AMAYA Partners Tax Accountants Co. 会社の「元氣」のために アマヤ・パートナーズの「AP 通信」 7 2013 少額投資非課税制度 アマヤ・パートナーズ税理士法人 担当 花野井 平成 25 年度の税制改正を経て、平成 26 年 1 月から少額投資非課税制度(NISA)がスタートし ます。その一方で、軽減税率 10%で課税されている上場株式等の配当金や売買益等は、本来の税率 20%で課税されることになります。 証券会社、銀行では平成 25 年 10 月より口座開設手続きが開始される予定ですが、まず、NISA の内容、メリット・デメリットを知った上で、口座を開設されることをお勧めいたします。 1. NISA 制度 (1) 制度の内容 ① NISA とは 証券会社や銀行などの金融機関で少額投資非課税口座(NISA 口座)を開設し、上場 株式、株式投資信託、上場投資信託等を購入すると、その上場株式等の配当金や売 買益等が非課税になる制度です。年間に購入できる金額は 100 万円まで、非課税期 間は5年間で、総額 500 万円が非課税投資限度額になります。また、5年経過後、 その翌年の非課税枠 100 万円を使用し、さらに 5 年間、通算で最大 10 年間、非課 税の適用を受けることができます。 ② NISA の投資イメージ AP 通信のバックナンバーは、弊社ホームページでご覧になれます。http://www.amaya.co.jp © AMAYA Partners Tax Accountants Co. / お問合せ 03-3452-8107 AMAYA Partners Tax Accountants Co. 会社の「元氣」のために アマヤ・パートナーズの「AP 通信」 7 2013 (2) NISA 口座の開設 日本国内にお住まいの 20 歳以上の方が、NISA 口座を一人 1 口座のみ開設することが できます。開設にあたり、①非課税適用確認申請書、②非課税口座開設届、③住民票の写し (平成 25 年 1 月 1 日現在の住所が記載されたもの)を金融機関に提出します。 2. NISA のデメリット (1) NISA は上場株式等の配当金や売買益等が非課税になる制度で、非課税が最大のメリッ トであります。しかし、NISA には以下のようなデメリットもあります。 ① NISA 口座で生じた配当金・売買損益は、特定口座や一般口座(特定口座等)で生 じた上場株式等の配当金や売買損益と通算はできません。 ② NISA 口座で生じた売買損は、3 年間の損失の繰り越し控除の適用がありません。 ③ 特定口座等で保有する上場株式等を NISA 口座に移管することができませんので、 新たに NISA 口座で上場株式等を購入する必要があります。 ④ 一年間に購入した金額が 100 万円に満たない場合、未使用非課税枠を翌年に繰り 越すことができません。 ⑤ NISA 口座の上場株式等を売却した場合など、売却した分の非課税枠は使えなくな ります。 ⑥ NISA 口座を開設すると最初の 4 年間は、他の金融機関に NISA 口座を変更、開設 することはできません。 (2) 以上のようなデメリットから一般的に NISA については、以下のような特徴・特性があ ると言われております。 ① NISA 口座で生じた売却損は、特定口座等で生じた上場株式等の配当金・売却益と 通算できないことから、売却損が出る可能性が高いハイリスク・ハイリターンの商 品には向いていない。 ② 売却した分の非課税枠は使えなくなることから、短期間に売買を繰り返す投資家に は向いていない。 ③ 特別分配金(元本払い戻し)が生じやすく、非課税枠が減少することとなる毎月分 配型の投資信託には向いていない。 国税庁の税制改正資料や、金融機関のホームページなどでは、 「非課税」の文字が先行し、特定口 座等との損益通算ができないことや、損失の繰り越し控除の適用がないことなどのデメリットは、 あまり周知されていなかったように思います。 現状の NISA は 10 年間の期間限定であり、デメリットから使い勝手が悪いなど酷評もあります が、財産形成のために非課税制度は歓迎すべきものであります。NISA 口座の開設をお考えの投資家 におかれましては、デメリットをご理解の上、NISA をご活用いただくことをお勧めします。 (日本証券業協会「NISA(少額投資非課税制度)に関する Q&A」参考) AP 通信のバックナンバーは、弊社ホームページでご覧になれます。http://www.amaya.co.jp © AMAYA Partners Tax Accountants Co. / お問合せ 03-3452-8107
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