CSRレポート 2014 2013年4月 2014年3月 CSR Report 誕生から90年のライト館 (旧帝国ホテル本館) 2014 社長からのメッセージ 帝国ホテルは1890年(明治23年) に日本 今後も経営の基本方針のひとつとして の 迎 賓 館として、最 高 のおもてなしを提 「C S Rのさらなる推進」を掲げ、お客様の 供するという志のもと、 日比谷の地に開業 安 心と安 全、環 境 への配 慮など、企 業と いたしました。 しての社会的責任を果たして参ります。 以 来、同じ名 称、同じ場 所、同じ業 態 ここに2 0 1 3年4月から2 0 1 4年3月まで で変わらぬ営みを続け、 日本の近 代 史に の、当社グループのC S R活動を、 「C S Rレ おけるさまざまなイベントの舞台を提供し ポート2014」 としてまとめました。今後とも、 つつ、新たな文 化の発 信 者として歩んで 日本 のホテル業 界 のリーディングカンパ 参りました。 ニーとして、健 全な事 業 活 動に基づいた 来る2 0 2 0年の東 京オリンピック・パラリ CSRを、全社をあげて推進して参ります。 ンピックの開 催は、観 光 立 国を推 進 する 日本にとって、そして私たちホテル業界に とりまして、 さらなる成 長の絶 好の機 会と 捉えております。 代表取締役社長 さ だ や す ひ で や 定保 英弥 1 企業理念 帝国ホテルの企業理念 帝国ホテルの行動指針 帝国ホテルは、創業の精神を継ぐ日本の代表ホテルであ ● り、国際的ベストホテルを目指す企業として、最も優れた 私たちは、 その伝統を十分認識し、 お客様の要請を発想 の原点として、提供する総てのサービス、技術の向上改善 サービスと商品を提供することにより、国際社会の発展と に徹し、 新しい価値の創造に努める。 人々の豊かでゆとりある生活と文化の向上に貢献する。 ● 私たちは、創意工夫と挑戦の精神を尊重し、 かつ協調と ● ホテル業が、人を原点とすることを正しく理解し、規範たる 調和の態度を貫くことにより総合力の向上を追求する。 ホテル十則の導く行動に徹する。 企業統治 コーポレートガバナンス体制 コンプライアンス CSRを推進する上で基本となるコンプライアンスについて 株主総会 選任 選任 は、 「リスク管理委員会」、 「食の安全と信頼委員会」などの 選任 組織的な体制を機能させています。 監査 今年度においては、帝国ホテルグループ全従業員を対象 取締役会 内部統制部 経営会議 (内部監査) 常務会 リスク管理 委員会 各部門 食の安全と 信頼委員会 連携 に、内部通報制度、SNS利用、パワーハラスメント・セク 監査役会 シュアルハラスメントに関する研修を実施した他、管理職を 対象としたインサイダー取引防止など多岐にわたる従業員 監査役付 使用人 環境委員会 研修を実施しました。こうした研修などを通して、当社グ 連携 ループ全体に法令順守の浸透を図っています。 監査 会計監査人 2 社会とともに ました。 この義援金は、 帝国ホテル役員、 従業員と、帝国ホテルからの拠出金を 合計したものです。 ●サンタクロースの病院・養護施設訪問 2013年も帝国ホテル東京・大阪にお ロペス マニュエル M. 駐日フィリピン大使(右) に いて、 クリスマス時期にフィンランドから 義援金を寄託する 招へいしたサンタクロースと当社従業 定保社長(左) 員が、病院や養護施設を訪問し、子供 たちと交流しました。 ●エコキャップ回収やベルマーク活動 エコキャップ回収活動として、2013年 は964,270個(ワクチン換算1,061本) を サンタクロースの 回収しました。 また、ベルマーク活動で 養護施設訪問 は、収集したベルマーク6万点を 「ベルマーク財団」を通じて、 東日本大震災で被害にあった石巻市内の小学校に寄贈しま した。 