泌尿器科

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済生会千里病院
泌尿器科
はじめに
当院泌尿器科は、常勤医 3 人(副院長兼泌尿器科部長 1 人、泌尿器科副部長 2
人)であり、すべて指導医の資格を有し、2008 年 4 月以降に新たに就職したス
タッフである。専門領域は、主に、尿路性器がんであるが、尿路結石、エンド
ウロロジーにも、精通している。また、開腹手術に加えて、腹腔鏡手術を取り
入れた低侵襲性手術も多い。ほとんどの疾患に対応することが可能である。
若い研修医にとって、泌尿器科疾患全般について、手術療法、抗がん剤によ
る化学療法、尿路感染症の治療などが研修できる。また、1次から 3 次までの
救命救急センターがあるので、腎、膀胱、尿道などの尿路外傷、DIC に至る重症
尿路感染症も経験できる。
診療内容
泌尿器科では尿路、後腹膜腔と男性生殖器に関わる疾患を対象としており、
悪性腫瘍(腎臓、腎盂・尿管、膀胱、前立腺など)、尿路結石、前立腺肥大症な
どの手術治療を中心に、抗がん剤化学療法、また、尿路感染症、外傷など幅広
く扱っている。
当科における手術実績は、2009 年は 358 例であった。以下に手術内容を概略
する。
泌尿器癌の中でも前立腺癌は増加傾向にある。前立腺生検入院は 2 泊 3 日で
行い、2009 年は 84 例に施行し、そのうち 11 例に前立腺全摘術を施行した。2010
年度からは PSA 検診が吹田市民検診も導入され、前立腺癌を発見する機会が増
えることが予想される。腎、腎盂・尿管癌に対する治療としては低浸襲性と機
能温存を目指している。2009 年に腹腔鏡による低浸襲手術が 14 例、腎部分切除
による機能温存手術が 5 例、開腹手術による腎全摘術が 7 例であった。膀胱癌
に対しても低浸襲性と機能温存を目指しており、2009 年に経尿道的膀胱腫瘍切
除術 62 例、膀胱全摘術 6 例であった。
尿路結石に対して、ESWL(体外衝撃波砕石術)は基本的に入院せず外来通院に
よる治療を行っている。ESWL でも砕石困難な腎結石や尿管結石に対しては経尿
道的(TUL)または経皮的(PNL)に尿路結石を砕石&除去している。2009 年は、
ESWL80 例、TUL11 例、PNL3 例であった。
前立腺肥大症に対しては低浸襲治療による排尿障害の改善を目指しています。
2009 年度には経尿道的前立腺切除術 29 例、被膜下摘除術 5 例であった。
以上のように泌尿器科医が習得すべき手術手技は多彩であるが、当科では十
分な症例数と指導スタッフが揃っているので満足してもらえる施設であると自
負している。