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by「高校数学の自習室」 http://www.jttk.zaq.ne.jp/alp/
『高校代数の再構築』
高校代数の再構築
§1.1次不等式・2次不等式
高校数学のどの単元にも、
「 a のとりうる値の範囲を求めよ」という問題が多く
あります。これらの問題は、 a のみたすべき不等式(多くは連立不等式)を自分
で立てて、それを解くことになります。それらの不等式をどのようにして立てれ
ば良いのかは、各単元で学習することですが、各単元の重要事項を理解し、せっ
かく不等式が立てられたとしても、それが解けなければ水の泡ですね。不等式は
高校数学の問題を解くための基本必須アイテムなのです。
1-1.
1次不等式
例題・練習・問題 No.
Ⅰ+A
2-2.
Let’s Try!
35, 38, 43, 44
3-1 (1)(2), 3
2次不等式
x2
p
p
+ 2x + 3 < 0 の解は、 à 1 à 2 i < x < à 1 + 2 i ではありません。
不等号は実数(大きさをもった数)の大小を表す記号なので、虚数(大きさをも
たない数)に対して、不等号は使えません。
例題・練習・問題 No.
Ⅰ+A
Let’s Try!
93, 94, 95, 99, 101
文字が入ったものは、
「場合わけ」が必要になります。
185 のように、「集合」で表現された問題も入試ではよく見かけます。
例題・練習・問題 No.
Ⅰ+A
97, 98, 103, 185
Let’s Try!
15-2
-1-
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『高校代数の再構築』
§2.2次関数
2次関数・2次方程式は「三角」「指数・対数」「微分・積分」など、高校数学
の殆どの単元と結びついてきます。例えば、t = sin x
と置き換えることで、
「三
角関数、三角方程式・不等式」の問題を『2次関数・2次方程式・不等式』の問
題に直すというのは、入試数学の基本解法パターンの1つです。
2-1.
2次関数のグラフ
speedy に平方完成ができ、正確な2次関数のグラフ(放物線)が描けないこと
には、話が始まりません。
例題・練習・問題 No.
Ⅰ+A
Let’s Try!
56, 62, 63, 64
特にセンター試験では「平方完成」の出題が多いです。ただし、
「平方完成せよ」
という言葉は使わず、
「平行移動」や「頂点の軌跡」の問題として出題されます。
例題・練習・問題 No.
2-2.
Ⅰ+A
66, 67, 68
Ⅱ+B
102(例題と練習)
Let’s Try!
6-3, 4, 5
2次関数の最大・最小(基本)
最大・最小問題は高校数学の基本です。三角関数などのいろいろ関数の最大・
最小問題には、置き換えることで2次関数のそれに直すものが多くあります。
βでは、定義域( x のとりうる範囲)の部分を実線で、定義域でない部分を点線
で表していますが、自分でノートに解くときは、グラフを描いてしまい、定義域
の部分を赤く塗るといいでしょう。
例題・練習・問題 No.
Ⅰ+A
73, 74, 75, 76, 78,
Let’s Try!
7-4
-2-
Perfect Master
3 章-2,5
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『高校代数の再構築』
2-3.
2次関数の決定
問題に、 f(x) = 2x2 à 4x + 1 のように、関数の式が与えられていればいいです
が、そうではなく、関数の式が与えられておらず、2次関数の式を求めることか
ら始めなければいけない問題もあります。入試では、その後問題が続いていくの
ですが、ここでは2次関数を求める練習をしておきましょう。
例題・練習・問題 No.
Ⅰ+A
2-4.
Let’s Try!
69, 70, 77
7-2, 3
2次関数の最大・最小(置き換え)
2次関数でない、4次関数や三角・指数・対数関数の最大・最小問題で、適当
なものを、t =
と置き換えることで、2次関数の最大・最小問題に直すタ
イプです。入試では、1問で多くの事柄をテストしたいですから、このような融
合問題が多いです。一見、対数関数の問題に見えても、本質は2次関数なのです。
t=
と置き換えたら、t の範囲を調べる
ことが、重要ポイントとなります。
t = sin q + cos q と置き換えるような、『対称式の最大・最小』については、
§5
で学習します。
例題・練習・問題 No.