食の安全と信頼を守る 帝国ホテルでは、2008年3月に「食の安全と信頼委員会」 を設置し、当社グループの日常的な食の安全を徹底するため の取り組みを推進してしております。 社会貢献 東日本大震災復興支援 ●東日本大震災被災地復興支援ツアーの開催 前年に続き7月に支援ツアーを合計5 回実施し、 多くの従業員が参加しました。 帝国ホテルでは、引き続き従業員とと もに被災地のために息の長い支 援を 行って参ります。 東日本大震災被災地 ● 「料理ボランティアの会」活動 復興支援ツアー 総料理長を始め調理スタッフが、料理人で組織する 「料理ボ ランティアの会」の活動に前年に続き参加しました。福島県富岡 町で開催した「再会の集い」では、千人分のビーフシチューとア イスクリームを無料で提供しました。 また、首都圏では、チャリ ティー食事会を開催しました。 「美味しいものを食べて元気を出 して下さい」 をスローガンに、復興支援活動を続けています。 ●第4回帝国ホテル落語会 3月30日に開催した、三遊亭圓歌さん、春風亭小朝さん、立 川談笑さんの人気噺家による 「第4回帝国ホテル落語会」の 売上の一部を 「東日本大震災義援金」 として寄付しました。 こ の支援は、第1回(2011年) より続けています。 地域社会との共生 ●千代田区と帰宅困難者等受入協定を締結 9月30日、帝国ホテル東京では千代田区と、大規模災害 時における帰宅困難者等受入協定を締結しました。 帝国ホテルは東日本大震災の際の対応を生かし、積極的に 防災対策に協力しています。 ●電気自動車充電スタンドを設置 経済産業省「次世代自動車充電インフラ整備促進事業」 に基づき、CO2削減に貢献すべく、駐車場ビル2階に電気自 動車用の急速充電器を設置いたしました。 ●日比谷 打ち水月間 7月中旬から8月末まで、 帝国ホテル東京と近隣施設と合同で 「打ち水」を行いました。当初5施設で始めた打ち水は、今回 13社(施設) にまで拡大し、 日比谷の街に涼風を届けました。打 ち水には中水を使用するなど、 環境にも配慮をしています。 社会福祉活動 ●フィリピン台風30号の被災者に対する支援活動 11月にフィリピンレイテ島を直撃した台風30号の被災者へ の支援として、12月に、駐日フィリピン大使館に義援金を寄託し 3 環境対策 当社グループでは、社長を委員長とする 「環境委員会」の 下に「グリーンチーム」を設置し 『中期環境ビジョン』に基づき 活動を行っています。 2013年度は、次のような活動を推進し ました。 「中期環境ビジョン」とは 「環境負荷を減らす」 ・ 「環境にいいことを増やす」 ・ 「活動をひろく知っても らう」 とい方向性を定め、環境面でも 「さすが帝国ホテル」 と評価いただくよう な活動を推進しています。 中期環境ビジョン 環境活動の「ひろがり」フェーズ グリーンチーム 3つの視点 当社株主総会や当社主催のイベントなどで、グリーン電 お客様とともに 力の使用など環境に配慮した対策を実施しました。また、従 業員向け環境セミナーの開催や、従業員食堂で食品残さを 肥料化して栽培した野菜を使用するなど、従業員との取り 3つの方向性 環境負荷を お客様の共感を得られる活動 減らす 社会とともに 環境にいいことを パートナー企業や地域との協力 組みも進めています。 従業員とともに 省エネルギーチーム 全従業員の直接的な参加 増やす 活動をひろく 知ってもらう 夏季・冬季ともに目標を立て省エネルギー対策に取り組 みました。空調の運転コントロールやLEDの導入拡大など パックリサイクルを、4月より帝国ホテル大阪でも開始 のハード面での取り組みに加え、ソフト面では、バックス しました。 ペースでの省エネ調査実施と改善指導などの取り組みによ グリーン購入チーム り、年間で電力を51万kWh削減しました(削減率0.7%)。 「買わないエコ」の観点からレスペーパーを推進しま *LED化は帝国ホテル東京では64%、 帝国ホテル大阪では14%、 上高地帝国ホテルでは した。