【「院長からの一言」に対する解説】 パート 1 日本人は、殆どの女性(98%)が、避妊法として経口避妊薬(OC)を使用していません。 OC による避妊を理想的な状態で行った際、PI(パールインデックス:100 人の女性が 1 年間に妊 娠する確率)は、0.1 と云われています。 しかしながら、現在の日本人の避妊法は、コンドー ム法が 80%でその殆どを占めています。 ちなみに、一般的な使用法で避妊したとすれば、コンドーム法の PI は、14 です。なお、オギ ノ式や基礎体温法を避妊法と呼ぶ事も有りますが、婦人科的には、全く避妊法としては意味が 無い為、最近は、避妊法から除外される傾向にあります。 話は変わりますが、日本では現在年間 25 万件以上の人工妊娠中絶が、行われています。しか し、この数字は、各都道府県に法に従って届出がなされた中絶件数の合計が、25 万件有るだけ であり、届け出以外にも相当数の中絶が行われているものと考えます。日本では、年間の出生 数が 100 万人という点から見ても、かなり多い数であると感じます。 以上の点より医学的に考えますと、OC 以外に避妊法では、かなりの高い確率で妊娠する危険 性があると言えるのです。 20 歳を過ぎた女性が、OC 以外の避妊法で普通に男女の交際をし ていたら、殆どの女性は、妊娠していても不思議では無いのです。 また、普通に避妊をせず夫婦生活をしていた場合、1 年以内に妊娠する確率は、85%、2 年間 で殆どの夫婦は、妊娠する事となります。日本人女性の平均結婚年齢は 28 歳であり、2 年以上 夫婦の営み(若しくは、それに近い状態)が続き一度も妊娠の経験の無い女性や、相手の女性 を妊娠させたことのない男性も不妊である確率が高いと言えるのです。実際に自分は、 「子供が 出来ない」と気付いて、婦人科に通院しているカップルは、本来、不妊の検査・治療を受ける べきカップル全体の 7%に過ぎないとも言われています。 つまり、 (例え結婚をしていなくて も)OC による避妊法を利用せず、30 歳になって妊娠した事の無い女性や、相手の女性を妊娠 させた事の無い男性は、不妊症である危険性が高いと考えても問題はないと思います。故に早 目に自分が不妊症である事に気付き、早期の不妊症の検査を受けて頂きたいと思います。女性 が、35 歳を過ぎますと流産率が高くなり、やっと妊娠しても生児が得られる確率が低くなりま す。 是非とも、年齢の若いうちに妊娠することをお勧めします。
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