Ⅰ+A
82,156
Ⅱ+B
127
Let’s Try!
13-1
150
165(例題と練習)
Perfect Master
4 章-2
13-4
-3-
4 章-7
『高校代数の再構築』
2-5.
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文字の入った2次関数の最大・最小(軸、定義域が動く)
文字の入った2次関数の最大・最小問題は高校数学の中でも特に重要です。
入試数学ができるようになるか否かは、この問題がマスターできるか否かに掛か
っているといっても過言ではないくらいです。
例題・練習・問題 No.
Ⅰ+A
2-6.
80, 79, 81
Let’s Try!
7-5
Perfect Master
5 章-8
限られた区間で常に成立する不等式
Ⅰ+A の 104 のような『限られた区間で常に成り立つ不等式』の問題は、
『最大・
最小問題』に作り直します。この考え方も高校数学の全単元にわたって、非常に
大切な考え方となります。例えば、Ⅱ+B の 197,199 は、この考え方を3次不等式
に対して適用しています。
ここでは、2次関数の最大・最小問題に還元されるものを学習しましょう。
例題・練習・問題 No.
Ⅰ+A
Ⅱ+B
104
Let’s Try!
Perfect Master
7-5
10-6
5 章-4(1)
区間が限定されておらず、すべての実数で成立する2次不等式については、判
別式を利用して解きます。(4-4. 絶対2次不等式になる条件 で学習)
-4-
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『高校代数の再構築』
§3.2変数関数の最大・最小
2変数関数というのは、 z = f(x; y)
の形をしているもので、教科書では軽く
流していますが、入試での出題頻度は高いです。いろいろな種類の問題があり、
タイプごとに考え方が変わってきます。
また、
「不等式 A≧B を示せ」という問題は、A-B≧0
すが(例外もあります)、これを 「A-B
を示すのが原則で
の最小値が 0 以上である」と考える
ものがあります。不等式の証明法はいくつもあるのですが、あくまでもその中の
一つに、このようなものがあるということですので、すべての不等式の証明問題
がそのようにすれば解けるという意味ではありませんので、誤解のないように。
3-1.
条件式のないもの
「x + y = 1
のとき」というような、 x と y の間の関係式が与えられていな
いものです。 まず、x について降べきの順に整理し、x の2次関数と考えて最
小値を求め、次にその最小値を y の2次関数とみなします。簡単に言えば、『平
方完成を2回する』ということです。
例題・練習・問題 No.
3-2.
Ⅰ+A
1, 85
Ⅱ+B
54(例題と練習), 58(例題と練習)
Let’s Try!
条件式が等式であるもの
条件式から1文字を消去して、1変数関数に直すものです。
例えば、
「 x2 + y2 = 1
のとき」には「-1≦ x ≦1」という変域が隠されています(Ⅰ
+A の 86)。
条件式を y2 =
に変形して代入するときは、この『隠れた条件』に注意しまし
ょう。
例題・練習・問題 No.
Let’s Try!
Ⅰ+A
83, 86
8-10
Ⅱ+B
165(問題)
13-5
-5-
『高校代数の再構築』
3-3.
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条件式が不等式であるもの
条件に、
「 x + y ≧1」のような、 x と y の不等式があるものは、領域を図示し
て図形的に解決することになります。
条件の不等式が「 y ≧0」「-1≦ x ≦1」のように x だけ、 y だけの式の場合は、
§3-2 で学習したように処理しますので注意してください(Ⅰ+A の 83)
。
P.M.4 章-10 のように、条件式が等式であても、3-2.のように代入できない場合
は、図示して考えます。
例題・練習・問題 No.
Ⅱ+B
109, 110
Let’s Try!
9-1, 3
-6-
Perfect Master
4 章-10
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§4.判別式の使い方
2次方程式の判別式は、2次関数や2次方程式以外の単元の問題でも使います。
特に数Ⅱ+Bの単元では、「こんなところで!」と驚いた経験もあるかも知れませ
んが、登場するには登場する理由があるのですから、その理由をしっかり押えま
しょう。
4-1.
