DXE:ウィズ・プロフィットからの多様化を継続

2013年6月
DXE:ウィズ・プロフィットからの多様化を継続
DXE ファンド運用開始から1周年を迎える
にあたって、当社の投資理念の基盤とな
る世界動向に焦点を定めながら世界経済
の最新情報をお届けします。また、株式
が長期的に見て引き続き良好なパフォー
マンスを遂げると考える理由についてご
説明します。 従ってDXEの投資戦略はフ
ァンドの実績に大変前向きの貢献をした
分散投資戦略を追及し続ける予定です。
株式市場は今年の最初の5ヶ月間に力強い実績を上げ
た後、今や米連邦準備理事会(FED) による金融引き締め
と、IMF による中国のGDP 成長率予測の下方修正の見通し
に直面しています。これは主要な市場修正の前触れでしょ
うか、それとも今年の末までにリスク資産のアウトパフォ
ーマンスを期待できるでしょうか?
「短期的には利食い売りが行われる
可能性を除外することはできません
が、根本的な要因は株式の良好なパ
フォーマンスが続く可能性が高いこ
とを示唆しています。株式は引き続
き「the only game in town(唯一の
投資先)」です。」
の拡張的金融政策を採用した日本において、改善しまし
た。昨年同様(世界経済の成長の見通しが第1四半期はポ
ジティブだったが、その後の2四半期は不確かだった)
に、金融市場は現在、経済の下方修正の可能性に直面し
ています。また、FED当局者の最近のコメントは米国で金
融引き締めが今にも起ころうとしていることを示してい
るとも解釈できます。
では、大規模な経済の減速が予想できるでしょうか?ま
ず、最近のデータを調べる必要があります。OECD による
と、OECD エリア(先進国)のGDP は第1四半期にわず
かに0.4% 伸びました。2012年の第4四半期は横ばいであ
ったことを考慮すると、回復とはいえないまでも少なく
とも悪化はしていません。勿論これはあくまで全体的数
字であり、下の表1が示すとおり、成長率は各国間で大
きく異なっています。日本と米国では成長率が加速し、
英国とドイツでは小幅に上昇しました。フランスのGDP
成長率はさらに減速し、イタリアのGDP は(そのペース
は前の四半期より鈍化したものの)縮小しました。ユー
ロ圏全体では経済は引き続き縮小しましたが、現在は安
定的なレベル(-0.2%)に近づいています。
2013
2014*
スペイン
-1.7%
0.4%
ポルトガル
-2.7%
0.2%
イタリア
-1.8%
0.4%
フランス
-0.3%
0.8%
ベルギー
0.0%
1.1%
英国
0.8%
1.5%
ドイツ
0.4%
1.9%
世界経済の状況
米国
1.9%
2.8%
2012年末のDXE のニュースレターで株式の評価は、絶対
項および債券と比較した場合の両方で経済成長の見通し
を十分に反映しておらず、株式は過小評価されていると
結びました。株式の反発のタイミングは投資家心理の改
善に左右されると考えられますが、これはその性質上、
予想することは不可能です。
ユーロ圏
-0.6%
1.1%
OECD加盟国
1.2%
2.3%
Arjen Los ドミニオンの最高投資責任者(CIO)
また、我々は中国の「ハードランディング」の可能性が
薄れるにつれ、2012年後半においてポジティブなシナリ
オの可能性は高まったと説明しました。
今年の最初の5ヶ月間の動向により、投資家心理は実際に
改善し、経済見通しは、特に中央銀行が他の先進国同様
表 1: GDP 成長率 (* 推定)
出所: OECD
直近のOECD の予測では、世界経済成長率は今年3.1%
、2014年は4%に達するものと見込まれています。そして
世界は周知の高成長国と低成長国に分かれます。先進国
(OECD 加盟国)以外の諸国のGDP 成長率は今年5.5% に
達した後、2014年に6.2% に加速すると見込まれていま
す。これと対照的にOECD加盟国の成長率は今年が1.2%(
ユーロ圏は-0.6%)に止まり、来年は2.3%(ユーロ圏は1%
強)に回復すると見込まれています。
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2013年6月
全体的に見て、今年の成長率の予測は2014年の加速の見通
株式ファンドへの資金回帰
しをもとに、10年間の歴史的平均と一致しています。とは
根本的な経済動向が予想どおりに発展し、株式市場は好ま
しい実績を上げているなか、前向きのデータがどの程度株
式の評価に既に反映されているかを考慮する必要がありま
す。前回ご説明したとおり、株式の(相対的な)評価を判
