12月(PDF:852KB)

ら
No.87 12 月号
い
2012 年 12 月 1 日 発行
たつの市立図書館
龍 野 図 書 館
新 宮 図 書 館
揖保川図書館
御 津 図 書 館
TEL(0791)62-0469
TEL(0791)75-3332
TEL(0791)72-7666
TEL(079)322-1007
URL http://tatsulib.city.tatsuno.hyogo.jp/
図書館へ気軽にぶらりと来館していただきたいという思いで命名しました。
図書館を英語で「Library(ライブラリー)」といいます。
「本とお月様」
携帯専用サイトへは、
左のQRコードから
(URL:http://tatsulib.city.
tatsuno.hyogo.jp/m/)
御津町 辨﨑 正明
私がはじめて教科書以外の本と出合ったのは、小学校5、
6年生の頃だったと思います。終戦の翌年か、翌々年の頃で
した。もののない時代で、それこそその日ぐらしでした。
その頃、左の手首の骨にひびの入るけがをして、網干の接
骨医へ通院することになりました。室津からバスに乗って行
くのですが、田舎の少年から見ると網干は都会でした。晴れ
やかな気持ちになったのをおぼえています。
商店街のはずれに橋があって、そのたもとに小さな本屋さんがありました。階段を5、
6段降りて店へ入るのですが、ひなびた本屋さんです。
治療が終わってからその本屋さんに寄るのが楽しみで、本棚にギッシリと入った本をバ
スの時間を気にしながら熱心に見ていました。本を手にとってページをめくる勇気もなく、
ただ背表紙を見上げているだけでした。店の人には2日に1度の割合で店へきて、本を眺
めてだまって帰る変な子どもに見えたと思います。
今から考えても不思議なのですが、人一倍人見知りする私がどのような思いで5、6段
の階段を降りて店へ入ったのだろうか、本に引き寄せられたのだろうか。何度か通ってい
るうちに『月の世界』というタイトルの本が気になって、思い切って、それこそ思い切っ
て、買い求めました。本代をどのように工面したのか、もちろん親には内緒でしたので、
いくら考えても思い出せません。
しばらく月の本に夢中になりました。月には空気がない、ボールを投げれば地球上より
も6倍も遠くへ投げられる、ジャンプをすれば地球よりも6倍高く飛べるなど、田舎の少
年には目からウロコです。
以来、月に特別な感情を持つようになったのです。
1冊の本が私とお月様の距離をぐっと縮めてくれました。
※『読書と私』は図書館の利用者に執筆していただいています。
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本棚・80
『グリム童話集200歳 日本昔話との比較』 小澤 俊夫 著 小澤昔ばなし研究所
1812年のクリスマス、
26歳と25歳のグリム兄
弟が近所の娘さんたちから
聞き書きした86話をまと
め、『子どもと家庭のメル
ヒェン集』(グリム童話)
として出版してから、今年
で200年がたちます。
グリム兄弟は、父の早い死により、ベッド・
机・辞書も本も共用しながら苦学します。特別
許可で大学に入り、古代ゲルマン文学にめざめ
て昔話採集をし、後には当代きっての大学者に
なります。
グリム兄弟は、昔話を民衆が作り上げた健康
で力強いものと考え、忠実な聞き取りに努めま
した。現在の研究では、白雪姫・赤ずきん・ヘ
ンゼルとグレーテル・おおかみと七ひきのこや
ぎなどの話者は、生粋のドイツ人ではなく、フ
ランス系移民の子孫だとつきとめられています。
トピックス
口伝なので他地域への流動性が高いのです。ま
た、「おおかみと七ひきのこやぎ」は、ヨーロ
ッパ・アフリカ・中近東・インド・中国・韓
国・日本・南米にまでよく似た話があります。
(日本での類話は『天のかみさま金んつなくだ
さい』)つまり、この話のように複数のモティ
ーフで構成され、起承転結が同じような場合は、
多地域で同時に偶然生まれるのではなく、どこ
かに元となる原郷土があると述べられます。
さらに日本の昔話の特徴として、自然現象や
動物の行動を観察してそのまま昔話のモティー
フとして取り入れており、日本人の自然信仰が
うかがえるといいます。
昔話研究の第一人者である著者が、グリム童
話を初版から最終の 7 版まで丹念に読み比べ、
日本の昔話と対比してそれぞれの特徴を浮かび
上がらせ、最新の研究の成果も織り込んだ充実
の1冊。
(新宮図書館 大西)
「大人のための グリムのおはなし会」開催!