2次方程式の解を調べる
判別式の練習に入る前に、2次方程式の解法を復習しておきましょう。
例題・練習・問題 No.
Ⅰ+A
Let’s Try!
45, 47
2次方程式の解は、放物線と x 軸の交点(の x 座標)という図形的意味があ
ります。放物線と直線の交点、放物線と放物線の交点を求めるときにも、2次方
程式を立てることになります。
例題・練習・問題 No.
Ⅰ+A
87(例題と練習), 91
Let’s Try!
8-1, 2, 3
2次方程式が、
「異なる2つの実数解をもつ」
「重解をもつ」
「虚数解をもつ」こ
とを判別するのが、判別式のそもそもの意味でした。
例題・練習・問題 No.
Ⅰ+A
48, 102, 158
Ⅱ+B
18, 19
Let’s Try!
判別式が使えるのは、実数係数の2次方程式のときのみであることに注意しま
しょう。虚数係数の方程式については、判別式は使えません。
例題・練習・問題 No.
Ⅱ+B
13, 22, 23
Let’s Try!
3-3
-7-
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4-2.
高次方程式の解を調べる
まずは、高次方程式の解法を復習しておきましょう。
例題・練習・問題 No.
Ⅱ+B
Let’s Try!
36, 37(例題と練習), 38, 39, 40
3次方程式・4次方程式に判別式はありませんが、因数分解できるものは、2
次方程式の部分に対し判別式を使うことで、高次方程式の解を判別します。
因数分解できないものは、微分法を応用して解を判別します。
(Ⅱ+Bの Play Back-3, 193, 194, 195 参照)
例題・練習・問題 No.
Ⅱ+B
4-3.
Let’s Try!
37(問題), 44, 45
Perfect Master
1 章-2
放物線と直線の位置関係を調べる
放物線と x 軸、放物線と直線、放物線と放物線が、
「交わる」か「接する」か「交
わらない」かを調べるときに、判別式を使います。
例題・練習・問題 No.
Ⅰ+A
89, 90, 96
Ⅱ+B
97(例題と練習)
Let’s Try!
円と直線の位置関係を調べるときは、点と直線の距離の公式を利用します。
βでは、Ⅱ+B の 92 を判別式の解法と、点と直線の距離の公式の解法の2つを
紹介していますが、実際の入試問題を解くときは、判別式の方法では計算が煩雑
になり、実戦的ではありません。点と直線の距離の解法が原則です。
-8-
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4-4.
絶対2次不等式になる条件
すべての x について成立する2次不等式を絶対2次不等式といいます。図形的
に考えると、グラフと x 軸とが交わらない(または接する)ということですから、
判別式が登場します。
注意として、「1≦ x ≦2
のとき、 x2 à ax + 1 > 0
が成立する条件」という
ように、『限られた区間で、常に成立する不等式』は、また別の問題です(§2-5
既出)。
また、3次方程式 f(x) が単調増加である条件は、x3 係数が正、かつ『全ての
x で f0(x) ≧0 』ですが、f0(x) は2次式になりますから、絶対2次不等式の問題
になるわけです。
例題・練習・問題 No.
4-5.
Ⅰ+A
100
Ⅱ+B
21, 187
Let’s Try!
Perfect Master
3 章-10
実数条件
高校数学であつかう数は、特に断りのない限り「実数」です。あつかっている
文字が実数であることを規定するために、
「実数条件」として判別式が登場します。
Ⅱ+B PM2 章-10 のような「解と係数の関係の逆」との融合問題は、難関大入試
では定番です。解と係数の関係学習後に挑戦してみてください。
例題・練習・問題 No.
Ⅰ+A
Let’s Try!
108
Ⅱ+B
4-6.
Perfect Master
2 章-10
2次方程式の整数解
整数といっても、実数には違いないのですから、まずは実数解をもつ条件から
定数のとりうる値の範囲を絞り込もうという考え方です。整数問題のテクニック
の一つです。Ⅱ+B 31 のように、範囲が絞り込めないものもあります。
例題・練習・問題 No.
Ⅰ+A
109
-9-
Let’s Try!
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4-7.
