平成 28 年度社会福祉法人指導監査主眼事項 重点指導事項・項目 主眼事項・着眼点 1 組織運営 (1)役員 1 役員報酬について、規程等を 整備した上で勤務実態に即し 2 た支給となっていること。 3 役員報酬規程には、役員としての職務内容、就業時間、具体的 な報酬額などが明確な形で定められていること。 役員の勤務実態を証明する書類が保存されていること。 役員報酬の額は、勤務実態に応じた妥当な水準のものであるこ と。 (2)理事 1 理事長は、理事会の決定に基 づき、法人運営及び事業経営を 2 行っていること。 (専決権限を 超えた行為がある等の違反が 3 ないこと。 ) 日常の業務として理事会が定めるもの以外は漏れなく理事会の 決定を得ていること。 日常の業務として理事長が専決した事項は、理事会に報告され ていること。 理事会で定めた予算を超過した支払いを行っていないこと。 (経理規程で定めのある予算流用は除く。 ) (3)監事・監査 1 監事監査では、十分な時間を 2 かけた実質的な監査が行われ 3 ていること。 監事は期中監査を実施していること。 監事は理事会及び評議員会に出席していること。 監事は、監査計画、実施した監査手続き及び到達した結論(意 見)を書面とし、自身が職責を果たしていることを記録として 残していること。 監事は、決算を審議する理事会に出席して監査結果の報告を行 っていること。 4 (4)理事会 1 ア 要審議事項について、実質 2 的な審議を経て議決されて いること。 3 4 5 開催手続きが定款の定めに従って行われていること。 理事会が定款に定める定足数を満たして有効に成立しているこ と。 議決が定款の定めに従って有効に成立していること。 理事会への欠席が継続している理事がいないこと。 理事会の要議決事項について、問題点の抽出や意見交換などが 行われ、多面的な観点から十分な審議がなされた上で、議決が 行われていること。 イ 議事録の信憑性及び議事 1 の顛末の具体性が認められ ること。 議事録は、審議状況が分かるように各理事の意見等が、正確に 記録され、保存されていること。 (5)評議員・評議員会 1 要審議事項について、実質的 な審議がされ、理事会がそれら の事項を決定する際にあらか じめ評議員会の意見を聞いて いること。 理事会は、重要な事項を決定するときは、原則として、あらかじ め評議員会に諮問し、意見を聴いていること。 1 重点指導事項・項目 主眼事項・着眼点 (6)法人の運営に関する情報開 1 示 法人の業務及び財務等に関 2 する情報等についてインター ネットの活用等により、適切に 3 公表していること。 現況報告書は、 法人又は関係団体のホームページで公表されてい ること。 財務諸表は、 法人又は関係団体のホームページで公表されている こと。 ホームページで公表する財務諸表は、 理事会で認定を受けたもの と同一であること。 (簡略化していないこと。 ) 2 事業 (1)社会福祉事業を行うために 1 必要な資金が確保されている こと。 (経営状態が悪化してい 2 る場合は、経営改善計画が策定 3 されていること。 ) 法人の事業活動資金収支差額が 2 期続けてマイナスのときは、 経営改善計画を策定していること。 長期運転資金借入金がある場合は、解消見込みがあること。 施設長等施設の幹部職員の給与が、 当該施設の給与水準に比較し て極めて多額となっていないこと。 (2)社会福祉事業以外の事業を 1 経営し、社会福祉事業経営に支 障を来していないこと。 2 社会福祉事業の資金を社会福祉事業以外の支出に充てていない こと。 (関係法令通知で認められている事業は除く。 ) 社会福祉事業は、 当該法人の事業のうち主たる地位を占めるもの であること。 (3)公益的取組(公益事業の実 1 施のほか、低所得者に対するサ 2 ービス利用料の減免等を含 む。 )を積極的に実施している こと。 社会福祉法人に対する地域住民の福祉需要を把握していること。 地域住民の福祉需要に対応した公益的取り組みを実施している こと。 3 管理 1 (1)人事管理 職員の任免は、適正に行われ 2 ていること。 (施設長の任免に 当たっては、理事会の議決を経 ていること。 ) 1 (2)資産管理 ア 基本財産を所轄庁の承認 を経ずに処分し、貸与し又は 担保に供していないこと。 イ 運用財産は適正に管理さ 1 れ、みだりに処分されていない こと。 施設長の任免は理事会の議決を経ていること。 職員の採用、育成、任用に客観的なルールがあること。 (理事長 と親族関係にあるという理由だけで採用、育成、任用にあたり有 利な取扱いを行っていないこと。 ) 必要な所轄庁の承認は、事前に得られていること。 社会福祉事業の存続要件になる運用財産はみだりに処分されて いないこと。 2 重点指導事項・項目 主眼事項・着眼点 ウ 運用財産の株式投資又は 1 元本保証・確定利回り以外の資金運用を行う場合、所定の定款変 株式を含む投資信託等によ 更が行われていること。 