診察な ど で お待 ち の間 に お読 み頂 く パ ン フ レ ッ ト で す 。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 平成 20 年 2 月 1 日 発行 KKR札幌医療センター 〒062-0931 札幌医療センター 札幌医療センターつうしん センターつうしん 札幌市豊平区平岸1条6丁目3-40 電話(011)822-1811 h tt p : //w w w.k kr - s mc .co m (20- 20-2 号) ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 2 月(如月)のこよみ 2 月 3 日(日) 2 月 4 日(月) 2 月 11 日(月) 節分 立春 建国記念日 高度医療機器 ─ シリーズ1 シリーズ1 今月号より高度医療機器について病院の診療機能のご理解と受診の参考にしていただけれ ばとシリーズで毎月とりあげていきたいと思います。 医療分野では高度医療機器とは重度心身障害者、重症患者等の診断・治療等、あるいは健康 管理、疾病障害予防、緊急対策に利用・寄与する機器を指します。 今回は ESWL(対外衝撃波尿路結石破砕装置)のご案内です。 ESWL は腎結石および尿路結石を破砕する方法とその装置で対外で発生させた音速よりも早 い速度の破壊力をもつ密度波(衝撃波)を体内の結石に複数回当てることにより結石を細かく砕 き尿と共に体外へ排尿させることができるため切開手術的方法に頼らない治療ができます。 結石は高齢者や男性に多く生じます。 また結石があっても無症状の場合もあり治療が遅れると回復不能な腎臓の障害が起こる為、 早期の診断がやはり重要です。 その意味でも電気水圧方式による ESWL は破砕力に優れているので現在では腎臓や尿路結石 の治療機器として ESWL が第一選択になっています。 しかし、すべての患者さんが適応となるわけではありません。 たとえば腎臓機能低下の方、尿管閉塞の方、妊娠中の方も胎児保護の関係で受けられません。 次回は放射線治療関係の機器を予定しております。 参考文献 Yahoo ヘルスケア、http://www.ehp.kitasato-u.ac.jp 当院は《敷地内全面禁煙》となっております 麻酔技術の 麻酔技術の進歩 麻酔科部長 中村 功 手術を受けるには,通常なんらかの麻酔が必要となります.現代社会では,患者さんがも し強く希望されても、麻酔なしで手術を行うことは倫理的に許されないでしょう. 麻酔は大きく分けると,意識のある局所麻酔と手術中の意識がない全身麻酔に大別されま す.私たち麻酔科医はいずれの麻酔も行いますが,近年,全身麻酔の技術が大きく進歩し, 安全で確実な医療手段として認識されるようになってから,適応範囲の拡大とともに着実 にその件数が増加しています. 30 年以上前,私が医学生の頃には,扁桃腺摘出術は局所麻酔で行われることが多く,子供 のアデノイド摘出は麻酔無しで施行されていました.虫垂炎の手術には,小児であっても 手術中に意識のある腰椎麻酔が行われていました.これらの手術は,現在ほとんど麻酔科 専門医による全身麻酔でおこなわれています.小児期の手術に際しては,十分愛護的にケ アーをしないと、術後、精神的ショックから食事をとらなくなる,一時的に退行現象(幼 児化)が起こることが指摘され,精神的恐怖や痛みを伴う手術では通常全身麻酔が行われ るようになりました. 欧米では,さらに進んで,小児の検査や疼痛をともなう処置でも麻酔科専門医や専門の看 護師がついて,鎮静薬や軽い全身麻酔薬を用いるようになってきています.かなりの痛み を伴う骨髄穿刺や大人でも恐怖のある腰椎穿刺、長時間じっとしていなければならない MRI や CT の検査などではセデーションという軽い麻酔を行って,自然に近い眠りのうち に検査が終了するよう配慮されています.日本では,麻酔科医のマンパワー不足と健康保 険の制度上の制約などから、まだ麻酔科医が小児のセデーションに関与することは多くあ りませんが、将来は小児麻酔の専門医がこれらを担当する日も遠くないでしょう. 一方,80 才以上の高齢者の手術件数は年々増加しており,90 才以上の手術もまれではなく なりました.当院でも 86 歳以上の超高齢者の手術比率は 2001 年にはわずか1.4%でし たが 2007 年には4%をしめるまでに増加しています.これは手術技術の進歩はいうまでも ありませんが、全身麻酔の技術革新も大きく寄与しているのです. はじめて麻酔を受ける方が不安を抱くのは当然ですが、特に心臓や肺など重要臓器に合併 症のない方の場合には、麻酔に起因する重大な事故や死亡する確率は10万件に1件程度 と報告されています.これは約13時間のフライトで東京ホノルル間を往復した場合の死 亡率に相当すると言われています.さらにわかりやすい例えとして、1年間に交通事故で 死亡する確立(10万人に5人)と比較されることもあります.いずれにしても、麻酔薬 自体の進歩に加え、呼吸や循環をモニターする医療機器の進歩はめざましいものがあり、 全身麻酔は、専門の麻酔科医が行う限り、けっして危険なものではないのです.
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