ら No.76 1 月号 い 2012 年 1 月 1 日 発行 たつの市立図書館 龍 野 図 書 館 新 宮 図 書 館 揖保川図書館 御 津 図 書 館 TEL(0791)62-0469 TEL(0791)75-3332 TEL(0791)72-7666 TEL(079)322-1007 URL http://tatsulib.city.tatsuno.hyogo.jp/ 携帯専用サイトへは、 左のQRコードから (URL:http://tatsulib.city. tatsuno.hyogo.jp/m/) 図書館へ気軽にぶらりと来館していただきたいという思いで命名しました。 図書館を英語で「Library(ライブラリー)」といいます。 「読書している?」 新宮町 塩谷 初音 「先生、今日は絵本よんでくれるの?」 「今日はお話の時間あるの?」放課後に近づくと何 人もの子どもたちが聞きにきます。 「そうねえ、今日はみんなかしこかったから絵本読もうか な」と答えると「わぁーい、やったぁ」とみんな大喜びです。 今から5年前、 私は教員生活最後の年に1年生を担任しました。 1年生の時から何とかして、 読書好きな子どもを育てたいと考えていました。そこで、できるだけ時間のやりくりをして一 日の終わりに絵本の読み聞かせの時間を多く作りました。子どもたちを教室の後ろに集め、私 の周りに自由に座らせました。職員研修で図書館司書の方に教わったように、絵本の題や表紙 の絵からどんなお話なのかを想像させて読み聞かせを始めました。 子どもたちは山場の場面で は「わぁー!」とか「えー!」とか声をあげてお話の世界にどっぷりとつかっていきました。 子どもたちの目は輝き、声もはずんでいました。 「私の授業のときにこんなに一生懸命聞いて くれたらなぁ」と悔しい思いをしたことは何度もありました。子どもたちは絵本の世界にすっ かり入り込み、みんな夢中になっているようでした。あの時の一人一人の子どもたちのキラキ ラ輝く瞳、はずんだ声は今でもはっきりと私の心の中に残っています。 あれから5年が経とうとしています。3月には卒業する子どもたち。たくさん本を読んで優 しい心を持つ子どもに育ってほしいものです。 今、私は新宮図書館に通いながら絵本を見るたびに心の中でつぶやい ています。 「みんな読書している?」 ※『読書と私』は図書館の利用者に執筆していただいています。 - 1 - 本棚・71 『食べ物の声を聴け!』 魚柄 仁之助 著 岩波書店 食べ物には味がある。味 はその食べ物の声、こんな ものが含まれていますよと いうメッセージである。そ の声を聴きとり、引き出す ことにより美味しい料理が 作られてきた。 しかし日本は1970年 の大阪万博を機に崩食の道 をたどっていった。外食産業においては、安い土 地に工場を造り、そこで調理し、あとは店舗に並 べ、温め盛り付けるだけの経済的なメリットが高 いシステムであるアメリカ方式のセントラルキッ チンが普及した。そして家庭でも調理加工の外部 化が進み、手間ひまかけず、安くおいしく食べら れる、冷凍やレトルト食品が浸透していった。そ の結果、日本人の食は、化学的にうま味をつけた ミネラルを含まない粉末だしや、少量の大豆に凝 固剤を加えた安い豆腐など、栄養素を無視した食 品が多く誕生した。こうして「いいとこどり」を トピックス やってきたが、実は「便利さのいいとこどり」で あった。 肉の味が舌の味蕾から脳へ伝達されると脳は 「お肉→タンパク質」と受け入れ準備をするもの の、味はするが肉もタンパク質も入ってこない。 人工甘味料の甘味を感じた脳は「甘味→糖分」と、 受け入れを指示するも、やはり糖分は入って来な い。まるで「たたらを踏んでいる」ようなもの。 今日の食は、食べ物から発せられるシグナルと その奥にひそむ栄養素が一致しなくなっている。 栄養素へたどりつくためのシグナルである快楽 (美味しさ)のみを食べようとしているのが、今 日の文明国の人である。 何を食べるのか?食べている食品の品質はどう なのか?その食品は安全なのか…。 「食」をめぐる 疑問・問題提起は多くあるが、それら個々の問題 よりもどのように食べているか?つまり「食べか た」を問わねばならないのではないかと著者は訴 えている。 (揖保川図書館 石井) 1 月のイベントのご案内 渡り鳥を観察しよう! 野鳥について説明を聞き、せせらぎ公園から渡り鳥を観察します。 講師:圓尾 哲也 氏 (西播愛鳥会会長) 日時:1 月 21 日(土) 午前 10 時∼11 時 30 分 場所:アクアホール 3 階 研修室、せせらぎ公園 対象:小・中学生、高校生、一般(小学3年生以下は保護者同伴) 定員:20 名(先着順) 申込先:揖保川図書館 持ち物:筆記用具、あれば双眼鏡 揖保川図書館・御津図書館読書講演会 「絵本作りの現場から」 1 冊の絵本を作家が創作し、出版されるまでを、ベテラン編集者が語ります。 お子様とたのしむ絵本がいっそう身近なものになるでしょう。 