グリム童話の出版200年を記念して、大人も楽しめるグリム童話のおはなし会を開催します。
日 時
場 所
12月16日(日)午後2時~3時30分
※途中の出入りはできません
新宮図書館
話 者
対 象
定 員
図書館職員
一 般 (中学生以上)
20名 (要申込・先着順)
図書館では、テレビやインターネットが生活
の中にはいりこんでいる現代でも、人から人へ
直接的にストーリーを伝える語りの力を信じ、
子どものためにおはなし会(昔話などの素語
り)を行っています。
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プログラム(予定)
「がちょう番の娘」
「ラプンツェル」
「こびととくつや」
「黄金の鍵」
おすすめする子どもの本・81
『となかいはなぜサンタのそりをひく?』
ずっと昔、サンタ・クロースは、クリスマス
の贈り物を走って届けていました。ところが、
年々プレゼントを配りに行く所が増え、これ
以上増えると、もうクリスマスの朝までに配
りきれません。
「わたしがおくりものをくばれるのは、こ
のクリスマスでおしまいだろう」という、サ
ンタの言葉を聞いた妖精達は、空を飛ぶ素敵
なそりを作ってサンタにプレゼントしました。
そりを引いてくれる動物を募集するために
広告を出すと、色々な動物がやって来ました。
ところが、ぞうは重すぎて屋根に着陸したと
たんに屋根が壊れ、カンガルーは跳ね回り、
前に進みません。冬が来ても、まだそり引き
は決まっていませんでした。
クリスマスの前の日、となかいのダッシャ
ーが、谷に落ちた仲間を助けてほしいとやっ
て来ました。サンタが無事に助けだすと、と
『クリスマス・キャロル』
岩波書店
なかい達は、お礼に今夜そりを引かせてほし
いと申し出ました。
となかい達の引くそりは、速くて、ぐらり
とも揺れません。サンタはたくさんの贈り物
を一晩のうちに届けることができました。
サンタのそりをとなかいが引くようになる
までの顛末が、温かみのある絵でユーモラス
に描かれています。
読んであげるなら5歳くらいから。
(揖保川図書館 杉岡)
ディケンズ 作
スクルージは冷酷で欲の皮のつっぱった人
情のかけらもない男でした。クリスマスの前
の晩、共同経営者で唯一の友人であったマー
レイが幽霊となってスクルージの前に現れ、
「わしが今夜ここへ来たのはお前に警告を与
え、わしと同じ運命から逃れる希望と機会を
与えるためだ。」「これからおまえを、3人の
幽霊が訪れるだろう。」と言い姿を消します。
その後、現れた幽霊はさまざまな過去・現
在・未来を見せてくれました。
過去では、
楽しかっ
た幼い頃のクリスマ
スや、欲深くなった
ことで恋人から別れ
を告げられる悲しみ
を再び味わいます。
現在では、書記の
ボブの慎ましく温か
- 3
モー・プライス 作
脇 明子 訳
岩波書店
い家族のクリスマスを見ます。生活は厳しく、
足の悪いティム坊やのことをスクルージは知
ります。
未来では、スクルージは服やカーテンをは
ぎとられ、誰にも悲しまれず、無残な最期を
迎えた自分の草深い墓石を見、嘆き悲しみま
す。
自分の将来をみたスクルージは運命を変え
ようとし、善の道への熱意に燃えます。ボブ
に七面鳥を贈り、給料を上げてやり、ティム
坊やの第2の父になって援助し、救貧院に寄
付をしたりと、人間としてこれ以上の人はい
ないといえるほどの人物になります。
19世紀イギリスの、クリスマスを喜ぶ人
々の日常が描かれ、かたくなな生き方を変え
ようとしなかったスクルージの心変わりが、
クリスマスの奇跡とも感じられます。
小学校高学年以上。 (新宮図書館 上田)
-
各館の行事予定
館 名
行 事
●えほんのじかん ※詳細は各館へお問い合わせください。
12月の予定
対 象(上段) ・ 時 間(下段)
0~3歳児、保護者
8日・15日
第2・第3土曜日(11時~11時20分) 『かばくん』他
●子どもの本を読む会 一般
龍野図書館
第2木曜日(10時~11時30分)
℡(0791)
62-0469 読書会
一般
13日
『ある子どもの詩の庭で』
ロバート・ルイス・スティーブンソン著
14日
第2金曜日(10時~11時30分)
『五千回の生死』 宮本 輝 著
司書体験講座
【対象】小学生から一般まで
(3回目)
【日時】2日(日)13時30分~15時 【場所】龍野図書館研修室(2階)
●えほんのじかん 新宮図書館
2~4歳児、保護者
10日・24日
第2・第4月曜日(11時~11時20分) 『クリスマスって なあに』他 ℡(0791)
75-3332 ■おはなしのじかん 5歳児~
1日・8日・15日・22日
土曜日(11時~11時30分)
『クリスマスまであと九日』他
新年を寿ぐちりめん細工 - 井口勝夫作品展 ―
「干支の置物」や「つり飾り」など、100点近いちりめん細工を展示します。丹念に作られた優しさあふ
れる手仕事の技をお楽しみください。
【展示期間】12月20日(木)~1月30日(水) 【実演】 1月13日(日)14時~14時30分 【場所】新宮図書
館
●えほんのじかん 3~5歳児、保護者
第2・第3土曜日(10時30分~10時50分)
揖保川図書館
■おはなしのじかん 小学生以上
℡(0791)
72-7666
8日・15日
『ぐりとぐらのおきゃくさま』 他
8日・15日
第2・第3土曜日(11時~11時30分) 「ふるやのもり」他
読書会
一般
19日
第3水曜日(10時~12時)
●えほんのじかん 御津図書館
℡(079)
322-1007 読書会
0歳児~、保護者
『ホタル帰る』 赤羽 礼子 著
9日・16日
第2・第3日曜日(11時~11時20分) 『ゆうびんやのくまさん』 他
一般
4日
第1火曜日(13時30分~15時30分) 『もしもし下北沢』 よしもと ばなな 著
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