東海ローカルネットワーク

2015年9月10日
東海自治体問題研究所所報
増刊98号( 11 )
★東海ローカルネットワーク
【愛 知】
○食品ごみから電気と肥料
大府に発電施設完成
食品ごみを発酵させて発電し、残りかすは肥料にし
て地域で活用――。そんな発電施設が、循環社会の
産業都市を目指す大府市にできた。コンビニや食品
工場などから回収した生ごみを処理し、1日に最大15
00世帯分の電力が発電できる。こうした施設は東海
3県では初めてという。「横根バイオガス発電施設」
(同市横根町)は、家庭ごみ回収などを請け負う廃
棄物処理会社オオブユニティ(相木徹社長)が市と
協力し、国の補助を受けて約25億円で完成させた。1
0月からの稼働を目指す。(2015年8月28日朝日新聞
愛知版)
○精神不調での退職・休業者発生6割強に
/愛知県内事業所
100人以上が働く県内の全事業所を対象にした愛知労
働局の調査で、2012~14年の3年間に精神的な不調を
理由に退職または1年以上休業した人がいた事業所が
61.8%に上ることが分かった。調査は、12月から従
業員50人以上の事業所に義務付けられるストレスチェッ
ク制度の周知も兼ね、愛知労働局が初めて独自に実
施。対象となる3,993カ所のうち、75.8%の3,025カ
所が回答した。精神的な不調による退職者や1年以上
の休業者は計13,192人で、回答した事業所の全労働
者に占める割合は1.4%だった。事業所の82.2%が何
らかのメンタルヘルス対策に取り組んでいると答え
た。具体的な内容は、相談窓口の設置(65.4%)、
就業上の配慮(63.2%)、復帰支援(52.3%)の順
だった。(2015年8月15日中日新聞愛知版)
○「ねこ籍」作り50匹管理
/名古屋大学ねこサークル
キャットフードが入った皿を地面に置くと、ものか
げから猫が一匹。のそっと歩み寄って鼻を近づけた
り、離れたり。「この子はあんまり食べないんです
よ」。サークル代表の名古屋大法学部3年玉田勇人さ
ん(21)が、頭をそっとなでた。大学構内に50匹ほ
どいる野良猫に名前を付け、「ねこ籍」で管理。五
十人ほどのメンバーで分担して餌をやるだけでなく、
会費や寄付でほとんどの猫に不妊手術を受けさせた。
2012年の発足以来、募集サイトなどを使って17匹を
新しい飼い主のもとへ送り出した。野良猫を一代限
りで世話する「地域猫活動」。人に捨てられた猫が
子を産み、増えていく“負の連鎖”を断つ。そんな
思いが根底にある。▽【メモ】野良猫の増加に伴っ
て2012年に教職員が始めた取り組みを、学生たちが
引き継いだ。「ねこ籍」の管理方法など他大学と情
報交換を続け、昨年12月には大阪で大学内の野良猫
について考えるシンポジウムが開かれた。(2015年8
月10日中日新聞愛知版)
○県人事課が8割超を仲介
今春退職した職員の「天下り」
県庁を今春退職して民間企業などに再就職した職員
(課長級以上)の8割超が県によるあっせんだったこ
とが分かった。「天下り」ともいわれる公務員の民
間企業などへの再就職は、予算や許認可権を背景に
した押しつけや、官民の癒着につながるとして、国
の省庁ではあっせんが禁じられているが、県人事課
の新村和昭課長は「行政経験を活用したいという要
請を受けて適任者を紹介しており、問題ない」とし
ている。▽4日公表の再就職状況によると、2014年度
末に課長級以上で退職した212人の86%に当たる184
が再就職した。内訳は県庁(再任用や副知事就任)
が73人と最多。それ以外は民間企業23人、「県関係
団体」(19団体)と位置づける外郭団体19人、県出
資の第三セクターや公益法人、学校法人、社会福祉
法人など「その他」69人となっている。(2015年8月
8日中日新聞愛知版)
○住民投票求め署名提出/小牧市
小牧市が計画する新図書館の建設計画を巡り、小牧
市のグループ「小牧の図書館を考える会」を中心と
した市民らが6日、計画を白紙に戻すことの賛否を問
う住民投票を行う条例の制定を求めて、6,001人分の
署名を市選挙管理委員会に提出した。市の素案や実
施計画によると、市立図書館を名鉄小牧駅前の市有
地に移転し、カフェも併設した地上3階、地下1階
の図書館を新築する計画で、総事業費は38億5700万
円。レンタル大手「TSUTAYA(ツタヤ)」を
展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブなど
とアドバイザリー契約を結び、2018年度までの完成
を目指している。市民グループの渡辺育代共同代表
(64)は「奇抜なハコモノで人寄せをするのは本来
の図書館ではなく税金の無駄遣い」と主張した。(2
015年08月07日読売新聞愛知版)
【岐 阜】
○坑道埋め返還要求
超深地層研跡利用で瑞浪市長
高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する研究をし
ている岐阜県瑞浪市の日本原子力研究開発機構瑞浪
超深地層研究所の研究終了後を話し合う跡利用検討
委員会は21日開かれ、水野光二市長は坑道を埋め戻
した上で市に土地を返還するよう提案した。これま