講師:川崎 康男 氏 (福音館書店 月刊誌編集部長) 日時:1 月 27 日(金) 午後 1 時 30 分∼3 時 場所:御津やすらぎ福祉会館 2 階 研修室 対象:一般 定員:80 名(先着順) 申込先:揖保川図書館、御津図書館 ※託児有り(事前申込必要) - 2 - おすすめする子どもの本・71 『たんじょうび』 ハンス・フィッシャー ぶん・え おおつか ゆうぞう やく リゼッテおばあちゃんはたくさんの動物を 飼っています。今日はリゼッテおばあちゃん の76歳の誕生日です。リゼッテおばあちゃ んが買い物に出かけている間に、いぬのベロ の指示のもと、動物たちは誕生日の仕度をし ます。ねこのマウリとルリはケーキを焼き、 うさぎはろうそくを76本買いに行きます。 めんどりは卵を産み、そしてやぎは花を摘み ます。 夕方、リゼッテおばあちゃんが帰ってくる と、いつもは出迎えてくれるはずの動物たち が見当たりません。急いで家のドアを開ける と、そこには動物たちが用意した誕生日のご ちそうが出来ていました。そしてお芝居やあ ひる池での夜のお祝いが続きました。おばあ ちゃんは嬉しさのあまり泣きました。 パーティーが一通り終わると、マウリとル 『エミールと探偵たち』 リとベロはおばあちゃんを屋根裏へ連れて行 きました。そこにはとっておきのプレゼント が待っていたのです。 大好きなおばあちゃんのために、動物たち が力を合わせて準備した素晴らしいパーティ ーの様子が、黒いペンと優しいタッチで生き 生きと描かれており、嬉しさで満たされます。 読んであげるなら4歳から。続編はマウリと ルリの子どもが出てくる『こねこのぴっち』 です。 (新宮図書館 井口) エーリヒ・ケストナー 作 ドイツのノイ シュタットとい う小さな町に住 むエミールは、 幼い時に父親を なくして以来、 美容室を営む母 親を助け、二人 暮らしをしてい ます。 ある日、エミールは1人で、ベルリンに住 むマルタおばあさんの家へ行くことになりま した。母親は、120マルクはおばあさんに、 あとの20マルクは帰りの切符などを買うよ うにと、一生懸命貯めた140マルクをエミ ールに渡しました。 いよいよエミールは1人で列車に乗り出発 します。車中グルントアイス氏という山高帽 をかぶった紳士と2人きりになりました。上 福音館書店 岩波書店 着のポケットに入れた140マルクが心配で ならないエミールは、お札をピンで上着に留 めました。そのうちつい居眠りしてしまった エミールは、大切なお金を盗まれてしまいま す。エミールが、お金を取り返そうと山高帽 の男を必死で追いかける途中、警笛を持った グスタフという男の子と出会います。2人は、 グスタフが集めた少年たち20数人と一緒に 山高帽の男を追跡することにします。男が銀 行へ出向いた時、ついに少年たちは男をどろ ぼうだと追い詰めますが、その証拠を求めら れます。そこでエミールは決定的な証拠を突 きつけます。 個性ある少年たちが、大人顔負けの行動で 機転をきかせ力を合わせて犯人を追い詰めて いく様子に、どきどきしながら引き込まれて いきます。物語には随所にユーモアが溢れ、 登場人物それぞれの温かさも感じられます。 10歳くらいから。 (龍野図書館 河部) - 3 - 各館の行事予定 館 名 行 事 ●えほんのじかん ※詳細は各館へお問い合わせください。 1月の予定 対 象(上段) ・ 時 間(下段) 0∼3歳児、保護者 14日・21日 第2・第3土曜日(11時∼11時20分) 『ゆきのひのうさこちゃん』他 龍野図書館 子どもの本を読む会 一般 ℡(0791) 62−0469 12日 第2木曜日(10時∼11時30分) 読書会 一般 13日 第2金曜日(10時∼11時30分) ●えほんのじかん 新宮図書館 『ほこりまみれの兄弟』 ローズマリー・サトクリフ 著 2∼4歳児、保護者 総会 16日・23日 第3・第4月曜日(11時∼11時20分) 『ねぇ どっちがすき?』他 ℡(0791) 75−3332 ■おはなしのじかん 5歳児∼ 7日・14日・21日・28日 土曜日(11時∼11時30分) ●えほんのじかん 3∼5歳児、保護者 第2・第3土曜日(10時30分∼10時50分) 揖保川図書館 ■おはなしのじかん 小学生以上 ℡(0791) 72−7666 「赤ずきん」他 14日・21日 『わにがまちにやってきた』 他 14日・21日 第2・第3土曜日(11時∼11時30分) 『文福茶釜』他 読書会 一般 18日 第3水曜日(10時∼12時) ●えほんのじかん 0歳児∼、保護者 『阿修羅』 玄侑 宗久 著 8日・15日 御津図書館 第2・第3日曜日(11時∼11時20分) 『てぶくろ』他 ℡(079) 322−1007 読書会 一般 18日 第3水曜日(13時30分∼15時30分) 『永遠のとなり』 白石 一文 著 -4-
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