る管理運用に当たり、役員等 2 有価証券運用を行う場合、経理規程の改正を行った上で、資金運 により当該金融商品のリス 用規定を定めていること。 ク等について理解されると 3 資金運用規程には次の項目が織り込まれていること。 ともに、理事会で決定し、定 (1) 安全性の重視など資産運用の基本方針 款が変更され、適切なリスク (2) 理事会、理事長、担当理事、実務担当者など資産運用担当 管理態勢の下で管理運用さ 者の権限と責任 れていること。 (3) 具体的な意思決定の手続き (4) 理事会等による運用状況の監視など執行管理の手続 (5) 社会福祉事業の充実改善のための計画に照らした資産運用 の期間及び成果の目標 (6) 保有し得る有価証券や行い得る取引等の内容 (7) 資産運用に係る限度額 4 資金運用規程のとおり資金運用が行われていること。 エ 理事長等が他の事業を経 1 営している場合、当該事業の 資産と法人資産とが混同さ 2 れていること。 3 理事長等が経営している他の会社が法人の資産を使用していな いこと。 理事長等が経営している他の会社が法人の経費となっていない こと。 法人の職員が理事長等が経営している他の会社の業務に従事し ていないこと。 (3)会計経理 1 ア 会計責任者と出納担当者 との兼務を避けるなど、内部 2 けん制体制が確立されてい ること。 3 金融機関取引印の保管者及び押印者と預金出納担当者とは兼務 していないこと。 領収書保管者と現金出納担当者とは兼務していないことが望ま しいが、職員数の関係からやむを得ず兼務する場合は、他の牽制 手段を講じていること。 現金出納担当者と預金出納担当者とは兼務していないことが望 ましいが、職員数の関係からやむを得ず兼務する場合は、他の牽 制手段を講じていること。 現金実査担当者と現金出納担当者とは兼務していないことが望 ましいが、職員数の関係からやむを得ず兼務する場合は、他の牽 制手段を講じていること。 購買担当者、購買承認者、物品保管担当者及び会計記帳担当者が 同一人物である場合には、 兼務とならないよう業務分担を変更す ること。 業者への支払承認者と会計記帳担当者、 購買担当者及び物品保管 担当者とは兼務していないこと。 人事記録記入担当者、給与計算担当者、預金出納担当者が同一人 物ある場合は、兼務とならないよう業務分担を変更すること。 4 5 6 7 3 主眼事項・着眼点 重点指導事項・項目 イ 金融機関取引印などの公印 1 は、適正に管理されているこ と。 2 3 4 5 6 ウ 経理規程に則った適切な経 1 理処理が行われていること。 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 通帳の保管責任者と金融機関取引印の保管責任者は別の者にな っていること。 通帳の保管責任者が了解しなければ、通帳を手にできない状態と なっていること。 金融機関取引印の保管責任者が了解しなければ、押印できない状 態となっていること。 金融機関取引印を押印する者は理事長又は会計責任者であるこ と。 ファームバンクを利用する場合、振込明細書作成 ID 及び振込明 細書作成パスワードは担当者のみが知っていること。 ファームバンクの承認 ID 及び承認パスワードは会計責任者のみ が知っていること。 経理規程に定められた会計帳簿が作成されていること。 会計帳簿は拠点ごとに作成されていること。 証憑は会計記録との関係を明らかにして整理保存されているこ と。 会計伝票には、会計責任者の承認印又は承認のサインを受けてい ること。 予算は、事前に作成されていること。 予算管理責任者は、予算の執行状況及び予算実績差異の原因分析 の結果に意見を付して理事長に報告していること。 予算流用は、理事長の承認を得て拠点区分内における大区部にお ける中区分の勘定科目相互間に限られていること。 予算流用は、直近の理事会に報告されていること。 予備費の使用にあたっては、理事長の承認を受けていること。 予備費の使用は、直近の理事会に報告されていること。 寄附金品の受入に当たっては、理事長又は理事長から権限移譲を 受けた者の承認を受けていること。 金銭の支払いは、受領する権利を有する者からの請求書、その他 取引を証する書類に基づいて行っていること。 金銭の支払いを行う場合には、会計責任者の承認を得ているこ と。 金融機関からの振込払いで、領収書の入手を必要としないと認め られる場合を除き、金銭の支払いにあたっては領収書を受け取っ ていること。 小口払い及び随時払いが必要なものを除き、支払いは、まとめて 定められた日に支払っていること。 小口の支払は、定額資金前渡制度によっていること。 概算払いは、認められた経費以外で行っていないこと。 出納職員は毎日の現金出納収納後、現金残高と帳簿残高を照合 し、会計責任者に報告していること。 出納職員は、毎月末日の取引金融機関の預貯金残高と帳簿残高と を照合して会計責任者に報告していること。 会計責任者は、各拠点区分ごとに毎月末日における月次試算表を 作成し、翌月の定められた日までに理事長に提出していること。 