2015.12.5 いじめ防止子どもサミットNAGANO 発表内容 長野県の小中学校10校が長野県総合教育センターに集まり、いじめ防止の取組を発表し、話し 合いをしました。本校の国際委員会4名のプレゼンもすばらしいものでした。三本小学校の国際交流 の取組が、身近ないじめ問題の解決にもつながっていることを発信することができました。 ガテラさん・真美さんから学んだこと ―いじめをなくすために― 長野市立三本柳小学校 国際委員会 私たち三本柳小学校国際委員会は,憎しみあい,たがいに命 をうばいあった内戦の後,再びいっしょに暮らして平和な国を つくろうとしている,ルワンダという国の人々との交流を通し て,身近ないじめの問題について考えたことを発表します。 私たちは, アフリカ大陸の真ん中にある国『ルワンダ共和国』 のガテラさん・真美さん夫妻と交流し,アルミ空き缶集めや募 金活動,文房具・くつ集めなどをして,お二人の活動を応援し ています。 お二人が住むルワンダは,20 年前,国の中で戦争になり,100 日間で 100 万人が殺されました。 生き残った人の中にも,地雷で手足を失ったり,手足を切り落とされたりした人がたくさんいます。 ガテラさんと真美さんは内戦が終わったルワンダで,手足を 失った人々に義手や義足を作り,無料で配る活動をしています。 三本柳小学校とガテラさん・真美さんとの交流は,長野オリ ンピックの一校一国運動で地雷の被害を調べたことから始まり ました。2004 年からほぼ毎年,お二人を招待して交流してきま した。そして,ルワンダでなぜ戦争がおきてしまったのか,勉 強してきました。 100 年ほど前,ルワンダがヨーロッパの国に支配されていたとき,ルワンダの人々は二つのグル ープに分けられました。一人ひとり,どちらのグループか身分カードで区別され,片方のグループ がもう一方のグループを差別し支配する政治を押しつけられました。学校では,差別と,たがいに 憎しみ合うことを教えられたそうです。 憎しみはやがて殺し合いに…内戦になりました。 昨年度,2015 年1月,三本柳小学校の 6 年生 4 人が,学校を 代表してルワンダに行きました。内戦が終わり,平和な国をつ くろうとしているルワンダで,二つのグループに分かれて憎し みあった人々が,いっしょに,仲良く暮らすために,どんな努 力をしているか,学ぶためです。 ルワンダに着いた 6 年生4人は,子どもや女性など 5,000 人が同じルワンダ人に殺された教会に 行きました。棚には,とても小さな赤ちゃんの頭の骨や,なたで切りつけられた跡が残る頭の骨が 並べてあったそうです。 祭だんには, 「あなたが私の気持ちを分かっていれば,こんなことは起こらなかっただろう。」と ありました。 「小さな子が殺された血の跡をみてショックでした。」と感想を述べると,案内してくれたルワ ンダの女性は「みなさんは,もっと強くなって,もう一度ルワンダに来て下さい。強くなったみな さんに会うことを楽しみにしています。 」と話したそうです。 私は,ガテラさんが三本柳小学校に来たときに話して下さったことを思い出しました。「この世 には,自分と違う人間しかいない。自分と違う相手を受け入れることが強さだ。」と。 今,私たちは,ガテラさん・真美さんとの交流を通して,全校のみんなと考えています。 私たちの周りにも,いやなことをされいじめられた人,そして,いやなことをしていじめてしま った人がいます。いじめられた人と,いじめをしてしまった人とが仲良くなって,二度といじめを 起こさないためにはどうしたらいいでしょうか。 今年の5月に秦健二さんと出会い,お話を聴くことができま した。秦さんは小学校5年の時から仲間はずれにされ,無視さ れ暴力を受けました。中学に行ってもいじめは終わらず,何度 も死のとしたそうです。秦さんは,二度といじめを起こさない ためにはどうしらいいか,話してくれました。 「いじめた人は,自分のしたことを認めて,何十回でも相手 に謝る。相手を守る。」 「いじめられた人は,いじめた相手に仕返ししない。なぜな ら,いじめられる苦しい悲しみを知っているから。」と。 ある時,ガテラさんのところに義足をもらいに来た人がいました。その人は内戦で同じルワンダ の人を殺した人でした。ガテラさんはどうしたでしょうか。 ガテラさん,真美さんは, 「その人が義足を必要としているな ら。」と,その人のために義足を作ってあげたそうです。 ガテラさんも真美さんも,ルワンダの誰もが,仲間を殺した・ 自分の手足を切り落とした相手に仕返ししようとはしていませ ん。 ルワンダの人たちは,勇気を持って自分の犯した罪を認め, 謝り,そして罪を犯した仲間を許そうとしています。 私たちの身近にもいじめがあります。いじめのために,心が傷ついている友だちもいるはずです。 いじめを繰り返さない,二度と起こさないために,私たちが何をしたらいいか。ガテラさん・真 美さん,そしてルワンダの人々の勇気を思い出して,行動したいと思います。 これで,三本柳小学校の発表を終わります。
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