今年は、P Cによる社内情報共有ツールの活用によ 51%を達成しました。 フェニックス(ゴミ対策)チーム り、紙 の 使 用 を 大 幅 に 削 減 す る こ と が で き ま し た。オ ゴミの削減とリサイクルの促進に向け、従業員一人ひ フィスでのリサイクルカーペット使用など、グリーン購 とりに取り組みを呼びかけ活動を広げてきた結果、東京 入化も推進しました。 では7月に千代田区より優良廃棄物管理者表彰を受賞、 また、帝国ホテル東京の宴会 大阪では11月に大阪市長より感謝状を受領しました。 場「孔雀の間」 ・ 「桜の間」の屋上 また、全社でアルミ缶リサイクルを推進し、得た金額 を、環境対応型人工芝を採用し を10月に東京都「緑の募金」(緑化事業)に寄付しました。 て緑化し、環境にも配慮した対 そ の 他、こ れ ま で 帝 国 ホ テ ル 東 京 で 推 進 し て い た 牛 乳 策を推進しています。 4 屋上緑化(「孔雀の間」屋上) お客様とともに お客様の安全と安心のために さらなる顧客満足度の向上 ●食の安全と安心・衛生対策 2009年に開始されたサービス産業生産性協議会による JC SI(日本版顧客満足度指数)の調査結果におい 2013年は年末からノロウィルスが猛威を振るいました。当 て、2013年度も、帝国ホテルは引き続きシティホテル業 社グループでは、絶対にノロウィルスによる食中毒を発生さ いや消毒の徹底を指導したほか、全従業員を対象として、 種 で第1位を獲得しました。全業種の総合評価 でも 3位にランキングされました。 延 べ9 0回にわたり 「ノロウィルス対 帝国ホテルの高品質のサービスが、 高く評価されています。 せないために、従業員出入口および従業員食堂での手洗 策研修」を実施しました。 さすが帝国ホテル推進活動 「 食の安 全と信 頼 委 員 会 」を中 心に、お客様に安心して帝国ホテル の料理を召し上がっていただけるよ お客様の期待を上回るサービスを行い、 「さすが帝国ホテル」 う、今後も当社グループの食の安全 を徹底して参ります。 ●防災対策の推進 と評価していただくために、 「 帝国ホテル行動基準」 と9つの 実行テーマ (挨拶、清潔、身だしなみ、感謝、気配り、謙虚、知 ノロウィルス対策研修 識、創意、挑戦) を実践する 「さすが帝国ホテル推進活動」を 防災対策として、定期的な自衛消防訓練のほかに、災害 行っています。 この活動にふさわしい行動をとった従業員を表 対策本部・現場指揮所運用訓練や災害時における帰宅困 彰しています。そして、例年、夏季に前年度の年間大賞表彰 難者対応などの訓練を、帝国ホテル東京、大阪、上高地に 式を開催し、表彰を受けた従業員やパートナー企業のスタッフ おいて実施しました。 の対応を振り返り、 サービスレベルの向上を図っています。 また当社が救急業務に関する対策を積極的に推進して いることから、9月9日の「救急の日」に丸の内消防署より救急 業務協力者表彰を受けました。 災害対応訓練 さすが帝国ホテル 年間大賞表彰式 5 株主の皆様とともに 帝国ホテルグループは、株主・投資家の皆様のご期待に 業績と配当性向などを総合的に勘案し、株主様への利益還 お応えすべく努力を続けています。 元を実施しています。 安定配当 帝国ホテルは、長期にわたる安定的な経営基盤 平成25年度の 年間配当金 に基づく安定配当の継続を経営の基本方針とし、 グループの 中間 12円 期末 ※平成25年10月1日の 株式分割(1株→2株)前の額 6円 従業員とともに ●研修・海外留学の実施やコンクール参加へのバックアップ 当社グループでは、全従業員が心身ともに健康で、働きが いのある職場環境づくりに努めています。 また、国際的ベストホテルにふさわしい人材育成のために、 さまざまな支援を行っています。 