2.5 GPSの誤差 ( ) 測定値が真値に対して一定方向に偏っている誤差

12NInst:02-31
2.5 GPSの誤差
(
)
測定値が真値に対して一定方向に偏っている誤差
(計測によって修正(校正)できる)
(
)
測定値がはっきりしない原因によって真値の付近でばらつく誤差
(修正(補正)できない.数回の観測の平均など)
(
)
計器の表示の読み違えなどによる誤差
(計測者の技量等にも依存する.間違えに気づいたときは再計
づ
測する)
02-32
誤差の要因:
故意に誤差を起こす ・・・
受信機の
衛星の
SA(
)
・・・ 測位計算で工夫されている(本質的)
・・・
航法メッセージに含まれる
による電波の遅延 ・・・ 複数の周波数の電波を用いて
軽減可・1波でも補正情報を用いて改善
による電波の遅延 ・・・ 補正情報を用いて改善
による電波の遅延 ・・・ 不可避(周囲の状況)
による遅延 ・・・ 不可避(これを利用して
降雨の予測?)
1
02-33
誤差の要因(つづき):
GPS衛星の配置による精度低下 ・・・
で評価
○GPSの位置誤差
標準偏差(1σ)によって評価する
位置誤差 =
UERE: User Equivalent Range Error,利用者等価距離誤差
GDOP: Geometric Dilution of Precision,幾何学的精度劣化係数
02-34
○GDOP(Geometric Dilution Of Precision)
物標による測定
測定目標の
(a) 交角: 大
で決まる
(b) 交角: 小
図2-4: 2物標からの交角
2
02-35
GDOP = √ σxx2 + σyy2 + σzz2 + σtt2
※ GDOPが
.
GDOPを空間座標に関する部分と時計に関する部分に分けて,
PDOP = √ σxx2 + σyy2 + σzz2
HDOP = √ σxx2 + σyy2
VDOP = σzz
TDOP = σtt
それぞれ, Position,Horizontal,Vertical,Time を意味する.
※ 衛星を結ぶ4面体の体積は GDOP と密接に関係
4面体の体積が大きいほど,GDOPは小さくなり測位精度が向上
02-36
○衛星配置と
測位精度
(a) 悪い例: 体積小 → DOP値大
あかs
図2-5: 衛星配置とDOP値の関係
3
12NInst:02-37
○UERE(User Equivalent Range Error)
a.
b.
c.
d.
e.
f.
g.
衛星の時計誤差
衛星の軌道誤差
電離層遅延誤差
対流圏遅延誤差
受信機雑音
マルチパス
選択利用性(SA)
UERE = √a2+b2+c2+d2+e2+ff2+gg2
※ 単位は,すべてm(メートル).
02-38
○測位精度を上げるには
・GDOPを
衛星を結ぶ多面体の
受信する衛星の
上空を広く見渡せるところにアンテナを置く (マイクロ波の性質)
・連続計測する (測位をはじめてから1分後位で安定)
・DGPSやSBASを利用する (別に機器が必要.§2.8)
4
02-39
2.6 測地系 (geodic system, Datum)
z
準拠楕円体
グリニッジ子午線(
経度
高さ
O
y
経度
赤道(緯度0度)
度)
0
x
緯度
02-40
○パラメータ
地球の形
・・・
(
長半径(A) = 6378137.000 [m]
扁平率(F) = 0.0033528107
(
A = 6377397.155 [m]
F = 0.0033427732
で近似
)
(WGS84楕円体)
)では,
BESSEL(1841)楕円体
X(経度),Y(緯度),Z(高度) もずれる.
