公益社団法人福島県不動産鑑定士協会 平成26年度事業報告 平成26年度は福島県不動産鑑定士協会にとって、公益社団法人としての体制で迎える最初の 1年でした。手探りのままのスタートとならざるを得ない部分もありましたが、会員並びに会員外の 皆様のご協力により、次の事業を実施することができましたことを報告いたします。 【公益目的事業】 公1・・・不動産及び不動産鑑定評価に関する知識等の普及・啓発事業 公2・・・地価調査受託事業 公3・・・固定資産税評価に係る事業 【収益事業】 収1・・・原発事故による財物賠償に係る価格等調査受託事業 Ⅰ.公益目的事業 1.公1(不動産及び不動産鑑定評価に関する知識等の普及・啓発事業) (1)各種相談会の開催等 ①不動産無料相談会の開催 4月5日、10月4日の2回、福島市、郡山市、いわき市、会津若松市、白河市の5市で 開催し、以下の通りご相談を頂きました。(単位:組) 福島 郡山 いわき 会津若松 白河 計 4/5 9 24 1 6 3 43 10/4 7 21 7 6 5 46 ②原発事故による不動産関連の財物賠償についての無料相談会への相談員派遣 原発事故の被災者、又は避難指示区域内の不動産所有者を対象とする以下の無 料相談事業に、相談員として会員を派遣しました。 ○福島県が実施する避難者向けの不動産に係る財物賠償に関する巡回相談会 (福島市、郡山市、いわき市、南相馬市、会津若松市等、主に福島県内にお - 1 - いて開催) ○原子力損害賠償・廃炉等支援機構が実施する県外避難者向け相談会 (仙台市、関東地方等、福島県外において開催) ③専門士業合同の相談会、研究会等への会員の派遣 郡山市の5士業、福島市の県北士業協議会主催の合同無料相談会に相談員を派 遣をしました。 ○郡山市:11月16日 イトーヨーカドー郡山店5階西部コミュニティールーム 遠藤盛英先生、金子昌己先生、矢吹博則先生、安田哲郎先生派遣 来場件数43組57名、うち不動産鑑定関連8名 ○福島市:11月1日 産業交流プラザ企画展示室(コラッセふくしま3階) 午前 岩城章先生、岩城恭子先生、河谷元先生、佐藤忠信先生、 金子克之先生 午後 安彦隆一先生、岩渕大毅先生、大河内敏文先生、二瓶直之先生 ④会員向け研修会の開催 5月23日、郡山ビューホテルアネックス3階雲水峰にて開催いたしました。(研修単 位2単位) 第一部「福島の復興加速への取り組み」 復興庁福島復興局次長 原子力災害現地対策本部統括班長・広報班長 豊島厚二 氏 第二部「原発事故格差修正率の考え方について」 一般財団法人日本不動産研究所 システム評価部参事 第四資産評価支援室長 不動産鑑定士 浅尾輝樹 氏 参加者 本会より37名 ⑤東北会研修会の開催(東北会との共催) 9月12日、東北会との共催により、産業交流プラザ企画展示室(コラッセふくしま3 階)において研修会を開催いたしました。(研修単位6単位、会費6,000円) 「不動産鑑定評価基準等の一部改正についての義務的研修(準集合研修)」 (2)地価調査書の発行 「平成26年度福島県地価調査書」(福島県企画調整部土地・水調整課監修)を500 部、定価3,200円で発行しました。 (3)不動産に関する調査・研究の推進 ①不動産市場動向アンケート - 2 - 震災以降継続しております不動産市場についての宅建取引業者に対するアンケ ート調査で、今年度は第8回(4/1時点、6/30Web公開)、第9回(10/1時点、12/8Web 公開)の2回実施し、結果の概要を当協会ウェブサイト上にて公開しております。 http://www.frea.jp/9ankeito.htm ②協会外における研修等への講師派遣 次の研修会に会員を講師として派遣いたしました。 ○福島県の固定資産税担当者研修会 ○東京弁護士会研修会 ③避難指示区域、津波被災地等における鑑定評価の研究 避難指示区域の評価に関するガイドラインの調査・研究を行い、11月19日に郡山 市総合福祉センター3階技能習得室において原発事故等格差修正率に関する説明 会を開催しました。 ④他県士協会主催の研修会への協賛及び会員派遣 2月27日開催の公益社団法人滋賀県不動産鑑定士協会主催「続・びわ湖会議『不 動産DIサミット2015』」に協賛するとともに、当協会から4名(佐藤栄一先生、鈴木禎夫 先生、小椋満幸先生の3名を派遣、また石田英之先生がパネリストとして出席)が参加 しました。 (4)資料の整備提供 ①REA-jirei及び独自事例の整理、提供 公益社団法人日本不動産鑑定士協会連合会の運営する不動産取引事例の収集 ・検索システム(REA-jirei)、及びREA-jireiの対象となっていない賃貸事例、マ ンション事例等について、継続して資料の更新を行っております。 ②ウェブサイトの運営改良 当協会のウェブサイトについて継続して更新・改良を行っております。(震災復興対 策室の「活動の記録」、無料相談会の告知等) http://www.frea.jp/ (5)不動産鑑定評価等の支援 福島県鑑定合同会社の行う鑑定評価等業務に対し、事務処理の受託、成果品の認 証及び必要な助言・意見を行いました。(10月より) 2.公2(地価調査受託事業) 福島県が国土利用計画法施行令に基づいて実施する地価調査について受託事業者と - 3 - なり、原発事故による避難区域等を除く県内52市町村の515地点の評価を行う他、次の通り 活動を行いました。 (1)分科会の開催等 価格形成要因の分析と鑑定評価のバランス維持のため、分科会、幹事会を開催し、 北海道・東北ブロック会議に会員を派遣いたしました。