図形が通過する領域
βには収録されていないのですが、判別式を使う重要問題に、
「図形の通過する
領域を図示せよ」というものがあります。
【例題】
k がすべての実数をとるとき、
直線
2kx + (k2 à 1)y + 2(k à 1)2 = 0
が、通過する範囲を図示せよ。
『考え方』
k がいろいろな値をとれば、直線の傾きも y 切片もいろいろ変化するので、
それらすべての直線を1つの座標軸に描き込むと、座標平面が真っ黒に塗り潰さ
れる気がしますが、そうはならないというのです。
逆に、直線が例えば ( 1, 1 ) を通ると仮定して、そのときの k の値を求めて
みましょう。
直線の方程式に x = 1 ; y = 1
を代入すると、
2k + (k - 1) + 2(k - 1) 2 = 0
2
2k + k 2 - 1 + 2k 2 - 4k + 2 = 0
3k 2 - 2k + 1 = 0
p
1æ 3i
k=
3
となり、虚数になってしまいます。
k は実数ですから、与えられた直線は、点( 1, 1 ) を通ることは出来ないと
いうことです。
文字の入った図形の通過する領域の問題は、与えられた図形の方程式を、 x; y
以外の文字(例では k )の方程式と見て、式を整理し直します。
つまり、点 ( x; y ) を通るときの k を求めてみようと考えるわけです。
そして、その方程式が実数解をもつときの
式が表す領域を図示することになります。
- 10 -
x と y の条件を求め、その関係
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『高校代数の再構築』
『解答』
直線の方程式を、 k の2次方程式とみて変形します。
2kx + (k2 à 1)y + 2(k à 1)2 = 0
2kx + k2y à y + 2k2 à 4k + 2 = 0
(y + 2)k2 + 2(x à 2)k à (y à 2) = 0
… ①
この k の方程式が、実数解をもてば良い。
(イ)
y6= à 2 のとき( y = à 2 のときは、2次方程式でないので判別式は使えない)
D0 = (x à 2)2 + (y + 2)(y à 2) = (x à 2) 2 + y2 à 4 ≧0
(ロ)
y = à 2 のとき
① に代入すると、
0 + 2(x à 2)k à (à 2 à 2) = 0
となり、 x = 2
【答】
円
(x à 2)k = à 2
のとき、この式をみたす実数 k は存在しない。
(x à 2)2 + y2 = 4 の外部および周
ただし、点 ( 2, -2 ) を除く。
- 11 -
(図略)
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§5.対称式
対称式の問題も入試頻出です。このセクションでは、βに収録されている対称
式の問題を集めてみました。
「こんなにあるのか!」とビックリするかもしれませ
んが、解と係数の関係が絡んでくるものは、次節に回していますから、それらを
除いてもこれだけあります。
「対称式」というのは、高校数学の大きな柱の一つな
のです。
5-1.
対称式の変形
対称式の計算問題を集めました。式変形をしっかり押さえてください。
例題・練習・問題 No.
Ⅰ+A
30, 149
Let’s Try!
13-5
Ⅱ+B
Perfect Master
1 章-7
2-3, 5
117, 149
10-3
265(練習)
5-2.
対称式の最大・最小
対称式の最大・最小は、和を t と置き換えて、t の2次・3次関数に直します。
置き換えた文字 t の範囲の求め方も重要になります。
例題・練習・問題 No.
Ⅱ+B
Let’s Try!
139(例題と練習)
151
Perfect Master
3 章-9
12-4
198
- 12 -
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§6.2次方程式の解と係数の関係
入試では、2次方程式の係数に文字が入ってきます。文字の入った2次方程式
を解の公式で解くことはほとんどありません。
文字の入った2次方程式は、
① 判別式を利用する
② 解と係数の関係を利用する
③ 解の配置問題に作り直す
のいずれかの考え方で対処します(複数の考え方が必要なものも多くあります)。
どのような問題で、解と係数の関係を利用するのかを押さえてください。
6-1.
2次方程式の解と係数の関係
まずは公式の復習から
例題・練習・問題 No.
Ⅱ+B
6-2.
