Ver3.0 2010/08/20 DSC の使い方 転移点測定の仕方 Ⅰ.運転開始 1. 液体窒素と窒素ガスの残量を確認する。 2. 測定中は換気扇をまわすことにより換気を十分に行う. (冷媒に液体窒素を 使うため) 3. ヘリウムボンベと窒素ボンベの弁を順に開く。まず、各々のバルブが閉じて いること、押しねじが低側いっぱいに回され、一次、二次圧力指針が O である ことを確認する。 4. 一次側の供給バルブを開く。続いて、押しねじを増の方に回転させ二次供給 圧力を調節する。このときのガス圧はそれぞれ ヘリウム:1.4 kgf/cm2 、窒 素:1.5 kgf/cm2 とする。一次、二次圧力計の指針に変動がなくなったら(安 定したら)、二次側バルブを開きガスの供給を開姶する。 5. 液体窒素デュワーの VENT バルブを閉じる. 6. 液体窒素デュワー上のポンプ,DSC 本体、コンピュータの電源を入れる. この とき、login は User1、パスワードは無しとする。 Ⅱ.試料の準備 1. 試料パンの質量をあらかじめ測る. 2. 試料パンに試料をのせたまま、電子秤で試料の質量を測る. 3. 試料パンに蓋をして、クリンパーで皿ごと試料をつぶす。このとき、つぶした 皿の底が出来るだけ平らになるようにすること。 Ⅲ.ソフトウエアの操作 1. Pyris Manager を開く。 2. Pyris1 DSC のボタンを押す。Instrument Viewer と Method Editor のウイン ドウが開く。 3. Cover Heater、Cryo Fill(ポンプ作動ボタン)、 Air Shiel(試料周りの空気 と外気をヘリウムガスで隔絶する)のボタンをそれぞれ押す。 この時 Clean Furnance は絶対に押さないこと. 4. Go To Temperature の下の表示を 50℃に設定し Go To Temperature のボタン を押す。この後、本体のタンクに液体窒素満たされるまで待つ。(約 1 時間) 5. Method Editor の Sample Information を呼び出して、データフアイルの名前、 実験者の名前、コメントなどを入力する。繰り返し実験する予定がある場合 には、パラメータだいるを保存する。 6. Method Editor の Program の Method Step を呼び出して、 Add a step で温 度測定(Heating or Cooling)を行うコマンドを入力する。このときに、開始温 度、終了温度、温度変化速度を入力する(温度範囲:−170∼300℃).また Data Sampling Option で測定ポイントの設定を行う。 7. Go To Load を押し、試料を本体に入れる.このとき、試料を入れる本体の皿(左 側の皿)の蓋に開いた二つの穴がヘリウムのでる穴と一直線に並ぶように蓋 をおく。Method Editor の Sample Information を呼び出して、試料の重さを 入力する。 8. Go To Temperature の下の表示を測定開始温度に設定し Go To Temperature の ボ タ ン を 押 す 。 Sample Temp. が Program Temp. に 等 し く な っ た ら 、 Star/Stop ボタンを押し測定を開姶する。 9. 測定を終了すると、 Pylis Analysis が開くので、データ解析を行う.その前に Save ボタンを押すこと。 10. ピークの立ち上がりと立ち下がりの温度を知りたいときは、まず全体図 の中でピークのある範囲を矢印で囲って選択し拡大する。(このとき全体図 を見たいときは Rader View のボタンを押す) Calc の Peak Area を選択し、 開いたウインドの Onset と End を選択する.十字印で解析する範囲を指定 し(このとき曲線が同じ範囲に二本あるときは Curve の Select で曲線を選 択すること)、 Calculate のボタンを押す。 11. 曲線の微分値が欲しいときは Math の Derivative をクリックする。 12. Go To Load を押し、試料を本体から取り出す。 Ⅳ.Shatdown 1. 終アするときは、まず Cryo Fill をソフトウエアからオフにして、デュワーの VENT を開放する。 2. 窒素のボンベの弁を閉める.まず一次側バルブを閉め、一次、二次圧力計指針 がともに 0 となったら、二次側バルブを閉める。 3. ポンプの電源とコンピュータの電源をおとす。ただし、ヘリウムのボンベの 弁と本体の電源は本体内部の温度が室温に戻るまで入れたままにしておく。 (約 8 時間) 比熱測定の仕方 Ⅰ.測定 1. Ⅲの 4 まで通常の操作をおこなう. 2. 測定は二度行い,1度目は基準物質と試料のホルダーにそれぞれパンとその 蓋を入れてベースラインの測定をおこなう.このとき測定の開姶時と終了時 にそれぞれ 1 分以上の定温部分をもうけること(Method Editor の Program の Method Step で Temp hold を入れる)・ 3. 二度目の測定では試料のホルダー内のパンに試料を入れ,同じプログラムで 試料の測定をおこなう. Ⅱ.解析 1. Add Data でベースラインのファイルを呼び出し,試料の DSC 曲線にベースラ インの DSC 曲線を重ねる. 2. 試料の DSC 曲線を選択し,CalC の Specific heat の Multiple Curve をクリッ クする. 3. Specific Heat ウインドウの Method でベースラインを選択し,OK をクリック すると,比熱曲線が得られる. 4. 曲線の解析方法は普通の DSC 曲線と同様である.
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