4 主眼事項・着眼点 重点指導事項・項目 21 固定資産管理責任者は、固定資産管理台帳に固定資産の保全状況 及び異動について所要の記録を行っていること。 22 会計責任者は、会計年度末の固定資産現在高報告と実地棚卸後の 帳簿記録との整合性の確認を行っていること。 エ 契約は適正に行われている 1 こと。 (入札や見積もり合わせ が適正に行われていること。 ) 2 3 4 オ 借入金は、事業運営上必要 1 なものであり、理事会の審議 (及び評議員会の意見聴取) 2 を踏まえて行われているこ と。 3 理事長が契約事務を職員に委任する場合は、契約に係る理事長の 権限を適正に委任していること。 法人の事務、事業の中で発生する売買、賃貸借、請負などの契約 は基本的に一般競争入札により契約相手を選んでいること。 指名競争入札により契約相手を選んでいる場合は、合理的理由か ら一般競争に付する必要がない場合及び適当でない場合に限る こと。 随意契約は、合理的な理由により競争入札に付することが適当で ないと認められる場合に限ること。 施設の放漫経営又は計画性のない施設整備が借入金に依存して 行われていないこと。 借入金について、理事会等で審議するに当たっては法人経営の長 期見通しに基づいて、返済可能性についても審議されているこ と。 (契約書案、返済計画案及び法人の長期経営計画が資料とし て配布されていること。 ) 借入にあたり法人の財産を担保提供する場合、借入金の審議とあ わせて財産の担保提供承認についても理事会で審議しているこ と。 カ 借入金の償還が確実に行わ 1 れていること。 (償還財源に寄 2 附が予定されている場合は贈 与契約に基づき確実に行われ 3 ていること。 ) 借入金の帳簿残高と返済計画が一致していること。 書面で贈与契約を締結した寄附者が寄附を履行せず、資金繰りに 窮している場合、支払督促等を行っていること。 借入金の返済財源として別の借入金が充てられていないこと。 キ 施設における利用者からの 1 預り金の管理が適正に行われ 2 ていること。 3 4 5 6 利用者預り金は法人の会計とは別に管理していること。 預り金等管理規程が定められ、取扱いが確定されていること。 預り金等の管理について、必要な書類が整備されていること。 預り金等を管理する人員体制が確立されていること。 利用開始手続きは適切であること。 預り金等の管理方法は適切であること。 ク 将来必要な施設整備等に備 1 えた計画的な積立が行われて 2 いること。 3 積立目的が明確となっていること。 積立目標額には合理的な根拠があること。 施設整備に備えた積み立ての場合、整備事由、時期及び施設名が 明確になっていること。 積立計画を定めていること。 積立金に見合う積立資産が計上されていること。 積立資産は、預金又は満期保有目的の債券で保有されているこ と。 4 5 6 5 主眼事項・着眼点 重点指導事項・項目 ケ 新会計基準(平成 24 年 4 月 1 日より適用。ただし、平 成 27 年 3 月 31 日(平成 26 年度決算)までの間は、従来 の会計処理によることができ る。 )への移行処理を関係通知 等に基づき適切に行っている こと。 1 事業区分、拠点区分、サービス区分は、新会計基準に準拠して適 正に設定されていること。 2 期首貸借対照表残高の拠点区分への引継ぎ網羅性が確保されて いること。 3 新会計基準に準拠して勘定科目が適正に組み替えられているこ と。 4 一年基準の適用に伴い「前期末支払資金残高」の調整が必要とな る場合、その調整が適正に行われていること。 5 次の移行時会計処理が適正に行われていること。 (1) 有価証券の時価評価導入 (2) リース会計の導入 (3) 退職給付会計の導入 (4) 引当金は原則として徴収不能引当金、賞与引当金及び退職 給付引当金の 3 つに限定されていること。 (5) 4 号基本金の廃止 (6) 国庫補助金等特別積立金の取崩計算処理を指導指針と同じ 会計処理に統一化 (7) 設備資金借入金元金償還補助金を指導指針と同じ会計処理 に統一化 6 必要な財務諸表が漏れなく正しく作成されており、様式も新会計 基準で定められたものとなっていること。 7 財務諸表作成に際し、内部取引は相殺消去されていること。 (予 算も含む。 ) 8 財務諸表に必要な注記が漏れなく正しく行われていること。 (特 に関連当事者との取引内容は、関連当事者ごとに適切に注記され ていること。 ) 9 必要な附属明細書が漏れなく正しく作成されており、様式も新会 計基準で定められたものとなっていること。 10 財産目録は、法人全体の資産及び負債を詳細に表示するよう正し く作成されており、様式も新会計基準で定められたものとなって いること。 (4)その他 1 福祉サービスの質の評価を行 2 い、サービスの質の向上を図 るための措置を講じているこ と。 (第三者評価受審にも積極 的に取り組んでいること。 ) 福祉サービスの質の評価を行っていること。 計画的に第三者評価の受審に取り組んでいること。 6
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