また地価公示の分科会、国税バ ランス検討会議も同様に行っております。 平成26年度の分科会幹事は次の通りでした。 第一分科会 岩城恭子先生 第二分科会 鈴木禎夫先生(代表幹事) 第三分科会 吉村英博先生 (2)鑑定評価書の確認作業 地価調査において提出される鑑定評価書について、記載内容の形式的点検を行い ました。 3.公3(固定資産税評価に係る事業) 地方税法に基づいて固定資産税及び都市計画税の課税のために市町村が行う固定資 産税の評価について、下落修正のための時点修正業務を受託、また避難指示のために平 成25年度に評価を行っていない双葉郡及び南相馬市の一部について、標準宅地の評価 業務を受託しました。 Ⅱ.収益事業 収1(原発事故による財物賠償に係る価格調査受託事業) (1)東京電力依頼の価格等調査業務 原発事故による不動産の財物賠償について次の通り価格等調査業務の受託及び担 当者への割当て、並びに東京電力株式会社との折衝、協議及び必要な助言等を行い ました。 ○宅地比準業務(通常版、0円、現地版、介在農地)及び配信・取り纏め ○準宅地業務(マスタリスト作成、状況類似地区設定、隣接宅地判定) ○林地評価業務 財物賠償に関する評価のうち、林地評価につきましては東電の意向により大 字を基準とした状況類似地区により対応しておりましたが、より地域の実情に即 した評価を行うため、状況類似地区の見直し、標準地の設定及び評価を行いま した。 - 4 - ○用途地域割増率の査定業務 農地、林地のうち用途地域内に存するものについての賠償額は、一定割合を 割増する方法により定められますが、その適正な割増率についての検討を行い ました。 ○F案件の評価 日本不動産研究所が環境省に提出する鑑定評価のうち、原発事故前の価格 形成要因の分析を行う業務をF案件として受託しました。なお当初は当協会会 員は無記名の予定でしたが協議の結果記名することとし、署名押印はしないこと となりました。 また同様の価格等調査のうち、山林及びその他地目に関する価格等調査(通称「事 業地」)につきましては、福島県不動産鑑定合同会社(代表社員 石田英之 様)が受託 しております。なお発行される価格調査書には、表紙に「公益社団法人福島県不動産 鑑定士協会 会長 小橋達夫」の表示をしております。 (2)公共団体等からの依頼による鑑定評価・価格等調査業務 次の通り鑑定評価の依頼を受注し、会員に対し割り当てを行いました。 ○福島市の除去土壌等の仮(仮々)置場の鑑定評価(福島市依頼) ○福島県産業復興センター依頼 ○その他の公共団体依頼 8件 4件 4件 Ⅲ.総会・理事会 1.社員総会 5月23日、郡山ビューホテルアネックス3階雲水峰にて開催いたしました。なお今年度から 定期総会は年1回(従来は2回)の開催となっております。 議案 平成25年度事業報告、決算、理事7名選任、監事2名選任、定款変更等について 可決 2.理事会 次の通り開催しました。 第一回5月23日、第二回6月5日、第三回8月1日、第四回12月12日、第五回3月20日 (第六回5月14日) 主な協議論点 代表理事、業務執行理事(会長及び副会長)の選出、委員会構成の 決定、東北会共催研修会関連、双葉郡固評関連、福島県鑑定合同会 社設立・業務委託関連、滋賀県DIサミット・阪神淡路まちづくり支援機 構への協賛、(第六回:事業報告、決算の検討・承認、総会提出議案 - 5 - の協議・策定)等 Ⅳ.委員会活動 1.総務財務委員会 ・予算、決算の支援 ・当協会主催の無料相談会の運営及び担当者割り当て ・財物賠償のための価格調査書レビュー業務の運営方法の検討 2.調査研究委員会 ・原発事故の避難区域等の評価に関するガイドライン検討(4/4、4/22、5/7、5/20、5/30) ・相双建設事務所発注業務受託者を含む拡大委員会(8/26) ・会員研修会(5/23) ・被災地固定資産評価に向けた調査研究-公的評価合同委員会の開催 ・原発事故等格差修正率の具体的な運用についての説明会(11/19) 3.公的評価委員会 ・地価公示、地価調査の分科会の開催、幹事会及びブロック会議への担当者派遣 ・国税標準地評価のバランス検討会議 ・県の固定資産税担当者研修会へ講師を派遣(調査研究委員会と合同) ・東京弁護士会の研修会への講師派遣(調査研究委員会と合同) 4.資料委員会 ・REA-jirei、事例資料のデータ更新 ・ホームページの更新、改良検討 ・書籍、住宅地図等の資料の拡充 ・平成26年度地価調査書の発行 ・書籍購入 住宅地図13冊126,150円、路線価図4冊23,850円 5.綱紀委員会 ・委員会を開催して処理を要する苦情、相談等はありませんでした。 6.震災復興対策委員会 ・今年度より常設委員会に移行しました。 ・<アンケートPT>不動産市場アンケート第8回、第9回の実施 ・<財物賠償推進PT>宅地比準取り纏め対応、建物レビュー取り纏め対応 ・<市町村担当PT>山林状況類似地区見直し、財物賠償に関する市町村からの問い合 - 6 - わせ対応 ・<相談会PT>福島県の巡回相談会、原子力損害賠償・廃炉等支援機構主催の避難者 向け相談会の担当者割当て及び派遣 ・その他、農林地ADR業務への対応準備、レビュー付価格調査書の検討 Ⅳ.その他の活動 親睦ゴルフコンペ(5/24宇津峰カントリークラブ、9/13安達太良カントリークラブ) 以上 - 7 -
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