断するひとつの方法は、株式リスクプレミアム(ERP)を評価
することです。ERPは益回り(P/E 比率の逆数)と債券利回
り間の差です。2008年末から2012年末までの間、ERP は約
7%に達しましたが、長期的平均は3%前後です。今年の現
在までの株式の良好なパフォーマンスの結果、ERP は6%前
後に下落しました。結局のところ、過去数ヶ月の間、株式
が極端に過小評価されることことは少なくなりましたが、
買い持ちの領域に達する前に大幅な上昇傾向が続く余地が
あります。時の経過と共にERPがその長期的平均に達しな
い理由はありません。
いえ、解説者は中国の経済成長率は今年の第1四半期を上
回るペースで減速することを懸念しています。頼もしいこ
とに、IMF の最近の報告書は「脆弱で不確かな世界状況に
もかかわらず、中国の成長率は今年約7.75% に達すると見
込まれる。経済成長のペースは、最近の信用拡大が勢いを
増し、予想される世界経済の緩やかな改善に沿って今年の
後半に小幅に改善すると思われる。」と述べています。
「脆弱で不確かな世界状況にもかか
わらず、中国の成長率は今年約7.75
%に達すると見込まれる。」
出所: IMF
根本的な経済動向を綿密に観察すると、大幅な減速の可能
性がほとんどない理由が分ります。最近のデータによる
と、相対的な脆弱さは製造業に集中しており、これは世界
貿易の成長率低下(ユーロ圏のリセッションによる)に関
連しています。小売売上高は13%前後(前年比)のペース
で伸び続けており、国内需要の伸びは持続しています。懐
疑的な解説者を困惑させることには、中国の不動産セクタ
ーも好調で、これは都市化プロセスが主な駆動力であると
いう見方と一致します。輸出の伸びではなく国内消費に重
点を置くという中国経済の意図された改革は主要な成長要
因としての国内需要を更に高めると思われます。
強気な株式市場が継続することへのもう1つの潜在的障害
は、FEDによる資産購入のいわゆる「漸減(tapering)」に
よる米国の金融引き締めの見通しです。この懸念は行き過
ぎているように思われます。FEDが金融正常化プロセスの
タイミングを誤ることは勿論可能ですが、当局者は、漸進
的な引き締めは経済の大幅な回復と失業率の低下を前提と
していると繰り返し述べています。この点に鑑みて、漸減
は朗報です。それは米国経済が持続可能な成長の軌道に乗
っていることを示唆しているからです。 米国経済の最近
の動向は事実、良好で、住宅市場はますます好調で、雇用
データは小幅ながらも堅実な伸びを示しています。税収入
の2桁の伸びも経済成長の良好な指標と見られています。
株式のさらなる再評価を奮起させうる要因はいわゆるアセ
ットローテーションです。投資家は10年間にわたり株式の
高度なボラティリティを経験した後、過去数年、債券投資
を好み、リスク資産への投資よりもマイナスのリターンで
も債券を好むことすらありました。このリスク回避の影響
で債券ファンドは応募が急増する一方、多くの株式ファン
ドから資金が流出しました。2013年の第1四半期はこの動
向がやや反転しましたが、大幅なアセットローテーション
が進行していると断定できるほどフローは大規模ではあり
ません。ただし、特にFEDの漸減( tapering)が実現したと
き、投資家は中期的にはリスク資産を好むと見込むことは
理にかなっていると思われます。
DXE投資資産
DXE の投資資産に関しては、プルデンシャルのウィズ・プ
ロフィット投資マネージャーも上述の見解と同意見です。
彼らは2012年四季報にこう述べています
「株式の評価は引き続き魅力的な一方、信用スプレッド
は大幅に低下した。とはいえ、魅力的でないのは社債の
金利要素である。我々はいわゆる安全なセーフヘイブン諸
国の国債利回りの上昇は避けられないと引き続き考えてい
る。」
同様に2013年3月に発表されたアビバの経済概観はこう述
べています。
「よりリスクの高い資産クラス、特に株式の見通しは、経
済状況の改善と、主要中央銀行が当面の間、極端な量的緩
和を継続する可能性を考慮すると、有望と思われる。債券
と比較した場合の魅力的な株式の評価は、投資家は債券か
ら株式にアロケーションをシフトすべきことを示唆してい
る。」
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2013年6月
ウィズ・プロフィット以外の資産
DXE のポートフォリオのその他投資資産は引き続き、有望な成長プロフィールを伴うテーマ別の世界株式ファンドで
す。厳選されたファンドは以下の通りです。