公平なキャリアアップのための研修の実施や、国際的視野 を持ったスタッフの育成のための海外留学制度などを実施し ています。 また、内外の料理コンクール参加のための支援も行っていま す。2013年には、世界的権威のある 「ル・テタンジェ国際料理 賞コンクール・インターナショナル」における入賞の他、製菓部 門では、 「内海杯技術コンクール」で最優秀賞を獲得、帝国ホ ●働きがいのある職場環境づくり 全従業員を対象に、 パワーハラスメント、 セクシュアルハラス メントに関する説明研修を実施するなど、働きがいのある職場 環境づくりのための対策を推進しています。 テル大阪では「トップ・オブ・パティシエ・イン・アジア」に日本代表 として当社従業員が出場し、 アジアチャンピオンに輝きました。 ●障がい者の雇用とワークライフバランスの推進 当社グループでは、障がい者の雇用を積極的に行い職域 の拡大を推進しています。 こうした取り組みで障がい者の法 定雇用率を上回る雇用を行っています。 ワークライフバランスの推進については、産前産後休暇が 有給であることに加え、育児・介護のためのワークシェア制度 や、 ワークライフバランス相談窓口を設けるなど、従業員の仕 事と家庭の両立を支援しています。 今後とも、女性が活躍できる環境づくりをさらに進めるととも に、女性の登用も積極的に行って参ります。 「ル・テタンジェ国際料理賞コンクール・ インターナショナル」で入賞 6 「トップ・オブ・パティシエ・ イン・アジア」で優勝 帝国ホテル123年の沿革 初代帝国ホテル ライト館 現在の帝国ホテル東京 帝国ホテル開業 ライト館落成 関東大震災発生 1933年 10月 上高地帝国ホテル開業 1945年 9月 連合軍の宿舎として接収される 1952年 4月 自由営業再開 1958年 8月 インペリアルバイキング営業開始 1961年 10月 東京証券取引所市場第二部に上場 1967年 11月 ライト館閉鎖 1970年 3月 新本館 (現本館)開業 1971年 11月 フードストア 「ガルガンチュワ」開店 1983年 3月 インペリアルタワー (現帝国ホテルタワー)開業 1990年 11月 開業100周年 1995年 3月 ザ・ クレストホテル立川開業 1996年 3月 帝国ホテル大阪開業 2000年 11月 開業110周年、 ザ・クレストホテル柏開業 2002年 3月 本館屋上緑化計画工事完了 2003年~ 「21世紀プロジェクト」の実施 1890年 11月 1923年 9月 ●主な改修 2003年~ 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 客室改装 インペリアルバイキング サール、 インペリアルラウンジ アクア改装開店 レ セゾン改装開店、 フロントカウンター改修 孔雀の間・ 2階厨房改修 パークサイドダイナー開店、 富士の間・ 3階厨房改修 光の間・厨房改修 ブライズサロンオープン、 宴会レセプション改装 黒田慶樹様と内親王紀宮清子様の婚礼が行われる 三井不動産株式会社が当社筆頭株主となる 2009年 4月 ハワイの名門ホテル 「ハレクラニ」 と提携 2010年 11月 開業120周年 LHW総会が開催される 2011年 3月 東日本大震災発生 2012年 10月 IMF ・世界銀行年次総会が日本で開催され、 東京国際フォーラムとともに帝国ホテル東京がメイン会場となる 2013年 9月 ライト館誕生から90年・帝国ホテルアーケード開業90周年 10月 上高地帝国ホテル開業80周年 2005年 11月 2007年 9月 株式会社帝国ホテル 総務部 〒100 - 8558 東京都千代田区内幸町1- 1- 1 TEL(03)3504 -1111 URL http://www.imperialhotel.co.jp
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