教授 叶堂 隆三 1.2015年度の研究計画 九州におけるキリスト教社会(小教区共同体)の研究に関して、2015年度は科学研究費 助成費研究(2012年度~2015年度)に採択された「移動と定住における類縁関係の発動と制 度化に関する研究」(研究課題番号:24530641)の最終年度にあたる。2014年度に、長崎県 内外の開拓移住地を時期別に4つに区分したが、2015年度は、その各時期の開拓移住地の事 例調査を行うとともに、長崎のカトリック信徒の出身集落と選択的移動による集住地の間 の社会的関係性の解明を目指す。また、一連の研究の全体的なまとめに関して、その構成案 を作成する予定である。 2.2015年度の研究活動の経過 2015年度の研究計画は、個別の課題に予定通りに遂行できたと思える。具体的には、下関 市立大学論集第151号に、平戸市田平地区における宗教コミュニティの形成と展開―第3次移 住地の形成と展開―、下関市立大学論集第152号に、平戸市北部への移住と宗教コミュニテ ィの形成―、下関市立大学論集第152号に、佐世保市への移住と宗教コミュニティの形成、 やまぐち地域社会研究13号に、産炭地区における宗教コミュニティの形成―長崎県北松地区 への移住と平戸口小教区の形成―を執筆した。また研究全般に関しても、その構成案を作成 することができた。 3.2013年度~2015年度の研究業績 A.著書・学術論文(単著・共著) 1)開拓集落の形成と信仰の移築―長崎のカトリック信徒の宮崎法光坊地区への移住とコ ミュニティ形成―, pp.1‐20,下関市立大学論集,第57巻第3号,2014.3. (単著) 2)長崎県のカトリック信徒の移住と宗教コミュニティ形成―家族戦略から生成された地域 戦略と外国人神父の宣教戦略―, pp.1‐26 ,下関市立大学論集第58巻1号,2014.5. (単著) 3)行橋市新田原と上五島青方への移住とコミュニティ形成―長崎市外海地区からの第 4 次移住地の状況―, pp.11 ‐35,下関市立大学論集第 58 巻 2 号,2014,9. (単著) 4)第 2 次移住地への移住とコミュニティの形成―長崎県北松地域褥崎地区― ,pp.19‐39 , 下関市立大学論集第 58 巻 3 号,2015.3. (単著) 5)長崎県佐世保市神崎地区におけるコミュニティ形成―第 2 次移住地への移住とコミュ ニティの形成- , pp.1‐16 ,やまぐち地域社会研究 12 号,山口地域社会学会,2015.3. 6)平戸市田平地区における宗教コミュニティの形成と展開―第3次移住地の形成と展開―, pp.1‐29,下関市立大学論集,第59巻第1号,2015.5. (単著) 7)平戸市北部への移住と宗教コミュニティの形成, pp.1‐22,下関市立大学論集,第59巻第2 号,2015.9. (単著) 8)佐世保市への移住と宗教コミュニティの形成, pp.15‐38,下関市立大学論集,第 59 巻第 3 号,2016.3. (単著) 9)産炭地区における宗教コミュニティの形成―長崎県北松地区への移住と平戸口小教区の 形成―,やまぐち地域社会研究13号, ,山口地域社会学会,2015.3. B.報告書・学会発表等 1)長崎県のカトリック信徒の移住と宗教コミュニティの形成―家族戦略から生成された 地 域戦 略と外 国人 神父の 宣教 戦略― ,第 35 回山 口地 域社会 学会 研究例 会 ,山口 大 学,2014.7.5. 2)南九州における宗教コミュニティの形成―長崎県からの移住と宮崎市田野教会・鹿児島 県奄美地域からの移住と鹿児島市鴨池教会 ,pp.1‐63,2015.3.(共著) 4.次年度の課題 九州におけるキリスト教社会(小教区共同体)の研究に関して、科学研究費助成費研究(2 16 012年度~2015年度)に採択された「移動と定住における類縁関係の発動と制度化に関する 研究」(研究課題番号:24530641)の1年間の延長を申請している。2012年度から4年間、長 崎県内外の開拓移住地の調査に基づく論文を執筆してきた。2016年度は、まだ着手していな い長崎県南部および長崎県外の開拓移住地の事例調査を行うとともに、科学研究費助成費 研究の全体的なまとめ報告書の作成を目ざす。 17
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