員もそれぞれの免許を取得し、今の職に就いていらっしゃるのでしょうから、免許で満足せずに学力的にも技術的にも向上してください」というご意見を通して、私たちこども病院職員が日々研鑽を怠らず、思いやりをもって患者さんやそのご家族の皆様に接することができるよう一歩一歩努力をしてまいります。アンケート調査に対し、ご協力をいただきました皆様に感謝いたします。サービス向上委員長（サービス担当副院長）副院長兼看護部長金子啓子満足やや満足普通やや不満不満満足やや満足普通やや不満不満平成20年メ平成20年ニュー平成19年平成19年 0 20 40 −外来− 満足 60 80 100% 駐車場は利用しやすいですかやや満足普通やや不満味平成20年・盛付平成19年不満 0 平成20年 −入院− 20 40 60 80 100% 食事のメニュー、味・盛付はいかがですか平成19年 0 20 −入院− 40 病棟保育 60 80 100% 職員の対応はいかがですか地域医療機関からの外来放射線検査を受けています放射線科では、昨年５月からＸ線ＣＴ（コンピュータ断層撮影）とＭＲＩ（磁気共鳴画像診断装置）の地域医療機関から協力を得て検査外来の取り組みを始め、小さなお子さんに限らず幅広い年齢層の検査を受けています。検査は、依頼する医療機関が電話予約で受診日を決めます。患者さんは予約当日に紹介状・保険証等を持参していただき、初診の際は「患者・地域支援室」で受付をした後、放射線科医師から検査についての説明を受けて検査に臨みます。検査終了後、患者さんに当日のフイルムをお渡しします。検査結果（読影報告書）は１週間以内に紹介医療機関に郵送します。検査予約枠としてＸ線ＣＴ検査は火曜日・金曜日の９時から１０時。ＭＲＩ検査は毎週金曜日の午前８時３０分から９時３０分を設けています。【検査実績】平成 20 年 5 月 9 日から平成 21 年 1 月 30 日まで実施件数 23 件内訳ＭＲＩ 13 件（単純 13 件）ＣＴ 10 件（単純９件、単純＋造影１件）撮影部位ＭＲＩ頭部脊椎腹部骨盤腔下肢男女別年齢２件ＣＴ頭部１件５件胸部２件１件腹部１件１件脊椎５件４件上肢１件男性 12 人女性 11 人 5 歳～ 15 歳９人 16 歳～ 30 歳２人 31 歳～ 60 歳６人 61 歳～６人写真：ビデオを見ながら CT 検査長野県立こども病院だより NO. 13 2009 年 2 月 10 日 3 【小児の病気】－男児の陰茎のトラブル泌尿器科部長西澤秀治の子の陰茎（ペニス）の病気について心配される保護者はたくさんいます。しかし、積極的な治療が必要な場合は少なく、年齢とともに改善していく状態がほとんどです。相談の多い事柄について解説します。男と亀頭の間に細菌感染が生じた亀頭包皮炎です。抗生剤の内服治療で短期間に治癒します。包皮炎を繰り返した結果、包皮先端が狭く包茎になった場合には手術が必要です。以下は頻度の低い病態です。埋没陰茎包茎、包皮の癒着男の赤ちゃんの陰茎のほとんどは包茎です。これは先端の開口（包皮輪）が狭く、先端部の皮膚（包皮）の内側と亀頭の皮膚とはまだ完全に分離せずに癒着している状態です。年齢とともに包皮の先端が広がり、包皮の内側と亀頭の皮膚が成熟し、癒着が自然にはがれてゆきます。包皮が翻転できない包茎の割合は 3 ヶ月男児では 9 割、 3 歳で 3 － 4 割、中学生で 1 割といわれています。陰茎が成長したり勃起したりすることで包皮が引っ張られ、包皮の先端が広がり癒着はさらにはがれます。特に思春期以降はほとんどの男児で包皮がむけるようになります。治療の適応となる包茎症例はまれです。包皮先端が極端に狭く尿が出にくい、尿路感染の予防が必要、亀頭包皮炎を繰り返す、尿の飛ぶ方向が悪く汚して困る、などの限られた場合に手術を行います。陰茎の知覚は敏感ですので無理に包皮をむいたり、癒着をはがしたりするとしばらくの間かなり痛がり、排尿できなくなることすらあります。幼児期に陰茎に痛い操作を行うと心理的に悪影響を及ぼしますので、安易な処置は避けたほうが良いでしょう。包皮の癒着を無理にはがしても、容易に再接着してしまいます。先端が狭い包皮を無理にむいて、元に戻らなくなった状態を嵌頓包茎と呼びます。早期の整復処置が必要になります。恥垢（ちこう）幼児で陰茎の先端近くの皮膚の内部に白い塊がみられることがあります。脂肪腫などと混同されますが、これは恥垢といって皮膚の表皮がはがれて集まったものです。恥垢は清潔で包皮と亀頭の癒着を徐々にはがしてゆく役割があるので、無理に取り除く必要はありません。包皮炎、亀頭包皮炎陰茎先端の包皮が発赤し痛みを伴う包皮炎はよく遭遇する病態です。軽い包皮炎は細菌感染ではなく尿による接触性皮膚炎です。アズレン軟膏や弱いステロイド軟膏で軽快します。年齢とともに頻度は減少します。包皮が発赤腫脹し排膿を伴うものは、包皮 4 長野県立こども病院だより包茎に加えて形態異常により外側の包皮が短く、陰茎全体が周囲皮膚に埋まった形となります。恥骨上の皮下脂肪も過剰で陰茎が埋没しています。陰茎の皮下組織の形成異常も原因と考えられています。程度の強いものには状況に応じた外科治療が必要です。包皮が通常より短いことが多く、特別な形成手術を要します。マイクロペニス（矮小陰茎）正常な形態でありながら、長さが年齢の平均値より一定割合以上短いもの（-2SD 以下）をマイクロペニスと定義しています。内分泌の異常による男性ホルモン作用の低下が原因と考えられています。また全身的な症候群の一症状として見られることもあります。治療には男性ホルモン（テストステロン）の投与を行います。治療を要するマイクロペニスはまれです。一見小さく見える陰茎も、引っ張って計測すると正常範囲のことがほとんどです。尿道下裂尿道口が正常位置の亀頭先端ではなく、より膀胱に近い位置に後退して開口する異常です。亀頭が露出しており、様々な程度の陰茎の屈曲を伴っています。高度なものは立位で排尿できずまっすぐ勃起しません。通常は新生児期にみつかり専門医に紹介されます。乳幼児期に修正手術を行います。傍外尿道口嚢腫亀頭の尿道口のすぐ脇にできる小さな袋状の腫瘤です。多くは無症状で、包皮をむいたときに偶然見つかります。大きいものや感染して痛みなどの症状があるものに切開や摘除を行います。 NO. 13 2009 年 2 月 10 日