事 後 評 価 調 書

事
後
評
価
調
書
機関名
整理番号
01
事業区分
共同研究機関
研
究
の
概
最終前年度
最終年度
12年度
所要額(千円)
試
験
場
東京大学、下川町森林組合
最終前々年度以前
研究期間及び
産
トドマツ精油の高付加価値化
研究課題名
重点・事業化等研究
林
(
)
(
)
(
1,723
1,723
全体所要額
) (一財
1,723
1,723
)
要 ※ 研究目的及び研究計画内容、年次別目標など
研究目的及び研究計画内容
トドマツは道内に広く分布し、その多くが間伐期を迎えている。間伐時にトドマツの針葉が集中的に放置されることは、林
床における良好な自然環境の形成を難しいものとする。トドマツ針葉には約5%程度のテルペンと呼ばれる芳香成分、精油が
含まれる。このトドマツ精油にはリフレッシュや消臭効果があり、特にリフレッシュ感は他の植物との差別化が可能な効果と
されている。しかし、トドマツ精油の具体的な用途開発は行われていない。そこで、トドマツ針葉の有効利用の一環として、
トドマツ精油を活用した付加価値の高い商品の開発を目指し、精油品質の安定化、固形芳香剤の開発、芳香剤としての生活空
間への利用技術を検討した。
年次別目標(平成12年度)
1. 精油の芳香性に関する検討(精油の変色や酸化の防止方法の調査)
2. トドマツ精油の生理機能の検討(トドマツ精油の消臭効果、殺菌効果、防虫効果の検討)
3. 北海道風の森の香りの創出(トドマツ精油と他の香りとのブレンド)
4. 香りの固定化方法の検討(固形芳香剤の検討)
研
究
の
成
果 ※ 研究目標の達成度、研究期間・経費の妥当性、他機関との連携度など
研究目標の達成度
1. トドマツ精油は揮発性が高く、酸化が起こりやすいことがわかった。これは酸化防止剤やエタノールを用いることで良
好な香りとしても調合できることが明らかとなった。
2. 精油には、消臭効果、植物病原菌や木材腐朽菌に対する抗菌効果、防虫効果が認められた。
3. 北海道の四季をコンセプトにした、新しい発想の香りを創出した。
4. ワックスを固定化材料とすることで、適当な芳香性があり、2か月間使用に耐える成型芳香剤が得られた。
以上の結果を基に、商品名「芳香ミスト」、「森の香り」など、具体的な商品の提案にまで至ったことから、目標は十分に達
成した。
研究期間・経費の妥当性
当初計画の範囲内で課題項目がいずれも目標に到達し、商品提案に至ったことから、期間及
び経費は妥当である。
目 標 の 達 成 度 a・b・c
成果の有益性
今後、得られた成果を基に、抗菌性、消臭能、リフレッシュなどの機能性をもつ芳香製品と
して、さらに差別化を図った商品開発が期待される。
経 費 の 妥 当 性 a・b・c
成
果
の
活 用
策
期 間 の 妥 当 性 a・b・c
成 果 の 有 益 性 a・b・c
※ 活用される分野、具体的な活用方策(技術移転や特許出願・製品化の可能性、基礎研究の応用策等)など
産業クラスタービジネスプラン推進モデル事業の一環として、(財)北海道科学技術総合振興センターから普及を図るととも
に、下川町森林組合、下川商業協同組合、(株)IPSなどにおいて、具体的な製品開発を実施しており、その一部については
既に商品化されている。
活 用 の 可 能 性 a・b・c
【自己評価】
A・B・C
【意見】
平成12年度に開発した商品に留まることなく、民間の発想も取り込んだ製品開発を行うことにより、普及、
実用化の可能性はさらに高まると期待される。
(追跡評価の必要性 有・無)
【総合評価】
A・B・C
【意見】※ 道民生活や産業振興上の必要性、活用方策の適切性など
トドマツ針葉を活用した芳香剤を開発し、商品化が進んでおり、目標を達成し、十分な研究成果が得られて
いる。
(A)目標を達成し、十分な研究成果が得られている
(B)目標を概ね達成し、一定の研究成果が得られている
(C)目標の達成度が低く、十分な研究成果が得られていない
(a)極めて高い、適切である
(b)高い、概ね適切である
(c)低い、改善の余地がある