24, 25, 26, 97(問題)
2次方程式の解が
Let’s Try!
3-1, 4
Perfect Master
1 章-3, 7(1)
sinθ と cosθ
入試問題は、1問で複数の単元の知識を問いたいですから、2次方程式と三角
関数の融合として、このような出題が多いです。問題のための問題という印象が
強いですね。
例題・練習・問題 No.
Ⅰ+A
Let’s Try!
Perfect Master
159
Ⅱ+B
3 章-5
- 13 -
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6-3.
3次方程式が x =α , β で極値をもつ
3次関数 y = f(x) が x =α , β で極値をもつということは、
f 0(x) = 0
2次方程式
の解が、α と β ということですから、解と係数の関
係の出番です。
例題 186
は、解と係数の関係より、
-1+ 3 = -
2a
3
b
3
として、 a = à 3 ; b = à 9 と瞬殺してください。
- 1´ 3 =
例題・練習・問題 No.
Ⅱ+B
6-4.
186, 188
Let’s Try!
15-1(4)
Perfect Master
5 章-4(2),6
中点の軌跡
中点の軌跡とくれば、解と係数の関係です。解と係数の関係を使う前に、交点
をもつ条件を D>0 から求めておくことを忘れないように。
例題・練習・問題 No.
Ⅱ+B
103
- 14 -
Let’s Try!
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6-5.
β-α
を求めるもの
( b - a ) 2 = (a + b ) 2 - 4ab
から、β-α
を求める問題です。『放物線の弦の長さ』、『放物線と直線の囲む面
積の最小値』が代表です。これも、解と係数の関係を使う前に、交点をもつ条件
を D>0
から求めておくことを忘れないように。
『円の弦の長さ』は、点と直線の距離の利用が原則です(例題 95 の別解)。
(最初にⅡ+B の 96 をやって下さい)
例題・練習・問題 No.
Ⅰ+A
Ⅱ+B
Let’s Try!
8-4
2 章-7
96
219(問題)
6-6.
Perfect Master
5 章-15
2次方程式が2つの整数解をもつ
解と係数の関係から、不定方程式を作ります。
例題・練習・問題 No.
Ⅱ+B
31
- 15 -
Let’s Try!
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『高校代数の再構築』
6-7.
解と係数の逆
t 2 - pt + q = 0
の2つの解を x ; y とすると、解と係数の関係より、
が成り立ちます。
x + y = p ; xy = q
逆に、 x + y = p ; xy = q
をみたす α,βは、 t 2 - pt + q = 0
の解
であるといえます。
『和が p , 積が q である2数は、 t 2 - pt + q = 0
注意1
連立方程式
第 1 式を y = x à 2
ú
x+y = 2
xy = 4
の解である』
は、
として、第 2 式に代入して解くのではない!ということで
す。
x ; y は、 t 2 - 2t + 4 = 0 の解である。
p
とし、解の公式で t = 1 æ 3 i と求め、
p
p
p
p
(x; y) = (1 + 3 i; 1 à 3 i) ; (1 à 3 i; 1 + 3 i )
と解きます。この解法でないと、レベルの高い問題に対応できません。
注意2
注意1の連立方程式は、和が 2, 積が 4 の2数を求めよ、という意味で
もありますが、和 p と積 q が 2,4 のように実数だとしても、求める2数は実
数とは限りません。
例えば、『2つの実数 x と y の和が a ,積が 1 である( a も実数)』という
ことが、問題から読み取れたのならば、
t 2 - at + 1 = 0
の実数解である。
2
とし、 D = a - 4 ≧ 0 から、 a ≦ -2 ,
a ≧ 2 という条件を求めておくこと
x ; y は、
が大切です。
例題・練習・問題 No.
Ⅰ+A
53…(3)の別解の解き方で
Ⅱ+B
28
Let’s Try!