Dominion Global Trends – Consumer Fund
一般消費財セクターの良好な長期的動向に的を絞ったこのファンドは、過去3年間の
リターンが年率14.57% (米ドル IC クラス) 、素晴らしいリスク調整後リターンを達
成した、非常に強い運用成績を誇っています。投資チームは2012年、『 Investment
Week Global Equity Fund Manager of the Year Award』にノミネートされました。
Dominion Global Trends – Strategic Fund
このファンドはテクノロジーとインフラから金属・探鉱そして水に至るまで、長期
的世界的成長動向の影響を受ける10種類のセクター全域を投資対象とします。ファ
ンドのリスクプロフィールは保有資産の多様化と、このファンドのために特別に考
案されたドミニオンの専有リスク管理システムによりConsumer Fundより低レベルで
す。
Polar Capital Healthcare Opportunities Fund
経験豊富な投資チームの運用する同ファンドは3年間のリターンが年率20.11% に達
する力強い運用成績に基づいて選択されました。ファンドマネージャーのポートフ
ォリオ配分により対MSCIワールドインデックスのベータ値は0.75 と低く、他の資産
ポートフォリオに防御的な性質を与えています。
Henderson Horizon Global Technology Fund
これは運用資産が30億ドル近くに及ぶ世界最大のテクノロジーファンドです。同ファン
ドはテクノロジーセクター内でテーマ別に投資し、下落を制限することが実証されてい
ます。
Partners Group Invest - Listed Infrastructure Fund
4億600万ユーロのファンドは5名の投資専門家で構成される専門のファンドマネジメ
ントチームがパートナーのグローバルリソースを利用して運用します。同ファンドの
対MSCIワールドインデックスのベータ値は0.40 と低く、過去3年間のリターンが年率
12.33% に達する力強い運用成績を上げています。
CF Eclectica Agriculture Fund
CF Eclectica Agriculture Fundの目的は「農業におけるボラティリティの低い投資手段を
提供すること」です。これは変動の激しい商品への直接投資を避け、ポートフォリ
オ構成要素間の相関関係を弱めることや、インデックスのヘッジングなど、ヘッジ
ファンドのリスク管理ツールを使用することによって達成します。ただし、ロング
ポジションの最低エクスポージャーは75%です。
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2013年6月
結び
ポートフォリオのすべての資産は継続的に監視され、
資産の配分市況の変化に応じて調整されます。我々は
2012年12月、「株価は特に債券と現金と比較して過小
評価される」という結論を下しましたが、現在この見
通しを変更する理由はありません。それどころか、入
ってくる経済データは投資分散プロセスを継続し、厳
選された好業績の成長ファンドを通じて株式に投資す
る説得力のある理由を提供しています。資産多様化戦
略は効果があり、成長ファンドのポートフォリオはポ
ートフォリオに価値を追加しています。これはマネー
ジャーがウィズ・プロフィットの持分を減少し続ける
過程で一層重要となります。
ドミニオンの最高投
資責任者(CIO):
Arjen Los
アリエン・ロスはドミニオンの最高投資責任
者。1995年から2000年まではメリルリンチの欧州株
式リサーチディレクターを務め、品質保証、製品開
発、リサーチ手法および分析論を担当。その前はス
ミスニューコート、シュローダーズ証券およびピエ
ソン・ヘルドリング・ピエソンに勤務。ロッテルダ
ムのエラスマス大学にて金融経済学の学位取得。
DX Evolution PCC Limited is a Protected Cell Company, which is an open-ended investment vehicle governed by the provisions of The Companies (Guernsey) Law, 2008 and The Protection
of Investors (Bailiwick of Guernsey ) Law, 1987, as amended.
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