現 と誓いの強い結びつきのために、問 題の用語が「誓い」そのものを表す ようになったことを明らかにした。 『オリエント』(日 新シュメール期メソポタミアの宗 本オリエント学会) 教の中心地ニップールでは多数の契 38号2巻 1-15頁 約文書が残されている。その記録に よると取引においてはしばしば王の 名にかけて誓いが行われていた。本 論文は、その場合に誰が何を誰に対 してどこで誓うのかを整理すること によって、当時の慣習をより明確に 記述した。また、誓いと他の確証手 段との異同をも探っている。 『史学雑誌』第106 編第5号 1996年の歴史学界― 回顧と展望・古代オ リエント1 単 6 1986年 筑波大学文学修士学 メソポタミアの古バビロニア時代 位論文 に作成されたアッカド語文献のひと つ、いわゆる「ハムラビ法典」には、 当事者を拘束する「規範」を表す用 語が数多く在証されるが、それらの 意味の相違は必ずしも明らかではな かった。本論文は、主に文脈の分析 を通して、語彙要素の区別を決める 「示差的特徴」を発見しながら、こ れらの用語の異同を規定している。 単 1997年 1999年-12月 楔形文字にみる土器 生産 EXEGETICA (聖書釈 古代メソポタミアの粘土板文書は、 義研究会)第10号 聖書のレビ記にある律法の規定と共 65-76頁 通する法習慣を記録している。その ことは、両者を生み出した地域間の 交流の可能性を示している。また、 聖書の執筆年代をある程度限定する 役割を果たしている。 『西アジア考古学』 (日本西アジア考古 学会)第1号 57-60 頁 単 2000年-3月 1996年に出版された2千年紀以前の オリエント史を扱う主な書籍と論文 を紹介し短い論評を加えた。更に細 かい分野と出版の順序が考慮されて いる。 土器について記録するシュメール語 の文字資料の精査により、メソポタ ミアでは3千年紀末にも、大量生 産、土器の細かな分類と厳密な規格 化、そして、統治組織による生産管 理の行われていたことが指摘でき る。さらに、4千年紀の文書に現れ る土器表現の多様性から、当時すで に種類の分化とおそらく規格化が始 まっていたことが想定される。 8 「目には目」は西セ ム系の原則か―古代 西アジアの刑罰観の 解明に向けて 単 9 2010年 聖書の「神」とアッ カド語文学の 「神々」―「洪水説 話」におけるその描 写の違い (紀要論文) 1 就職活動前における 教育的支援方法の研 究 2 初年次教育の実践と 具体的改善案就職活 動前における教育的 支援方法の研究 3 日本人学生とアメリ カ人留学生による英 語を介した共同プロ グラムに関する報告 (辞書・翻訳書等) 1 古代オリエント事典 単 2010年 共 2008年 共 共 2013年 共 2004年-12月 2009年-3月 『ハンムラビ法』と『聖書』は、 同害報復罰を設定するが、その適応 方法が異なる。他のメソポタミア法 律集にも例があり、その中でも異同 が見られる。聖書で身体罰に代えて 財産罰を救済手段とするような現象 もある。両者の条文の実定性も問わ れる。同害罰がアモリ人とユダヤ人 を含む西セム人独自の思想であると にわかには断言できない。メソポタ ミアの裁判や契約等の記録をより深 く研究する必要がある。 EXEGETICA (聖書釈 聖書の創世記では、神が単独で、悪 義研究会)第21号 の解消のために洪水の実行を図り、 人類の壊滅を避ける手段を講じ、計 画を進める。決定の源はひとつであ り一貫性がある。「方針転換」をど う解釈するかに困難が伴う。アッカ ド語文書では、複数の神々の合議に より洪水が実施される。一構成員で ある神の離反が、人類滅亡という目 的の達成を妨げる。人間界と同じよ うな問題をもつ神々の描写について 理解はより容易である。 『常磐国際紀要』第 課題共同研究報告 12号 217-219頁 『常磐国際紀要』第 課題共同研究報告 13号 161, 177-180 頁 編集代表 『常磐国際紀要』第 課題共同研究報告 17号 217-219頁 編 集代表 岩波書店 共 (報告書・会報等) 1 国際学部におけるプ レゼミナールの取り 組み 2009年 文部科学省科学研究 費補助金「特定領域 研究」『セム系部族 社会の形成』 「『シュメール文字 文明』の成立と展 開」平成17-21年度 研究成果報告 3-28 頁 日本オリエント学会編 Pp338-339,359-360,537,628 2008年度FDフォーラ 1-10頁 ム報告 (国際学会発表) なし (国内学会発表) 1 「労働の履行」を示 すシュメール語の表 現 2 単 「保証人」を表す シュメール語 単 第31回シュメール研 古代シュメールの「労働契約」は労 究会(早稲田大学) 賃の受け取りと労働実行の約束から 1993年-12月 成り立っている。その就労という概 念は、いくつかの用語によって表さ れる。特に注目されるのは、「立 第32回シュメール研 「保証人」を表すシュメール語は、 その派生が動詞「確認する」からか 究会(広島大学) 「手を開く」という慣用句からかに より大きく二つに分類できる。しか し、文脈の検討から、それらの用語 1994年-8月 は、この語源に関係なく、当人の役 割が過去の事実を確認することが将 来の義務の実行をより確実にするこ とかによっても区別される、とわか る。 3 新シュメール期ニッ プールの「王の名に よる誓い」 単 4 4 新シュメール期の契 約違反とその「解 決」 単 1998年-6月 メソポタミアにおけ る刑罰としての死 単 6 1995年-10月 楔形文字にみる土器 生産 単 5 オリエント学会第36 新シュメール期メソポタミアの宗教 回大会(東京大学) の中心地ニップールでは多数の契約 記録が残され、そのような取引で は、しばしば王の名によって契約が 行われたことが知られている。本発 1994年-10月 表は、その際に誰が何を誰に対して どこで誓うのかを整理することに よって、当時の慣習ののより明確な 記述を目指した。また、誓いと他の 確証手段との異同をも探っている。 『ギルガメシュ叙事 詩』における神々の 役割とその変化 単 2007年 2010年 日本オリエント学会 第37回大会(立教大 学) 日本西アジア考古学 「学術論文(和文)」no. 6 参照 会第3回総会シンポ ジウム(筑波大学) 科研費特定領域研究 「学術論文(和文)」no. 7 参照。 『「シュメール文字 文明の成立と展開』 2007年度研究発表会 (京都大学) 日本オリエント学会 「学術論文(和文)」no. 8 参照。 第52回大会(国士舘 大学) (演奏会・展覧会等) なし (招待講演・基調講演) メソポタミアの楔形 文字の世界 (受賞(学術賞等)) なし 聖書考古学資料館 単 2009年11月
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