1 情報教育担当者の役割

1 情報教育担当者の役割
情報教育担当者は,全教科・全領域において ICT 機器の活用を促進し,効果的な学習活動の展開
をリードしていくことが大切です。しかし,それ以外にも日常の ICT 機器の管理に加え,校内研修
など仕事は多岐にわたっています。ここでは,校務分掌で初めて情報教育を担当することになった
教員を支援する内容について説明します。
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ICT 機器の点検・整備・保管
学期ごとに機器の点検や保管場所の確認をすることにより,活用しやすい環境を整え,授業での日常
的な活用を図ることができます。また,先生方の ICT 活用頻度が低い場合は,保管方法の改善や校内研
修の実施に向け検討する必要があります。機種を更新する際は,業者と連絡を取り合い先生方のニーズ
を反映させるとともに,最新機器の動向などについても情報を集めながら教員や児童生徒が使用する機
器やソフトウェアについて計画を立てていく必要があります。また仕様書の書き方も重要になります。
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セキュリティ対策
学校には,名簿をはじめとした個人情報や成績等の重要データが数多く存在しています。これらのデ
ータをどう管理していくか,学校長の監督のもとで情報教育担当者がリードし,教員間で共通理解を図
りながら確認し合うことが大切です。例えば,成績処理の時期に重要データの持ち出し禁止等を呼び掛
けたり,機器の故障や災害等に備え各種データの保全管理を行ったりしましょう。
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校内ネットワークの運用管理
校内ネットワークは,学校の情報化,教育の情報化を推し進め,児童生徒の一人一人に情報教育を進
めるうえできわめて重要な基盤整備です。校内ネットワークにより便利を実感している反面,それに伴
う問題点も少なくはありません。そこで,情報教育担当者は,ネットワークの運営管理方法について常
に情報を収集しておきましょう。
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ホームページの管理運営
学校のホームページを通して,児童生徒の活躍や行事予定,また緊急性の高い情報を発信することで
保護者や地域との連携を図り,学校への理解を深めることにつながります。なお,ホームページの管理
運営は学校長が主となり行うべきものです。内容については学校長と綿密に連絡を取り合い,更新を進
めて
いきましょう。
具体的な内容としては,一年間を通して児童生徒の学校生活・行事などの様子や学校からのお知らせ,
緊急時の連絡などを発信します。また,季節に合わせたタイムリーな情報を伝えていくことを心掛ける
とよいでしょう。
『情報担当者になったときに気を付けることは?』
情報教育担当者の仕事は多岐にわたっていますので,できるだけ複数名で仕
事を分担し,できるところから少しずつ進めていきましょう。また,担当者が
代わったときでも情報化への取組が継続できるように,ICT 機器やソフトウェア
の保守管理に関することやコンピュータの各種設定,校内ネットワーク等の資
料については,きちんとファイリングし,担当者の仕事が見える形にしておく
ことが大切です。
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2 学校の実態を把握しよう
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1 情報担当者の役割
情報教育の教育課程への位置付け
児童生徒の情報活用能力を育成するために,情報教育の教育課程への位置付けと体系的な情報教育を
実施しましょう。また,ICT 活用に向けて,各教科の年間指導計画に ICT 活用場面を設定しましょう。
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ICT の活用に向けて
校内で ICT 活用を促進するために,利用の呼び掛けや実践事例の紹介を日常的に行い,ICT を活用し
ようという雰囲気づくりをしましょう。また,ICT を活用したいと思ったときにすぐに取り組めるよう
に,ICT 機器やソフトウェアの利用マニュアルを作成したり,ICT 機器の貸し出し状況やコンピュータ
室の使用状況が分かるように使用簿を作成しておきましょう。
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ICT 活用の校内研修の実施
授業で効果的に ICT を活用していくために,学校の実態にあった校内研修を実施していきましょう。
校内研修の企画・運営については,P.1 からの【Ⅰ教員が授業で効果的に ICT 活用を図るための校内研
修】をご覧下さい。
教育の情報化ビジョンでは,学校の管理職が学校 CIO として,教育の情報化を進めるために
強力なリーダーシップを発揮する必要があると示されています。情報教育担当は管理職と連携
し,『環境整備』『校内研修』『校内体制の構築』を進めていきましょう。
環境整備
ICT 環境整備が必要であるこ
とを,具体的な活用場面や必
要な環境を示しながら検討
していきましょう。
校内研修
校内体制の構築
ICT 校内研修が必要であ
ることを,学力の向上を
目指した授業改善などを
示しながら検討していき
ましょう。
情報化を推進するために
は,校務分掌を組織化す
ることが望ましいことを
検討していきましょう。
【教育の情報化ビジョン】
www.mext.go.jp/b_menu/houdou/23/04/1305484.htm
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