では跡利用の案を公募する方針だったが、水野市長
は「検討を取りやめていただきたい」と公募を行わ
ないよう求めた。▽原発から出る核のごみ(高レベ
2015年9月10日
東海自治体問題研究所所報
ル放射性廃棄物)は、国が主導し処分地を選定する
方針。水野市長は「市は最終処分場を受け入れない
と明言しているが、坑道がある限り市民を不安にさ
せる。さまざまなことを考慮し埋め戻しが最良だと
判断した」と話した。(2015年08月22日岐阜新聞)
○岐大の教員ら
安保関連法案に反対声明
岐阜大(岐阜市)と岐阜経済大(大垣市)の教員
らの有志が安全保障関連法案に反対する声明を出し、
県庁で5日、記者会見をした。すでに100人以上の賛
同者が集まったという。▽岐阜大の椎名貴彦准教授
は安保関連法案反対のデモをしている学生団体「S
EALDs(シールズ)」に刺激を受けたといい、
「親としても、教員としても、法案に反対する責任
がある」と話した。(2015年8月6日朝日新聞岐阜版)
【三 重】
○林業女子会が発足1年
「木を生活に」消費者へPR
森林や林業に関心のある県内の女性でつくる市民団
体「林業女子会@みえ」が発足して一年余りがたっ
た。「仕事や子育てをしながら、女性のリズムで無
理せずできること」をモットーに、最初は19人だっ
た会員は27人に増え、活動を広げつつある。毎月第
二火曜日の昼、津市の三重大に会員10人ほどが集う。
年齢は10~40代で工務店や製材所職員などの林業関
係者から、学生、主婦、教諭など職業も幅広い。山
での伐採や松阪市の国産材コンビナート「ウッドピ
ア松阪」を取材してブログで発信したり、獣害被害
を受けた山を見学する勉強会を開いたりしている。
(2015年8月29日中日新聞三重版)
○報道写真展の後援撤回
県など「特定主張の浸透目的」
津市の市民団体が主催した「フォトジャーナリズム
展三重2015」の内容に問題があるとして、県と県教
委、津市、津市教委は開催中に後援を取り消した。
団体は20日、取り消しの撤回と説明を求める趣旨の
抗議文を提出した。同展は市民団体「フォトジャー
ナリズム展三重」が5日から9日までの5日間、津市の
津リージョンプラザで開催。国際フォトジャーナリ
ズム大賞の入賞作品のほか、戦後七十年の沖縄の歴
史や辺野古での基地建設に抗議する住民の写真など
を紹介した。▽団体の真弓千重子事務局長らが県と
県教委、津市と津市教委を訪問。担当者に抗議文を
渡した。県などの担当者らはいずれも「今後の対応
は検討中」としている。(2015年8月21日中日新聞三
重版)
○防空壕残る裏山
「子供守る」地域の戦い/熊野市
増刊98号( 12 )
熊野市飛鳥町にある民家の裏山に、太平洋戦争中、
地域住民らが掘った防空壕の跡が、今もひっそりと
残っている。戦況が悪化の一途をたどっていた1944
年後半、米軍の空襲から地域の児童らを守ろうと掘
り始めたという。この民家に住む岩本万寿生さん(8
1)は、「戦地に赴いた人だけでなく、地域に残った
人たちにも生きるための必死の戦いがあった。この
壕がある限り、私の戦後は終わらない」と話してい
る。(2015年08月25日読売新聞三重版)
○移住希望者ツアー
田舎暮らしの魅力体験/大紀町
都市部からの移住希望者向け企画「田舎暮らし体験
ツアー」が8日、大紀町内各地で始まり、大阪府や愛
知県から訪れた四組九人の参加者が、公共施設を見
学して海と山の自然風景に親しんだ。(2015年8月9
日中日新聞三重版)
○農林水産業の体験会
来月から都市部住民向けに/紀北町
紀北町は、一次産業従事者の高齢化や後継者不足と
いった問題の解決に向け、9月から町内各地で、農林
水産業に興味がある都市部の人向けの就業体験会を
始める。農業は、トマトやカボチャの栽培を体験。
県外から紀北町にIターンやUターンした農家から、
生活の状況や就農する際に受けられる補助金の説明
を聞く。林業はヒノキの伐採を、水産業は海藻のヒ
ロメの収穫や定置網漁の見学を予定している。日程
は農業が9月20~23日、林業が19~21日、水産業が来
年2月12~14日。▽町の担当者は「就職活動中の大学
生や一次産業への転職を考えている人に挑戦してほ
しい」と話している。(2015年8月3日中日新聞三重
版)
○「武力によらず解決を」/三重大で集会
参議院で審議が続く安全保障関連法案に反対するた
め、三重大教員有志らが7日、反対集会を開いた。三
重大人文学部の講義室には大学生ら約50人が集まっ
た。 「憲法と戦争」と題して講演した人文学部法
律経済学科の前田定孝准教授は「安倍内閣により、
国民は立憲主義に目覚めたと言える。(2015年8月8
日朝日新聞三重版)
○市議12人、態度保留
名張市の都市振興税
名張市が、固定資産税の標準税率(1.4%)に0.3%
上乗せする形で来年度の導入を目指している独自課
税「都市振興税」について、7月の段階での20人の市
議の意向がわかった。賛成、反対の意思表明をした
のは、それぞれ4人。過半数の12人が態度を保留し、
うち7人が市議会の独自課税調査特別委員会の「調査
結果を…」(2015年8月4日朝日新聞三重版)