3-5
Perfect Master
2 章-10
Ⅱ+B の 2 章-10 が理解できたら、入試数学がなんとなく見えてくると思います。
- 16 -
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§7.2次方程式の解の配置問題
「2次方程式の2つの解がともに1以上である」というように、解の範囲が与
えられている問題を『解の配置問題』といいます。
文字の入った三角方程式・指数方程式の問題で、t = sin x
や
t = 2x
と置き
換えて2次方程式に直すタイプのものは、『解の配置問題』になります。
例えば、
『 4x + 2x à a = 0
t = 2x
が実数解をもつ条件を求めよ』という問題は、
と置き換えると、 t 2 + t - a = 0
となりますが、
「実数解をもつのだから、これの判別式が
D≧0 ならいいのだな」
としてはいけません。
t = 2x > 0 なので、『 t 2 + t - a = 0
の少なくとも1つの解が 0 より大きい』と
いう解の配置問題に作り直して考えなければいけません。
「偏差値 60 の壁」にあたる問題だと思います。
7-1.
1つの解だけが、ある範囲にある
2次関数
f(x) = ax2 + bx + c
ì f ( p) < 0
í
î f ( q) > 0
において、
(a > 0)
ì f ( p) > 0
í
î f ( q) < 0
または
が成り立つならば、y = f(x) のグラフは
p<x<q
の範囲で x 軸と1点で交
わることになります。
これは、2次方程式
ax2 + bx + c = 0 が、p < x < q の範囲に解を1つもつと
いうことです。
例題・練習・問題 No.
Ⅰ+A
Ⅱ+B
65, 92, 105, 106
Let’s Try!
8-8
3-6
- 17 -
Perfect Master
『高校代数の再構築』
7-2.
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2つの解が「ともに」、ある範囲にある
解と係数の関係を利用する解法もありますが、例えば
「2つの解がともに1より大きい」は、和が 2 より大きいので、α+β>2
となり
ます。
これはいいのですが、積が 1 より大きいということを、αβ>1 としては間違い
で、(α-1)(β-1)>0 という条件式を立てなければいけません。何故なら、α=10 ,
β=3/10
は αβ>1 をみたしてしまうからです。
また、解と係数の関係は虚数解でも成り立つことを見落としてしまい、D≧0 も
忘れがちになります。
このような理由から、私は解と係数の関係を利用した解法はお奨めしていませ
ん。
Ⅰ+A の例題 107 や Ⅱ+B の Play Back 1 (p.47) の、グラフを利用した解法を
お奨めします。
例題・練習・問題 No.
7-3.
Ⅰ+A
107
Ⅱ+B
30(Play Back の解法)
Let’s Try!
8-9
Perfect Master
5 章-6
1 章-7(2)
少なくとも1つの解が、ある範囲にある
「2つの解がともにその範囲にある場合」と「1つの解だけがその範囲にある
場合」に場合分けするのが原則です。
例題・練習・問題 No.
Ⅰ+A
Let’s Try!
Perfect Master
3 章-9
- 18 -
by「高校数学の自習室」 http://www.jttk.zaq.ne.jp/alp/
『高校代数の再構築』
7-4.
三角方程式・指数方程式・対数方程式の実数解の個数
ここでは、 t = sin x や t = 2x と置き換えて、t の2次方程式に直し、その2
次方程式が、
「どのような範囲にいくつの解をもてばいいのか」という問題に直す
タイプのものを取り上げています。
127(問題) や 4 章-11 のように、グラフを利用すると簡単に処理できるものもあ
ります。
例題・練習・問題 No.
Ⅱ+B
7-5.
127(問題)
Let’s Try!
Perfect Master
12-5
3 章-11,4 章-11
3次関数の極値を与える x の範囲が与えられている
βには収録されていませんが、3次関数 y = f(x)
2次方程式
0
f (x) = 0
の極値を与える x は、
の解であることより、解の配置問題と絡めた入試問題も
見られます。
- 19 -
by「高校数学の自習室」 http://www.jttk.zaq.ne.jp/alp/
『高校代数の再構築』
§8.絶対値の処理の仕方
私もオリジナル問題を作成することがあるのですが、作ってみた問題が「ちょ
っと簡単かな?」と感じたときには、絶対値をつけることでレベルを上げたりし
ます。お手軽に難易度を上げることができるので、問題作成者には重宝されます。
解答者の立場から言い換えれば、絶対値をはずしてやれば、その問題は平易な問
題に変わるということです。
絶対値のはずし方は、大きく分けて2つあります。
① 場合分けをしないもの
② 場合分けをするもの
2乗して外すタイプのものもありますが、あまり多くありませんので、ここで
は扱いません。
8-1.
