4.個人差の測定 (1)いろいろな分野に関わる 人格心理学における測定

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(1)いろいろな分野に関わる
4.個人差の測定
(1)いろいろな分野に関わる (2)有名な人々 (3)研究例(ひねくれ)
人格心理学における測定
•  類型論:いくつかの型に分類する。 クレッチマーの体型と気質類型 細長型=分裂気質(非社交的、無口、きまじめ) 肥満型=循環気質(高揚と沈滞) 頑健型=粘着気質(几帳面、鈍重、爆発性) •  特性論:複数の特性の組み合わせで記述。 キャッテルの12特性モデル 現代の5因子モデル(BIG5):脳との関係を考慮。 知能研究における測定
•  知能:知識と才能。「目的的に行動し、合理
的に思考し、効果的に環境を処理する総
合的な能力」 •  知的障害児の早期発見や効率のよい徴兵
検査などの目的で、19世紀末から盛んに
知能検査が開発された。単一因子説、多
因子説などが登場。 •  現場では有効なツールだが、批判も多い。
•  人格心理学における測定 質問紙法、投影法などなど •  知能研究における測定 言語検査、非言語検査 •  測定そのものの研究 教育心理学での「測定と評価」 数理心理学、計量心理学ともいう Psychometrics
人格心理学における測定
測定の技法 (1)面接法 (2)投影法(ロールシャッハ、文章完成法、
バウム・テストなど) (3)質問紙法(MPI,YG,MMPIなど) 測定そのものの研究
•  信頼性と妥当性の高い質問紙の開発 •  データ処理・統計分析の手法の開発 •  生徒の能力をいかに的確に評価するか、と
いう問題は、そもそも「知的能力」とは何か、
という原理的問題の検討が必須。 •  言語的知能と非言語的知能
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(2)有名な人々
Sir Francis Galton, 1822-­‐1911 ダーウィンのいとこ。裕福な家系に生まれ、
生涯を学問研究に捧げる。人類学、気象
学など、あらゆる分野に関与。1884年に
「世界健康展覧会」で「人間測定実験室」
を開設。9337人のデータを取ったという。
著書多数。「遺伝的天才」、「人間能力の
研究」。共感覚など、多数の先駆的研究。
統計研究を進め、 1901年にBiometrikaを
創刊。ロンドン大学に優生学講座を開設。
ロンドン大学は生物統計学の中心地とな
り、ピアソン、バート、スピアマンなどが輩
出。
(2)有名な人々
Hermann Rorschach, 1884-­‐1922 スイス生まれの精神科医。幼いこと
からインクのシミで遊ぶのが趣味
だったという。流行の遊びだったら
しい。チューリヒ大学でオイゲン・ブ
ロイラーに師事。精神分析の影響
のもとでインクのシミを精神医学診
断に用いることを構想。ビネーも同
様の構想を持っていたという。1921
年に「精神診断法」を出版。その直
後に腹膜炎で若くして死す。
(3)研究例(ひねくれ)
•  人間以外の動物における性格次元 •  Gosling, S.D. and John, O.P. (1999). Personality Dimensions in Nonhuman Animals: A Cross-­‐Species Review. Current Direc+ons in Psychological Science, 8(3), p 69-­‐75. •  進化論的には、身体的特徴のみが淘汰圧にさらされて、心
理学的特徴はその例外であるとする根拠は何もない。この
論文では、従来の研究をまとめて動物の性格特徴の主要な
次元は何なのかについて論じている。 •  BIG5モデル:不安(N)、同調性(A)、向性(E)、好奇心(O)、
衝動性(C) •  チンパンジー、ゴリラ、カニクイザル、ベルベットモンキー、ハ
イエナ、犬、猫、ロバ、豚、ラット、グッピー、タコ、の行動を観
察。
(2)有名な人々
Alfred Binet, 1857-­‐1911 フランス生まれ。ソルボンヌ大学の
生理心理学実験室を指導。動物磁
気や骨相学を研究を経て「知能の実
験的研究」を創始。思考は観念の連
合以上のものと主張。1905年にパリ
教育局の要請で精神遅滞児の選別
基準として「ビネー・シモン式知能テ
ストを開発。このテストはのちに「スタ
ンフォード・ビネー式検査」、「田中・
ビネー式検査」となる。 (2)有名な人々
Joy P. Guilford, 1897-­‐1987 スピアマンの知能の一因子説を
批判し、多因子モデルを構想。
内容x操作x所産の3次元で構成
される計4x5x6=120種類の知
能を区別する「知能の立方体モ
デル」を提唱。因子分析法を発
展させる。 「精神測定法」(1959)はその後
の心理学における統計技法の
バイブルとなった。
(3)研究例(ひねくれ)
•  E(外向・内向)、N(不安)、A(同調性)は多
くの動物に共通?
•  E,Nは12種すべてに見られ、Aはグッピーとタコ
を除くすべてに見られた。この驚くべき一致は、こ
れらの特性が基本的な生物学的傾向のあらわれ
である事を示唆。 •  しかしその現われ方は種によって異なる。内向的
な人間はパーティでも隅に引っ込んでいるが、大
胆さに欠けるタコは餌を食べるときも蛸壺に隠
れて、体色を変えたり墨を吹いたりして自分を隠そ
うとする。
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(3)研究例(ひねくれ)
•  C(衝動性と熟慮性)は人間とチンパンジー
だけ?
•  Cが独立の因子として抽出されたのはチン
パンジーのみであった。 •  C因子は、規範に従う、行動前に考える、
衝動をコントロールする、などの「超自我」
的な側面を含む。こうした側面は、比較的
最近の霊長類の進化において始めて現れ
たものなのかもしれない。
(3)研究例(ひねくれ)
•  性差
•  人間では男性より女性のほうが一般にN(不安)
が高い。しかしハイエナでは反対で、オスのほうが
メスよりも不安傾向が高いことがわかった。ハイエ
ナの社会は母系性で、メスのほうが体が大きくて
支配的である。 •  このように、性格の性差というものは、その動物
種における両性の生態学的ニッチによって影響を
受けることが明らかであり、性格が生物学的要因
と社会学的要因の相互作用によって形成されるこ
とを示す。比較研究の重要性を示す例である。
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