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多言語対応・広域災害情報予測システム(CARED)とは?
CARED とは、「多言語対応・広域災害情報予測システム(Multilingual Wide
View Disaster Information Prediction System)」のモバイルアプリです。災害発生
時、被災者にスマートフォンのアプリを通じて被害の状況について簡単に答
えてもらい、その回答から把握された被災状況を、地図上に視覚的に表示す
る仕組みとなっています(被害
のレベルを深刻な順に赤 、黄
色 、緑 の 3 色の点で表示)。
この情報は、地方自治体ごとに
データ化することができ、各自
治体における被害予測や緊急援
助計画の策定に役立ちます。大
阪大学未来共生(RESPECT)プロ
グラム・塚本研究室が開発した
このシステムは、ガジャマダ大
学国際関係学科との連携の下、現在インドネシア国ジョグジャカルタ特別州
において実証実験が進められています。CARED は現在、8 か国語(インドネシ
ア語、ジャワ語、英語、日本語、韓国語、中国語、スペイン語、ポルトガル
語)で利用可能です。
広域災害情報予測システム CARED の基本的な特徴
(1)被災状況を分析・可視化:被災者のスマートフォンを通じて収集した被
災状況を地図またはデータの形で表示します。
(2) 広範な地域からの情報収集が可能:地方自治体を越えてデータを収集す
ることができ、より広域的な災害管理支援の提供が可能となります。
(3) 救援活動の状況の進捗状況を時系列で確認:たとえば週に一度、追跡調
査を実施することで、被災者の被災状況の経時的な変化を捕捉・分析するこ
とができます。
(4) 国籍ごとの分析が可能:在日外国人に対する災害管理の一貫として、各
国大使館・領事館との連携の下、被災者の国籍を特定し、被災状況を分析す
ることができます。
(5) 外国人観光客のための災害ガイドラインを提供:日本滞在中の外国人観
光客が利用できる災害タイプごとの一般的なガイドラインを現在 11 カ国語で
提供しています(インドネシア語、ジャワ語、英語、日本語、韓国語、中国
語、フランス語、ドイツ語、タイ語、スペイン語、ポルトガル語)。この情
報は、2020 年東京オリンピック中の外国人のための防災対策にも利用するこ
とができます。
(6) 感染症の予測・追跡に利用可能:各自治体が、感染症(インフルエンザ
など)の集団発生を追跡し、域内の感染ピークを予測した上で適切な措置を
とることができます。
(7) この他の災害にも利用可能:この他、CARED は口蹄疫など家畜の感染症
の発生や、降雪など気象に関する危険にも応用することができます。
(8) 個人の安否確認ツールも提供:CARED は、管理者は、被害の全体像を地
図上に色別に表示(赤 :安全でない、緑 :安全)するだけでなく、個人
の安否情報を指定された 5 件のメールアドレスまたは携帯電話番号(SMS:シ
ョートメッセージサービスを利用)に送信することができます。
(9) 火山災害時、日本人/外国人旅行者のマッピングが可能:富士山などの
火山登山者に導入し、有事の際に旅行者の居場所とその後の動きを表示する
ことができます。あわせて、これらの旅行者に災害関連情報を提供すること
も可能です。その他の火山についても地図上で可視化することができます。
(10) 災害の前兆を捕捉:全国 52 万か所に存在する土砂災害の危険がある地
域の住民から、湧き水や山鳴りといった前兆を察知した際の報告ツールとし
て用いることができます。
CARED の仕組み:
CARED は、地理情報システム(GIS)を活用し、災害後の状況を動的に可視化
するシステムです。システムは、自らの被災状況(火山噴火や地震、洪水、
津波、台風、鳥インフルエンザ、土砂災害など)について信頼のおける情報
を提供する、ボランティア・ユーザーの協力に基づいて運用されています。
この他、アプリを通じて所属組織などで安否確認や災害関連のガイドライン
やニュースなども提供できます。
災害時に CARED アプリを使うには、アプリに登録した上で、被害の程度に関
する質問に回答します(深刻度が高い、中程度、低い)。この回答データは
集約された上で、当該ユーザーの居場所とその地点の被害の程度が大きい順
に赤、黄、緑で広域マップ上に視覚的に表示されます。CARED のホームペー
ジ(www.cared-apps.org)上では、この報告システムを通じて収集されたデー
タの全体を閲覧することができます。Android 版では、アプリから広域被災情
報を確認できます。
CARED の報告システムを利用することで、被災者自身、または、関係機関は
災害の被害に関して大まかな傾向を把握し、適切な措置を執ることが可能と
なります。また、政府や民間企業、人道支援団体は被害をマッピングし、対
応に優先順位を付けるとともに、救援物資の送付(特に被害が最も深刻な地
域の住民への送付)にあたっての各機関同士の連携を強化することができま
す。
安否確認
安否確認ボタンから、被災者は、会社や機関に対して優先度の高い警告を送
ることができます。このメニューを利用して、ユーザーは、
自らの現状を報告し、安全であるかどうか状況を連絡する。
コメントや状況の詳細を写真などで危機や危険に遭遇して
いることを報告することかできます。
推奨:「安全でない」と回答する被災者は、可能な場合に
は、危険について写真や説明の文書により具体的に報告す
ることが推奨されます。あなたの安否情報の送信先として、
最大 5 件の受信者(家族、会社、および友人)のメールアド
レスおよび電話番号を登録することができます。また、こ
の指定された受信者は、安否情報とあなたの居場所を地図
で閲覧することができます。
また、運用管理者は、所属する関係者の安否状況を PC またはタブレット上で
被災状況と報告された安否情報を地図上で赤 ・緑 で確認し、また統計的
分析の結果とそのグラフを見ることができます。
CARED の設定
Google 、またはアップル・ストアで“CARED Safety Confirmation”で検索し、
インストールメニューを選択します。iPhone の場合、8つの言語メニュー
(インドネシア語、英語、ジャワ語、日本語、韓国語、中国語、スペイン語、
ポルトガル語)から使用する言語を選択します。Android 版の場合、携帯の言
語の設定を7か国語(ジャワ語は除く)にするとそれぞれの言語での使用が
可能となります。
携帯電話の GPS 機能をオンにします。
「新規登録」をクリックし、必要事項を入力して登録します。災害への備え
に関する一般的な質問に回答し、メインメニュー(災害、安全ガイド、最新
ニュース)に進みます。
「安全ガイド」をクリックすると、現在 11 か国語で災害への備えに関する情
報を閲覧できます。
「安否確認」をクリックすると、緊急時連絡先に 5 か所のメールに安否速報
を送信できます。
「最新ニュース」をクリックすると、関連機関から提供された最新のニュー
ス、情報、災害警報を閲覧することができます。
Note:CARED を使うためには:
CARED を使うためには、個人で使用する場合は、所属団体、ID 番号は特に記
さず「None」でも構いません。学校や大学、企業など組織として用いる場合、
登録申請時に所属機関名と ID 番号(組織が発行する ID 番号、学籍番号、パス
ポート番号)を開示することが必要です。所属する組織、または、大使館・
領事館などで使われる時、ユーザーは、緊急連絡先をも必ず明記してくださ
い。個人情報は、個人情報保護により各所属機関のみ確認でき管理されます。
連絡先: 大阪大学 塚本研究室 [email protected]
備考