|f(x)|=k , |f(x)|≦k , |f(x)|≧k
左辺全体に絶対値がついていて、右辺が定数の形の方程式・不等式は、場合分
けをせずに絶対値をはずします。
k を正の定数とするとき、
jf(x)j = k ) f(x) = æ k
jf(x)j ≦ k
jf(x)j ≧ k
) à k ≦ f(x) ≦ k
)
f(x) ≦ à k
または
f(x) ≧ k
となります。
例題・練習・問題 No.
Ⅰ+A
39, 40
Ⅱ+B
問題 106(1)
Let’s Try!
Perfect Master
2 章-3, 3 章-6
- 20 -
『高校代数の再構築』
8-2.
by「高校数学の自習室」 http://www.jttk.zaq.ne.jp/alp/
場合分けが必要な方程式・不等式
左辺の一部分だけに絶対値がついていたり、 jx à 1j < 2x + 3
のように、左辺
全体絶対値でも、右辺に x があるなど、8-1.の形でない方程式・不等式は、
絶対値の中が 0 以上の場合と 0 以下の場合
で場合分けをすることになります。
絶対値をはずして求めた方程式・不等式の解が、場合分けの条件に適している
かどうかを確認することを忘れてはいけません。
例題・練習・問題 No.
Ⅰ+A
24, 25, 34, 41, 42
Let’s Try!
2-1
Perfect Master
1 章-4
49, 87(問題)
8-3.
関数
y=|f(x)|
右辺全体に絶対値がついている関数です。
y = jf(x)j
のグラフを描いて、 x 軸より下の部分を、x
のグラフは、 y = f(x)
軸対称に、上に折り返します(Ⅰ+A 例題 59 POINT 参照)。
ですから、場合分けをする必要はありません。
このタイプのグラフを描いて考える問題は、思いのほか多いです。
(グラフを描く問題は、場合分けをせずに、 x 軸で折り返して描いてください)
例題・練習・問題 No.
Let’s Try!
Perfect Master
Ⅰ+A
59(1), 72
Ⅱ+B
184(問題),
3 章-7
206 (例題と練習), 216
5 章-14
- 21 -
by「高校数学の自習室」 http://www.jttk.zaq.ne.jp/alp/
『高校代数の再構築』
8-4.
絶対値のついた関数
8-3.の形でない関数、つまり、右辺の一部分に絶対値がついている、あるいは
絶対値が複数ついている関数は、場合分けで絶対値をはずさないといけません。
例題・練習・問題 No.
Let’s Try!
Ⅰ+A
57, 59(2), 60, 71,
5-2
Ⅱ+B
問題 106(2), 例題 111(2)
9-2
Perfect Master
3 章-4
練習 111(1), 問題 206
問題 207
8-5.
絶対値のついた方程式の実数解の個数
絶対値のついた2次方程式が実数解をもつ条件を求める問題に、判別式は使え
ません。
例えば、「 x2 à 2jxj à k = 0
が、実数解を持つ条件も求めよ」
という問題を、
x ≧0 のとき、
x2 à 2x à k = 0 の判別式 D = 1 + k ≧0 として、 k ≧-1
とする人が多いですが、条件はこれだけでは足りません。
「 x2 à 2x à k = 0
が
x ≧0 に少なくとも1つの解をもつ条件」
を考えなければいけないのです。
x ≦0 のときも同じような解の配置問題を解かなければならないことになりま
すが、非常に面倒です。
そこで、絶対値のついた方程式の実数解の個数は、上述のような考え方をせず、
グラフを利用して考えます。文字が定数項のみに入っている問題では「文字分離」
の考え方が有効です。Ⅱ+B 例題 194 の考え方は、このような問題にも応用でき
るのです。
例題・練習・問題 No.
Ⅰ+A
Ⅱ+B
Let’s Try!
Perfect Master
2 章-9, 3 章-6
194(問題)
- 22 -