パラメータ: ΔX,ΔY,ΔZ,ΔA,ΔF により測地系を変換
5
02-41
○測地系一覧
表2-1: 測地系一覧とパラメータ (抜粋)
測地系一覧
測地系名
ASTRONOMIX STATION 1952
表示
DATUMパラメータ
地域
ΔX
A-STATION52 Marcus Island
EUROPIAN 1950
EUROPEAN50
EUROPIAN 1979
EOROPEAN79
ORDNANCE SURVEY OF GREAG-BRITAIN36
Europa(Mean Value)
Europa(Mean Value)
England, isle of Man, Wales, Scotlan
NORTH AMERICA 1983
NAD83-1
NAD83-2
NAD83-3
NAD83-4
Alaska
Canada
CONUS
Mexico, Central America
TOKYO
TOKYO
Japan, Korea, Okinawa
WGS-72
WGS-84
WGS72
WGS84
World Geodetic System
World Geodetic System
ΔY
ΔZ
ΔA
ΔF
-124
234
25
251.000
0.000014192702
87
86
-375
98
98
1111
121
119
-431
251.000
251.000
-573.604
0.000014192702
0.000014192702
-0.000011960023
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000000000016
0.000000000016
0.000000000016
0.000000000016
128
-481
-664
-739.845
-0.000010037483
0
0
0
0
0
0
-2.000
0.000
-0.000000031211
0.000000000000
02-42
2.7 GPS受信機
軌道データ
収集
図2-6: GPS受信機の基本構成
6
12NInst:02-43
○チャンネル数による分類
(a) 1チャンネル・シーケンシャル受信方式
(b) 1チャンネル・高速シーケンシャル受信方式
(c) 複数チャンネル受信方式
☆ 近年は,
が一般的
8~12チャンネル程度.
(ある地点で同時に受信できる衛星の数は多くても8程度なので,
12チャンネル程度で十分)
○GPSのアンテナ
アンテナ
(GPS衛星からの電波は「円偏波」)
○ GPS 受信機(機器) によるデータ
・
・
・
02-44
(測地系の設定により値を出力) ・・・ 基本機能
: UTCとほぼ一致
受信機で計算
(過去数秒~10秒程度の位置(緯度経度)の変化から計算する)
・
(
:
)
・
(
:
)
付加的機能 (受信機によってはナビゲーション機能もある)
・時計の自動修正
時計の自動修正
・簡易ナビゲーション (経路の管理,目的地の設定とウェイポイント
までの方位距離)
・地図表示および地図上への位置,航跡のプロット
・データ出力 (インターフェイスを介してPC他の機器へデータ転送)
7
02-45
2.8 Differential GPS (DGPS) と SBAS
ディファレンシャルの定義
位置(緯度経度)が正確にわかっている場所で測位
GPSシステムの誤差を検出
その近辺の地域の利用者に,誤差または補正係数を送信
そ
近辺 地域 利用者 ,誤差ま
補 係数を送信
↓ 補正情報を放送
GPS受信機で補正することにより測位精度を改善
○GPS 基準局
GPS測位による実測位置から求めた各衛星の距離
各衛星から 軌道デ タ 計算 た求めた計算距離
各衛星からの軌道データで計算した求めた計算距離
の差 ==> 擬似距離補正データとして放送
○利用者側
擬似距離にその補正値を加味して真の位置を計算する
02-46
DGPSの利用
・伝搬経路上の問題
・電離層遅延誤差
・対流圏遅延誤差
・SA(現在は解除されている)
SA(現在は解除されている)
などを減少させることができる
○DGPS 局 (海上向け: 長波~中波で放送)
東京・霞ヶ関(コントロールステーション)
金華山
八丈島
室戸岬
瀬戸
大瀬埼
316kHz,
302kHz,
295kHz,
320kHz,
302kHz,
犬吠埼
大王埼
大浜
都井岬
・・・
295kHz,
288kHz,
321kHz,
309kHz,
剱埼
江埼
浜田
若宮
309kHz,
320.5kHz,
305kHz,
295kHz,
日本沿岸ほぼ全域で利用可能
8
SBAS(
)
02-47
○WAAS (
)
ディファレンシャルと同様,GPSの測位精度向上のために補正情報を
送るシステム
・航空用として開発されたが,陸上,海上でも利用可能
・北米およびハワイで利用可能 (米国のシステム)
・衛星から補正情報を送信
当初はインマルサットを利用.現在は Galaxy 15 と Anik F1R
○MSAS (
)
MTSAT(運輸多目的衛星)を利用してGPSの補正情報を放送する
日本のシステム
使用方法: 受信機の設定メニューで WAAS を「使う」「Enable」等
に設定
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